ダルシム



      

   「祈るがよい‥‥

    さすれば道は開かれる」

  • 出身地: インド
  • 生年月日: 1952年11月22日
  • 身長: 176cm(ある程度自由に変えられる)
  • 体重: 48kg(ある程度自由に変えられる)
  • スリーサイズ: B107 W46 H65
  • 血液型: O型
  • 好きなもの: レー瞑想
  • 嫌いなもの: 甘いもの
                        雑念、人を傷つける事(6)
  • 特技: 説法、無我
  • 職業/所属: 修行僧
  • ファイティングスタイル: ヨガ(CVS) - ヨガの奥義(IV以降)
+ キャッチコピー
  • キャッチコピー:
    • 孤高のヨガ戦士(スパII)
    • ヨガの炎の導くままに…!(XVS)
    • ヨーガの奇跡 リーチ無限(ZERO3)
    • ヨガ・マスター(MVC2)
    • ヨーガの奇跡(CVS)
    • 懐深き行者 (IV)
    • 神聖な(ほむら)の導き(ストクロ)
    • 導き照らす炎(V)

+ IV絵

+ 担当声優(Wikipediaより引用・改変)
山田義晴
ZERO』シリーズ、『VS.マーヴル』シリーズ、『EX』シリーズ、『CVS』シリーズ
や乃えいじ
SVC
江川大輔
『IV』以降(日本語音声)
Christopher Bevins
『IV』『ストリートファイター X 鉄拳』『V』(英語音声)
Keith Silverstein
『6』(英語音声)
龍田直樹
ドラマCD『II -魔人の肖像-』
岸野幸正
アニメ映画『II MOVIE』
飯塚昭三
TVアニメ『II V』
小島敏彦
実写映画『ストリートファイター』(日本語吹替・ソフト版)
納谷六朗
実写映画『ストリートファイター』(日本語吹替・テレビ朝日版)

『スパII』では容量の都合なのか専用の新規ボイスが用意されず、投げボイスとKOボイスをリュウと共有している。
ただし、SFC版のみ既存のボイスを加工する事で差別化されていた。
Keith氏は『V』で剛拳を演じている。


ZERO3
貧しい民と家族のために戦う
ヨガマスター、ダルシム

日ごと強くなる負の波動は
彼に決心をうながす

この波動のもとをたどり
断ち切ってみせる、と‥‥


ストリートファイター』シリーズのキャラクター。初出は『ストリートファイターII -The World Warrior-』。
神秘の技ヨーガの奥義を極めた修行僧*1。言わずと知れた格ゲー界の元祖色物キャラクターにして、
日本全国のちびっ子達にインド人とヨガの何たるかを全力で誤解させた男

元ネタは、カルト映画『片腕カンフー対空とぶギロチン』のインド人(と、『魁!!男塾』の石壷( クヌム )のネスコンス)と思われる。
関節を外す点や「ズームパンチ」は、『ジョジョの奇妙な冒険』だろう。
開発時の名前は「インド」。『ゲーメスト』によると名前はインドの実際の格闘家「ダルシーマ」から取られているとの事。


キャラクター設定

インド出身のヨーガ(ヨガ)の修行僧にして達人。
村では徳の高い僧侶として知られ、彼の起こす奇跡や善行によって多くの村人が慕い崇めている
寡黙であるが誰よりも心優しい人物であり、貧しい家族や村人のために生活費を工面してあげる事もしばしば。
しかしその方法がヨーガによる能力を用いてのストリートファイトであり、
資金を稼ぐと同時に、結果的に人を傷付けてしまうという矛盾に苛まれてしまう一面も持つ。
また僧侶故に本来は争いを好まないという性格もあり、「ヨーガは人を傷つける技ではない」と迷いつつも、
家族のため、村のために炎の技をふるう。
慈悲の心とかけ離れた方法で金を稼ぐ、そんな迷う彼を癒すのは、村人の感謝と妻と子の微笑みなのである。

特徴的な顔の赤いペイント、手首や耳のリング、首から提げている3つの髑髏は、『ALL ABOUTストリートファイターZERO3』によればそれぞれ、
「彼の信仰する教義に関係したものと思われる」「魂の輪廻を連想させる」「人の死を厳粛なものとして受け止める風習からか」
と、推測されている(ただし、ゲーム中で語られた事は無い)。
この内、髑髏の首輪に関しては他にも、
「貧困による飢餓で亡くなった村の子供達(自分の子ではない)のものであり、子供達に報いるためという意味合いを持っている」
という有名な話もあった(新声社の謎本『波動拳の謎』や、漫画『ストリートファイターII RYU』で説明)が、
こちらも本編で語られた事は一切無く、以上の推測や説明が公式設定に組み込まれているのかどうかは不明。
デザイン自体は恐らく『西遊記』の沙悟浄がかつて殺してしまった行者達の髑髏を首飾りにして戒めたというエピソードに由来すると思われる。

