ガタノゾーア


平成『ウルトラ』シリーズの第1作『ウルトラマンティガ』第51・52話に登場した怪獣。別名は「邪神」。
同作のラスボス的存在で、全長200m・体重20万tという巨体を誇る。
が、ウルトラ怪獣と考えると凄まじく軽かったりする(ティガはガタノゾーアより細身の53mで4万4千tもある)。
意外に思われるかもしれないが、『ウルトラ』シリーズでラスボスとして最初に地球を破滅寸前まで追いやった存在でもある。*1

無数の触手や巨大なハサミ、口から吐き出す霧状の闇「シャドウミスト」と電撃、そしてティガすら石化させる石化光線が武器。
また、ガタノゾーアの出す闇(シャドウミスト)は恐るべき汎用性の高さを誇り、物理的力(隔壁など)では止められない他、
GUTSの複数の小型光線銃はおろかその強化型の銃で撃ち続けても全く止まらず、人間を触れただけで即死させる。
しかも、ティガにもダメージを与えるばかりか、機械すら停止させてしまうという恐るべき性能を誇る。そりゃ地球も破滅寸前になるわ。

闇の邪神故か後述の通り周到な計画を実行しており、見た目からは想像もできないが知能レベルは人間や宇宙人にも劣らないほど高い。
さらに前述の触手はティガがパワータイプにチェンジし、全力でやって一本引きちぎる事がやっとなほど強固。
劇中ではずっと下半身は海に浸かっていたため確認できないが、立派な二本の足がある事がソフビ人形等で確認できる。

名前の由来はクトゥルフ神話に登場する旧支配者・ガタノトア
被害者がその姿をチラリとでも眼に入れると、一瞬にして全身が石化、
ただし脳と主要臓器だけは半永久的に石の中で保存され、意識も保たれるという最悪クラスの特殊能力を持つ。
上記のガタノトアの特性は部分的に再現されているが、色々な海産物が悪趣味に合体したような外見や、
ルルイエを本拠地にしているという設定の一部は、クトゥルフそのものがモチーフとなっている。
MUGENでのお仲間は主にこれとかこれとかこれだろうか。
原典のガタノトアをより知りたい方は、ヘイゼル・ヒールドの短編『永劫より』に触れる事を推奨。
ちなみにクトゥルフ神話の旧支配者には他にも、C・A・スミスの創造した「フジウルクォイグムンズハー」という、
天地逆転した頭部を持つものがいたりするが、これもガタノゾーアのモチーフになっているかは不明。

なんで『ティガ』のラスボスがクトゥルフなのかというと、シリーズ構成を担当した脚本家である小中千昭氏が、
どんな作品であろうとクトゥルフ神話にしてしまうほどの重度のクトゥルフマニアだから。
他にも次々作である『ウルトラマンガイア*2や『THE ビッグオー』、『デジモン』シリーズまでクトゥルフ神話を取り入れている

+ 原作ネタバレ
3000万年前に栄えていた超古代文明を滅ぼした張本人であり、古代人ユザレ曰く「大いなる闇」。
浮上した超古代都市ルルイエ(クトゥルフ神話においてクトゥルフの眠る地であり、ニュージーランド沖に沈んでいるとされている)から、
配下である「超古代尖兵怪獣ゾイガー」を送り込んで世界各地の都市を破壊させた。

+ ゾイガーについて

ちなみにこのゾイガー、やたらと強いが「尖兵」と前述した通り複数いる怪獣である。
参考までに戦闘能力を記すと海底から出現し、オーストラリアに上陸後ほぼ数分でオーストラリアを完全壊滅させた他、
防衛チームGUTSの戦闘機ではロックオンができず、超高速移動装置マキシマオーバードライブを以てしても、
何とか見失わないのがやっとなほど速い。*3
翼がもがれても残った翼を自分で引きちぎり、格闘戦でティガを圧倒するなど恐ろしく強い。
何というかどこぞの最強の尖兵を連想させる怪獣である。
え?最終話でGUTSの普通の戦闘機に割とあっさり落とされてた?気にするな!
まあ、相手がGUTSの隊長と巨大化した宇宙人を単独で撃破出来るほどの月面基地の凄腕隊長の二人だったのもあるので仕方ない

