コマンド

注: 保護の都合上、2ページに分割したものを統合しています。
代表的なコマンドの節の編集はこちら 簡易版 )からお願いします。

コマンド(command)とは、コンピューターに対し特定の操作手順で与える命令の事。
格闘ゲームでは、必殺技を出す為に入力するレバーやボタンの特定の操作を指す。
通常技や特殊技を出す操作もコマンドと言えるが、通常「コマンド」といえば必殺技を出す際に入力する操作のみを言う。
ちなみにあの人この人その人"commando"だが、コマンドーとは司令官の事を指し、
ゲームのコマンドもキャラクターに与える命令なので、原義的には実は同じである。

一番古いと思われるのは『ドルアーガの塔』における宝箱出現コマンドだろう。
「グリーンスライムを3匹倒す」みたいなRPG的に普通のミッションもあったが、一部の宝箱は「レバー3回転」みたいな正に隠しコマンドの入力であった。
その後はコナミ製ファミコンゲームの所謂「コナミコマンド(↑↑↓↓←→←→BA)」が有名となる。

格闘ゲームでは初代『ストリートファイター』で採用され、以降今日に至るまでほぼ全ての格闘ゲームにおいて取り入れられている。
(一応レバー入力技なら『イー・アル・カンフー』で既に採用されていた。
 レバー2本でプレイする(ボタンが無い)『空手道』はどういう扱いなのだろうか?)
単に必殺技の出し方だけに留まらず、その作品やキャラクターの個性を表すとも言え、
対戦格闘ゲーム最盛期においては色々な作品で様々な特徴あるコマンドが開発されていった。
しかし、それは次第にコマンドの複雑化にも繋がり、初心者離れを呼んだ一因とも言われる。
そのため、対戦格闘ツールとしてのバランスを考え、簡略化あるいは共通化されている作品が増えた。
2023年に発売された『ストリートファイター6』では、これらの点を踏まえて積極的に新規プレイヤーを呼び込むべく、
コマンドを省いて簡単に必殺技や連続技が出せる操作系「モダンタイプ」の導入を決行。
しかも公式大会への参加もこの操作系で可能とアナウンスされており、これからの動向が注目される所である。

格闘ゲームへのアンチテーゼとして製作された『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおいては、
複雑化を避ける目的でコマンドを基本的に採用していない。
一応『DX』と『X』でサムスの一部の技に採用された事があったが、本格的な物は『for』でリュウが参戦するまで存在しなかった。
とは言えリュウも同シリーズではコマンド無しで波動拳昇龍拳竜巻旋風脚が放てる様にも設計されており、敷居を上げ過ぎない配慮はされている
(『スマブラ』シリーズでは独立した必殺ワザボタンがあり、それを使って技が出せる)。

作品によってはコマンド受付がシビアなもの(『KOF'96』)や暴発しやすいもの(『KOF'97』)もあり、操作性とも直結している。
その他、ボタン連打や押しっぱなし等、作品のコマンド受付の仕様をついた必殺技を出しやすくするテクニックから、
省略コマンドや簡略コマンド、タメ分割や優先順位といったコマンド入力における上級テクニックまで存在する。

ちなみにAIにとってはコマンドの入力は必要ない*1ので、どんな複雑なコマンドであろうがミスなく瞬時に出す事が出来る。
それどころか「タメずにタメ技の様な、そもそも人間では絶対に不可能な動作も関係なく行う事が出来る。
一番有名なのは「歩いて寄ってきたと思ったら、目の前でいきなりサマーソルトキック」と言われた、
ガイルのCPU限定行動「イカサマー(立ちサマー・歩きサマー)」だろう。
超反応と並び、AIが強い一因とされている。

MUGENではコマンドを自由に変える事が出来る&AI操作が動画の主流な為、元がどんな難しいコマンドな技でも出す事は可能。
だが「原作重視」や「変えたら負けのような気がする」との理由で変えない人も。ご利用は計画的に。
後、MUGEN用オリジナルキャラや対戦格闘ゲームではないキャラをMUGEN化する際に、
技のコマンドをどうするかは制作者の判断とセンスによるものだが、
やはり「その性能に見合ったコマンド」にする事が理想的だろう。
ウケ狙いや威力・性能相応にで複雑にしたいというのも有りだが、やはりコマンドは入力出来てこそである。
無闇やたらにコマンド入力をややこしくしたり条件を厳しくしたりするのは、
操作する面でマイナス要素となってしまうので、キャラ製作の時には注意しよう。



コマンドの読み方

1P側(キャラクターが右向き)時の操作が基本で、2P側(左向き)時には操作が左右逆になる。
「↓↘→+P」など「レバー+ボタン」となっている物が多く、この「+」とは「レバー入力と同時押し」という意味である。
但し、実際にレバーとボタンを全く同時に入力するとボタン技の受付が先に行われてしまい、意図した技が出ない場合がある。
なので厳密には「レバー入力を完成させた一瞬後にボタンを押す」とするのが正しいかもしれない。
また「、」や「・」などでボタンが区切られている場合は「ボタンを順番に押していく」という意味に(順押しコマンド)、
「PPP」や「KKK」といった表記は「同系統のボタン同時押し」という意味になる(先述に倣って「P+P+P」などと記したりはしない)。
インターネット上では、「236+P」などレバー方向の代わりに数字(テンキー)が書かれている事が多い。
これは日本語入力のコンピュータは「↙ ↘」などの斜めの矢印が入力しづらい為、
矢印の代わりにテンキーの数字を用いているからである。
「236」ならば「↓↘→」という様に8方向をテンキーの数字の場所に見立ている。また斜め表示に「/」「\」を用いている場合もある。

テンキーの見方
7(↖) 8(↑) 9(↗)
4(←) 5(N) 6(→)
1(↙) 2(↓) 3(↘)
※「N」はニュートラル(レバー入力要素なし)。『鉄拳』シリーズなど一部作品では「☆」と表記している。

なお、実際にキーボードで操作する際は↑↓←→のキーしか設定出来ない為、斜め方向への入力は二方向同時押しという形になる。
つまり、記述通りに236と入力しても斜めが入っていない事になるので注意が必要。
この場合、正確なコマンドは2・26・6となる。
尤も、そういうときのために斜め方向を省略してもコマンドを受け付ける場合もあるのでそこまで気にする必要もない。
でも昇龍コマンドなどは斜め必須な為必要な物、必要ないものを覚える必要はある。

ちなみに携帯電話では数字の配列がテンキー・電卓とは上下真逆である(スマートフォンでも電話アプリにも残っている)為、
ガラケー時代にコマンドを調べようとする場合は「数字が逆」という事を意識しないと混乱する…という話もあった。

また、海外では
  • 上=U (up)
  • 下=D (down)
  • 右/前=F (forward)
  • 左/後=B (back)
といった表記が使われる事もある。


代表的なコマンド

様々な作品において頻出のコマンドで、格闘ゲームにおいて基本的なコマンドと言える。
初出の必殺技名が通称に使われる事が多く、他作品であってもコマンドの説明に使われている。

必殺技系

↓↘→+ボタン
初出は『ストリートファイター』のリュウケンの「波動拳」。通称「波動」
海外では"Quarter Circle Forward" / "QCF"と呼ばれる。
最もメジャーなコマンドであり、飛び道具や突進技を中心に様々な技に割り振られている。
格ゲー以外でもアクションゲームでもパロディされており、有名なものは『ロックマンX』のほとんど一撃必殺の波動拳や昇龍拳だろうか。
カプコン以外なら『星のカービィ』シリーズでも『Wii』から「そっこうメガはどうショット」という技のコマンドとして採用されている。

↓↙←+ボタン
同じくリュウとケンの「竜巻旋風脚」が初出。通称「竜巻」。波動コマンドを左右逆にしたものなので「逆波動」とも。
海外では"Quarter Circle Back" / "QCB"と呼ばれる。
「↓↘→」と同じく、突進技や飛び道具を中心に多種多様な技に使用されている。

→↓↘+ボタン
これも同じく「昇拳(現:)」が初出。通称「昇竜」または「昇龍」。CAPCOM公式によると「昇」の方が多いとの事。
海外では『I』での海外名から取って"Dragon Punch" / "DP"と呼ばれる。
対空技(対空投げを含む)に使われる事が多い。たまに移動技に割り振られる事も。
入力方向が連続していないため、格闘ゲーム初心者がつまずきやすいポイントでもある。
合言葉は「歩きながら波動拳」、もしくは「Z」コマンド(インストカードでのレバー入力がZ字のため)。
コマンドが簡略化されたゲームでは、このコマンドそのものが存在しない事も多く、
この場合は全て(または一部を除いた)の必殺技のコマンドが「↓↘→」と「↓↙←」(+「↓↓」)で統一されている事が多い。

←↓↙+ボタン
初出は『ストリートファイターII' TURBO』のダルシムの「ヨガテレポート(後方)」。「→↓↘」の逆入力版で、通称「逆昇竜」または「逆昇龍」
海外では"Reverse Dragon Punch" / "RDP"と呼ばれる。
「→↓↘」に比べ、ガードから入力しやすいのが特徴。
用途としては移動技や当身技を中心に、変則的な突進技、対空技、飛び道具と多岐に亘る。

←↙↓↘→+ボタン
初出は『ストII』のダルシムの「ヨガフレイム」。通称「ヨガ」
海外では"Half Circle Forward" / "HCF"と呼ばれる。
「↓↘→」や「↓↙←」と同様の用途に加え、コマンド投げに当てられる事が多い。

→↘↓↙←+ボタン
初出は恐らくSFC版『餓狼伝説』のホア・ジャイの「ドラゴンバックブリーカー」。「←↙↓↘→」の逆入力版で、通称「逆ヨガ」
海外では"Half Circle Back" / "HCB"と呼ばれる。
ZERO2』以降ではヨガフレイムのコマンドが「逆ヨガ」コマンドに変わっているが、
コマンドとしての「ヨガ」の意味は変わっていない
という、ややこしい事態になっている。

↓↓+ボタン
初出は恐らく『あすか120%』。他には『ストリートファイターIII』(1st・2nd)での「リープアタック」が挙げられる。
主に21世紀に入ってから多用されているコマンド。
ベルトスクロールアクションでのテクニックなどで使われている事が多い事もあり、格闘ゲームの経験が無い人にも出しやすい。
またPCを媒体とするゲームの場合、キーボードでは斜め入力がしにくいという事情から採用されているケースが多い。
業務用ゲームにおいても採用されている作品が多く見られる。
移動技や自己強化技に多く、『東方萃夢想』の「霊撃」のようにゲーム中で共通する行動に割り振られるケースも少なくない。

