吉良吉影






「激しい「喜び」はいらない…

                         そのかわり深い「絶望」もない………」

ジョジョの奇妙な冒険』の第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する人物。
1月30日生まれのA型。名前の読み方は「きら よしかげ」。
第4部「ダイヤモンドは砕けない」におけるラスボスのポジションを務めるキャラクターである。
『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』(以下ASB)及び『アイズオブヘヴン』(以下EOH)では 小山力也 氏が吉良の声を務める。
ちなみに小山氏はPS2の1部ゲーにおいてウィル・A・ツェペリの声も担当している。
2016年のTVアニメ版では『ASB』『EOH』でディアボロを演じた 森川智之 氏。
おかげで「今日のボス」とか「オラのとーちゃんはとーちゃんじゃないゾ」といった声優ネタが出ている

+ キャラ設定(ネタバレ注意)
「私の名は『吉良吉影』。年齢は33歳。結婚はしていない。
 仕事は『カメユーチェーン店』の会社員で毎日遅くとも夜8時には帰宅する。
 タバコは吸わない、酒はたしなむ程度。夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている…。
 寝る前にあたたかいミルクを飲み、20分ほどのストレッチで体をほぐしてから床につくと
 ほとんど朝まで熟睡さ…赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに、朝目を覚ませるんだ…
 健康診断でも異常は無しと言われたよ…」

第4部「ダイヤモンドは砕けない」


「君は死ななくてはならないんだ… 目撃者は生かしておけないよ… 」

カメユーチェーン店勤務の33歳独身。仕事はできるものの、付き合いが良くなく今一目立たない人畜無害なサラリーマン
しかしその正体は手の綺麗な女性を今まで48人殺してきた連続殺人鬼
なお「48人」というのはあくまでも「手を狙って殺した女性」の人数であり、目撃者なども殺しているため実際の犠牲者は更に多い。

子供の頃に見たモナリザの絵に描かれている「モナリザの手」を見て勃起した事が切っ掛けで、
女性の綺麗な手に異常な執着を示す性的嗜好の持ち主となる。というより女性の手以外には興味が無い
一応、獲物を値踏みする際に「美しい手と顔をした女」と独白したり、女性のうなじに興奮したりと手以外も見てはいるようだが、
殺した女性は手だけを残してスタンドでチリ一つ残さず爆散させているので最終的にはやはり手にしか興味が無い模様。

またそれとは別に「人を殺さずにはいられない」という性癖を持ち、平穏に生きたい自身の願いとの矛盾を抱えるも、
それを受け入れ、乗り越えようとしている。「ピンチのときにこそ最大のチャンスが訪れる」が信条。
いつも殺した女性の手首を持ち歩いており、しゃぶったりお尻を拭いてもらったりしているらしい。
そして腐ってくると「恋人を乗り換える」という事をずっと続けてきた。
爪が良く伸びる年は殺人衝動を抑えきれないらしく、切った爪を保管する趣味を持つ。

上記の台詞のように「植物のような平穏な人生」こそが目的であり、常に自身の高い能力を隠して
地味で平凡で無害な一個人を装い、何のトラブルもいざこざも無い人生を目指している。
(あまり他人と親交を持たない、受賞した賞状やトロフィーは3位のものばかりなど)
「争い」は面倒事の種でしかなく自身の目指す「平穏」には不要な物であるとし、自ら人と争う事は決してない。
しかし「もし戦えば自分は誰にも負けない」という自身の高い能力は自負があり、決してプライドの無い負け犬という訳ではない。
寧ろプライドは高く、静かで平穏な暮らしがしたいという割には自己顕示欲が強い。
前述の3位ばかりのトロフィーも、「1位になって目立つのはゴメンだが、能無しに馬鹿にされるのも我慢がならない」という、
彼のプライドの高さからくるもの。
また、東方仗助達に正体を探られている時も町を出ようとはせず、
あえて難易度の高い「町にいて他人に成りすまし今まで通りの生活を送る」という方法を取っている。
つまる所彼の「平穏」とは、どんな事があろうと好きな時に好きなだけ女性を殺してバレないように孤高に静かに暮らす
という極めて身勝手なものである。