ゴルザメルバ、ガルラとは体の何処かにガタノゾーアのように穴の空いた意匠が見られる共通点があるが、
これは彼らがゾイガーと同じくガタノゾーアの配下のためである。

後日談の映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』では小型種の超古代怨霊翼獣シビトゾイガーが登場。
このシビトゾイガーは一匹一匹は大した事は無いのだが、ほぼ無限に現れる上に、体当たりではビルすら貫通する力を持つ。
また、特殊能力として人間を捕食し、姿と記憶をコピーする事ができる。
この能力を披露したシーンおよび死亡した後に腹に捕食した人の顔が映る描写は子供達に強烈なトラウマを植え付けた

まず、前述の通りゾイガーを世界各地に送り込み、各国主要都市を壊滅させ、次に超古代都市ルルイエを浮上させると同時に、
世界を闇に包み、あろう事かGUTS基地に闇を送り込み基地の機能を完全に停止させてしまった。
ガタノゾーアに立ち向かうウルトラマンティガだったが、その頑丈な身体はティガのあらゆる攻撃も受け付けず、
巨大なハサミと触手に捕らえられたティガは口からの石化光線を受けて力尽きて石像となり、海底に沈んでしまった。
世界はガタノゾーアによって闇で覆い尽くされてしまい
GUTSによる光・遺伝子コンバーターを使ったティガ復活作戦も失敗。世界中の誰もが絶望した。

しかし、最後まで希望を捨てなかった世界中の子供達が“光”に変化し、融合した事でティガは復活。
黄金に輝くグリッターティガとなってガタノゾーアを圧倒。
タイマーフラッシュスペシャルを受けたガタノゾーアは消滅し、
それと共に世界中の空を覆いつくしていた闇も消え去ったのだった。
※参考・この話を基にしたゲームの動画

51話と52話で大きさが異なる2種類の着ぐるみが存在している。
52話のものはアクション用に作られており(ソフビ人形はこちらの姿を基準に造形されている)、
51話のものに比べて大分小さいが、これは復活したティガ=グリッターティガが身長120mという設定なので、
縮んだという訳ではない。

また、この戦いの2年後を描いた映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』では、
ガタノゾーアの怨念が闇の巨人・カミーラと融合して誕生した「暗黒魔超獣デモンゾーア」(全長888メートル・体重88万トン)が登場する。
こちらはガタノゾーアをも容易に上回る凄まじい大きさと強力な闇を持ち、ガタノゾーアと同じくティガを倒す。
だがその直後、滅び去った超古代の戦士達が残った最後の光を全てティガに与え、その結果、ティガはグリッター化して復活。
そしてグリッターティガに体内に侵入されたデモンゾーアは、体内で最強技ゼラデスビームを放たれ、
ガタノゾーアの怨念共々完全に消滅した。

+ その他の作品での登場
映像作品以外では、脚本の小中千昭氏の短編小説『深淵を歩くもの』においても姿を見せている
(同小説は雑誌掲載後、2001年に刊行された氏の短編集の表題作として収録されている)。
作中で名前は直接呼ばれていないものの、「その醜い目は口蓋の下に位置している」という文章があるため、
ほぼ間違いなく『ティガ』本編に登場したガタノゾーアを指してると考えていいだろう。
短編集の裏表紙の解説でも、「『ウルトラマンティガ』のアナザー・ストーリー」と明記されているし。
なお、同短編集には、現実の脚本家としての小中千昭氏がキリエル人と遭遇する様をノンフィクションの出来事も交えながら描いた、
『キリエル人』のエピソードも収録されている。

データカードダス『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』でも第5弾から登場。
『ウルトラマン Fighting Evolution 3』のポリゴンを第52話基準のデザインに改造しており、しかも操作キャラである。
地球を滅亡寸前に追い込んだ怪獣の割にはステータスは先立って高いとは言えないが、パワーがやたら高くゲーム中トップクラス。
だが、弱点を突かれるとあっけなく沈んでしまうと言う致命的な弱点も持っている。

ウルトラマンオーブ』ではかつてウルトラ戦士が封印した魔王獣の一体「マガタノゾーア」として名前と怪獣カードのみ登場。
他の魔王獣と違い映像本編には登場しておらず、書籍の短編記事「「ウルトラマンオーブクロニクル」」でのみその活躍が描かれている。
本作では遥か古代にティガの手で封印された後、紀元前1800年頃に栄えた古代文明イシュタールに復活。
人々を救うべく現れたオーブと死闘を繰り広げた末に撃破されたが、戦闘の余波で文明は壊滅的被害を受けてしまう。
4000年後の現代においてもその戦場跡は「死の丘」と呼ばれており、超古代戦争の痕跡ではと噂されているという。