←タメ→+ボタン
初出は『ストII』の「スーパー頭突き」「ローリングアタック」「ソニックブーム」。
所謂タメ技。海外でも単に"Charge"と呼ばれる。
「タメ」とは、一定時間レバーを入れっぱなしにするという事である。
タメ技はそのコマンド上、連発は出来ないものの、その分隙が少なく性能の良いものがそれなりに多い。
タメ系の必殺技を多く持つキャラは「タメキャラ」と呼ばれ、特にガイルはその代表格。
初出の『ストII』シリーズではその割合が高く、最終的に178人がタメ技を所持していたが、
その後はタメ不要のコマンドが主流になっていき、現在では全く採用されないタイトルも珍しくない。

↓タメ↑+ボタン
同じく『ストII』の「サマーソルトキック」と「スピニングバードキック」が初出。
こちらは対空技に使われやすいが、ジャンプをキャンセルして出す形になるため、作品によっては非常に出しにくい場合もある。
↙方向にタメると「←タメ→」などと兼用できる事が多いが、技や作品によってはきちんとその方向にタメないと駄目な事も。

レバー1回転+ボタン
これも『ストII』のザンギエフの「スクリューパイルドライバー」が初出。通称「1回転」
海外では"360"と呼ばれる。"Spinning Piledriver"を略して"SPD"と呼ばれる事も。
基本的にCAPCOM系のゲームで強力なコマンド投げにのみ使われている事が多い。
「回転方向は不問」「どの方向から入力開始するかも不問」というのが特徴。後述の「→←↓↑」のように「入力順も不問」という作品もある。
コマンドの関係上、入力中に必ずジャンプしてしまうと思われていたが、
実際は360度(例:↑→↓←↑)ではなく270度(例:→↓←↑)で出る事が発見され、立ちスクリューと呼ばれるテクニックが生まれた。
作品によっては「→↓←↖」のように、上方向を斜めに変えても出す事が可能。
斜めまたは直角どちらかの1方向を飛ばすと失敗する判定である事も多いため、
レバーでは出しやすいが十字キーやキーボードでは出しにくいコマンドの一つ。

ボタン連打
これまた『ストII』の「百裂張り手」「エレクトリックサンダー」「百裂キック」が初出。
操作の通り、パンチや蹴りを連発する技が多い。
連打というコマンドの都合上暴発しやすく、オンライン対戦では入力遅延による暴発の可能性も付きまとうなど、
制御しづらい技系統として扱われ、後年のタイトルでは採用されないケースが少なくない。
遂には元祖である『ストリートファイター』シリーズでも『6』で消滅してしまった。辛うじて『KOF』では残っているが…。

ボタン同時押し
またしても『ストII』のザンギエフの「ダブルラリアット」が初出。「PPP」や「KKK」のように表記される。
共通システムとして、通常投げや吹き飛ばし攻撃等の特殊技に割り振られているケースが多い。
その他に「↓↘→+PP」というふうに通常のコマンドとの併用で強化必殺技超必殺技などが出るある。
なお、『アカツキ電光戦記』の最終特別攻撃(3ゲージ超必殺技)は、一部を除いて全キャラ共通でこの形式(A+B+C)である。
比較的暴発が起きにくいコマンドだが、コントローラーの種類やボタン配置によっては出しにくくなってしまう事もしばしば。
また、PCのキーボード(特に安物)は文字キーの同時押しを2つまでしか認識しない事も多く、その場合はボタン3つ以上を押す技は出せないため、
PCゲーム(MUGEN含む)をプレイする際は注意しよう。ジョイスティックやゲームパッドを使用する場合は特に問題無い。


超必殺技系

「スーパーコンボ」を始めとした超必殺技は、通常の必殺技よりも強力な分、コマンドも複雑になっている事が多い。
多くは前述の必殺技の組み合わせで呼ばれる(逆ヨガ×2など)。

↓↘→↓↘→+ボタン
初出は「ワールドヒーローズ』の「ダブル烈光斬」と「ダブル烈風斬(厳密に言えば「↓→↓→」)だが、
メジャーになったのは『スーパーストリートファイターIIX』の「真空波動拳」と「烈火真拳」から。
通称も「真空波動」。単に「真空」と呼ぶ場合もこちらを指す。

↓↙←↓↙←+ボタン
初出は『ストリートファイターZERO』の「真空竜巻旋風脚」「タイガーレイド」「ジャガーリボルバー」「オーラソウルスパーク」「必勝無頼拳」。
竜巻コマンド2回なので、通称も「真空竜巻」

→←↙↓↘→+ボタン
初出は『龍虎の拳』のリョウロバート、そしてMr.カラテの「覇王翔吼拳」。
超必殺技コマンドの元祖である。

→↘↓↙←→+ボタン
初出は恐らく『ワールドヒーローズ2』の出雲良子の「空中巴二段投げ」。
上の「→←↙↓↘→」のレバー入力順をそのまま逆にしたもの。
GUILTY GEAR』シリーズでは覚醒必殺技によく見られる他、
風雲スーパータッグバトル』では全キャラ共通の逆転技コマンドとして採用されている。
一方、他のSNK系のゲームでは超必殺技ではなく、必殺技のコマンド投げに使われるケースが多い(先述の回転コマンドの代用か?)。

↓↙←↙↓↘→+ボタン、↓↘→↘↓↙←+ボタン
初出は『龍虎の拳2』の「龍虎乱舞」と「斬鉄波」(コマンドはどちらも後者)。
後述の「↓↙←↙→」と似ているが、出しやすさ・分かりやすさから、現在はこちらの方が様々な作品で定着している。

←↙↓↘→←↙↓↘→+ボタン、→↘↓↙←→↘↓↙←+ボタン
初出は『スパIIX』のダルシムの「ヨガインフェルノ」(当時のコマンドは前者)。
KOFでは2回転コマンドの代用なのか、主に投げ超必殺技のものに多く見られる。

←タメ→←→+ボタン
同じく『スパIIX』の「鬼無双」「グランドシェイブローリング」「千裂脚
ソバットカーニバル」「クレイジーバッファロー」「ニープレスナイトメア」が初出。
超必殺技コマンドにタメを要するものはCAPCOM系ぐらいだが、タメ系の突進型超必殺技コマンドとしては一番メジャー。

↙タメ↘↙↗+ボタン
これも『スパIIX』の「ダブルサマーソルトキック」と「ローリングイズナドロップ」が初出。
最後の↗は↖か↑に変えても構わない。三角形を描くように入力する事から「三角タメ」とも呼ばれる。
下要素から始め、最後に上要素に持っていく事から察する通り、こちらは対空系に多い。
斜め入力ばかりという、十字キーやキーボードでの入力が難しいコマンドの筆頭格。
なお、『スト6』ではキャラクターごとに複数のスーパーアーツ(超必殺技)が実装されているが、
このコマンドは「ボタン連打」と同様に採用されていない。後述の「2回転」は残っているのに

レバー2回転+ボタン
これまた『スパIIX』の「ファイナルアトミックバスター」と「ダブルタイフーン」が初出。
上方向を2回入力するという、実践上で直接出すのがまず無理なコマンドの筆頭格で、こちらもほぼ投げ技系にのみ使われている。

順押し系(例:弱P・弱P・→・弱K・強P)
初出は『ヴァンパイア』のモリガンの「ダークネスイリュージョン」とアナカリスの「ファラオマジック」。
『ストZERO』の豪鬼の「瞬獄殺」で知名度を上げた。
『ヴァンパイア』シリーズには他にも多くの順押しコマンドがあるが、
やはりと言うかダークネスイリュージョンと瞬獄殺の「弱P・弱P・→・弱K・強P」が最もメジャー。
なお、順押し系はレバー入れっぱなしでは成立せず、レバーを入れた後一度ニュートラルにしなければならない事が多い。

目押し系(例:→↘↓↙←→+A・A・B・C・C・C・B・C・↓↙←+C)
初出は『リアルバウト餓狼伝説』のギースの「デッドリーレイブ」。
コマンド入力から技の成立後の展開として、ボタン(レバー)を順に目押ししていくというもの。目押しに失敗すると技はそこで止まる。
必殺技の他、システムとして取り入れられた作品もある。詳しくはデッドリーレイブの項目を参照。


その他のコマンド

代表的とまでは言えないが、複数の作品で見かけるコマンド。

ボタンホールド後に離す
初出は『ストII'』のM・バイソンの「ターンパンチ」。「ボタンタメ」とも呼ばれる。
特定のボタンを押しっぱなしにし、離した時に出る技。
必要な長押し時間はまちまちで、溜めなくてもすぐに出せるものと一定時間溜めないと出せないものがある。
たまに誤解されるが、ボタン押しっぱなしの間自由行動出来るものを指し、コマンド入力後に溜めを行うものとは異なる。
押しっぱなしにしているためその間はタメるボタンを使う行動が制限されるが、タメに応じて威力や性能が上がるものがほとんど。
また、「↓↘→+ボタンホールド後に離す」といった「レバー入力後にボタンを押しっぱなしにして放す」コマンドの必殺技も存在する。
奇異な例として、『バトルクロード』では全ての必殺技のコマンドがこれに相当する。

→←→+ボタン
初出は『龍虎の拳』の「暫烈」と「幻影脚」。
あまり一般的ではないが、特徴的なせいか複雑なコマンドの説明に使われたりする事も(「波動+暫烈」など)。

↓↙←↙→+ボタン
初出は『餓狼伝説2』の「パワーゲイザー」と「鳳凰脚」。作品によっては「↓↙←→」や「↓←→」などの省略コマンドで出る事も。
「後ろ方向から一気に前」というレバーの動きと技の性質が合致したコマンドとして人気がある。
現在は類似コマンドの「↓↙←↙↓↘→」に取って代わられたり簡易入力になったりで正式にはあまり見られなくなったが、こちらの方が歴史は長い。

↙→↘↓↙←↘+ボタン
初出は『餓狼伝説SPECIAL』のギースの「レイジングストーム」。
見ての通り難易度は高いが人気も高く、数は多くないもののロマン溢れるコマンドである。
「実用性はあるが面倒臭い。かといって代用コマンドにされるとそれはそれで寂しい」とよく言われる。
「レイジングストーム」に倣ってか、対空系の超必殺技に使われるケースが多い。

↓↘→↓↘+ボタン
初出は『スパIIX』の「昇龍裂破」「スピンドライブスマッシャー」「タイガージェノサイド」。
「↓↘→↓↘→」とほぼ同じだが若干短い。恐らく最後に「↘」で止める事を模したものと思われる。
現在ではCAPCOM系でも全く見られなくなり、「↓↘→↓↘→」の簡易入力として面影を残しているくらい。
ちなみに「X-MEN」での豪鬼の「滅殺豪波動」と「滅殺豪昇龍」は最後の「→」があるかないかで暴発する事が非常に多かった。

→←↓↑+ボタン
初出は『餓狼SP』のビッグ・ベアの「ベアボンバー」。妖怪腐れ外道の「外道の烙印押し」もこのコマンド。
1回転コマンドの発展形に相当し、1回転を認識するためのレバー入力を必要最小限で取り出したもの。
SNK作品以外では、『ドラゴンボールZ超武闘伝2』の「メテオスマッシュ」の大半がこのコマンドになっている。