僧侶ではあるが妻子持ちであり、美人の妻サリーと息子のダッタ(ガイルの娘であるクリスとペンフレンド)がいる
(舞台が1987年の『ZERO』シリーズの時には、サリーは17歳。この時ダルシムは35歳なので、18歳差の夫婦である。
『ZERO2』の設定資料によると、サリーのプロフィールは 155cm 40kg の B82 W57 H86 とあり、当時はダッタを出産して3ヶ月目である)。
インドでは本人の意思に関わらず、少女が早婚させられる事が色々と問題になっているが、
サリーとダルシムは非常に仲が良く、お互いに望み合った結果の結婚であるようだ。
ダルシムは妻と共にヨーガの修行をし、空腹を忘れる術を会得している(妻であるサリーも若干我流ながら会得している)が、
息子のダッタはまだ子供という事もあり、そのような修行が出来ない。
そのため、彼にとってストリートファイトとは、大切な息子の養育のためでもあるのだ。

『ZERO2』『ZERO3』ではダルシムが対戦している場合、ダルシムステージの背景にサリーが登場する。
ダルシムが攻撃を命中させると拍手して喜び、逆に攻撃を喰らうと目を背けるリアクションを取る。
またダルシムが勝利すると歓声を上げて大喜びするが、KOされると両手で顔を覆い膝から崩れ落ちてしまう。
ちなみに同キャラの場合は勝ち抜き側の1人のみ登場する。カラーパレットもダルシムと連動しており、中にはナコルルそっくりのカラーもある。

このように見た目こそ色物ではあるが、れっきとした人格者であり、シリーズ屈指のシリアスなキャラクターである。
また本人も色物扱いされるのを嫌っているようで、
『ZERO2』では勝利台詞の一つで「‥‥な、なんだその目は? 私は人間だ!」と、珍しく声を荒げている。
『IV』でもルーファスとのライバル戦において、浮遊している所を目撃されて宇宙人と思い込まれた特殊イントロに始まり、
セービングアタック「人の話を聞き給え」ウルコンを決めると「いい加減にしたまえ…!」
KO時に「私は宇宙人ではない!」と主張し、勝利デモ「私は宇宙人ではないと言っている!」と、怒りを顕にしながら否定している。
「ヨガシャングリラ」でKOすると「どの口で(ry」とか言いたくなる程シュールな光景を見る事が出来る

しかし「元祖色物」という肩書きからか何なのか、作品毎のカットインやら挑発やら立ち振舞い等から、
シリアスな設定も片隅に追いやられてしまうような「イロモノ臭」をちょくちょく際立たせているのも事実である。
『ZERO』シリーズではより聖者としての側面が強化されていて、
『ZERO3』でも上記ストーリーの通り日毎強くなる負の波動を感じ取り、悪の根源であるベガと対峙している。
同作におけるエンディングでは、サイコドライブの暴走を食い止めるため自ら炉心の中に飛び込んで精神集中し、
「ヨォォォーーーガァァァーーー……ヨガッッッ!!!」の掛け声とともにベガの持つサイコパワーにも匹敵するようなエネルギーを発し、
物理的な力抜きでサイコドライブを破壊するという離れ業を披露した。
その後、「ヨガマスター・ダルシムの神秘のヨガパワーにより…」というモノローグが流れる。幾らなんでもサッパリし過ぎである。
要は腕が伸びるのも、ワープするのも、火を噴くのも、ヨガパワーがあるから何らおかしな事ではないのだ
ヨガすげえ。
一方、後述する『SVC』では、
との掛け合い時に「ヨーガヨガヨガヨガヨガ!」と色の呪縛を解こうとするも逆に悪化手遅れだったために効かなかった事から、
ヨガパワーは必ずしも万能というわけではないようだ。

また、今でこそ僧侶らしい言い回しをしているが、初登場の『II』では「世界で最も強い男」を自称しており(バックストーリーより)、



   「ヨガの究極奥義、思い知ったか!!」
   「戦士としての誇りがお前にはあるのか!?」

など、二人称が「おぬし」ではなく「お前」で、例に漏れず高圧的なセリフを吐いていた。
また、アニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』では一人称が「俺」になっていた。