最初の殺人以降、スタンドの矢によって得た爆弾のスタンド「キラークイーン」を使って多くの女性や目撃者を殺害するが、
東方仗助の友人、重ちーこと矢安宮重清が吉良の持っていた手首を見てしまったため始末され、
彼の残した手がかり(スーツのボタン)が原因で仗助達に正体を追われる事になる。
素性が承太郎達にバレてしまうと、身体のパーツを換装する事で運気を操作できるスタンド「シンデレラ」を持つエステティシャンの辻綾を脅し、
偶々近くにいただけの体格の似た男、川尻浩作と顔と指紋を交換。二人を殺し、人混みに紛れる事によって逃げ切った。

その後は川尻浩作として生活する事になる。
川尻家は親子の会話もなく、妻しのぶが夕食にカップラーメンを出すなど、家庭としては完全に冷え切っていたのだが、
「つまらない男」だったはずの浩作が突如「刺激的な男性」へと変わった事に対して、しのぶは夫に対しての愛情を取り戻し、
また吉良も彼女を「心配する」という生まれてはじめての感情を得て、徐々に順応していった。
しかし父である浩作の言動が大きく変化した事に疑問を持った息子、早人の行動から、
最終的に再び東方仗助に正体がばれてしまう。
最後には仗助や広瀬康一空条承太郎らに追い詰められ、スタープラチナ・ザ・ワールドで殴り飛ばされた所で、
救急車に顔面を轢かれ、事故死した。

死の直前、能力発動の条件として自分を追い詰めるために現場にいた女医に対して敢えて本名を明かしていたため、
歯形の照合で死体は吉良吉影として処理、川尻浩作は行方不明の扱いになった。
その後、幽霊として生活する方が生きてるよりは自分の求めている「安心した生活」があるかもしれない、と持ち前の前向きさで考えを切り換えるものの、
吉良の最初の被害者である杉本鈴美、及びその飼い犬アーノルドの幽霊によって「振り向いてはいけない道」で振り向かされてしまい、
その魂は何処かへと運び去られてしまった。

「ど…どこに? わたしはどこに… 連れていかれるんだ……? あ…ああ」
「さぁ……?」

「でも…… 安心なんてない所よ(●●●●)…」

「少なくとも……………」


+ 死後の吉良吉影

短編『デッドマンズQ』


「私の名前は「吉良吉影」
 いつ…なぜわたしが死んだのかはどうしても思い出せない
 ひとつだけ言えることは自分は決して天国へは行けないだろうという実感があるだけだ」

あえて悪し様に言ってしまえば「変態性欲で他人に迷惑をかけている人間」なのだが、
人の言う道徳や理性ではどうしようもなく抑え切れない性を生まれ持ち、それでも尚その運命に最も前向きに挑んだキャラクターであり、
作品のテーマである「人間賛歌」を最も体現しながら同時に矛盾点を示す存在として、悪役ながらも読者や作者から愛されており、
その後、『ジョジョ』本編で死亡した後の吉良を主人公とした短編作品『デッドマンズQ』が発表された(短編集『死刑執行中脱獄進行中』に収録)。
生前の記憶とスタンドを失い、自分が何者なのかを考えながら幽霊の殺し屋として「仕事」をこなしている。
「部屋に入るときには中の人間の魂の許可が必要」「生者に触られてはいけない」等の幽霊のルールに縛られながらも、
死してなお自分が幸福に生きる方法を探している。
仕事の報酬は現金で貰う主義(電車などの機関に乗るにも切符を買って乗る「許可」が必要なため)。
成仏に関しては「もしあの世が無かったらどうする気だ?」と拒否している。

