津村斗貴子


臓物(ハラワタ)をブチ撒けろ!」

『週刊少年ジャンプ』に連載していた和月伸宏氏のアクション漫画『武装錬金』の登場人物で、同作のヒロイン。
名前の読みは「つむら ときこ」。無論名無しの本読み妖怪ではない。
ファンからは「斗貴子さん」とさん付けで呼ばれる一方、その過激な言動からTQNと呼ばれていたりもする。
8月7日生まれ。身長154cm、体重39kg、B78/W55/H79。血液型A型。
作中であまり触れられない設定ではあるがなんと18歳にして体重40kg未満という珍しいヒロイン。
身長がやや低いためBMIは16.44と痩せ判定に収まってはいるが、戦士として見るのなら不安を覚える数値である。
アニメでの担当声優は『テイルズオブデスティニー2』のヒロインであるリアラを演じた 柚木涼香 女史。
ちなみに『TOD2』の主人公カイル・デュナミスと武装練金の主人公である武藤カズキの声優は福山潤氏で、
奇しくも別の作品でヒーロー・ヒロインを共演する事となった。
格ゲーでは『MELTY BLOOD』シリーズのアルクェイド数名)で御馴染み。

核鉄(かくがね)と呼ばれる戦術兵器を用い、錬金術の生み出した怪物ホムンクルスと戦う「錬金戦団」の戦士。
小学生の頃に自分以外の家族や学校生徒をホムンクルスに皆殺しにされており、そこで戦団の戦士に助けられた縁で自らも戦士となる
(本編中ではこの事件の詳細は明かされず、後日談の小説作品『武装錬金//』に持ち越された)。
事件の時に負った顔を真一文字に走るが特徴。ほんのり薄紅色で綺麗らしい。
あまり傷の事は突っ込まれないが、これはむしろ周囲が自主的に気遣っているようである(本人も「傷の事は触れないで」と言っている)。
性格は基本的にクールで根は優しい人物なのだが、短気激情型の性格でなおかつ負けず嫌いで「キレると凶暴で手に負えなくなる」(上司談)。
特にホムンクルスが絡む事柄では熱くなりすぎる所があり、ホムンクルス相手に目潰しや四肢切断は当たり前。
それどころかホムンクルスの信奉者だった人間さえ二人仲良く一緒に死ね!」と斬り殺そうとしたり、
さらにそれを庇った主人公にすら、目を潰そうとしたり四肢の一つを二度と戦士として使えないようにしようとさえした。

「目はイヤか?
 ならば四肢のどれか一本の機能を失わせる
 そうすればもうキミは戦士として戦えない」

しかもこの行動、逆上していて勢い余ったとかいう訳ではなく、
「そんな甘い事をする様ではいつか戦いで死ぬ→ならば二度と戦士として戦えない程度に痛め付ける」
という歴とした判断のもとに行われている
(一応、主人公が戦いの世界に身を置く事を案じての行動であり、やろうと思えば可能であったにも拘らず、
 治療可能な負傷をさせた程度で止めてはいるのだが)。
ぶっちゃけ彼女が憎んでいるホムンクルスと同レベルかそれ以上である。
何せ『ジャンプ』連載時の煽り文句で狂気の戦士とか言われた事あるし。なんなんだこのヒロイン
戦闘時の口癖はページ冒頭の台詞で、アニメの次回予告では毎回叫んでいた。物騒な事この上ない。柚姐も気に入ってる台詞だけどね
なお、戦闘中に叫ぶ理由は「叫んだ方が気合いが入るから」らしい。…おそろしや。
ちなみに「脳漿をブチ撒けろ!」のバリエーションもある。……流石狂気の戦士と言わざるを得ない。
こんなヒロインに惚れ込む男が2人もいる事に関して、パピヨンこと蝶野攻爵からは「ちょっとしたファンタジー」と言われた。
全く否定出来ない所がまた恐ろしい…。

そんな彼女だが、小学生時代の事件以前は現在の過激な性格とは正反対の普通の大人しい少女だった。
それがああなってしまう(当時の事は思い出せなくなっているらしい)のだから、彼女が負ったトラウマは相当根深い。
尤も過激な性格ではあるが、ホムンクルスと無関係の人間に対しては巻き込まないように最大限配慮するし、
面倒見の良い性格なので周囲からの人望も篤い。…ってかイジられキャラ
周りがボケだらけなので、必然的にツッコミを担うことに。
まぁ、そんな周囲の影響を受けて上記の過激な性格から丸くなったとも言える。