『V』では頭にターバンを巻き、白鬚をたくわえるというデザインチェンジを受けて参戦。
個人のストーリーモードでは「自分一人だけで道を究めるのではなく世の者全ての調和」を目指し、
マヘシュを始めとする地元の警察にヨーガを教えている。腕を伸ばしたり火を噴く警察官は想像したくない
また、『III』のオロも同ストーリーに登場し、ダルシムからは「仙術を極めた仙人」と尊敬されている。
オロのストーリーや公式で公開されたサイドストーリー小説でも、
「世界の全ての力の根幹」について語らい合うなど、オロとの関わりは深い。

ハリウッド映画『ストリートファイター』では、ヨガとは全く無関係のインド人科学者ダルシム博士として登場。
シャドルーに拉致され様々な研究を強いられている非戦闘員という扱いは、映画スタッフの苦慮が窺える。
そのため『ザ・ムービー』『リアルバトル・オン・フィルム』共にプレイアブルキャラに入っていない。
映画ではシャドルーが捕縛した軍人チャーリーを改造(ブランカ)にするという別の意味で活躍している。
ちなみに改造するのは終盤、シャドルー基地が壊滅寸前の所である。改造なんてしてる場合じゃないだろ!
その後、改造装置の爆発に巻き込まれた際に白衣は引き裂かれ半裸になり、頭髪も失い、顔面は煤で真っ黒。
聴診器が首飾りの様に垂れ下がり流れた血で額に化粧をしたような跡が…というどこかで見たような風貌に変わり果てた。
映画スタッフの苦慮が(略)
『ストリートファイターEX3』ではこの影響か、特定キャラとのタッグ用「メテオタッグコンボ」はブランカとのツープラトンになっている。

SNKサイドの手により制作された『SVC CHAOS』にも登場。
だが、この作品のダルシムは手足がゴムの如くニュルニュルしなり、あからさまに「ゴムゴムの散弾銃」な特殊技が存在するなど、
どう見ても海賊王に俺はなる男です、本当に(ry
なお、その特殊技が本家カプコンでのダルシムに搭載された例は今の所無い。まああっち考案のオリジナル技だし、逆輸入される方が例外だが。
その他、フロントグランドステップで『CVS』シリーズとはまた別方向に異常なポーズを取ったり(下掲の画像、『スパIIX』公式イラストが元ネタ)、
ピヨりモーションをよく見るとヨダレが垂れていたり、
異様に長い挑発で「運命……貴様が負けるのも運命なのだよ」と相手を堂々と「貴様」呼ばわりしたり、
掛け合い時に度々「ヨガー」と相槌を打つなど、『SVC』のダルシムは何かがおかしい。
件の挑発内容は『II』の勝利台詞の一つ「運命……お前が負けるのも運命なのだよ」が元ネタで、
『IV』でも汎用勝利台詞の一つとなった。戦闘中の挑発に採用するのはどうなのかはともかくとして。

MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』や『CAPCOM VS. SNK』シリーズのシナリオ面での活躍を知りたい方は、
混沌の神自らが悪と思う者を全て敵視する男の項目を読めば、ちょっぴり幸せになれるかもしれない。

+ 実際のヨーガとの関連性
格闘スタイルは修行により手足の関節を自由に外す(痛みは無我の境地に至る事で和らげているのだろう)事で可能にした長いリーチ
炎を噴くテレポート等……どこがヨーガなのかは謎である。
体が柔らかい所だろうか…。

考えられる理由としては、健康ヨーガを知っている人は多いだろうが、本来「ヨガ」とはインド発祥の宗教的な修行法の事で、
ダルシムが使うのはこれによって身に付けた神秘的な力という事だろう。
炎を噴くのは古代インドの火の神「アグニ」の力を借りて幻の炎を出しているというのが公式設定らしい。
幻の炎なので実際に燃える事は無く、ダルシム自身が炎に腕を突っ込んでも無事であった(『SFZERO2 ゲーメストムックストーリー』より)。
『スパIV』では油を身にまとって戦うハカンにも「落ち着くが良い、この火は神の幻、おぬしに燃え移ったりせぬ」と勝利台詞で語っている。
しかしヨーガでは食べ物の消化を「体内の火で燃やす」と考えており、
優れたヨーギー(ヨガ修行者)はこの炎を出す事が出来ると言われるため、これをモデルにしたのかもしれない。
自在に関節が外せる点についてだが、宗教は肉欲に支配されず己が肉体を制御する事を目標の一つとしているため、
ヨーギーだというなら自然な事である。
空腹を忘れる術*2というのもこの一環だと思われる。