作者である荒木飛呂彦氏にとっても2番目にお気に入りのキャラクターで、
「母親の虐待によって心が歪んでしまったという設定もあったが、同情できる悪役になってしまうから表には出さなかった」と、
後年のインタビューで語っている。
吉良の両親にとって、吉影は結婚後かなり年数を経て生まれた子供だったので、逆に父親は過保護だったという。
荒木氏の別の公開対談会のコメントでは、この母親の虐待は、かなり青年誌向けの内容もあったらしく、
父はそれらをスルーする代わりに過度の愛情を注いだとの事
(荒木氏が当時の記憶をなんとか思い出そうとしながらの発言ではあるが)。
また、父親である吉良吉廣は吉影が21歳の時に癌により病死しているが幽霊となって生きており、
写真の中に入ったり閉じ込めたりするスタンド「アトム・ハート・ファーザー」で息子の殺人を含む平穏な人生を手助けしている。
吉影が川尻浩作となった後も矢を使ってスタンド使いを増やすことで刺客を作り出して差し向けたりしており、
面倒くさがりで(ジョジョラスボスには珍しく)部下を持ちたがらない息子に代わってそういったマネージメントを担当していた
(吉影自身も他人を利用することはあったが、その時その場だけといった感じ(辻彩など)が多く継続的な配下はほとんどいなかった)。
吉影と仗助の最終決戦において自身が協力することで父子の連携で仗助達を始末しようとするも、
仗助の策略により皮肉にも息子、吉影の空気弾を食らい消滅した。
死んだ後も過保護すぎだろ……。

上記したように無用な争いを避けつつ自分のプライドは守るという器用な生き方をしてのける人物であり、
その器用さこそが下記の複雑なスタンド能力に影響している事が窺える。
携帯電話に会社からの着信があった際に電話口でヘコヘコお辞儀しながら応対したりと一般的な処世術や礼儀はしっかり弁えているが、
それも内心で「相手より自分の方が優秀」という絶対的自信があるからこそできる行為であって、
彼自身に卑屈さは微塵も無いと言っていい。
同僚曰く「エリートっぽい気品が漂っているのに会社では使いっ走りばかりさせられてる」との事だが、
逆に言えば「優秀である事は周囲に認めさせつつ面倒なプロジェクト等を任されない事でプライベートを確保している」という事であり、
それでいて結構な暮らしぶりである事を考えると、恐らく満足な収入も得ている(そもそも勤務先は大手デパート)という事。
端から見ても羨ましいくらいに公私共に充実している…。
読者からはそういった「自分自身へのご機嫌の取り方」の上手さを評価される向きもあり、
(作中行った悪行は別として)その生き方を一種の模範として見られる傾向もある。

余談だが、彼は作中で外見が何度も大きく変化している。
当初は素顔で生活していたが、エステティシャン辻綾のスタンド「シンデレラ」で顔を変え、その後、川尻浩作として生活。
終盤においてスタンドがパワーアップした際には髪型を変えている(イメチェン的なものであり変装ではない)。
しかし一貫してドクロの柄のネクタイを身につけており、吉良のトレードマークの一つとなっている。実際に発売もされた。
『デッドマンズQ』に登場した際も髪型や服装が大きく変わっている。
+ 吉良四面相