↑↗→+ボタン
初出は『ヴァンパイア』の「空中ソウルフィスト」「空中ビーストラッシュ」「骸封じ」。
波動コマンドを上下逆にしたコマンドで、ジャンプから即座に出しやすいという特徴がある。
『ヴァンパイア』シリーズや『MARVEL SUPER HEROES』および『VS.』シリーズの空中必殺技にいくつか見られるぐらいで、
他のゲームには殆ど普及していない。
『セイヴァー』では廃止され、通常の波動コマンドに差し替えられてしまった。

←↙↓+ボタン
初出は『ファイターズヒストリー』の溝口誠の「虎流砕」。有名所ではナコルルの「アンヌムツベ」などが該当。
先述の半回転コマンドの短縮形と思われるが、勢い余って波動コマンドに化けやすいという罠もある。
コマンドの関係上、『ストリートファイターZERO』の「ZEROカウンター」などガードキャンセル系の行動に割り振られる事が多い。
シリーズごとに見ると、『Eternal Fighter Zero』には比較的多く見られる。

↓→↘+ボタン
初出は『ワールドヒーローズ』のブロッケンの「ハリケーンアーム」。
昇龍コマンドを90度反転させたものに相当するが、普及の度合いは雲泥の差。
有名なものとしては、デミトリロマン技であり、世の紳士達の喝采を浴びた「ミッドナイトブリス」が挙げられる。




記憶に残るヤベーイ!コマンド集

格闘対戦ゲームのコマンドは、言うなれば開発者達からプレイヤーへの「挑戦」みたいな面も持っていた事がある。
開発者達は広範囲・高火力である技が故にその出し方を複雑に設定する。
プレイヤー達はそれを実戦に組み込む為に出し方を工夫する。
そんな挑戦の中で生まれた「ヤベーイ!コマンド」の例を挙げてみよう。

テリー・ボガード(初代『餓狼』)の「ライジングタックル」『↓タメ↑+A(↙・↘タメ不可)』
アンディ・ボガード(餓狼2~RB餓狼、RBS/RBDM、KOF'94~'95)の「超裂破弾」『↓タメ↘→+BD(↙タメ不可、作品によってはCDまたはBC)』
後述のコマンド群に比べると多少地味な感は拭えないが、出しにくいコマンドの初出ならば、多分これらになるだろう。
一見、普通の↓タメコマンドにしか見えないが、これらのコマンドの恐ろしい所は真下にタメなければタメが成立しない所にある。
つまり、しゃがみガード方向(↙)にタメてても駄目。
特に超裂破弾は、インストカードでもゲーム中でもコマンドが表記されてなかったこともあり、初期の超必殺技探しで最も見付けるのに苦労し、
見付けた後も本などで確認するまでは、「まさか真下タメが本当だったとは思えなかった」とまで言われたに違いない。
もっとも、初代『餓狼』のライジングタックルは攻撃判定が腕にしか無い
超裂破弾も初出の『餓狼2』だとタメ時間が長く(1秒以上)発生も遅い(0.5秒程度)
…と、見事に欠陥が目立っており、仮に↙タメから出せたとしても死に技であることに変わりはないと思われる。

ギース・ハワード(MD版初代『餓狼』)の「当て身投げ」『Nタメ←+C』
超有名技にもあった珍コマンド時代。
入力そのものは決して難しいわけではないのだが、技の性質そのものを決めたコマンド。
Nタメとは何ぞ?と思った方も多いだろうが「レバーを倒さない状態」の事で、この状態で少し置いた後に←+Cを入れると触れている相手を掴んで投げる。
流石に飛び道具は投げられないが、攻撃せずにすかしジャンプで接触した相手も投げれてしまう所を見ると、現在の「当て身投げ」の概念より、
「判定が異様に強いコマ投げ」の方が近いのだが、この「タメコマンド且つタメ中の移動が不可能」「触れていないと投げれない」性質より、
コマ投げでネオジオ版当て身投げの返し技要素を再現しようとしていたメガドライブ版スタッフの発想が面白い。
ただゲームバランスの都合か、その後のギースの当て身投げは専用の当身処理を行うように成り、
コマンドも全く違うものに変わったのは皆さん知っての通り。

ちなみにNタメ当身なんぞ二度と無いだろうと思ったら、
『豪血寺一族』のオロフ・リンデロードも当身技で「Nタメ」(だけ、攻撃ボタンも不要)というのを持っていたりする。
オロフの場合タメ時間が尋常でなく長いので、相手が協力してくれないとまず出せないが。

ローレンス・ブラッド(餓狼SP)の「ブラッディフラッシュ」『↘←↙↓↘→↙→+BD』
「出しにくいコマンド」と聞かれて、当時の各ゲーマー誰もが思い浮かべたであろうコマンド。
これ以外にも『餓狼SP』では難しいコマンドが多かったが、ローレンスの性能も含め、その中でも一番出しにくいコマンドであった。
簡単に言うと「逆レイジングストーム+最後に→」あるいは「しゃがみ歩きからヨガ+斬影拳」である。ちっとも簡単じゃない
レバー3回転」「半回転×3」などと言われていた事も。
その後『RBS』では最後の「→」が省略され、PS版の『RBDM』では普通の真空コマンドに変更。
『RB2』に至っては多くのキャラの超必と共に覇王翔吼拳コマンド(-最後の一方向省略)となった。

ダック・キング(餓狼SP~RBS/RBDM、餓狼WA、KOFXI)の「ブレイクスパイラル」『←↙↓↘→↗↓+BC(KOFXIではK)』
ダック・キングを代表する超必殺技投げ。
実の所『餓狼』シリーズは、初代『餓狼伝説』から『餓狼SP』まで頑なに「昇龍拳コマンド」を使わず
「↓↘→↗+P」の様にジャンプモーションのキャンセルを利用した対空コマンドを使用していた。
このブレイクスパイラルは正にその発展系と言うべき物で、斜め上まで上げたレバーを真下に入れるという荒技であり、
しかも3~4Fでジャンプしてしまう間に下に入れて完成させるという相当無茶な仕様で、普通に入力すると絶対にジャンプしてしまう。
当時からすかしジャンプから入れたり、スライディングや立ち大Kの間に入力する方法など、根性で様々な組み込みが研究された。
その結果、現在では立ったままブレイクスパイラルを決める「立ちスパイラル」は物理的に可能とまで言われている。
コマンドの難解さに負けず、プレイヤーが研鑽を続けた代表的な技である。

覇王丸(『真サム』、『剣サム』の真スピリッツ、『ソウルキャリバーVI』の原作コマンド版)の
「秘奥義 天覇封神斬」『↘←↙↓↘→←↓↙+BC(『SC6』ではBK)』
ブラッディフラッシュと並び、誰もが思い浮かべるであろう難コマンドその2。構成も少し似ている。
この技はTVアニメ「サムライスピリッツ~破天降魔の章~」でコマンドが公開されたという凄い経歴を持ち、
しかもその公開のされ方が、劇中のクライマックスに香取慎吾ボイスの覇王丸が放った、
天覇封神斬の剣閃の方向と形状がコマンドという前代未聞の公開方法だった。
+ てんふうじんざんっ!
上記コマンドの剣閃が画面に表示されていたのは実質1秒少々で、
「コマンドが作中で公開される」という情報は出回っていた為、ビデオ録画する人は意外と多かったのだが、
それでも上のシーンでコマンドを公開していた事に普通に気付かないレベルだった。
(中には普通に気付いて実戦投入する猛者もいたらしいが…)
本来は孤月斬を連発する技なのだが、劇中で実際に繰り出された技は何故か飛び道具で、
そもそも孤月斬も飛び道具だったり、他にも飛び道具の旋風烈斬を逆に対空技っぽく使ったり、
シャルロットがヒロインだったり、何かと首をかしげざるを得ないアニメであった。

『斬サム』ではマシにはなったものの「→↓↘→↓↘+AB」と、変則的なコマンドである点は変わらなかった。
その後は共通のコマンドに統一されているが、『零』で妖怪腐れ外道の必殺技「泥投げ」のコマンドとして復活し、
『剣サム』では真スピリッツ専用のコマンドとして再び封神斬に採用された
(同作で追加された王虎の技「超気功旋風大撲殺」も、真スピではこのコマンドになる)。
ゲスト参戦の『ソウルキャリバーVI』ではA+B+Kで簡単に出せるのだが、
それに加えてダメージが若干上昇する別コマンド版として、このコマンドが採用されている。

コマンドの複雑化が最高潮を迎えた時期の作品の、その中でも象徴的な技と言える。

緋雨閑丸(『天サム』以降)の「緋刀流 真・雨流れ狂落斬」『ボタンをホールドした後に離す』
閑丸の最大の切り札にして代名詞的な存在。
特定のボタン(『天』『零』ではD、『零SP』『剣』ではどれでも、2019年版では斬り)を押し続けた長さで技の強さが5段階に変化し、
4段階目から無敵が付き、最大まで溜めた時は発生から長い無敵があり、1発で体力の6割以上を奪う大技。
「ボタン押すだけのこのコマンドのどこが記憶に残るの?」と思う人もいるだろう。事実トレーニングモードでは誰でも簡単に出せる。
そんなこの技が記憶に残る訳。それはその狂ってるとしか思えないほどに長い溜め時間である。
具体的に書くと、1段階目から順に約1.67秒、3秒、6秒、20秒80秒
つまり正確に書くと「五段狂落斬」のコマンドは「ボタンを80秒以上ホールドした後に離す」…って長げーよ!!!