また「ヨガテレポート」だが、これは特に優れたヨーギーが行う事が出来るものであり、仏教系のヨーガではこれを天眼通と呼ぶ。
これが出来るレベルのヨーギーは、この前段階で「望むものを何でも手に入れられる力」を得ているはずであるが、そこはツッコミを入れてはいけない。
これは一から十までファンタジーというわけでもなく、実例では日本でも「魂抜け(たまぬけ)」と呼ばれる現象は報告されている。
科学的に紐解くと脳科学やら量子力学やら解説しなければならないが、話が逸れるにも程があるので割愛する。
更にヨーガの目的は「精神を統一して人生究極の目的である『解脱』に至る」事である。
ダルシム程の境地に至ると、精神と共に肉体も空間を超越出来るのではないだろうか。
連続使用して戦闘に応用する等は、流石に格闘ゲームという事で少し大げさに表現されているが。
ちなみに空間と空間を繋げる「ワープ」は不可能だとされているが、空間を超越する「テレポート」はまた別次元の話である
(可能であるとされる仮説は既に存在し、現在研究されている)。

このように色物とされがちなダルシムだが、「ヨーガによって悟りを開いた僧侶」というキャラクターとしては全く間違っていない。
さすがに実在するヨーギーが本当に火を噴いたり手足を伸ばせるわけではない(はず)が、
二次元キャラクターとしては「一度で普通は死ぬのに、必要以上に何度も相手を切り刻む剣士」なんかと程度は同じなのではなかろうか。
……それでも、言い換えればヨーガで闘う人というのがそもそも色物なのかもしれない。
まあ カラリパヤット というヨーガの流れを汲む武術も実在するのだが。

+ 余談
橋口たかし氏の漫画作品『焼きたて!!ジャぱん』では、
作中の登場人物である河内恭介が、主人公・東和馬が作った「究極のジャぱん」を食べてダルシムそっくりに変化
地球温暖化を防ぐため、全世界の陸地を浮遊させたなどというエピソードがある。
が、ダルシムと化した河内は世界が平和になった後も、延々とリュウケンと日夜戦い続ける事になり、
そんな境遇に陥った彼の「なんやて!?」でこの作品は幕を閉じた。
最終回では「協力:カプコン」の文字を冠茂の台詞の中で出していた。

…が、後に「最終回が酷すぎる漫画の一つ」として語り継がれる羽目になった。
まぁ序盤から出たレギュラーキャラ(しかも作中で貴重な努力家)をそんな風に扱ったから仕方が無いよね
そもそもこの漫画のパンを食べた人達のリアクションは『ミスター味っ子』や『中華一番!』のノリなので、これも一例に過ぎないのだが。

ちなみに作者の橋口たかし氏はこれより以前にコロコロコミックで『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』という4コマ漫画を連載しており、
特にダルシム単体でよくネタにしていた。その繋がりでこのオチとも思われる。

なお、続編漫画『焼きたて!!ジャぱん~超現実(スーパーリアル)~』にて、
ダルシムとして戦い続ける中でインド人である美女と偶然知り合い次第に仲良くなり、
遂には自身の知らぬ間に娘を設けていた事が明らかになった。なんやて!?
こんな所までダルシム化の影響なんか…

その他、『史上最強の弟子ケンイチ』にも先述のカラバリヤットの使い手が、『GS美神 極楽大作戦!!』にはそっくりさんが登場していた。
特に後者は外見といい「ヨーガふぁいや」なる火術を操る所といい、どう見てもアウトかなり再現度が高い

2012年にはカレーショップとして全国でおなじみの「カレーハウスCOCO一番屋」とのコラボレーションが実現し、
1月17日から2月29日までの間に同店の「グランド・マザー・カレー」を注文した方に抽選で、
「ダルシムスプーン」や「ダルシムマグカップ」等のダルシムグッズが当たるというキャンペーンが実施された。
そのためか一時期、全国のダルシム使いがCOCO一番屋に殺到したとかしてないとか。
2014年には『ストリートファイターII ダルシムさん家のカレー』というカプコン監修のレトルトカレーが販売された。
激辛香辛料として有名なハバネロが入っており、辛いものが苦手な人には食べる事すら困難という代物だったが
激辛党曰く「かなり辛いがレトルトカレーとは思えない旨味を感じる」と、苦手な人はとことん無理だが、好きな人は逆にハマるという一品だったようだ。
…ある意味、ダルシムという色物キャラを表しているとも言えるか


キャラクター性能

変則的な動きの多い代表的なトリッキーキャラ。
リーチが長く動きが緩慢という、この手のキャラのお手本にもなっている。
他のゲームでもリーチの長いキャラは「ダルシム系」と説明される事も多い。