+ スタンド「キラークイーン」

破壊力 - A スピード - B 射程距離 - D
持続力 - B 精密動作性 - B 成長性 - A

人型、近距離パワータイプ。ネコとドクロを合わせたような外見をしている。
手で触れたものを爆弾に変える能力を持つ(ただし「爆弾」と表現しているだけで、実際の爆弾とはかなり性質が異なる)。
  • 爆弾になっても物体の姿形が変化するわけではなく、他人に爆弾かどうか判断する事はできない。
  • 爆弾にできるのは一度に一つまで。二つ以上の物体を同時に爆弾にはできない。
  • 爆弾の威力は人間一人を跡形もなく消し飛ばすほどで、全スタンド中でも屈指の破壊力を誇る。
  • 爆弾は接触型と点火型があり、接触型は爆弾に誰かが触れた時点で爆発、点火型はキラークイーンの右手のスイッチを押すと爆発する。
  • また爆発の仕方にも「爆弾化した物体そのものが爆発するタイプ」と、「爆弾化した物体に触れたものを爆破するタイプ」とがある。
    • なお後者の場合、爆発そのものもスタンドという事なのか、人体を文字通り『粉砕』するほどの破壊力のわりに爆風などは無く、
      爆音もスタンド使いでない者には聞こえないらしい。なので傍目には突如消滅したように見える
  • 爆弾化の範囲も、例えば人間を爆弾化するとして髪の毛一本から体全体まで幅広く、応用力はかなり高い。
以上のような能力のため、人知れず人を殺し続ける生き方には適したスタンドと言える。
同じ近距離パワー型のエコーズACT3を一蹴したり、クレイジーダイヤモンドの鉄拳をガードできたり
ドララララッシュには一方的にやられていたが)そこそこの格闘はこなせるようだが、
運動能力はそれほど高くなく、スタープラチナやクレイジーダイヤモンドといった接近戦に長けるスタンドと正面から戦うと分が悪い。
というか、触れば勝ちなのに触る事すらできなかった
(「手」と言っても触って爆弾にするのには「手の平」や「指」等の部位で触れる必要があり、手首等で触れてもダメ。
 クレイジーダイヤモンドの鉄拳をガードした際はクロスさせた両手の手首で受け止めているのでノーカンである。
 「手の平で受け止めればいいじゃん」と思うかもしれないが、そうすると多分手が折れてしまうだろうし、
 起爆スイッチの付いた右手が破損することは彼の最期を見ても分かる通り事実上の敗北なので仕方ないのだろう)。
ただこれに関しては、戦闘・喧嘩慣れしている承太郎や仗助に対して吉良に殴り合いの技術が無かったと言う、
スタンドではなく本体の問題もあると思われる。

スタンド名はQUEENの名曲「キラー・クイーン」から。ちなみに後述する第二・第三の爆弾の名前もQUEENの曲から採られている。
名前の元ネタ

「顔半分が内部でふっ飛んで、脳ミソが1/3ぐらい顔の肉とシェイクされただけのようだったがね」

+ 第二の爆弾






     
破壊力 - A スピード - C 射程距離 - A
持続力 - A 精密動作性 - E 成長性 - A
左手から独立した自動追跡形のスタンド「シアーハートアタック」を繰り出す事ができる
(厳密にはキラークイーンの「おまけ(オプション)」であり単体としてのスタンドではないので、
 「スタンドは一人につき一つ」の原則には抵触しない)。
熱源に向かって自動的に突進、体温に反応して爆発するというもので、本体である吉影自身は全く関与する事なく対象を破壊する。
本体が関与しないため、遠距離まで行けるにも拘らずパワーは非常に高い。
しかし単純な命令に従っているだけなので本体が操作する事はできず(できるのはON/OFFの指示のみ)、
あくまで「手」だから目などは無いため本体にはスタンドの状況が分からないという欠点もある。
この辺りは所詮おまけであるという事だろうか。
また、この能力を本体の近くで発動させればキラークイーンとの同時攻撃も可能である。
このような「自動追跡」タイプのスタンドは第5部以降にも度々登場している。
(ライターを再点火したもの及び目撃者を狙う「ブラックサバス」や動きに反応する「ノトーリアスB・I・G」等)。

そして何よりも重要なのは、その防御力。スタープラチナの全力攻撃でも少々亀裂が入る程度で動きに支障なしという凄まじい頑丈さである。
そのため、いくら攻撃されても、当の本人(本体)に影響するほどダメージを受けないという、遠隔型スタンドとしては非常に強力な長所を持つ。
しかし、広瀬康一の「エコーズACT3」で重量をかけられた際は別の場所にいた吉良の左手も「重く」なるなど、
防御力とは無関係なスタンドの特殊能力はそのまま喰らってしまう。
そのため「治す」事で元通り左手に送り戻してしまう仗助の「クレイジー・ダイヤモンド」、
防御力無視で相手を削り取る億泰の「ザ・ハンド」とは相性が悪く、
その2人がメインの相手となった最終決戦では事実上封印されてしまい使用していない。