ちなみに1ラウンドは通常60カウント設定なので、1カウント=1秒の『天』~『零SP』では、
1ラウンド目は互いが怒り爆発を使わない限りどうあがいても出せない(『剣』以降では1カウント=1.5秒なので一応出せる)。
しかも特殊な方法を除いて、一瞬でもボタンを放すと溜めがリセットされるので、
『天』の特徴的なシステムである「連斬」はおろか、当て身や一部の通常技まで使えなくなる。
『零SP』以降ではホールドしているボタンを離さずに、他のボタンで溜め始めると溜めカウントが継続される。
ボタン変更が出来るので溜めながら特殊行動や投げが出来る様になった。最大溜めを決めた時の威力、爽快感は素晴らしいものがある。
……怒り爆発で抜けられるけど(零サムは完全ロック技なので抜けられない)。
一見簡単そうに見えるが、いざ使うとなるととんでもないコマンドである。

余談ではあるが『零SP』では、A~Dのいずれかで溜めている時に、ボタンを離さずにスタートボタンを押すと狂落斬を発動出来るバグがあった。
しかもスタートで発動するとミスっても溜めカウントがリセットされない(命中すると0になるが)。
このバグを利用して、3ラウンド目はヒットするまで最大溜め狂落斬が飛んでくるという世紀末な展開がゲーセンで見られた。
長い無敵に当たれば6割の突進技とか勘弁してください。

マーストリウスFHD)の「ドリルパワースラム」、嘉納亮子(FHD/溝口危機一髪!!)の「肩車」『→↗↑↖←+P』
ある意味これも逆ヨガではあるが…。ちなみにドリルパワースラムは高速突進技で、肩車は純粋な投げ技。
1回転コマンドは実は「下半回転+↑要素+P」で出る為、地上でいきなり出すテクニック「立ちスクリュー」がザンギエフ使いの間には浸透したが、
桁違いに入力困難なこの「上半回転」はそうはならなかった。

上方向入力後に実際に空中判定になるまでが遅めなマーストリウスならギリギリ出るが、素早い亮子ではほぼ不可能。
事実上、ジャンプや通常技からキャンセルして入力を完成させるしかない技である。
一応どちらも連続技中に入力すると出やすく繋がるが、ドリルパワースラムは普通にダブルジャーマンの方が威力が高いし簡単確実
肩車に至ってはダメージゼロ。空中に放り上げた相手に追撃は決まり、起き攻めにも移行出来るが扱いやタイミングは相当に厳しい。
とはいえ、亮子はこの技からの追撃が重要なダメージ源になっているので、これが使えるかどうかで亮子の強さが激変するほどである。
ちなみにドリルパワースラムがもしも普通のコマンドであったなら、ガードされると隙は大きいものの、
飛び道具への対抗手段が皆無に近いマーストリウスにとって、対抗手段の一つになっていただろう。
ちなみに『FHD』の仕様として、ヨガ・逆ヨガのコマンドは「左右逆でも認識される」「斜め方向は実は不要」という特徴があるが、
この上半回転コマンドもそこは同様。

こんな変なコマンド、他に使われるはずも…と思ったら、花諷院骸羅の「円心殺」もそうだった。
しかもあちらは『天サム』までは普通のコマンドだったのに、『零サム』から「←↖↑↗→+C」に変更されたのである。
あちらはリターンが非常に大きいので、『零サム』以降の骸羅は「これを匂わせつつ各種技を駆使して戦う」というスタイルになっている。

さらに『GUILTY GEAR STRIVE』ではゴールドルイス=ディキンソンの「ベヒモスタイフーン」『任意の方向に半回転+HS』が登場。
始点(上下左右4方向)と向き(時計回りor反時計回り)によって攻撃方法が8通りに変化する技で、地上でも空中でもすべてのパターンを繰り出せる。
つまりゴールドルイスは、下から上への半回転コマンドの地上必殺技を2つ上から下への半回転コマンドの地上必殺技を2つ
そして上半回転コマンドの地上必殺技を2つ持っていることになる。なんなんだアンタ

ジャン・ピエール(FHD)の「ロンダート」『→タメ↓↙←+K』
まさかの前タメ技。前タメ技はSFCの『デッドダンス』という作品が初出なのだが、やはりこちらの方が有名。
前述の上半回転もそうだが、『FHD』には一風変わったコマンドが非常に多く、その代表例がこれ。
前タメの間は当然無防備になる為、↘+Kでスライディングを出しつつ前タメを完成させて出す…という使い方が考案されたが、
どう当てても反撃確定なので全く使えない。一応出だしに軽い無敵と中段判定もあるが、精々とどめに使うのが関の山。
せっかくの隠し必殺技なのに…。普通に使える技な奴らが恨めしい。

ちなみに『堕落天使』の結蘭が使う「飛びつき回転首折り」も「↘タメ←→+強P」と前タメでしかも超必投げ技というのもある。
要は投げ間合いで、相手に向かってレバーを入れ続けるという凄い条件である。
一応、結蘭は『堕落天使』のキャラで唯一しゃがみ移動が可能であり、しゃがみ移動を絡めた攻撃の牽制から使えるので、
実の所ロンダートよりも使い道がある。ただ「しゃがみ移動している=超必投げ狙い」である事を示しているので、ロマン技の域ではあるが。

余談だが、単純な「→タメ←」コマンドは意外と使われており、
超武闘伝2』のセル、『GROOVE ON FIGHT』の豪血寺お梅豪血寺お種
アルカナハート3』の廿楽冴姫、『UNDER NIGHT IN-BIRTH』のバティスタがこのコマンドで出す技を持っている。
このうちセルのスパイクバスター(→タメ←+P)に関しては、超武闘伝2の仕様で「L・Rボタン」がダッシュ用に割り振られ、方向操作より優先されるので、
前タメしながらでも任意で前後移動は可能(ただしスパイクバスターは接近しないと出せないので最後は近寄る必要がある)。
また、『月華の剣士』二幕の神崎十三の必殺技「岩クダキ」のコマンドも「→タメ←+C」なのだが、
これに関しては何故か「↙タメ↘or↗+C」と入力しても出せてしまう。
おかげで技剣質では小足から繋げたりも出来るのだが…。
ちなみに力剣質ではガード不能。画面端では→+Cキャンセルから繋がるのでこの場合は前タメでいける。

廿楽冴姫アルカナハート)の「オルナ」『↑タメ↓+攻撃ボタン』
そしてこちらは上タメ技である。しかも地上時限定。格ゲーでもこんな技は多分これだけ。
普通に出そうとすれば確実にジャンプするが、コンボゲーなのが幸いし、
コンボ中にタメを完成させて出すというやり方でコンボにも組み込まれている。
研究の成果もあり、めくりオルナなども完成。変なコマンドの割に普通に戦略に組み込まれている数少ない例である。
ちなみにタメの必要は無いが、ザジィ・ムハバのデシカカトも『FHD』では「↑↓+K」だった。
こちらは立ち回りでそれなりに活躍する。
あと『EXレイヤー』のダラン(とスカロテリー、エリア)や、開発中止になったけど『CFAS』のD.Dこと出島大介氏もデシカカトコマンドの使い手
そして冴姫は先述の通り、後に前タメコマンド技も習得し、前後上下全ての地上タメ技を習得した唯一のキャラとなった

ホンフゥ(餓狼3)の「カデンツァの嵐(潜在能力版)」『挑発出来る間合いまで離れてタイム奇数時に→↓↘←+CD』
恐らく2D格闘ゲーム史上最も出すのが難しい必殺技
コマンド自体も地味に難しいのに、前提条件がそれに輪をかけて厳しすぎる。
「タイム奇数時」という条件のせいで、タイムを無制限設定にしてしまうと出せなくなる
これ以外にも『餓狼3』の潜在能力は「挑発中C押しっぱなしで~」とか「顔面仰け反りダメージ中に~」とか前提条件が異様に厳しい物が多い
(それ以前に潜在能力を使うにはラウンド開始前に隠しコマンドを入力する必要があるわけで…)。
そもそも、『餓狼3』における潜在能力とは「1024分の1の確率で超必殺技が潜在能力版に変化する」
という文字通りの隠し技である(はずだったが、プログラムミスによりそれが不可能になっていた)。
潜在能力版を自由に出すという行為自体が、本来想定されたシステムから外れた裏技に該当する行為であるという事は頭に入れておいた方が良いだろう。

ソル=バッドガイGGXX AC)の「ドラゴンインストールセカンド」『↓↙←↓↙←↓↙←↓↙←(N)+P+HS』
『GGXXAC』のソルの隠し技兼ロマン技
レバー入力だけで12方向、そして最後に一旦ニュートラルに持っていく必要があるので13方向、とも言える。
何故このようなコマンドになっているのかと言うと、この技は全ゲージ消費の技なので、
ゲージを消費してしまうフォルトレスディフェンスを出さない様にするため。
ちなみにの「豺華」も12方向(「八稚女ヒット中に↓↘→×4+AC」)だが、こちらは八稚女の追加技であるので出すのは難しくない。

ヴォルフガング・クラウザー(KOF'98UM)の「ギガティックサイクロン」『接近して→↘↓↙←×3+AorC』
レバー○回転系の技を除くと、格闘ゲーム史上最長のコマンドがこれ。
レバー入力だけで15方向というとんでもない長さを誇る。しかも投げ技である為、入力中に相手に悟られて飛ばれるなんてのもザラ
しかし投げ間合いは(餓狼のものと比べると)それほど広くなく、威力も通常版はパワーMAX状態の「リフトアップブロー」と殆ど変わらない。
だが、コマンド入力が必要ないCPUは『'98UM』特有の超反応も相俟って、この技で遠慮なく投げてくる。

なお、初出たる『RBS』ではこの半分のレバー入力(逆ヨガ+逆アンヌムツベ)で済むのだが、
なぜそれをきっちり倍にしてしまったのか…普通に逆ヨガ×2(『KOF』超必投げのスタンダードなコマンド)でもよかったのでは…
多分そうしたとしてもクラウザーの強さにはほとんど影響なかったろうし

大道寺きら(『アルカナハート2』以降)の「ラストアルマゲドンドロップ」『レバー3回転+AB』
前代未聞のレバー3回転。コマンドの長さ自体も格ゲー史上類を見ないレベルの長さ。
この手のコマンドの例に漏れず、普通にやろうとすればジャンプしてしまうのでプレイヤーの間で入力方法が研究され、
「理論上は」立ちから出せる事が判明したものの、その猶予Fはコマンドの長さに比べて理不尽なまでに短い(12Fきっかり)ので、
実戦投入は実質不可能とすら言われる始末。ただし決まれば相手の体力を8割方吹き飛ばせるので、
全国2千万人(推定)のきら様の下僕達は今日も実戦投入を夢見ているとか。

こんなコマンド、二度と使われることは…と思いきや、
『BLAZBLUE』のテイガーの一撃必殺技「キングオブテイガー」が、2作目『CONTINUUM SHIFT』から『レバー3回転+D』になっていた。
あちらは相手がのけぞり中だろうがガード中だろうが空中にいようが問答無用で投げられるので、確定状況は意外と多い。
3作目『CHRONOPHANTASMA』ではそれだけにとどまらず、
バレットの「サーペンタインアサルト」『レバー2回転+A』からの条件付き派生で「フランジブル・エンゲージ」『レバー2回転+D』、
さらにそこからの派生で「ブラックアウト」『レバー3回転+D』なんてのも現れた。ただでさえ出すのが難しいのに派生技で+5回転って…

ちなみに『RBS』のホンフゥの「爆発ジロー」は更に上を行く『↑から時計回りに4回転』だが、
あちらは「爆発ゴロー」からの派生技なのでジャンプする心配も無く、レバーだけで完成するので出すのは意外と簡単。
また、厳密には格ゲーではないが、『ドラゴンボールZ V.R.V.S』では必殺技のコマンドが尋常でないほど長く、
プレイヤーキャラ全員がレバーを8回転以上回すコマンドを持っていた。中には「6回転→逆に2回転」「ボタン2つを連打しながら10回転」なんてのも…

