まるでテトラポッドかフジツボのようなその奇妙な姿は今までの怪獣というもののイメージを180度変え、
『 帰マン』の「光怪獣プリズ魔」、『 ダイナ』の「生物兵器メノーファ」、『 ガイア』の「光熱魔石レザイト」、
『マックス』の「夢幻神獣 魔デウス」といった、非生物怪獣の先駆けである
(非生物型怪獣としては『ウルトラQ』の「風船怪獣バルンガ」の方が先であるが、
バルンガは“ただいるだけ”の怪獣だったので、戦うタイプとしてはブルトンが初である)。
上半身にある青い突起から出てくるアンテナ状の触手から怪光線を放ち、
当たった物に四次元現象を引き起こし、四次元空間へと陥れてしまう。
この能力で科特隊の基地を四次元空間で覆ってしまうのを初め、
陸軍空軍の精鋭部隊ですら「戦車が空を飛び、戦闘機が地面を走る」といった風に手玉に取られてしまう。
ウルトラマンですら怪光線で自由自在に操られ、身動きが取れなくなってしまい非常に苦戦した。
最後はスぺシウム光線(2連射)で撃破されたのだが、
その内容が
「ウルトラマンが手をXに組んできりもみ回転→直前に出てきたブルトンの触手が爆発→止まったウルトラマンがスぺシウム光線発射」
という、
何が起こってるのか全く理解出来ない、ブルトンらしい謎の展開だった。
これについてはウルトラファイトのナレーターも経緯が分からず困ったらしく、
「ブルトンが念力でウルトラマンを回してたら過負荷で自滅」と解釈されていた。
書籍によってはウルトラマンの回転は「ハイスピン」という、高速回転により空間に裂け目を作る技で、
これによって四次元空間を裂いて脱出するとともにブルトンにダメージを与えた、という解説がされている。
ともあれ正攻法ではダメージを与えられなかったのは確かで、『ウルトラマン』に登場した怪獣の中でも強敵の部類に入るだろう。
しかも後付け設定ではあるが、実は下手な倒し方をしてもヤバかった(後述)という二重の意味でも強敵であった。
長い間再登場のない怪獣だったが、2007年の『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』にてフルCGの姿となり復活を遂げる。
舞台である惑星ボリスを怪獣無法惑星に変えただけでなく、レイブラッド星人に操られて「レイオニクスバトル」を
行うために、『ウルトラギャラクシー』世界に、あらゆるウルトラシリーズの平行世界から怪獣を呼び寄せ、
本来は怪獣の存在しなかった地球にも大量出現させて「ギャラクシークライシス」と呼ばれる大災害を起こしたという、
設定の根幹に関わる重要な役割を担っている。
『ウルトラマンZ』では、1話に登場。
ゲネガーグが取り込んでいた小惑星の中に潜んでおり、吐き出した小惑星をとっさに迎撃した ウルトラマンゼロを自分ごと四次元空間に閉じ込めてしまう。
ゲネガーグが狙ってやったのかは定かではないが、これによりウルトラマンゼットは単独で事態に対処せざるを得なくなる。
その後ゼロは奥の手であるシャイニングスタードライブで、四次元空間が発生するより前に時間を巻き戻す事で、
7話までゼットの救援に向かえない程消耗しながらも、なんとか四次元空間からの脱出に成功している。
ブルトンは14話「四次元狂想曲」にて本格登場。TVシリーズ本編に登場するのは実に54年ぶりである。
スーツは新造されたらしい。
寄生生物セレブロに寄生されたカブラギが赤と青の石を PPAP融合させた事で誕生、防衛組織ストレイジの基地を襲い、
ストレイジの隊員達を四次元空間に閉じ込めた。
『Z』ではブルトンの四次元空間は「空間内の生物の無意識を反映する」という事になっており、
ジャグラス・ジャグラーヘビクラ隊長は 闇のトイレにワープし、
自分達が改造した キングジョー・ストレイジカスタムの活躍に浮かれた整備員達は文字通り宙に浮き、
強過ぎるキングジョーSCを密かに恐れていたパイロットのヨウコは 同じ空間を行ったり来たりして出撃する事が出来ず、
Zの変身者ハルキは「美味しい料理は時間を巻き戻して何度でも食べたい」と言ったせいで時間のループに巻き込まれ、
基地内は大混乱に陥る。
その頃ブルトンはぴょんぴょんと小刻みに跳ねながら街中に進撃。跳ねる度に重力異常を起こしてビル群も一緒に跳ね回るという大惨事を引き起こす。
「無意識を反映するのなら、強い意思で行動すれば望み通りの結果が得られるのでは?」という推論から、
四次元空間から脱したヨウコがキングジョーSCで迎撃に現れ、交戦。相変わらずの能力でキングジョーSCを大破寸前まで追い詰めるも、
四次元空間の作用で過去にタイムワープし、生前の父親と再会した事でトラウマを克服したハルキがZに変身。
神秘の力を持つウルトラマンZ・ガンマフューチャーとの超能力合戦では互角以上に渡り合い、
