南斗獄屠拳


「血迷ったかシン!」
「お前など俺の敵ではないわ~!」

北斗の拳』に登場するキャラクター、シンの使う南斗孤鷲拳の技の一つ。「ナントゴクトケン」と読む。
足を斜め上方に向けて飛び蹴りを放つ。
元ネタは、ブルース・リーが用いる特徴的な跳び蹴り(通称「ドラゴンキック」)。

核戦争後師父リュウケンの墓前にて決意していたケンシロウの前に突如現れ、
「力こそ正義! いい時代になったものだ」と言い放ちリュウケンの墓を破壊した挙句、
この技でケンシロウの四肢を切り裂き一蹴。その後ケンシロウの胸に七つの傷を付け、更に恋人ユリアを強奪。
此処から世紀末救世主伝説が幕を開けるのであった……。

アニメではケンシロウが地獄の底から這い戻ってきた後のシンとの決戦時にまたしても激突。
かつてとは逆にシンは傷を負ったがケンシロウは無傷であり、彼の「執念に勝る怒り」が垣間見れるシーンとなった。

獄屠と言いつつ蹴りである事を良く突っ込まれ、「蹴りのように見えるだけで、実際は接触した瞬間に手で切り裂いている」などの説も存在する。
そして『DD北斗』でも「ほくとのけん 言えちゃうかな」にて、原作者自身が作詞の歌詞に「手足を手刀切り 南斗獄屠拳」と思いっきり記載された事で、
実は本体は手刀切りだったのが公式の方から発覚した。
なお、これが発覚する以前のSS版『北斗の拳』に登場した南斗水鳥拳伝承者ザキは、見せかける事すらせず普通に手で切り裂いていた
まぁ獄屠拳はいいにしても色々と突っ込み所が多いゲームなので、どの程度原作側の監修があったのか微妙な所ではある。

『世紀末ドラマ撮影伝』(「漫画のドラマ化」ではなく「最初からドラマ」という設定のギャグ漫画)では、
本来は手刀と拳の応酬だったのが、絵面が地味だと思った監督の思い付きによってワイヤーアクションによる飛び蹴りの応酬に変わったという経緯になっている。
撮影終了後に「『南斗獄屠拳』って名前でキックだとおかしいよな!?『南斗獄屠脚』と言い直すべきじゃないか!?」と監督に指摘されたものの、
長時間ワイヤーで吊られて疲労困憊だったケン・シン役の俳優達が撮り直しを拒否したことで名前は据え置きになり、前述の「実は手刀」という設定になった。

しかし、格闘技における「拳」はコブシと言う意味だけでなく「拳法」全体を含む為、
公式設定となった南斗獄屠拳はともかく、それ以外のコブシを使わない「○○拳」への突っ込みや俗説は思いっきりナンセンスである。
(そもそも現在の設定でも南斗獄屠拳は手刀であってコブシではない)。
例えば格ゲーに大量に存在する飛び道具も「拳」を名乗りながらの掌底打ちが圧倒的に多い。
それこそ「波動」「覇王翔吼 」と呼ばなくてはいけなくなる。こいつの「鳳凰拳」に至っては(第4チャクラ?)から撃っている。
某塾長の「千步氣功拳」は本当にコブシだったが。

また、アニメでは放送コードの関係で「屠」という漢字を使えないため、「南斗獄拳」に改名されており、
当ページTOPの画像からもハッキリ「殺」と確認出来る。殺したかっただけで屠りたくはなかった
ちなみにタイピングゲームの『激打3』では、「南斗獄屠拳」と「南斗獄殺拳」が別々の技として存在している。
なおケンシロウも似たような技「北斗飛衛拳」(名称はアニメ版から)を使う事が出来る。

+ 参考動画
ウルトラセブン第8話「狙われた街」(1968年)より。
跳び蹴りで空中交錯&一時停止演出と言えばこれ。
4:15辺りから

原哲夫先生が過去の傑作へのオマージュとして描いたこの名シーンは、
「同型の技同士で激突・交差する」という新たな演出を生み、さらに後の作品にオマージュされていく事となる。
格ゲーだと、『CVS2』のユンのLv3スーパーコンボ「飛天双龍陣」のトドメ演出(ヤンとの空中交錯キック)が上げられるだろう。

また、前述の通りこの技そのものはブルース・リーからのオマージュではあるが、ブルース・リー自体が結構古い存在である事と、
ニコニコではこの技がネタ・ガチ両方で人気や知名度の高い『北斗の拳』の技であるが故に、
フェイロン堀田大悟などが使うブルース・リーから影響を受けたと思しきドラゴンキックっぽいとび蹴りに、
「ゴクトwww」などとコメントされる事がある。
ちなみに七枷社も別段ジークンドーでもないのに空中ふっとばしはこの手のモーションだったりする。