ストームX-MEN COTA)の「アイスストーム」『↓↘→+スタートボタン』
本来はゲームスタート時や挑発にしか使わないはずのスタートボタンを(超)必殺技のコマンドに使用した希有な例。
必殺技のコマンドでスタートボタンを使用する技はこれ以外だとリュウの「波動の構え」といったフェイント技、
アーデルハイドの「G・プリンツェッシィン」やダンの「挑発伝説」といった挑発の上位互換的な必殺技で一部見られるくらいで、
普通の必殺技に使われているのはこれくらい。
ちなみにこの技は隠し技であり、隠しコマンドにスタートボタンを使用するという事で、
ドルアーガの塔』を思い出したオールドゲーマーもいた…かもしれない。

陳念(『闘婚』以降)の「練鬼降臨」、弧空院金田朗 / ポチ(同左)の「突撃シーザー」『A押し続けB押し続けC押す』
こちらはボタン押しっぱなし系列の変り種。
Aを押したまま0.3秒くらい後にBを押し、その後ABを押したまま0.3秒くらい後にCを押すと技が出る。
両者とも技自体の使い勝手は良いものの、ゲーム自体の仕様で空振りをキャンセルして技が出せない為に、
普通に入力すると立Aが出て終わってしまう。技のキャンセルから出すか硬直から解けた時にしか撃てないという非情の必殺技。
しかし『先祖供養』では空振りキャンセルで出せる様になっており、
上記の行程で出せるのは変わっていないので、咄嗟の対応も出来て非常に強力な技に変化している。
また、NESiCA版ではどちらも「↓↘→↓↘→+C」でも出せるようになった。

水瀬名雪(寝)EFZ)の「超級だおー電影弾」『強+↓↘→↓↘→』
『EFZ』の珍妙コマンドの一つ。上のコマンドは「↓↘→↓↘→+強」の間違いではない。
通常のコマンド入力はレバー>ボタンの流れが常識なのだが、ボタンを先に押した後にレバーを入れないと出ない謎のコマンド。
当然先に強攻撃が出かかる為、入力待ち時間が非常に短い。
ちなみに技自体の使い勝手の方は無敵時間あり、ダメージ大、追撃可能(RFゲージがあれば即死コンボが組めてしまう)とかなり高い。

なおこの手の入力法は2D格闘ではお目にかからないが、3D格闘などでは割と使われている。
また、2Dでもアメリカの恐竜格ゲーである『プライマルレイジ』では全キャラのコマンドがこの系統だったりする。

美坂栞(EFZ)の「石入り雪球トルネード投法」(『BME』まで)、
                                「完全冷凍竜巻ストライク」(『MEMORIAL』以降)『↓↘→↓↘→+中>強スライド押し』
同じく『EFZ』の珍妙コマンドの一つ。
一見するとボタン2つ押しの真空波動だが、『EFZ』の仕様で同時押しだとコマンドが成り立たない
その代わりの措置なのか、中ボタンを入力してボタンを放したら間髪入れずに強を押さなければならない。
コマンドの関係上他の技に化けやすい上に中>強のタイミングが非常にシビアである。
+ 似たようなコマンド
このコマンドに似たものに、『KOF2002』のリョウ・サカザキのMAX版龍虎乱舞(↓↘→+C・A)がある。
このコマンドは同時押しではなくCを押した後Aを押すのだが、コマンド被りで強虎煌拳(↓↘→+C)に暴発する事が非常に多かった。
その為、硬直を駆使するなどして発動させるなど工夫して入力しなければならなかった。

スライド入力自体は3D格闘ではよくあるコマンドであるが、使いこなすには慣れが必要である。

美坂香里(EFZ)の「サイレントポーズ」『→・→・→・特殊』
またまた『EFZ』の珍妙コマンドの一つ。
一見ただの順押しコマンドだが「→を3回連続」という、何をトチ狂ったのかと言わんばかりのコマンド。
当然の事ながら、普通に出せばダッシュが出る

ここまではいいとしても、この技自体は当身技
よって実際に使うとなると、ダッシュが出ない様にしないといけないので暗転返しやリコイルガードから出す事になる。
「高性能な技であってもコマンド次第ではほとんど使えなくなる」といういい例。
だがMUGENだとAIにはそんなのは関係なく、超反応で即これを決めてくる事もあり、非常に強力な技になっている。
それにしても、姉妹揃って妙なコマンド持ちってなんなんだアンタら

スコーピオンモータルコンバット)の「魔焼波」『中距離で↑↑』
FATALITY系統。トッシーToasty!で有名な、口から火を吐いて相手を焼き尽くす技。
まず、『モーコン』シリーズではBLKボタンを押してる間はジャンプしないので↑入力系の技を出すのは実は簡単であり、
このコマンドに限らず「↑↑↑+攻撃ボタン」等の↑連続入力系コマンドが普通に存在する
(この仕様を使わずともジャンプからのキャンセルや「ガード中はジャンプしない」仕様で出す事は出来るが難しい)。
しかし、「中距離で」というのは文字通り近すぎても離れすぎてもダメという意味である。
『II』以降でも「中距離で」という制限は平然と使われているのだが、初代の時点ではスコーピオンのみであった。
一見単純に見えて、仕様を知らないとかなり出しにくいコマンドである。レバー入力のみなのが救いか…。

以降でも度々使用している技だが、
この内『II』『9』『X』では「↑」2連続に加えてボタンまで要求してくる。汚いなさすが忍者きたない

スコーピオン(モータルコンバットII)の「魔焼突死波」『↓↓↑↑+HP』
またもスコーピオン。同じくFATALITY系統。上記のBLKの仕様を使用せずに入力するのが唯一無理なコマンド
前作のものは一応ジャンプからのキャンセルでギリギリ出せるが、これは絶対に無理。
ほとんどの状態で↓↓↑と入力した時点で必ずジャンプしてしまうからである。
つまり、通常のやり方では理論上ですら入力が不可能というとんでもないコマンド。
しかしこの忍者、続編に「↑」2連続コマンドを2つも仕込んでくるとは…汚いなさすが(ry

K9999(KOF2002)の「これは、まるで…!!」『空中で→←→←→←→←』
非常に珍しいコマンドを使用したMAX2。
レバー入力だけ見ても相当なものだが、このコマンドの特徴はそれだけで完成する事。つまりボタンを押さないコマンドである。
初代『モータルコンバット』や『大江戸ファイト』が先にレバーだけのコマンドを採用してはいるのだが、『KOF』シリーズでは異色、しかも長い。
他にもMAX2は半分ネタなのか、実戦投入出来ない変わった物が多いが、特徴という意味ではこれが頭抜けている。
当然ながらジャンプしてから着地するまでにこのコマンドを入力しないといけない為にかなり面倒だが、
実は地上でレバーを前後にガチャガチャやっていればバックステップ(空中判定)が出て、コマンド完成時に空中であればOKなので出す事自体は簡単。
というより「出ちゃった」という困った事も。
しかしMAX2はゲージMAX発動中にしか出せず、MAX発動中はどこでもキャンセルを利用するのが基本なので、まず見る事は無い。
まぁ全画面判定なので離れていれば削りとして使える事は使える。

これより後に出たボタンを押さない技は、前述したオロフの当身技に加え、
がある。
「煩悩頭打」は「怒り爆発」のわずかな瞬間でないと発動出来ず、
「隠しリーブアタック」は地上技の為、大急ぎで入力しないと前か後ろのステップが出てしまう。
「地に足を着け、星を見るのだ」に至ってはボタン入力とレバー操作が一切できず、
攻撃を食らうと待機時間がリセットされてしまうので出すチャンスすら無いという非情の技、もとい完全なお遊び要素である。


番外編

3D格闘ゲームのコマンド

結城晶(『バーチャファイター2』以降)の「独歩頂膝」「提膝弾腿」『K+G・1F後にG離す』
恐らく3D格闘ゲーム史上最も出すのが難しい固有技
3D格闘ゲームの名作『バーチャファイター』シリーズの主人公、アキラの固有技の一つ。
アキラの持つ固有技は「崩撃雲身双虎掌」(P+K+G・←↘P+K・↓←P)を始めとして、コマンドの成功難易度が高い物が多いのだが、
この「独歩頂膝(提膝弾腿)」はその中でも極め付きの難易度を誇るコマンドだろう。
内容は上記のコマンドの通り。まさかの「1F要求」である。
格ゲーの歴史の中でコンボならともかく、ただの固有技でフレーム単位の操作を要求されるコマンドはこいつぐらいだろう。
技自体はなんて事のないVF共通のただの飛び膝蹴り(『4』以降は専用のモーションになり片膝で相手を蹴り上げる技に)なのだが、
コンボ始動用の相手を浮かせるタイプの技や性能の高い技が意外と少ないアキラの技の中では比較的優秀な部類に入り、
コレが使いこなせるとコンボの幅が広がるため、中々に馬鹿に出来ない技なのである。

一応、この技は初代から存在していたのだが、実は初代ではバグで発生した物だったという経歴を持つ。
初代ではプログラムのチェックが甘かったため、一部キャラの存在予定の無かった技がバグとして存在しており、
この独歩頂膝、つまりアキラの膝蹴りも本来は存在しなかった技なのである。
しかも、その証拠に初代ではコマンドが「投げ間合いで→→K+G・G離す」というものであり、この「G離す」も猶予1Fではなかった。
この時の「K+G・G離す」という珍妙なコマンドが後に『2』で正式採用され、今の独歩頂膝となったのである。
なんで猶予が1Fになったのかはわしにも分からん・・・・。

後年の『DOA5』や『電撃FC』へのゲスト出演においても登場しており、
前者ではメーカーが変わっても相変わらず1F入力を要求していた。
後者にてアキラのインパクトスキルとして登場した際、流石にコマンドは↓+ABと簡単になっているが、
入力した直後に1FでAのみ離すと、アキラの体が光って後スキが減る仕様が仕込まれている。

三島家(『鉄拳』シリーズ)の「風神拳」『→☆↓↘RP』
バンダイナムコの看板3D格闘ゲーム『鉄拳』シリーズに登場する三島一八三島平八風間仁(『4』以降無くなり、『5』以降はデビル仁)が持つ固有技。
一瞬の速さで強く踏み込むと共に右アッパーを繰り出す浮かせ技。
コマンドは昇龍拳に似ているが、入力の際に「☆(レバー中央=ニュートラル)」を経由する必要がある。
コマンド入力が難しめな分判定もダメージも大きい。
ただし、上段判定なのでしゃがんでかわされる弱点も抱えている(昔はしゃがみガード不可の中段だった)。