面倒ごとを嫌い極力他人任せにしたがる吉良の性格がよく表れた能力であり、
自分の左手すら切り落として捨て駒にするという彼の特異性を示した味のあるスタンドである。

『ASB』及び『EOH』では本体の小山氏とは別に、カシワクラツトム氏が演じでいた。
2016年のTVアニメ版以降では、他のスタンドと同様、本体と同じ森川氏が一人で演じている。

「コッチヲ見ロォ~」
アニメ版シアーハートアタック

+ 猫は吉良吉影が好き
空気を操るスタンド能力「ストレイキャット」を持つ植物「猫草」を腹部に四次元ポケットの如く収納し、
猫草の発射する「空気弾」をキラークイーンの能力で爆弾に変えて放つ事で遠距離に爆弾を飛ばす、爆弾能力の応用技。
空気弾は小さな爆発で風船に穴をあけるようにする事で遠隔操作する事ができ、空気であるため目に見えず、防ぐ事は非常に難しい。
特に空気弾を点火型の爆弾に変えた時は物質をすり抜けて移動できるので、
何かを盾にする、物陰に隠れるといった防御方法は全く通用しない。
射程距離はかなり長いが、他の遠隔操作型のスタンドのように空気弾の周囲を認識する事はできない。
そのため、目の届かない場所で操作するためにはなんらかの工夫が必要となる。
原作では幽霊である父親から標的の場所を教えてもらう事で誘導していた。
「見えない点火爆弾」という非常に恐ろしい技だが、空間ごと爆弾を削り取れる億泰の「ザ・ハンド」には通じなかった。
爆弾を二つ以上作る事ができないのも相変わらずで、空気弾も連射が効かないのが難点。

吉良の切り札を2つも無力化できる上に空気弾を作る際に顔を出したストレイキャットが空間を削り取る能力で奪われる等、
億泰のスタンド「ザ・ハンド」はキラークイーンにとってかなり相性が悪いスタンドであり、
彼を真っ先に殺しにかかった吉良の判断は賢明と言えよう。

名前の由来はアメリカのロカビリーバンド「Stray Cats」(ストレイ・キャッツ)から。
MELTY BLOOD』のレンのテーマ曲と同名だが、和訳すると「野良猫」や「ドラネコ」だからだろう。

「『思い込む』という事は、何よりも「恐ろしい」事だ…
 …しかも、自分の能力や才能を優れたものと過信している時は、さらに始末が悪い」

+ 最終能力

     
破壊力 - B スピード - B 射程距離 - A
持続力 - A 精密動作性 - D 成長性 - A
一般人(スタンド能力を持たない者)を爆弾に変え、それを作動、爆破する事で対象者を過去へ吹き飛ばす「第三の爆弾」。
言わば時間破壊爆弾といった所か。

まず吉良吉影の正体を知る者にキラークイーンを潜伏させる。
潜伏された人間は所謂「地雷」となり、もし何者かが「地雷」に吉良の事について尋ねたりすると、
その瞬間爆弾が作動してその相手を爆破する。
相手が尋ねたり、聞きだそうとしなくても、「地雷」となった人間が言葉、あるいは紙などに書いて伝えようとすればそれで作動する。
逆に「地雷」自身に「他者に知らせる」つもりがなくても、
スタンド能力など(例:ヘブンズ・ドアー)でその「地雷」の頭の中を直接読み取られて知られてしまった場合も爆破条件に抵触し、
情報を読み取った者は爆破される。
また、「地雷」に潜伏したキラークイーンは自動的に「地雷」を外的危機から守り続ける。
なので「地雷」の自殺や吉影本人からの攻撃すら防御してしまう。また、このキラークイーン自体を見てしまっても爆破の対象となる。

追っ手を爆破すると、その爆破に吹き飛ばされるようにして「地雷」は過去へと戻される。
地雷は爆破の度に同じ時点まで戻され、追っ手を始末しながら、同じ時間をループし続ける。