必殺技は「ヨガファイア(初期は「ヨガファイヤー」)」「ヨガフレイム」など、殆どが火を吹く系統の技だが、
『II' TURBO』からは移動技の「ヨガテレポート」が追加。後方版は所謂「逆昇竜」コマンド(←↓↙+ボタン)の元祖だったりする。
また、作品によってはコマンド投げや「ドリルキック」の強化版などが実装されていることも。

初代『II』が出た当初は非常に扱いにくい事もあり、色物でありながらもあまり目立たない存在だった。
研究が進むとその牽制能力の高さに注目が集まり、遂にはガイルと並んでトップキャラへと躍り出た。
なおこの2強はスタッフの想定通りだったらしい。2強対決でもガイルに対しては有利、特に対ザンギエフは相手に無理ゲーと言われている。
しかし春麗ブランカ等のスピードキャラに弱く、気絶しやすいといった弱点を持つ。
シリーズが進むと、隙が大きくなったり判定が弱体化したりと中堅辺りに落ち着くようになる。
それでもその特殊な性能によって、他とは一線を画する存在である。
緩慢な動作で無敵対空等を持たないため、スピードキャラを苦手としているが、対空判定の強い通常技を持つので完封される事は無い。
こなれたプレイヤーが使用すると、的確に伸ばした手足で相手の行動を事前に封じていくという「悟りの境地」の様な戦い方になる。
『スパIIX』以降からは、レバーとボタンの組み合わせで任意に手足を伸ばす事が出来るようになったため、
間合いに左右されずに対空技や牽制技を出せるようになった。

←↙↓↘→の「ヨガフレイムコマンド」は波動昇龍と並んで、現在でも受け継がれている名称。
だが、このコマンドだったのは初期の頃だけで、『ZERO』シリーズ以降のヨガフレイムは逆向きの→↘↓↙←となっている。
しかしこの頃には既に「ヨガコマンド=←↙↓↘→」という概念がすっかり定着してしまっていたため、
現在は「本家ヨガフレイムが逆ヨガコマンド」という非常にややこしい事態になっている。

『IV』では空中「ヨガテレポート」の後に攻撃を出せたり、飛び道具や突進技回避に使え、更にモーションをキャンセル出来る「ヨガタワー」と、
非常にゆっくり進む弾速で起き攻めに使え、更にヒット後の状況では「ヨガインフェルノ」にも繋げるウルトラコンボ「ヨガカタストロフィー」等など、
それまでのダルシムに新たな戦法が付与されている。
『スパIV』からのウルコン2「ヨガシャングリラ」は珍しい空対地の投げ技で、掴んだ相手を真上から頭突きするという、どこかで見た作品の技。
ダルシムの攻め性能と相まって優秀なウルコンである。
『IV』時代は全体的に火力が高く、特に無敵昇竜からのセビキャンウルコンの火力が凄まじかったため、
自分は無敵技セビキャンの恩恵に預かれないうえに体力も低いダルシムは苦しい戦いを強いられていたが、
『スパIV』からは火力のマイルド化やダルシム自身の強化もあってなかなか良い位置についている。

+ 禁じ手・ヨガ奥義
余談であるが、初代『II』では「ヨガ消えーる」「ヨガリセット」と言われるバグ技があった。
「ヨガファイアー」または「ヨガフレイム」のレバーコマンドを入れて、PKを同時(厳密にはKに僅かに遅れてPを押す)押し。
すると中Pと中Kの場合(ヨガ消えーる)ダルシムの姿が消えてしまう(相手に下段攻撃されると戻る)。
これだけだったら他の格ゲーにもあるまともな技っぽいが、副作用としてダルシム本人の移動ができなくなる上に飛び道具の攻撃判定が消えてしまう
(飛び道具相殺は起きるので何かしら処理が違う模様)。
さらに明らかにバグ技である証拠として、このままタイムオーバーになるとフリーズするという恐ろしい事態が発生する。
そして強Kと強Pの場合(ヨガリセット)筐体の電源が切れる。ガイルの凶悪なバグ技「真空投げ」に対して、事実上相打ちを取れる技として知られている。
その威力は絶大で、筐体・基板にまでダメージを与えるとされ、その余りの威力から禁じ手とされている
双方とも家庭用では修正され「消えーる→速攻フリーズ(逆に悪化)」「リセット→弱キック」になっている。

凶悪ではないものではヨガフレイムを当ててヨガフレイムでキャンセルすると、
「ヨガフレ、フレイム」とフレイムの途中でフレイムと再度発言する「ヨガ応援団」や、
『II'』時代には自身の空中での受け身中に食らい判定が現れるバグにより、
『II』シリーズでありながらエリアルコンボを入れられるというダルシム涙目なものまで存在する。