「キミは失礼だ!!」


ちなみに彼女、主人公達より1歳年上なのに、主人公と同じクラスに転入してきた
これはヒロインが留年しているという初期版設定の名残。
基本的に任務以外で学校に行っていなかったので、留年しているかは不明。
ちなみに学業は割と出来るようで、カズキや他の面々に勉強を教えているシーンが見られる。
練金戦団で一般的な学業も習っていたのかもしれない。

彼女がある事件に巻き込まれ死亡した主人公・武藤カズキを核鉄の力を使い甦らせた所から物語は始まる。
錬金の戦士となる事を選んだカズキに対し先輩として、よきパートナーとして共に戦うようになり、
彼を戦いに巻き込んだ事に罪悪感を感じると同時に、戦いの中戦士として成長していくカズキに次第に惹かれて行く。
そしてカズキが核鉄の影響によって錬金戦団から命を狙われる事になった際は、その原因を作った張本人としての責任、
何よりカズキのために「キミが死ぬ時が私の死ぬ時」と、共に錬金戦団と戦う事を誓った。
その後戦団と一端和解し、もう一人の「ホムンクルスを超える存在」ヴィクターとの決戦を前に互いの気持ちを確かめあい、晴れて恋人同士となる。
しかし、その後の戦闘で上記の誓いをカズキに破られて自分だけ置いていかれるという絶望を味わい、
以前の過激な頃の性格に戻ってしまった(あるいは戻ろうとしていた)が、
完結編にて主にカズキの生存を諦めなかった周囲の活躍でカズキと再会、
戦士としての自分を捨てカズキの恋人として生きていく事を選んだ。将来的には結婚予定。*1

所持武装錬金は処刑鎌(デスサイズ)の武装錬金「バルキリースカート」。生体電流を用いた精密高速機動が特性。
太腿部分に装着された基部から左右2対、計4本のアームに保持された鎌が伸び、敵を切り裂く。
さらにマニピュレーターを利用した高速移動も可能なので、接近戦や多数の敵との戦いを得意とする。
反面、防御力や耐久性には難があり、劇中では時折敵に折られたり砕けたりしていた。
またブレードを剣のように手持ちで使ったり、展開したままブレードを小型化しエネルギー消費を抑えるウェイトモードに変形させることも可能。
正直あまり鎌にもスカートにも見えないが、まあ作中でも登場人物に思いっ切りツッコまれてるので…。*2
また、薔薇ホムンクルスの蔓にバルキリースカートを押さえられて動きを封じられた時は自ら外して接近し、素手で目玉をえぐり出したり、
肋骨の隙間から貫手を入れて怪我人とは言え主人公を一撃で気絶させたりと、素手でも相当な戦闘力を持つ。
ニコニコ動画のMAD等では柚木女史のキャラが中の人繋がりでバルキリースカートを装備していることが多く、
特に某ラジオ番組の影響か小山力也氏が絡むと刃物の形状がフォークになっている「バルキリーフォーク」というネタも。

序盤はカズキを活躍させる都合上、錬金の戦士のエキスパートである彼女はある理由で弱体化させられていたのだが、
後半は逆にどんどんカズキが強くなっていってしまい、斗貴子の方がインフレ*3に付いていけなくなった感がある。
その為かアニメの斗貴子は戦闘シーンが削られ、ヒロインとしての役割の方が強い。

ちなみに、その顔について横に走る傷などから緋村剣心にそっくりだと言われることもある。
これについては作者自身「描きやすいと思っていたら抜刀斎だった」と語っているので意図したものではないと思われる。
なお『武装錬金』の終了後に発売された『るろうに剣心』完全版で新しく設定・デザインされたキャラが描かれた『剣心再筆』があるのだが、
そこでリファインされた剣心は横の傷が伸びたため、縦の傷が髪の毛で隠れると斗貴子にしか見えない
また、作者の好みなのか、和月作品のメインキャラは傷があるキャラが多い(剣心、斗貴子、ジョン=ドゥ(『エンバーミング』)など)。
剣心に似てる事とはあまり関係無いが、作中で包帯を巻かれこいつのコスプレ状態になったがある。

余談だが、この作品は一端打ち切りになったものの増刊で完結し、
更にドラマCD化・アニメ化・小説化・ゲーム化もされたという『ジャンプ』では珍しい作品でもある。
『るろうに剣心』と同じ作者で人気もあったのだが、アンケートが振るわなかったため打ち切りになってしまったとか。
実際、ジャンプ本来の読者である少年層にはウケが悪かったようで、作者自ら「読者平均年齢が他の(ジャンプ掲載)漫画に比べてべらぼうに高い」と語っている。
ちなみに、アニメ化が決まった事を編集部より知らされた作者の第一声は「今更ァ!?」だったとの事。