バイツァ・ダストで時間がループしている間は、何度同じ時間が繰り返されても、物の「運命」(コップが割れる、雷が落ちるなど)は変わらない。
そのため、一度爆破された者は、たとえ時間が戻っても再び同じ時刻がくると、今度は地雷に遭遇しなくても勝手に爆破されてしまう。
この調子で地雷を泳がせておけば、吉良は平穏な日常を過ごしつつ追っ手を次々と消していく事ができるのである。
何度か時間を往復し追っ手を爆破した後バイツァ・ダストを解除すれば、時間が戻る事はなくなり敵は完全に排除される。

ただし、
  • 「地雷」だけは過去に戻っても記憶が残るため、その者による吉影の暗殺の可能性がある。
  • 発動中、吉良自身はキラー・クイーンを使えない。
  • 発動中、キラー・クイーンは「地雷」をオートで守ろうとする。
    「地雷」の自殺や事故死を防ぐためだと思われるが、吉良自身も「地雷」を攻撃できないため、「地雷」から不意の攻撃を受けると危険。
  • 完全な自動操縦であるため、バイツァ・ダストが何度作動したかは本体である吉影にも認識不可能。
    そのため「地雷」の言動や周囲の状況、自動的に破壊されたものを見た上で推理する必要がある。
  • 一度標的を爆破しても、時間が戻って再び「運命」によって爆破される前にバイツァ・ダストを解除してしまうと、
    爆破の運命も解除されてしまい、標的は爆破を免れてしまう。
  • 発動するためには、吉影が精神的、及び肉体的に極限まで追い詰められている状況で、
    吉影の正体を知る一般人にキラークイーンを設置、バイツァ・ダストを発動しなければならない。
などの欠点もある。
吉良にとても都合が良く強力な能力だが、扱い辛さも一級品と言えよう。
特に最後の「発動には追い詰められる事と自分の正体を一般人に知らせる事が必要」という点は、
首尾良く発動さえすれば良いものの、万が一失敗すると自分の正体および恥ずかしい過去や変態性癖を他人に知らしめたまま窮地に陥るという、
目も当てられない状況になる危険性を孕んでいる。そりゃクソカスどもがーって言いたくもなるよね

本人曰く、(一度瀕死の重傷を負わされた)空条承太郎に二度と出会いたくない一心で発現した能力。
発現の経緯が「レクイエム」に酷似しているものの、
スタンドではなく本体に刺さっているので、若干仕様が異なるモノであるように思われる。
尤も「レクイエム」の設定自体が後の第5部にて登場したものであるし、その詳細な設定も発動成功例が2件しかないため、
真実はあくまでも荒木先生の脳内にしかない。

元ネタはこれまたQueenの名曲「Another One Bites the Dust」。
作中では(負けて死ね)と横に振られているが、本来の和題は「地獄に道連れ」。さらに原題の直訳は「また一人誰か死ぬ」。
どれもこの『キラークイーン』にぴったりの意味合いだと思わないかね…?
名前の元ネタ
アニメ版パイツァ・ダスト


「いいや! 「限界」だッ! 押すねッ!」
「『今だッ』!」

+ 第8部の吉良吉影

第8部「ジョジョリオン」

本編第8部にも名前が登場。本作の舞台は第4部同様杜王町である。
本作の主人公は物語開始当初は記憶を失っている状態であり、ヒロインと目される広瀬康穂の協力のもと、
自身に関する手がかりを探った結果「吉良吉影」の名前に辿り着く。
しかし「吉良吉影」は主人公が見つかった浜辺で遺体となって発見され、死亡していたという事実が明らかになった。
ところが康穂が民間会社に主人公と吉良吉影のDNA検査を依頼した所、同一人物だという回答が来てしまう。
当人の住居と思われる部屋には切った爪が保管されている等4部の当人の変態性を思わせる描写があるが、
物語開始間もない間、確定したのは「“吉良吉影”は死亡している」事のみであり、
主人公が本物の「吉良吉影」で死者は偽者なのか、別人だった場合どういった関係なのかは判然としなかったが……(詳細はこちら