『ウルトラ怪獣擬人化計画』では、二匹の大蛇を生やした巨大な貝殻を被ったスク水幼女という形で擬人化された。
ミッドナイトブリスを食らったヌールに似ている気がしなくもない
頭の貝殻は案の定重いらしく、すぐに転んでひっくり返る上、一人では起き上がれないという致命的な弱点がある。
そのため、邪神としての威厳はあまり無く、漫画版『ギャラクシー☆デイズ』でも一般人扱いだった
(一応、助っ人として強大な敵に立ち向かうシーンはあるが)。
アニメでは映画『怪獣娘(黒)』に登場。CVは小倉唯。
こちらでは上記のイラストから若干のデザイン変更が加えられている(頭の貝殻の大きさなど)。
先述の漫画とは打って変わって「ゼットンと並ぶ最強の怪獣娘」という扱いを受けており、
普段は頭部の貝殻と触手を小型化させているものの、戦闘時には怪獣サイズに巨大化させ、本物のガタノゾーア並の大暴れが可能。
劇中では(自称)悪の組織ブラックスターズによって保護され、リア充への憂さ晴らしとして池袋で暴れさせられる。
しかし、言う事を聞かせるために食べさせられていたチョコレートの中にアルコールを含んだものがあったため酔っぱらって暴走。
防衛組織GIRLSの怪獣娘達を触手で縛り上げ、ブラックスターズのメンバーをも襲い始めたため、
ペガッサ星人(平賀サツキ)のダークゾーンに封印され、ブラック指令の決死の行動で変身解除された。
暴れたとはいえ本人に悪気はなく、変身解除されたあとダークゾーンから出してもらえた様子も無い事から、本作最大の被害者だったとも言える。
なお、映像作品にガタノゾーアが登場したのは『ティガ』以来18年ぶりだったりする。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』では、チームに1体しか編成できない「レジェンド怪獣」として登場。
運(クリティカル率)と回避以外のステータスが優れており、レジェンド限定の自己強化スキルにより攻撃力・防御力が極めて高い。
加えて固有スキル「文明をも飲み込む闇」の効果が多機能かつ凶悪。
自フェイズ開始時に周囲4マスの敵を状態異常:暗闇(命中率低下)状態にし、暗闇状態の敵への攻撃力が超アップ。
更に奇数ターンで力・技、偶数ターンで速・無属性攻撃の実質的な無効化能力まで持ち、ターンが経過するごとに射程が2から3、4と伸びていく。
おまけに必殺技の「石化光線」は威力こそ低いものの、暗闇状態の敵を射程外の相手も含めて石化(行動不能・防御力半減)してしまう。
原作での活躍に相応しい、非常に強力な怪獣と言える。


MUGENにおけるガタノゾーア

+ muu氏製作
  • muu氏製作
ケムラー2代目ゼットン等で知られるmuu氏によるもの。
GBAソフトの『対決!ウルトラヒーロー』のガタノゾーアを基にオリジナルの新技を加えた仕様で、
アポカリプスやくまさお氏のウルトラマンのような巨大キャラ
平成ウルトラ怪獣は既にシラリーコダラーがMUGENに参戦しているが、
日本国内シリーズからの登場はガタノゾーアが初めてとなる。

GBA版と比べるとかなりアッパー性能になっている。
通常技でありながらガードしても削りダメージが発生する触手攻撃や、
一定の間隔で口から吐き出され、当たると少しの間行動不能にする「シャドウミスト」、
やや高めに放物線を描いて飛び、威力は低いが当たると自身の攻撃力と防御力が上がる飛び道具「邪神の目覚め」、
などといった技の他に、ストライカーとしてゾイガー(相手の攻撃が当たるまで消えない)を呼びだす事もできる。
また、デフォルトでLIFEが2500もあるので非常に硬く、アーケードモードでのボスキャラにうってつけ。
LIFE自体の高さのみならず、自動回復とタイムアップ時の全快も備えているため、長期戦に持ち込むのは自殺行為。
搭載されているAIも強力で、触手攻撃とゾイガーとの連携で並大抵のキャラなら何もさせないまま撃破する事ができる。
さらに一定条件を満たす事によって12P化(つまり論外化)する。こうなったらもう諦めるしかないだろう。

2009年6月26日の更新にてエフェクトが差し替えられ
defファイルを切り替える事によってサイズが巨大化したものも使用可能になり、より邪神としての貫禄が増した
(なお、氏が製作した他の怪獣キャラにも同様の更新が行われた)。