…と、これだけでも充分に強い性能なのだが、
コマンドの「↘」と「RP」を1Fの誤差も無く同時入力すると右腕に稲妻のエフェクトが付いた「最速風神拳」となる(『3』の仁に初実装)。
成功すれば威力が上がり、発生速度が速くなり、硬直も短くなる。
そのため本来ならガードされると反確のはずの浮かせ技なのに、硬直が短くなる事でガードされても有利という鬼のような性能と化す。
当然ながら入力難度が高く、初登場の当初は「出せるだけでステータス」と評されていたが、
後に最風を使ったテクニックが次々と確立され、現在は「三島家使いなら出せて当然」と言われるほど重要な技になっている。
練習すれば必ず出せる技であり、これが使えるかどうかで強さが激変するので、三島家を使うならマスターすべき技である。
なお、『7』での一八の場合はレイジ状態中に特定コマンドでレイジと引き換えにデビル化すると性能が強化され、
更に中段判定と化す(残り体力が少ない状態でレイジ状態を解除するのでハイリスクではあるが)。

余談だが、三島仁八の場合は「↘RP」と簡略化されている上に『5DR』では最風と同じ性能という壊れ技だった。
幸いCPU専用のラスボスだった為、ゲーセンが核の炎に包まれる事は無かったが……。
プレイアブル化した『TT2』では他のキャラと同じ普通の浮かせ技になっていた。
ラース・アレクサンダーソンも三島の血を引いているが、そもそも格闘スタイルが違うので使用せず、代わりに高性能な中段の浮かせ技を多数持つ。
また、三島平八のみがこれに加えて雷神拳(→☆↘LP)の最速入力「最速雷神拳」という特殊技も持っている。
最風よりもコマンドの受け付けが厳しいが、同様に威力が上がるので狙ってみるのもいい。

その他、『ウルトラストリートファイターIV』のダンが、オメガエディションの性能時に晃龍拳のコマンドを入力する際、
「↘」と「P」を同時入力する事で最風のパロディ技「サイキョー流裏技・奮迅拳」を使うようになっている。

3D格闘のライバル、『バーチャファイター』シリーズでもウルフのジャイアントスイング(←↓→G+P)を5F入力
(コマンド上は3方向で認識するので最速3Fだが、コマンド表ではヨガフレコマンドなので5F)すると威力が上がるなど、
3D格ゲーではジャストフレームにこだわりでも有るのだろうか。

ジャックシリーズ(『鉄拳』シリーズ)の「ギガトンパンチ」『レバーn回転+LP』
ジャックシリーズが伝統的に保持しているネタ技。
コマンドだけで現すと、恐らく全格ゲーの中でも最長クラスの一品である。
レバーの回転数に応じてジャックが腕をぶん回し(P.ジャックの場合は『TT2』では上半身を回転させ)、
左パンチボタンを入力した段階までの回転数が威力に反映される。1回転目は中段、2回転目からガード不能判定になるのが特徴。
4回転目まではあまり威力が伸びないのだが、5回目で威力が3倍跳ね上がり
最大溜め時の破壊力は体力マックスから相手を一撃KO出来るほど。
ただし、溜めが長すぎるため、実戦で狙う機会はそうそうない。
地味に『TTT』からは回っている腕にも判定が追加されたが、やはりネタの範疇は出ていない。
とはいえ、『鉄拳』シリーズではほぼ全キャラに「恐ろしく発生の遅い高威力ガード不能技」が搭載されているので、
別にジャックだけネタ技が与えられているわけではない(これとは別にもう一つ威力の高いガード不能技も搭載されている)。

ちなみに「腕を回した回数に応じて威力が上がる技」は『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラ、「フィンクス」の「廻天」というのもある。
なお、烈海王のグルグルパンチは逆に弱体化する

デク(ファイターズメガミックス)の「デク・ザ・ダーティ」『↓←→(人間には入力不可能)
セガが'96年に発売したVFと『ファイティングバイパーズ』(VFと同じくセガの有名3D格ゲー)の、
クロスオーバー作品『ファイターズメガミックス』に出てくる隠しキャラの一体に「デク」というキャラがいるのだが
(ただこのキャラは隠しキャラと銘打ってはいるがトレーニングモードで文字通りサンドバッグとして出てきたりする)、
このキャラが持つこの技のコマンドが巷では最も出せないコマンドとして有名である。
それが上記のコマンド。「(人間には入力不可能)」も含めて記載されたオフィシャルガイドの原文ママである。
ボタンを一切使わないコマンドなのに「人間には入力不可能」とは、一体どういう事なのかというと、
この技の入力猶予はなんとたった4Fしかなく、レバー一方向をそれぞれ1Fずつ入れないと出ないという正に機械専用の技なのだ
(それぞれの方向に1Fずつで最低3F。猶予4Fなのは恐らく↓・←の際の斜め方向も1Fとして含んでいるからだと思われる)。
そのため、どんな性能云々よりもまずどんな技なのかすら分からず、未だに謎に包まれた技なのである
(先のオフィシャルガイドもこの技についてはコマンド以外全く触れていない)。

灌頂玄信、六道玄真(『サイキックフォース』シリーズ)の「呪縛殺」『↑・↙・→・←・↘・↑・弱強・弱G・弱強G』
『サイキックフォース』および続編の『サイキックフォース2012』、PS版『サイキックフォース2』の追加コマンド。
このゲームは必殺技の入力が非常に簡単で、これ以外の技の入力コマンドはどんなに難しくても「←→→弱強」、
長くても「一回転強」ぐらいしか無く(それ故暴発も多いが)、この技自体も発動だけなら「←→→強」で済む。
しかし、追加入力をしないと大量のゲージを使うのにダメージは小パン以下のカス当たりになってしまう上に、
五芒星を描くという非常に難解なコマンド、さらに入力にディレイがあってタイミングをミスると失敗する。
とは言えコマンドさえ覚えれば後は臨・兵・闘・者~のボイスに合わせてコマンドを入力すればいいので比較的楽である。

問題は、『2012』からは「呪縛殺返し」という相手が同じ入力をしてくるとダメージの約1/3を跳ね返される仕様の追加により、
入力パターンが逆方向と二通りある(↓・↗・←・→・↖・↓・弱G・弱強・弱強G)ようになった事。
前述した通り覚えてさえいれば入力が楽なのは相手も一緒なので、事実上50%でダメージを跳ね返されるという諸刃の技になってしまっているのである。
一応、生粋の玄信・玄真使いでなければ咄嗟に逆順コマンドの入力をする事は難しい為、逆順コマンドの方が跳ね返されにくくはあるのだが。
ただ、相手側は違う方向に入力しても失敗になるわけではないので、操作はかなり忙しいが複合入力をする事によって両方を返す事も可能である。

余談だが、サイキックフォースシリーズは空中を飛び回って戦うため、キャラの向きに関わらずコマンド入力は上下左右どの方向に反転させてもいい
(上記の呪縛殺の追加コマンドは除く)。
例えば、上記の「←→→」は「↓↑↑」や「↗↙↙」などでも出るし、「←↓→」は「←↑→」や「↑←↓」などでも出る。
そのため他のゲームでは見かけないような変わった入力で技を出すことも可能。

格闘ゲーム以外のコマンド

クレス・アルベイン(SFC版『テイルズオブファンタジア』)の「時空蒼破斬」『→↘↓↙←→↓↑→↘↓↙←→↑↓+B』
コンボコマンド装備時のもの。
「近距離から奥義連発すれば最強だぜ!」というプレイヤーの希望を粉々に打ち砕いた伝説のコマンド。
確かに技自体はチート臭い性能を持っているのだが、こんなコマンドを死ぬ思いで入力するくらいならば、
遠くからワンボタンで「魔神剣」をチクチク撃ってる方が遥かにマシであろう。
なお、リメイク版では「↓↘→↓↘→+□」と大幅に簡略化されている。

リュー・イーグル(ニンジャコマンドー)の「爆烈究極拳」『↑↙↘↖↗↓+攻撃ボタン』
ADKの縦スクロール忍者シューティングゲーム『ニンジャコマンドー』でフウマの子孫が使う技。
六芒星を描くという非常に複雑なコマンドながら、この技を出せればクリアはほぼ確実と言われるくらい、ぶっ飛んだ高性能技。
どれくらい高性能かと言うと、前方三方向に全てを貫通する爆炎を放ち、通常必殺技の為制限無しに撃ち放題な上、STGなのを考慮して硬直は0
(全てを貫通=地形を貫通+ガード不能(本作はボスのみガードが使える)。尤も本作では(紅蓮分身を除いた)全ての必殺技がそうだが)。
しかもボスの体力が500前後なのに爆炎一つで50ダメージな上、図体の大きいボスには三つとも当たって150ダメージ。
さらにはコマンド受付時間中ならボタン連打で連発出来るので、ボスが攻撃を始める前に蒸発してたりする。
「ばばばばばばばくれつきゅうきょくけん!!」
実は複雑と思われていたコマンドも正確に入力する必要は無く、
「上から反時計回りに1回転して左上でストップ、そこから時計回りで下まで持っていく」で良い事が判明。
この入力方法が発見されてから、2Pプレイで2人のリューが爆烈究極拳を垂れ流しながら前進するという悪夢の様な光景が広まった。
ちなみにフウマが使うのは「風魔忍法奥義 爆究極拳」。『ワーヒー2』でその存在を匂わせ、『2JET』で遂に実装され、
あの風魔忍法奥義が使える!と思ったら普通の性能とコマンドで、ガッカリした人は少なくない
(フウマは5代目、リューは32代目なので「歴代風魔小太郎が改良していったのだろう」と言うのがファンの意見。
 ぶっちゃけ格闘ゲームだとボス以外には使わせる訳には行かない性能なのが理由だろうが)。


こんなコマンドが格闘ゲームで出来るわけがないので存在してないと思われてるかもしれないが実はある
同製作社であるADKの『痛快GANGAN行進曲』のボビーの技「ボビー・ダンス」がこのコマンド。
もっともこのゲーム、格闘ゲームとしては特殊で手前や奥に自在に移動出来る(ジャンプはボタン)という仕様で、
さらに相手を掴んでから入力する技なので、こんな珍妙なコマンドでも問題ないのだ。

ちなみに似た様なコマンドで紅丸のMAX2の「雷塵纏」(→↙↘←→+ボタン)や、
アルカナハートの安栖頼子の「古のタリズマン」(通称・儀式。↑↙↗↖↘↑(他3通りあり)で五芒星を描く)の追加入力も同系統である。
こちらは正確に入力する必要がある上に入力の受付が若干特殊な為非常に入力しづらい。

余談だが、MUGENで相撲キャラが活躍した際の「SUMOUパワーにはまいったな」と言うコメントは、
リューの仲間であるジョー・タイガーの台詞「スモウパワーにはまいったな!」が元ネタである。

プラズマカービィプラズマウィスプ(『星のカービィ』シリーズ)の「プラズマはどうだん」『めちゃためてY』
スーパーファミコン『星のカービィ スーパーデラックス』とそのリメイクのDS『ウルトラスーパーデラックス』で登場したコマンド。
「めちゃためる」と思いっきりアバウトな表記だが、具体的に表記すると「ラストアルマゲドンドロップ」以上の長い入力になる
この能力の「ためる」は格闘ゲームのタメ技と違い「十字キーをいずれかの方向を押すごとにエネルギーが溜まっていく」というもので、
十字キー1周分で大体1段階溜まり、この技は第4段階目で使える様になるというもの。
つまり、この技を通常のコマンド表記にすると「十字キー4回転+Y」というものになってしまう…ありえん(笑)
(リメイク版では斜め方向の入力では溜められなくなったため、さらに時間がかかる
実際にはこのタメにコマンド受付時間というものはないので適当にガチャガチャやっても溜まる事と、
アクションゲームなので上を入れてもジャンプはしないし、ジャンプ中やガードしながら溜める事も可能で、入力自体はそんなに難しくはない。