MUGENにおけるダルシム

他の『ストリートファイター』シリーズのキャラクターと同じく、登場作の豊富さから様々なバージョンが存在する。
その中でも代表的なものを以下に紹介する。

+ MASA@DAS氏製作 スパIIX仕様
  • MASA@DAS氏製作 スパIIX仕様
WinMUGEN版、MUGEN1.1版の両方を公開していたが、2017年2月のJ:COMのWebSpace終了によるサイト消滅により現在はマムル氏が代理公開している。
通常モードの他に、どこかの誰かっぽい技を会得した「ダークストーカーモード」を搭載。
改変自由のため、待ちガイルでお馴染みのmimimimi氏によるAIも公開されていた。
このAIは、初代『II』っぽさを出すためにスーパーコンボなどは使わないし、ダークストーカーモードにも対応していないが、
連打によってダメージが上昇する通常投げ「ヨガスマッシュ」を多用する傾向がある。
普段は自重しているものの、体力が500を切るか12Pカラーを選択すると「ヨガガガガガガガガガガ」という感じに
一切自重しなくなり、一気に体力の6~7割を奪う超威力を見せる。もう一度言うが通常投げである。
(この速度のレバガチャ投げは普通の人間は不可能である。AIの特権というもの)
ちなみに『ZERO3』のCPUも、LvMAXだとレバガチャ投げを自重しない。

またkoikoi氏によるAIも公開されている。
こちらはスーパーコンボを使用し、レベルによってはボスハルク並の強さを見せる。
参考動画
mimimimi氏AI
koikoi氏AI

このダルシムはヨガファイヤーなどを当てると、原作通り相手は炎上するグラフィックになるのだが、
相手がブロッキングなどで受け止めると動作可能なのに延焼しているアニメーションが貼り付いているという現象が起きる。
これを直すには、tech.stの中を「[StateDef 1103];ヨガフレイム 炎上喰らいヘルパー」で検索して

[State 1103]
Type = Explod
Trigger1 = !NumExplod(1) && ((P2StateNo=1005&&EnemyNear,Time=1) || Time < 15) && !Root,Var(10)
Anim = 5400 - Root,Var(17)*4390 + (P2StateType=S) + (P2StateType=C)*2
(以下省略)

という記述の部分の下に、

[State 1103]
Type = RemoveExplod
Trigger1 = root,numtarget = 0
ID = 1

と追記するといい。
上の方にあるRemoveExplodにtrigger2で記述をまとめようとすると、一瞬だけ表示されてしまうので注意。

+ 3㌶氏製作 ストZERO(?)仕様
  • 3㌶氏製作 ストZERO(?)仕様
ザンギュラズィーガーでお馴染みの3㌶氏によるもの。
2016年のフリーティケットシアター終了によるサイト消滅で入手不可となっていたが、2019年2月より、はいうぇい氏によって代理公開されている。
一見すると普通のダルシムだが、「彼方へ」と言う特殊技を使用するとどこからともなくボヤッキーの声が聞こえ、
今週のビックリドッキリメカに改造されてしまう。とうとうヨガの彼方へたどりついてしまったようだ。
具体的に言うと、技が『ワールドヒーローズ』のブロッケンになる。ズームパンチ繋がりだろうか。
ダルシムの手首がくるくる回り、ドリルヘッドしながらのメッサーシュミットなどはかなりシュール。
ジャーマンエクスプロージョンを使用した際、良く見るとダルシムの断面から血が吹き出ているなど意外とグロい。
奥さんが後ろで見ているがいいのだろうか。

rei氏、コケココ氏がAIパッチが製作していた。
rei氏の方は、改造モードには対応していないが堅実な戦い方をする良AIで、知らない人が見たらネタキャラだとは気づかないであろう。
また原作再現度も上がるよう改変されているので、操作性を意識する人はぜひ導入しておこう。
コケココ氏のAIは対照的に改造モード中心。ネタキャラとして扱いたい場合は、こちらのAIが良いだろう。色化けの修正もしてくれる。
現在はhamer氏によって代理公開されている。

+ Gal129氏製作 CVS2仕様
  • Gal129氏製作 CVS2仕様
氏恒例の原作再現仕様。
技の構成なども『CVS2』準拠で、グルーヴセレクト完備の他、ガードクラッシュ気絶といった地味なシステムも洩れなく再現している。
AIは対人戦用のものが搭載済み。

+ Manobaru(aka AKu Ma)氏製作 MVC仕様
  • Manobaru(aka AKu Ma)氏製作 MVC仕様
MVC仕様という事で機動力が上がり、かなりの高性能。
ただしAIは搭載されていないため、動画での出番はほぼ無い。