「と言うかなんだ キミ エロスは程々にしときなさい」

+ 何と言われようが外せない話題
エロスは程々にと言われた直後に申し訳ないが、エロスな余談
この斗貴子さん、戦闘シーンが多く、よく動くタイプのヒロインであるのは上の方で述べた通り。
しかし、それでいてスカートの中身は絶対に見せない脅威の鉄壁を誇る。
まぁ、それだけなら健全な少年漫画にはよくあることではあるが。

アニメ版第25話より↓

さて、ここに来て何やら新たな疑念が湧き上がって参りました。
さらに言うと、上のgifアニメではカットしたが実は上もなんだ

ただしゲーム『武装錬金 ~ようこそパピヨンパークへ~』では鉄壁が解禁。説明書の画面写真にもバッチリ写っている。
ポリゴンゲーだから仕方ないね

+ さらに余談だが
きゃんでぃそふと制作のアダルトゲーム『つよきす』のヒロインの1人である鉄乙女は、
明らかに斗貴子さんのオマージュ(パッと見だと傷の無い斗貴子さん)なのだが、
制作者が意図しないままにおにぎりが好物という点まで一致。
ファンブックにて「好物まで被ったのは偶然」と、何がとは言わなかったものの釈明していた。


MUGENにおける津村斗貴子

スバル・ナカジマゾーマ等を手掛けたmarktwo氏による、手描きドットの斗貴子さんが存在。2010年6月公開。
武装錬金展開状態と通常状態の二つの形態があり、使い分ける必要がある。
展開状態ではリーチや攻撃力が上昇するが、攻撃を食らい続けると核鉄ゲージが減少していき、ゼロになると強制的に解除される。
他のゲームで言えばスタンドが感覚的にも近いだろうか(そもそも武装錬金の概念自体、スタンドに近い所があるし)。

AI製作は自由とのことで、お家氏による外部AIが公開されている。
攻撃は主に武装錬金展開状態で行い、通常状態では核鉄ゲージの回復に専念するというヒット&アウェイな戦い方が特徴。
そのため核鉄ゲージが無くなると何も出来なくなってしまう。強以上のキャラとの戦いは少し厳しいかもしれない。
プレイヤー操作

出場大会

出演ストーリー

プレイヤー操作



*1
完結編の表紙がウェディングスーツ&ドレスのカズキと斗貴子だったのだが、ただのネタで終わらず、
小説『武装錬金//』で小学生時代の斗貴子が見た未来の姿として確定してしまった。

*2
しかも作者自身に「ツッコミたかったのですっきりした」と言われてしまっている。
デザインの発想ベースになっているのは、釣鐘状のスカートの内側にある骨組み「クリノリン」らしいが、
それでは攻撃の度に丸見えになってしまうため、現在のデザインになったという。

*3
物語後半になると、
  • 周囲500m、5100℃の炎を放つ焼夷弾(ナパーム)
  • ミサイルランチャー
  • 潜水艦(サブマリン)(アニメでは3つの核金の組み合わせでドリル空中戦艦にも変形)
  • 挙句の果てには全長57mの巨大ロボット
の武装錬金が登場するわ、ラスボスは巨大化して前述のロボを一発で粉砕する重力使い…
“俊敏に動くロボットアーム”程度では厳しい。
……ってか、比較対象が酷過ぎるだけで、カズキの仲間達の武装錬金は、
  • 黒色火薬(ブラックパウダー):自在に変形&着火でき、常時爆発させることで飛翔も可能。
                                                          他にも爆発そのものを盾にしたり、360°に配置した自爆攻撃等の応用を披露。
  • 日本刀:エネルギー系統の攻撃を受け流せるが、基本は日本刀としてのみ使う。
  • 弓矢(アーチェリー):弓矢としての機能以外は相手の傷を肩代わり出来たり、オートマトンが付いてたり。むしろオートマトンがメイン。
  • 戦輪(チャクラム):チャクラムとしての機能以外には、拳に付けてパンチの威力を強化したり、足に付けてローラーダッシュしたり、水中潜航に使ったり。
…と、見て分かるように決して斗貴子さんが極端に見劣りしているわけではない。
黒色火薬に関しては最大破壊力で街の一区画を吹き飛ばすほどの威力になるため、上段の武装練金並みの破壊力も叩き出せるが
(ただし火薬という特性上、その威力を連発出来ない不都合も生じる等のデメリットがある)。
尤も、「敵のホムンクルスがいる場所」=「エサである人間が多く住む市街地など」であるため、大型兵器よりも携帯武器の方が現場では好ましいのだろう。


最終更新:2023年05月10日 23:22