ゲームにおける南斗獄屠拳

シン必殺技コマンドはテンキー表示で623+K。
弱は斜め上に飛び蹴りのポーズで突っ込んでいき、強は同様のポーズで小さく放物線を描くジャンプをした後最後に判定を出す。
弱は地上版が飛び上がりが無敵(出始めにはない)で、打った後行動可能。
この無敵を一定条件で持続させ投げ以外を当たらなくするバグも存在する。
また、ガードされても頂点で目押しオーラガード可能で、反撃を防いだりも出来るためぶっぱも非常に有効。
さらに発生が早く判定がめっぽう強い上に、ヒットさせれば壁バウンドを誘発し、
画面端でもない限り基本的に追撃可能なので壁コンに移行しやすく、火力に欠けるシンにとっては重宝する。
空中版は隙が小さく多段ヒットなため、グレイヴで打ち上げた後はこの技でを取る事で、起き攻めに移行しやすくなる。
総じて非常に優秀なので、弱版の獄屠拳はシンの代名詞ともいえる技となっている。
反面、強は地上版こそ下段ガード不能だが、空中版には特にこれといった利点が無い。
しかも発生が遅くて飛び上がり見てから立ちガード余裕な上に硬直も大きいと、はっきり言って弱い。

ただし、使い勝手の良い弱も前述の通り出掛かりに無敵が無いため、そこに技を重ねられるとアッサリ潰されてしまうという欠点がある。
その際、ひっくり返るシンの姿に「ナントゴクトケン!!」の声だけが虚しく響き渡るため、
発生保証ならぬ発声保証などと揶揄されたりもする。

なお、ケンシロウも地上版弱と同形の「北斗飛衛拳」を使える。
この北斗飛衛拳は出始めから無敵があるが、無敵時間が短くこちらは空中版が一切存在しない。
獄屠拳同様にダウン誘発・壁バウンドするため、位置によってはブースト無しでそのまま得意の蛇コンが出来たり、
コンボの〆に使用する事で相手を画面端に送れたりする。

獄屠拳と飛衛拳を同時に出すと必ず相殺になるのは製作者のニクい演出である。
でも厳密にはどっちがが無傷のまま片方一方的にダメージ受けるのが原作だったりする?聞こえんなぁ~

打つのがめんどいためよく「ゴクト」と表記される。

└┤´д`├┘<ナント5クトケン!
原作再現(4:00~)

前述の通り獄屠拳をオマージュした技は数多く存在し、
『CVS2』のユン以外にも、『MBAA』にて有間都古に「ごけいけん」、
『東方非想天則』にて美鈴に「天龍脚」というこの技そっくりな必殺技が搭載されており、
当然の如くプレイヤーからは双方共に「ゴクト」という通称で呼ばれている。
また、『アカツキ電光戦記』のマリリンも最終特別攻撃のフィニッシュ部分がこれとよく似たモーションなのだが、
続編の『エヌアイン完全世界』ではダッシュ攻撃としていつでも出せるようになり、
軌道といい壁バウンド誘発といいどう見てもゴクトです、本当に(ナンボンメニシヌカナ~
この他に、『アルカナハート3』であかねに追加された「月吼え」もゴクトと呼ばれる事がある。


MUGENにおける南斗獄屠拳

原作とほぼ同じだが、出掛かりにも無敵が存在するため原作以上に強力。
おまけにMUGENだとそこまで大きいキャラが少ないためガードされても反撃がまず飛んでこないなど、かなり出し得な技になっている。
さらに平成㌢氏のシンの強化モード版は無敵時間が『ストII』の昇龍拳並に長くなり、
牽制の飛び道具設置技を無視して突っ込んでくるという壊れ気味な性能になっている。

その一方でケンシロウの北斗飛衛拳は、ドロウィン氏製作版は地上弱版と同じ仕様が空中でも出せるようになっている他、
Cameron氏製作版はシン同様に地上と空中でそれぞれ弱・強と全4種類存在している。なお、この2者以外はアーケード同様地上限定となっている。

シン本人の他にも、白髪の巫女世紀末な霊夢にこの技が搭載されているが、
後者がこの技をEXバージョンで特定の相手に放つと、上述の「獄屠拳と飛衛拳が交差するシーン」っぽい演出が入る。
製作者曰く対応する相手は「獄屠拳っぽい飛び蹴りモーションのキャラ」を見付けたら随時追加していくとの事。
ちなみに、霊夢の方の元ネタは『緋想天』におけるJ6Aの飛び蹴りモーション。

リン&バット氏の若ギースも「灘都極徒拳」という、字こそ違うもののモーション、読み方共にこの技が元ネタと言えるアレンジ技を習得している。
ゆ~とはる氏の初音ミクも見様見真似で習得したらしく、シンとの特殊イントロも用意されている。
KAZ氏製作の春麗にも「飛衛拳」というオリジナル技が実装されているが、氏曰く「単発ヒット技だからケンシロウの北斗飛衛拳が元ネタ」とか。

+ 5クトナカイ



「南斗『俺はまだ死にたくねぇ!!』」



最終更新:2023年04月04日 01:41