+ REDHOT氏製作 MVC2仕様
  • REDHOT氏製作 MVC2仕様
上記AKu Ma氏のMVCダルシムを参考に製作されたMVC2ダルシム。
やはりAIは搭載されていない。

+ NRF氏製作 ダルシムwithクローンズ
  • NRF氏製作 ダルシムwithクローンズ
ダルシムズの項目参照。動画に出てくるダルシムの大半はこれ。
完全にネタキャラであるが、強力なAIを標準搭載しているため侮ってはいけない。
甘く見ていると、お前もダルシムになるぞ。

+ Rajaaboy氏製作 Rajaaダルシム
  • Rajaaboy氏製作 Rajaaダルシム
新MUGEN専用。ストZERO+アレンジ。こちらも強いAIを搭載している。
普通(?)のダルシムとして出番が増えつつあったが、
2017年に公開サイトが消滅した事により、現在は正規入手不可。

+ castagnopolis氏製作 ダルシムXI
  • castagnopolis氏製作 ダルシムXI
『SVC』のスプライトを使った、『KOFXI』仕様のダルシム。

+ KAZ氏製作 ハイパーII仕様
  • KAZ氏製作 ハイパーII仕様
2018年10月1日公開。
当初は新MUGEN専用キャラであったが、2019年3月1日にWinMUGEN対応版が新たに公開された。
モード毎に通常技から必殺技までの攻撃判定、喰らい判定、発生フレーム等々細かい仕様が見事に再現されている。
全モード共通で「カンタンコマンドモード」という設定があり、スタートボタンでいつでも切替可能。
これはGBA版の仕様の再現であり、難しいコマンド入力をする事無く各種必殺技が出せるようになる。
原作では5つのモードに加え、アレンジモードと一部でレインボーモードの選択ができ合計8つのモードから選べる。
カラー差による性能変化は1PがNORMALモード固定、2PがDASHモード固定、3PがTURBOモード固定、9PがSUPERXモード固定、10PがSUPERモード固定。
11Pで凶性能・12Pで狂性能化し、モードはアレンジ固定となる。これら以外のカラーは下記コンフィグで設定されたモードになる。

恒例のコンフィグにてAIを10段階に設定可能。使える必殺技はモードに準じ、
「TURBO」モード以降で使える「ヨガテレポート」が有るか否かでAIが取る戦略がかなり変わる。
逆を言えば「ヨガテレポート」が使えない「NORMAL」&「DASH」モードでは切り返しに必須ともいえる無敵技がないため、それが最大の弱点となる。
それを補うためなのか、後述の投げに関する対策が大幅に強化されている。

CPU名物「ヨガ折檻」についても1000段階でレベル設定が可能で、
MAXの1000にすると一度捕まったが最後、「お前が、死ぬまで、殴るのを、止めない」モード(リドミに記載)となり漏れ無く試合終了。
デフォ状態はレベル800となっているので抵抗すれば何とか振りほどく事は可能。
更に当て投げに対する耐性が異常に高く、下手に仕掛けようものならSFC版ターボのMAXレベルばりに確実に投げ返してくる。
此方もコンフィグで1000段階で設定可能で低い値を設定すれば自重してくれるようになる。
ただし常時投げ無敵設定等で投げ返しが成立せず「論外キャラ」と判断すると、真空投げを使用してくる。
他にも同氏製作HSF2仕様ガイルと同じく投げ以外でも攻撃が全く当たらない状態や、
飛行や跳躍力の高いキャラで上空へ退避して要塞空爆モードを長時間仕掛けるキャラに対しても、
やはり「論外キャラ」と判断して全画面判定の真空投げを使い、11Pや12Pに至っては、無敵でなくても普通に真空投げを使用してくる。
真空投げに関してはコンフィグにて一応設定項目はあり、デフォルトでは11Pと12P以外で真空投げを使うのは自重しているが、
この場合はそれを無視するため注意。
NORMAL(初代)モードとアレンジモードでは初代のバグ技である「ヨガ消えーる」、「ヨガリセット」も使用可能となっている。
これの詳細は上記の「禁じ手・ヨガ奥義」を参照。
他には「DASH」モード限定の空中吹き飛びの喰らい判定(=春麗の「鷹爪脚」を空中で連続で喰らう例の現象)も見事に再現されている。

「ARRANGE」モードはその名の通りで独自アレンジが施されたモードで原作モードとはかなり仕様が変わる。
一例としてヨガフレイムやヨガブラストのコマンドが所謂「逆ヨガ」に変わっていたりテレポートが空中発動可能、
ヨガファイアーの硬直ソニックブーム並みに短くなり、ヒット時のダウン効果が無くなっている等々。
また、スーパーコンボに「ヨガレイジング」という誰がどう見ても「瞬獄殺」な技が追加されている。