なお、吉影の妹・京は彼のスタンドは「シャボン玉に触れたものを爆破する能力」だと語っている。
なおこの時にスタンドのビジョンも描写されており、4部吉影のキラークイーンとほぼ同様の外見となっていた。

生前の職業は船医
吉良吉輝と吉良・ホリー・ジョースターとの間に生まれた、ジョニィ・ジョースターの玄孫である。

+ 考察
第7部以降の『ジョジョ』本編は、
(名目上は続きとして描かれているが)第6部まで描かれた「一巡前」の歴史の再構成(リブート)のように思える作りであり、
その上で過去に登場させた悪役に一種の救済をもたらそうとする試みが随所に見受けられる。

“悪の救世主”であったDIOは、ディエゴになるにあたってコイツが光堕ちしちゃうと善悪のパワーバランスが崩れるので流石に改心こそしなかったものの、
母親思いという性格を強調する事で人間味が増し、
さらには石仮面を使う(=人間をやめる)事無く主人公のチート能力を頭脳で攻略する(=人間讃歌)事でその名誉を保っている。
カーズに関しては第8部のラスボスが彼に相当するポジションとして登場しており、
改心だの光堕ちだのはしなかった(そもそも人の善悪を超えた存在(岸辺露伴シリーズに登場する怪異と同じ)である)が、
“善”でも“悪”でもない“厄災”という形をとる事で、
人類とは相互理解も共存も不可能な“敵”という立ち位置でカーズを凌ぐほどの強敵(作者曰く「乗り越えようとする事自体いけない」)にまで上り詰めた。
そして吉良吉影であるが、彼は第8部に登場するにあたってその性質を反転させられ、
(多少クセはあるものの)明確に善人として描写される事で事実上ジョジョ(=ヒーロー)化するという躍進を遂げている。

第6部執筆の時点で荒木氏は「善人と悪人を明確に区別するのではなく悪には悪の言い分があるという事も意識して描くようにした」と語っており
(第七部のラスボス・ヴァレンタイン大統領は“悪”ではなく“対立する正義”であり、その最期も潔いものだった)、
第7部以降を執筆するにあたって自らが過去に生み出し滅ぼしてきた悪役達への救済を模索したのかもしれない。
それは荒木氏ご自身が積み上げてきた人生経験と育んできた倫理観があるからこそ成せる業であるだろうし、
同時に自らの生み出したモノへの深い愛情の表れでもあるだろう。
吉良吉影はそんな作者から最も愛されたキャラとしてその愛情を多分に受けていると思われ、
だからこそ死後幽霊になったり殺し屋をやらされたりと波瀾万丈の人生を歩んだ末に、
最後の最後に正義のヒーロー(の一部)となった事で完璧に救済されたのではないだろうか。

+ オラのとーちゃんはとーちゃんじゃないゾ
アニメ版第4部の放送とほぼ同時期に『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役の藤原啓治氏が長期入院(のち2020年に逝去)し、
代役(後任)を森川氏が務めているのだが、それまで慣れ親しんだ声が変わった事と森川氏と聞いて真っ先に吉良が想起させられる事で話題になり、
「ひろしを爆殺し顔を得て彼に成り済ました吉良」と冗談で噂されたり、ニコニコ静画で荒木タッチの野原親子のイラストや漫画が投稿されたりしている。
ニコニコ動画にも比較動画があるので気になった人は聞き比べてみよう。
ネタの由来は父親に成り済ます吉良の正体に隼人が気付いた回「ぼくのパパはパパじゃない」から。

余談だが、藤原氏が演じる悪役は、
機動戦士ガンダムOO』でアザディスタン王国を焼け野原にしたアリー・アル・サーシェスと野原ひろしを掛けて、
焼け野原ひろし 」と呼ばれている。
ジョジョ第2部でも炎属性の悪役であるエシディシを演じており、
無論こちらも中の人ネタでひろしがエシディシのコスプレをしたり、号泣する荒木タッチのひろしのイラストがニコニコ静画に投稿されている。