そして、最新版にて12Pが論外になった模様…。
一応撃破確認はされているものの、元々強固だった即死耐性がさらに強化され、
撃破者曰く針の穴を通すような専用対策でしか倒す事ができないとの事。
攻撃面も強化され、当身即死、落下即死などが追加された。
その強さは原作クトゥルフ神話の旧支配者に相応しい強さだと言えるだろう。
さらに最新の更新で直死以外では倒せなくなった。

+ 大会ネタバレ
No.3は誰だ?怪獣大戦争トーナメント』において、
リリースが大会開始後だったために本戦にこそ出られなかったものの、エキシビジョンマッチにて出場。
エルクゥ2体を相手にストレート勝ちしてその強さを見せ付けた。
試合は6:12から
…実の所AIレベルがMAXだとゼットンスーパーメカ翡翠にすら圧勝するため、立派な狂キャラです。

覚悟は良いか!?レアアクマくらいタッグ・シングル混合大会ではその防御性能と論外化で並み居る狂キャラ達を圧倒、予選を負け無しで通過した。
決勝戦第一試合では何の因果か怪獣タッグと対戦するも勝利。その後も順調に勝ち進み決勝進出した。

だが、決勝では相性が悪かった事もあり、幼女タッグ相手に敗北。優勝を逃した。

MUGEN大怪獣バトル2010』の別枠トーナメントでは一回戦で地球の守護者を降し、
二回戦でイリス12Pと壮絶な邪神対決を展開。決着が全くつかないので判定にもつれ込んだ。

他、『神一歩手前ランセレタッグトーナメント』にて優勝。優勝時のタッグは奇しくもゼットンであった。

+ 南宮鎧氏製作
  • 南宮鎧氏製作
現在はカーベィ氏によって代理公開されている。
こちらは3DCGで作られており、足まで描写されているなど一般的な格闘ゲームらしくなっている。
防御面もDEF200と高いものの、LIFEは1000と普通で即死耐性やアーマーも無く一応は常識的な範疇。
ただ、攻撃力は凄まじく、ゲージ1割弱で使用可能な闇が命中すれば3ゲージが溜まり、そのまま即死攻撃の石化光線が撃てる。
それ以前に通常攻撃の威力も高く、一般的なキャラなら小パン3発程度で撃破可能である。
紹介動画

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
削除済み
更新停止中
凍結

出演ストーリー



*1
ラスボスに限らなければ『ウルトラマンタロウ』のムルロア等が、
特撮作品以外でも、居村眞二氏による漫画『ウルトラ超伝説』において「イド」と呼ばれる存在が地球を壊滅状態にまで追い込んでいる。
また、規模は劣るが『ウルトラセブン』のゴース星人は地底ミサイルで世界各地の主要都市を焦土にし、
地球防衛軍を含めた地球の政界トップに地球を明け渡す無条件降伏を迫る所まで地球人類を追い詰めた
(ただしゴース星人は「過労死寸前のセブンに敗れた最弱のラスボス」とも呼ばれてもいる)。

*2
『ウルトラマンガイア』第5話には、「海魔神ボクラグ」という怪獣が登場しており、
この怪獣のモチーフはラブクラフト氏の短編『サルナスの滅亡』に登場する水蜥蜴の神ボグラグとなっている。
また、続編のOV『ガイアよ再び』では、同じくクトゥルフ神話に登場した存在がモチーフの怪獣である、
「根源破滅飛行魚バイアクヘー」が登場している。

*3
ちなみに、この時使用されたマキシマオーバードライブ搭載機の飛行速度はマッハ8.5、
ティガのスピード形態であるスカイタイプはマッハ7だが、描写的にはスカイタイプの方が明らかに早いので、
この設定数値はあまりあてにはならないが……。
尤も劇中では(中の人の関係もあり)同程度の身長にしか見えないウルトラマン達とタロウが、
数値上は頭一つ以上違う身長に設定されているのがウルトラマンワールドである
(『空想科学読本』では人間並みの比較として、45mのゾフィー(及び父)を基準の180cmとして、
 40mのマンからエースは160cm、53mのタロウは212cmと弾き出している。
 ただし設定上ウルトラ戦士は体の大きさを変えられるので(実際、マンは『タロウ』客演時に身長53mと紹介されている)、
 この辺りの設定はあくまで目安程度だったりはする)。


最終更新:2023年12月16日 15:36