同梱されているホームステージを使えば、原作『II』同様に体力が少なくなった時のBGM変化や、象の鳴き声も楽しめる。
ただし旧WinMUGEN仕様版ではこれらは完全オミットされている。
紹介動画

+ Brergrsart氏製作 Stretchy Limbs
  • Brergrsart氏製作 Stretchy Limbs
MUGEN1.0以降専用。上記の大ポトレと小ポトレからも分かる通り、とてつもないネタキャラである。
コンボ始動のしゃがみ弱Pが発生0Fの為ガード不能で、しかもそこから隙無くリーチの長いチェーンコンボを駆使し、
どこぞで見たような超必を使ってくるのが特徴的で、字幕が毎回ランダム表示される。
…が、その内容はと言えば、
ヨガプラチナ」「ヨガオーバードライブ」「ヨガ百裂拳」「ヨガヨガのガトリング」「ヨガは言語道断であります」「私はチーズバーガーです」
だのととにかくカオス。
なおこの技でフィニッシュすると「YOGA HYAKURETSU KEN」と字幕表示される事から「ヨガ百裂拳」が正式名称である。
また、「ヨガファイアー」が本来の火の玉ではなく口から手が生えて伸びてくる技になっている他、
敗北すると何故か体が横一面に伸びていったりと実にキモイ

この他、挑発を出すと、初代『II』の勝利デモBGMが流れ、同作での大ポトレが表示される。この大ポトレはラウンドを跨いでもずっと表示され続ける。
これは「ヨガデストラクション」という技の発動準備で、一定回数挑発を出し続けると赤く点滅し、さらに挑発を出すと発動する。
地面から無数の手を上に伸ばしていく全画面判定技で、一発でもヒット(一発当たりの威力は普通だが)すると以後連続ヒットし続け、
通常の耐久力を持つ相手ならほぼ死亡が確定する。
技発動後は上記の大ポトレが消えて初期状態に戻るが、技後も特に制約が無いため何回でも再度発動できる。
強力なAIもデフォルトで搭載されており、攻撃範囲等も凶悪な設定にされているため、普通に戦うとまず勝てない。

+ Mulambo氏製作 Khali Dhalsim
  • Mulambo氏製作 Khali Dhalsim
ピングーなどの作者として知られるMulambo氏による、超カオスな改変キャラ。
単体公開はされておらず、同氏製作のコンプゲー『Street WTFighter』に収録されている。
肌の色が黒いのが特徴で、凄まじい量の炎を吐き出したり、胡坐をかいて運送したりする。
超必殺技では火柱を放つ。
なお、WinMUGEN使用時はAIが常時起動になるので注意。





 「我が妻、我が子、我が同胞

  守るべき魂ある限り私は戦う」

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み
非表示

出演ストーリー

その他




   「私にも譲れぬものがある。
    それを守るためであれば……。」


関連項目



*1
本編や設定等では明示されていないが、一般的に考えて「ヒンドゥー教」か『V』でターバンを着用している事から「シク教」、
あるいはそれをモデルにしたフィクションの宗教の僧侶であると思われる。
ゲームの性質上、実在する宗教の名前は出し辛いのだろう。

*2
イスラム教の「サウム」(イスラム暦の毎年9月、日の出から日没まで飲食は勿論、喫煙やエ【ピー】も禁じられる。
「ラマダン」と呼ばれる事が多いが、これはアラビア語で「9月」の意味)は世界的に有名だが、
実は仏教やキリスト教にも断食の習慣はある。
仏教は、釈迦が6年間の苦行(断食含む)を経ても悟りを開けず、苦行を捨てた(「中道を悟った」という)事から、
公式には断食は「中道を逸脱したもの」として忌避されているが、
タイの国教として知られる上座部仏教の僧侶は、瞑想を補助する修行の一環として正午の食事以降は物を食べない。
キリスト教では、カトリック教会は「灰の水曜日」(復活祭の46日前)と「聖金曜日」(復活祭直前の金曜日)には
3食1食は十分に採り、残り2食は少なく抑える「大斎(たいさい)」があり、
正教会も聖枝祭(イエス・キリストのエルサレム入りを祝う祭日。復活祭の1週間前)前の6週間の「大斎(おおものいみ)」など年4回の断食期間がある。
イエスも四十日の断食を幾度もこなしたとされている。
現在でも別に特別な修行僧でもなんでもなく、熱心なキリスト教徒の中には四十日の断食を成功させている人はいる。


最終更新:2024年03月11日 18:14