MUGENにおける吉良吉影

カプコンの格闘ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険』には吉良吉影は登場していないが、
MUGENにおいては手書きによって製作されたものが複数存在している。

+ Kemco_SpaceHunterVigor氏製作
  • Kemco_SpaceHunterVigor氏製作
ペットショップの作者でもあるKemco_SpaceHunterVigor氏が手描きで製作したもの。
外見は原作終盤時におけるパワーアップ時のものを採用している。
シアーハートアタックを出して自動的に攻撃させる事も可能。

ニコニコ動画では、かなり初期のMUGEN動画でごくたまに見る程度のキャラだったため、
その存在を知らなかった人も多いのではないだろうか。
デフォルトでAIは入っているものの、どうにも動きが緩慢で、たまに棒立ちかと思うと突然相手を即死させる事もあるが、
基本的にある程度強い相手には手も足も出ずにやられてしまう。
ジョジョキャラAIの製作ラッシュも手伝い、ただでさえ少なかった出番が激減している…と思いきや、
一部ストーリー動画などに非戦闘員ながらもちゃっかり出演している。

+ yuto氏製作
  • yuto氏製作
上記のKemco_SpaceHunterVigor氏の吉良をyuto氏が改変したもの。
こちらはAIボイスも搭載されており、今後も更新予定との事。

+ あまりもの氏製作
  • あまりもの氏製作
ジョナサンジョルノ等多くのJOJOキャラを製作しているあまりもの氏製作のもの。
DIOのドット絵を改変している。
スタンドモード等は未搭載だが、こちらもボイスが入っている。

defファイルで指定する事で、川尻浩作時のスプライトに変更可能な素敵仕様。
デフォルトAIが搭載されている他、森ノ中氏によってAIが製作されている。
また、SANZU SANRI氏が音声をTVアニメ版のものに変更するボイスパッチを公開中。
ボイスパッチ紹介動画(20:08~)

2014年8月13日には『ASB』仕様のシステム&ボイスの物も同氏によって公開された。
こちらは「川尻浩作」名義となっており、旧版の吉良とはファイルが分けられている。
こちらもAIがデフォルトで搭載済み。
プレイヤー操作(7:06~)

+ 蒼色の空氏製作 吉良&レン
  • 蒼色の空氏製作 吉良&レン
あまりもの氏の吉良を蒼色の空氏が改変したもの。「キラークイーンの容姿が猫っぽいから」とスタンドがレンに差し替えられている。
技性能にもアレンジが加えられ、幾つかオリジナルの技も搭載されており、
カットインやイントロ、勝利デモの他、スタンド用のボイス、4種類の特殊カラー等様々な要素が追加されている。
スタンドのボイスはニンテンドーDSソフト『すばらしきこのせかい』より虚西充妃(声:生天目仁美)のものを使用。

デフォルトでAIも搭載されており、飛び道具設置技の中間のような性能の技で相手の行動をけん制しつつ、
ガンガン攻めるスタイルになっている。
AIレベルは4段階から選択可能。デフォルトは2。対プレイヤー操作ならレベル2、対AIならレベル3~4がちょうどいいとの事。

+ Torimochi氏製作
  • Torimochi氏製作
現在は入手不可。
某スレで製作・公開された。グラフィックは川尻顔になる前。
シアーハートアタックなど、こちらの性能はやはり顔を変える前の時期に沿っている。
ボイスも入っているが、ネット声優か製作者の声かは不明。


「わたしは『生きのびる』……平和に『生きのび』てみせる」

出場大会

+ 一覧
+ 吉良吉影
シングル
タッグ
チーム
その他
凍結
削除済み
非表示
+ 吉良&レン
【吉良&レン】
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み

出演ストーリー

プレイヤー操作

MUGENキャラをさっくり触ろお!!(さまざま49、あまりもの氏製(川尻浩作))


最終更新:2024年03月08日 17:05