ハンマーカービィデデデ大王(『星のカービィ』シリーズ)の「ばくれつハンマーなげ」『ダッシュ+X』
同じく『SDX』及び『USDX』から。
一見普通のコマンドに見えるが、他のコピー能力のコマンドでは類を見ないおかしなものである。
本来Xボタンというのはコピー能力を捨てるためのものであり、その通りに入力すると前方へハンマーを投げ飛ばして攻撃し、ハンマーの能力が失われる。
当然ヘルパーのボンカースは使用出来ないが、
『Wii』『トリプルデラックス』『スターアライズ』のデデデ大王はこの技をハンマーを失くさずに何度でも使用出来る

ファイアカービィバーニンレオ(『星のカービィ』シリーズ)の「火だるまぢごく」『じぶんに火ふき』
同じく『SDX』及び『USDX』から。
自分に攻撃するという前代未聞のコマンドだが、なんて事は無い。ただYを押しながら後ろのキーを溜めるだけ。後の作品では分かりやすい表現になった。
十字キーを後に押すのは格ゲー的はにやや変則的なもののアクションゲームではよくある事だが、
この手のボタンと十字キーの組み合わせは大抵は技の軌道を変えるもの(この技自体もそれの応用である)であり、技を発動させるというのは中々珍しい。
威力はこのゲームで屈指であり、動かないボス大きく隙を見せるボスなどに大きな効果を発揮する。

ルイージ(『スマブラ』シリーズ)の「アピール」『L(初代)』『十字キー↑(DX)』『十字キー↓(『X』以降)』
アピール用ボタンを押すだけ。ルイージは石ころや空き缶でも蹴ったようなキックを繰り出す。
実はこれ、ただのアピールではなく攻撃判定を持っているのだ。
『初代』の時点では吹っ飛ばしが弱かったが、『DX』以降はメテオ判定が追加され、『X』以降は吹っ飛びが異様に強化されている。ロマン技の域だが。
『初代』のCMでルイージが崖に掴まったキャプテン・ファルコンを蹴飛ばすのを見たユーザーも多いだろう。
『for』以降はゲッコウガカズヤにも攻撃判定付きアピールが用意されている他、
『初代』から登場しているカービィのアピールも「コピー能力を捨てる」という実用的なものになっている。
なお、『SP』での専用部屋を除くオンライン対戦ではこれらを含めたアピールは全て使用不可となっている。

ネス、リュカ(『スマブラ』シリーズ)の「PKサンダー体当たり」『↑B+任意の方向に操作して自分に当てる』
自由に方向を操れる飛び道具「PKサンダー」を操作して自分に当てるという、変則的なコマンド。
当てた方向に自分が吹っ飛んでいくが、この体当たりがとても威力が高いうえに、
ふっとばされて転落しそうになったときの復帰にも必要な事実上の基本テクニックと化している。
ただやはりシリーズを通して扱いは難しく、よほど慣れないと相手や崖を狙って思い通りには飛んでいかなかったりするばかりか、
復帰阻止に弱い一因にもなっている(ガードや反射技などで飛び道具を無効化されたり、自分を攻撃されたりで失敗するため)。

サムス(スマブラDX)の「ロンググラップリングビーム(仮称)」『グラップリングビーム中に↑↓↑A』
『スマブラ』シリーズ随一の裏技らしい裏技で、謎技。それでいて(成功さえすれば)そこそこ有用な技。
グラップリングビームとは、要するにサムスの掴み動作の事で、他のキャラの一般的な掴み動作とは異なり、
サムスはワイヤー状のビームを出すのだがそれが最大まで伸び切る前にコマンド入力をすると成立する。
最後のAは十字キーと同時ではなく順押し。

だが、コマンドは3Dスティックではなく小さくて押しづらい十字キーでやらなくてはならず、おまけに入力受付時間が短く、
こする様にカチャカチャ入力しないと出ないという『スマブラ』では異例の高難易度のもの。
そもそも『スマブラ』シリーズにおいて十字キーとはアピール(挑発)操作に使うものである(『DX』では上のみ)。
じゃあこれで何が出来るかというとグラップリングビームの性能が変化する。どう変化するかというとグラップリングビームのリーチが2倍になる
さらにLボタンを押しっぱなしにするとグラップリングビームが一番近くの相手を自動追尾するというとんでもない性能となる。
ただし、この状態になると相手を自動で掴む事が出来ず、グラップリングビームの先端が相手に当たった時にAボタンを押さないと掴む事が出来ない。
技中のモーション動作の長さや隙は通常時のそれと同じで、自動で相手を掴まない事さえ留意すれば純粋な強化なのだが、
いかんせんコマンド入力が激ムズなので、試合中に狙うのは至難の業。おまけに一度撃墜されると元の性能に戻ってしまう。
バグの類ではなく意図的に仕込まれているのは明らかなのだが、公式で言及された事は一度も無く、
開発者・プログラマーのお遊びなのか、テストで仕込んだ性能がそのまんまになってしまったのかも謎という変態チックな技である。

ロックマン.EXE(『ロックマンエグゼ2』以降)の
「バリアブルソード」『←B→B(ソニックブーム)』『BB←↓→(エレメントソニック)』
『ロックマンエグゼ』シリーズに登場するバトルチップの一つ。『2』以来皆勤賞。
普通に使うと、通常チップの「ソード」と同じく目の前1マスを斬るだけの平凡なチップである(威力は高めなので弱くはないが)。
しかし、このチップの真骨頂は、発動時Aボタンを押しながら特定のコマンドを入力する事で、技が派生する事
波動、ヨガコマンドもあったりするが、入力形式は先述の「超級だおー電影弾」に近い。
簡易的なコマンドで出せるロングソードやワイドソードを使い分けられるだけでもそれなりに強いが、
本来ならプログラムアドバンスでないと出せないドリームソード(の低威力版)をチップ一枚で繰り出せるなど、使いこなせればとんでもない強さを発揮する。
ただし、強い技ほどコマンド入力も難しく、さらに受付時間も短い。
なによりどのコマンドがどの技に対応しているかは誰も教えてくれないため、
攻略情報なしでは手探りでコマンドを探さなければならず、真価を発揮するのは難しい玄人向けチップ。

作品によってはバランスブレイカー級の技も搭載されている。例に挙げた『2』のソニックブーム、『3』のエレメントソニックがそれである。
ソニックブームは連続で3発、横幅一杯の衝撃波を放つ技。単体ではそこまで強くはないが、
『2』のバランスブレイカー「プリズム」と組み合わせる事で凄まじいダメージを叩き出せてしまう。
エレメントソニックはまさかのソニックブーム強化版。4属性それぞれに対応した160ダメージの衝撃波を4発飛ばす。
無敵時間が無いため、ボスにも確実に640ダメージ保証。
さらに相手に何かしら属性があれば、うち一発が弱点を突いて2倍ダメージとなり、
スタンダードチップ一枚としては破格の800ダメージを与えてしまう。
……その代償として、どちらもコマンドは激ムズ。それを差し引いても強すぎる感はあるが。

カンタムロボ(クレヨンしんちゃん)の「アクションビームガン」『ABBAAB→→←』
映画『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』で登場したコマンドで、
映画冒頭でしんのすけがプレイしていたアクション仮面のキャラゲーにおける、
アクションビームの発射コマンドという設定。終盤の決戦で大きな意味を持つ事になる。
上記のコマンドに比べるとゲーム経験者なら多少は簡単だが…。
この他にも「ABAB←→」や「BBAB↑↓」といったコマンドがあるが、
このコマンドからどんな技が繰り出されるかは、ぜひ自分の目で確かめていただきたい。

歴代映画作品をモチーフにした『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶシネマランドの大冒険!』では、
一定時間以内に上記3つのコマンドを入力するミニゲームとして再現されている。

一部のRPG作品
スーパーマリオRPG』、『マリオストーリー』などのシリーズでは、技を出した時にコマンド入力で威力が上がるというシステムがある。
格ゲーよりもアクションゲーム寄りで、基本的に入力は簡単だが、中にはシビアなものもある。

他にもRPGにはスーパーマリオRPGと同じスクウェアの作ったゲーム『ファイナルファンタジーⅥ』にも、
マッシュの「ひっさつわざ」でコマンド入力をするシステムがある。

+ ある意味究極のコマンド
アニタ(MSH)の(?)「最終闇技・超裂砕雷滅拳 竜獄殺」『→↘↓↙←↖←↗→←→↓↘↖↗↙↓→+PPPKKK』
『MARVEL SUPER HEROES』におけるアニタの勝利メッセージで出てくる技とコマンド。
しかしアニタの勝利メッセージはネタ臭が強く、これもその例に洩れずネタなので実在しない
「敵をハメ殺せ!」というからには実在すれば凶悪な性能であろう事は想像に難くない。
しかしハメ殺せとは複数回やれと言ってる様なもの。無茶苦茶な割に一発では倒せない様だ…。

ちなみにこの勝利画面で写っているキャラは本作のラスボス「サノス」であるが、
これは元々アニタには勝利画面専用の一枚絵イラストが用意されていないため、
代わりにサノスの勝利画面にアニタの勝利メッセージが出るものとなっている。

技として実在はしていないのだが、ネタとしてこんなコピペも作られ一時期拡散されていた。
コマンド入力が成功すると、画面暗転後、
豪鬼が瞬獄殺>リンリンが出てきて鉄球が画面一杯に落ちる>
ドノヴァンが刀で切り刻む(VHのコマンド投げ)>
相手が空中に持ち上がる>ファラオマジック(燃える>凍る>痺れる)>
サノスのガントレットリアリティー(サノスは出ない)>
ブラックハートのアーマゲドン(ブラックハートは出ない)>
アニタが近づいて超必殺技(人形の奴)>
最後にキルシュレッドが画面上を覆いつくす様に無数に飛びまくる(マジでキルシュで画面が埋まる)>
アニタの声で「ジ・エンド」と叫んで終わり。