一瞬の隙をついてガンマフューチャーを地面に埋めて転がり体当たりで追い詰めるも、
キングジョーSCに阻まれ、Zがタフネスに優れたベータスマッシュにチェンジした事で形勢逆転。
ガンマフューチャーとの戦いで消耗していたのか、ベータスマッシュに大したダメージを与える事が出来ず、
アンテナを引っこ抜かれて大幅に弱体化した所を投げ飛ばされ、最後はM78流・竜巻閃光斬を受けて倒された。
……しかし、ブルトンは「宇宙の不条理を引き受ける歪み」のようなものらしく、それを不用意に倒した事で宇宙に歪みが発生、
「宇宙の孔」という形で 『ウルトラマンエックス』のラスボス怪獣「虚空怪獣グリーザ」が地球にて誕生してしまう……。
と、倒された後まで爪跡を残す事になった(そしてブルトンを適切に処理していたことが判明した初代ウルトラマンの株は爆上げされた)。
『ウルトラマントリガー』ではキングジョー・ストレイジカスタムを強奪したバロッサ星人(四代目)が、
ゼットとセブンガーから逃げるために、赤と青の石を融合させて出現。
咄嗟にゼットがセブンガーだけはバリアで守ったものの、ゼットとバロッサ星人、キングジョーは四次元空間に巻き込まれ、
ウルトラマントリガーの世界に転移する事になってしまう。
漫画『ウルトラマン THE FIRST』では バルタン星人に操られる怪獣として登場。
宇宙船のパイロットを怪獣に変えたり、宇宙ステーションを占拠するなどしていた。
漫画『ウルトラマンSTORY 0』にも登場し、イカルス星人に操られて ウルトラマンエースと交戦した。
当初は転がって移動するという案があり、 SFC版格闘ゲームではこの設定通り転がって攻撃してくる。
この転がり攻撃は持続が長く、出掛けに当たってダウンすると起き上がった所にもう一発食らってしまうのが地味に嫌らしい。
このゲームにはガードも リバサ無敵技なども存在しない(無敵移動のバック転かジャンプ前提)ので、 起き上がりに攻撃を重ねられると回避出来ないのだ。
他にも触角を振って中空に溶岩弾を呼び寄せたり(自由落下後に二手に分かれて地面を走る弾になる)、
唐突にワープで消えてやたら 判定の強い転がり攻撃をしつつ現れたり、
当たるとウルトラマンがマーブル模様になって徐々にHPが減る怪光線を触角から放つなど劇中さながらの強さで、
その前のステージに出てくる ジャミラと共に初心者キラーとしてプレイヤーの前に立ちはだかる。
回転体当たりや上空からの溶岩弾で容赦無く今作の主力であるハイジャンプを潰してくるため、
これまでの戦い方が通用しないのが強いと言われる最大の原因だと思われ、落ち着いて一つ一つ対処すると結構技の隙がでかいと分かるはず。
溶岩弾を小ジャンプで、怪光線をバリアで躱せるようになればいい勝負が出来るだろう。
なお、あまり格好はよろしくないが、前転→つかみチョップを繰り返す事でかなり楽に倒す事も出来る。
PS2ゲームの『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』にも登場。
ウルトラモード(ストーリーモード)では何故かいきなり第1話でウルトラマンと対決。敗れるが、復活して ウルトラマンガイアとも戦った。
ウルトラモードでは周囲の空間を歪曲させて打撃や光線に対して完全無敵になる事がある。
もっとも投げ技は普通に通り、一発投げればその衝撃で空間歪曲を維持出来なくなる。
…打撃も通らないのにどうやって投げているのだろう。まさか歪曲した空間ごとぶん投げているのだろうか。
必殺技は「物質機雷化」と 一撃必殺技「低次元転移現象」。
前者は周囲の車を機雷に変えて自分の周囲に 設置する技。ジャンプで簡単に飛び越えられるため、使い勝手は悪い。
後者は幻覚で更に巨大化したように見せたブルトンが、そのまま転がって敵を圧殺するというシュールな技である。
なお、このゲームでもやっぱり転がって移動する。ついでにローディング画面でも転がる。なんかカワイイ。
ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも『大怪獣バトル』のモデリングを流用して登場。
待機した時、フェイズ終了時まで隣接マスにいる味方の必殺技攻撃力を中アップさせる固有スキル「四次元エネルギー」、
使用後に次のフェイズ終了時まで味方全体の必殺技攻撃力を中アップさせる必殺技「四次元念力」を持つ、典型的な支援系。
ただしスペックが攻撃寄りで耐久面が少し心許ないので注意。
ゲームではこの他、ファミコン・ディスクシステムで発売された『ウルトラマン』にも登場しているが、
元が隕石だからか空から無数に飛来する障害物扱いであった。ある意味大変恐ろしい光景である。
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