ちなみに、MUGENではMen'sClub氏のキャラがAI起動コマンドとして採用していたりするが、
入力猶予は0Fなので当然人間には入力不可能である。

+ 必殺技以外のコマンド

必殺技以外のコマンド

一番最初に書いた様に、格闘ゲームにおけるコマンドとは「必殺技を出す為の特定の操作」の事を指すが、
実は他にも指すものがある。それは隠しキャラクター使用(出現)コマンド」である。
格闘ゲームでは、コマンド入力する事によって「ボスキャラクター」や「性能の違うキャラクター」といった
デフォルトでは選択出来ないキャラクター」が使用可能になる作品が多い。
このシステムが最初に取り入れられた作品はSFCの『ドラゴンボールZ 超武闘伝』で、
アーケードでは『スーパーストリートファイターIIX』の豪鬼使用コマンドが初出である。
その他、『餓狼3』の潜在能力や『月華の剣士第二幕』の剣質「極」などの隠しシステムが使用出来るコマンドも存在する。
対戦格闘としてバランスを重視するアーケードより、家庭用移植作品に多い。

「キャラクター選択画面でコマンド入力」という形式が最も一般的で、
格闘ゲーム最盛期では複雑なコマンド入力やシビアなタイミングが要求される物が多く、出すのも一苦労だったが、
後期になると、必殺技と同様に複雑なものは消え、ボタン一つで出せるなど非常に簡単になったり、
そもそもコマンドではなく、隠しキャラはタイムリリースで出現する作品が多くなり、
オンラインアップデートの時代に入ると「DLC(ダウンロードコンテンツ)」=「追加キャラ」に取って代わられる事になった
(隠しキャラやタイムリリースキャラは最初からゲームに入っている)。

以下、最も代表的な物や特徴的なもののみ挙げる。

スーパーストリートファイターII X』の豪鬼使用コマンド
キャラ選択画面でカーソルをリュウに合わせ1秒以上待つ→ガイル>T・ホーク>キャミィの順に合わせながらそれぞれ1秒以上止める
→リュウにカーソルを合わせ1秒以上待ち、スタートボタンを押した直後(0.3秒以内)にP3つ同時押し

最も有名で、最も使用されたと思われる隠しキャラ使用コマンド。
失敗すると茶色カラーのリュウになる為、茶色リュウは「豪鬼失敗カラー」として認知されてしまった。
実際は最後にカーソルを合わせるのは誰でも良い為、持ちキャラに合わせておくのが無難。
ちなみにリュウの部分はケンでも代用可能である。

X-MEN CHILDREN OF THE ATOM』の豪鬼使用コマンド
キャラ選択画面でカーソルをスパイラルに合わせ1秒以上待つ→カーソルをシルバーサムライサイロックコロッサスアイスマン>コロッサス>
サイクロップスウルヴァリンオメガレッド>シルバーサムライの順に動かし、最後のシルバーサムライで1秒以上待つ→小K大P大K同時押し

またも豪鬼。
これは1P側のコマンドで、2P側と基板のバージョンでまた変わってくる。
最後のボタン同時押しが非常にシビアで、同時押しが少しでもずれると失敗してしまう。シッパイサムラーイ!!
あまりに失敗する為にシルバーサムライが持ちキャラとなってしまった人がたくさんいた。
これを受けて『ゲーメスト』のシルバーサムライ攻略記事が「豪鬼を失敗しても」という題になったりした。

ドラゴンボールZ 超武闘伝2』の孫悟空ブロリー出現コマンド
オープニングデモ中に「↑、X、↓、B、L、Y、R、A」と入力

もしかしたら一番有名なのはこちらの方かもしれない。
ゲームを開始して悟空の「おめえの出番だ、悟飯!」という台詞が聞こえてからタイトルが出るまでに入力し、
成功するとブロリーの「カカロットォ…」という台詞が聞こえ、キャラ選択画面で二人が選べる様になる。
コマンドが成功する度に聞こえるので、デモが終わるまでに何回言わせられるか、という関係ない所で盛り上がった。
ちなみに続編の『超武闘伝3』では同じコマンドでTRUNKS(未来トランクス)が出現する。

「カカロッカカロカカカカカロットカカカカロットォ…」

MARVEL VS. CAPCOM』の隠しキャラ使用コマンド
リリスモリガン:カーソルをザンギエフに合わせてから
←←↓↓→→↑↑↓↓↓↓←←↑↑↑↑→←↓↓↓↓→→↑↑↑↑←←↓↓↓↓→↓で決定
シャドウレディ:カーソルをモリガンに合わせてから
↑→→↓↓↓↓←←↑↑↑↑→→←←↓↓→→↓↓←←↑↑→→↑↑←←↓↓↓↓↓で決定

長い。とにかく長い。なんと38方向である。隠しキャラ使用コマンドで最長は恐らくこれ。
この他、ハイパーアーマーウォーマシンで37方向、MSH性能ハルクが32方向、ハイスピードベノムが27方向、一番短いロールで16方向である。
なぜこんなに長いのかというと、カーソルの軌道が数字を描いている(例えばシャドウレディなら「7、8」を描く)からで、
入力方向じゃなく軌道で憶えた方が優しいが、それでもここまで来ると何も見ないで入力するのは相当難しいだろう。

スーパーボンバーマン』シリーズの隠しステージ出現コマンド
タイトル画面で音が鳴るまでXボタンを連打

一見アクションゲームによくある隠しコマンドのようだが、人力で出すのは至難の業
基本的に別売りの連射パッドを使用する事が前提である
一応人力で出せない事もないが、どうしても指が疲れてしまう。

大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズのフォックスファルコ、ウルフ、ピットスネークのスマッシュアピール
十字キー↓1F入力

『DX』から搭載。
一試合に一回、特定のステージとキャラの組み合わせで上記のコマンドを入力すると、
長い動作の後に画面下部にウィンドウが出現し、原典のキャラ達が会話をする演出が発生する。
スネーク、ピット(『for』以降)の場合はその試合中の対戦相手に関する会話が行われる。

『大乱闘スマッシュブラザーズX』のサムスの変身コマンド
十字キー↑↓↑

前述した『DX』の裏技が『X』にもちゃっかり採用されている。
だが成立時の性能は全く異なり、条件も少しゆるくなったが難しい事には代わりはない。
効能は重量級でもっさりしたサムスがパワードスーツを外し、機動性の高いゼロスーツサムスに変身する(技も変化)というもので、
本来はこちらで変身するのが正規の手段である最後の切りふだ「ゼロレーザー」と違い、攻撃判定は無い
(ただし、どちらも変身後に脱げたパワードスーツを掴んで投擲武器に使う事は可能)。
「最後の切りふだが使えない、「アイテム無し」ルール時にゼロスーツサムスを使用するために仕込んだのでは?」とされるが、
そんな事しなくても、キャラ選択時にサムスを選択した状態でAボタンを押しっぱなしにしてスタートすればいいだけの話である。
ちなみに同作のサムスは、タイマン・乱闘共に最低クラスの性能で、逆にゼロスーツサムスは上位クラスの性能である事から、
「サムスを使って窮地に陥った時に、強キャラにチェンジする」という逃げの手段として使えない事はない。
実際非公式大会では「ゼロスーツサムス時に最後の切りふだ使ってサムスになっちゃったから、ゼロスーツに戻す」ために、
このコマンドを成功させたプレイヤーも居るんだとか。まるでパワードスーツが拘束具みたいな扱いである。
ともあれ、2作連続で隠しコマンドを仕込まれているとは、サムスは開発陣に愛されているのかもしれない。
性能的には『X』~『for』中期で下位クラスと逆に愛されていない?聞こえんなぁ~


MUGENにおけるコマンド

キャラのファイル内にあるcmdファイルで調整する。
対応は以下の通り。

CMDでのコマンド

レバー入力 CMDでの文字
U
D
B
F
UB
UF
DB
DF

注意:斜め入力をCMDで追加する時は順番を間違えない事(左に上下(D,U)、右に左右の入力(F,B)とする事)。

特殊

コマンド CMDでの文字 例・備考
キーを離す ~
タメ 数字 30D(30F真下タメ
そのキー要素を含む $ $UならU,UB,UFが有効
同時押し +
間の入力を問わない >

使用例

コマンド CMDでの文字 備考
波動拳 D, DF, F, ○(○にはボタン)
昇龍拳 F, D, DF, ○(○にはボタン)
サマーソルト ~$20D, U, ○(○にはボタン) 下、または斜め下の20Fタメ


付録:コピペで使えるコマンド表示用矢印一覧

← ↖ ↑ ↗ → ↙ ↓ ↘
コマンド表示で使いたい時にコピペして使ってみよう。

また、技表を作る時に便利なコマンド素材も用意しておいた。
MUGENのキャラを作る時などに活用してほしい。

付録:キー入力の表示について

MUGEN自体に入力したコマンドを表示する機能はないが、
有志によりタッグで用いるサポートキャラやキャラクターに組み込むシステムなどで、
入力しているキーを記録して表示していくというものは公開されている。
製作者 名称 導入・起動・表示
nekohoshi氏製 stick サポートキャラ・タッグ起動タイプ
導入:操作キャラに記述を追加しタッグパートナーで起動
現在入力しているキーを表示する(ログ無し)
fvarを使うためキャラによって使えない事も
MUGENの便覧氏製 KeyDisplay サポートキャラ・タッグ起動タイプ
導入:操作キャラのタッグパートナーで起動するだけ。
入力したキーのログを表示する(フレーム数ログ付き)
ログは「入力時間 入力キー(同時最大7個)」の行を並べて表示。
ログは最大30行まで表示(初期14行)。キーを押し続けた時間なども測定する。
HIDE.MF氏製 keyinput表示 追加用システム・画像+記述追加タイプ
導入:操作キャラへ記述・ファイルを追加。MUGENのfightfxへ画像を追加
入力したキーのログを表示する。
ログは画面下側へ帯の中に入力キーを一回ずつを表示。(ログは13回)
表示がシンプル
ADI氏製 ADI式
PushKeyOutput
追加用システム・画像+記述追加タイプ
導入:操作キャラへ記述を追加。MUGENのfightfxへ画像を追加
入力したキーのログを表示する(フレーム数ログ付き)
ログは画面下側へ帯の中に入力キーを一回ずつ表示。(最大50回・初期40回)
フレーム数は入力毎の他、入力開始から終了までの時間を表示可能。
動画
HIDE.MF氏製
ADI氏製

タッグ起動タイプの場合は画像の別途登録が不要で「KeyDisplay」では操作キャラへの記述追加も不要と非常に手軽。
ただしタッグでなければならないためトレーニングモードなどでの使用は出来ず、使用する際の選択が少々面倒。

記述+画像追加タイプの場合は画像登録の必要があり、操作キャラ毎に記述も追記する必要はあるが、
画像はfightfx(MUGENの汎用エフェクト)へ一度登録すれば、新たな操作キャラには記述を追加するだけで良い。
また操作キャラ自体で表示するためタッグ起動タイプと異なりトレーニングモードなどでの使用が可能。



*1
ストリートファイターIII」シリーズなどAIにもコマンド入力が必要なものもないわけではないが、
タメずにタメ技を出すといった行動がなくなっただけであり
コマンドをミスすることなく正確に出すことができる点は変わらず普通にプレイしていても気付くことはできない。


最終更新:2024年04月23日 14:57