古明地こいし


「心の事?私は閉ざしちゃったわ。覚りの瞳。
 人の心なんて見ても落ち込むだけで良い事なんて何一つ無いもん」

『東方Project』の登場キャラクター。初出は『東方地霊殿』のExtraステージボスとしての登場。名字は「こめいじ」と読む。
「無意識を操る程度の能力」を持つ妖怪「覚(サトリ)」の少女。同作4面ボスである古明地さとりの妹でもある。
テーマBGMは「ハルトマンの妖怪少女」。二つ名は「閉じた恋の瞳」「何も考えていない者」「空想上の人格保持者」。
イントロが7/8拍子という非常に独特なリズムであり、ZUN氏曰く「不気味で壊れた少女っぽさを出そうとした」との事。
なお、ハルトマンの由来についてはドイツの哲学者であるエドゥアルト・フォン・ハルトマンや同じく哲学者のハインツ・ハルトマン等、諸説あるようだ
(それぞれ前者は彼女の能力について、後者はスペルカードについて関わりがある)。
エーリッヒともエーリカとも関係ない、筈。幾多のプレーヤーを撃墜したのは確かだが

+ 詳細な原作設定
種族はさとりと同様、心を読む「さとり妖怪」。
が、心を読む事で他者から嫌われる事を知り、心を読む「第三の眼」を閉ざしてしまった。
それによって他人の心を読む能力を失った代わりに、無意識で行動する事が出来るようになり、他人に気付かれずに行動する事が出来る
分かりにくい人には「石ころぼうし」と言えば良いだろうか。こいしだけに
心を閉ざしているため、姉であるさとりにも彼女の心を読む事は出来ない。
結果、心が読めなくなったために嫌われる事は無くなったが、同時に動物に好かれる事も無くなり、結局孤独な妖怪となってしまった。
普段はその能力を活かしてあちこちをフラフラと放浪して生活しており、時たま地霊殿へと帰ってきてはまた何処かへと遊びに出かける日々を送っている。

緑がかった髪や服装の色はさとりのちょうど反対色(補色)となっており、他にもボタンが姉のハート型に対しダイヤ型など、
全体に姉との対称性が見て取れるデザインとなっている。
+ 参考画像

ある日、姉のペットである霊烏路空が強大な力を手に入れた経緯を探るべく、山の上の神社へと出向く。
そこで霊夢魔理沙と出会う事により未知の人間に興味を抱く…というのが『地霊殿』Extraステージのバックストーリー。
つまり、他のExステージボスとは異なり、本編とは一切関係ない。ある意味レア。
ただしExをプレイしないと真の黒幕が分からないという微妙な立ち位置。そういう意味でもレア。
『東方地霊殿』は彼女のように、キャラクターのストーリー上での配置が全体に変則的な構成になっているのが大きな特徴と言える。

出会った際にスペルカードによる勝負を仕掛けてくるが、普段から心を閉ざしている彼女は弾幕の展開も無意識に行っているらしい。
そんな彼女の使用するスペルカード名は「弾幕のロールシャッハ」等の心理学用語を用いたものが多く、
弾も人間の(或いは彼女自身の?)心を表現しているのかハート型薔薇型のものを使用する。
その巨大な判定、高い弾密度、避けづらい軌道などの要因により、Win版最強のExボスの一角として名を馳せている。
『ダブルスポイラー』においてはさとりと共にステージ9に登場。
さとり共々個性的な弾幕が揃っており、特に「胎児の夢」は非常に印象に残るスペルである。

姉であるさとりの事は「お姉ちゃん」と呼んでおり、また絶対に自分には勝てないとも語っている。
ただこれは能力の相性的な問題もあり地力が勝っているのかどうかはわからない
東方では妖怪は肉体より精神への作用に弱いという設定があり、精神に直接干渉するタイプの力の持ち主である彼女は、
姉共々妖怪として強者に属すると考えられる。
一方で自身の能力と向き合わずに逃げてしまったという精神面の弱さが設定でも指摘されており、一概にどちらが強いとは言い切れないものがある。
心配した姉から与えられた彼女専属の遊び相手のペットもいるらしいが、本編では特に描写はなく詳細は不明。

『求聞口授』では、心を閉ざしながらも外へ出歩き話をしたりする彼女の性質に、聖白蓮が興味を示している。
曰く、修業を積んだ僧侶にも難しい事をやってのけているそうで、後日、白蓮の勧誘で入門したそうな(もちろん出家では無く在家でだが)。

弾幕アクションである『東方心綺楼』にも参戦しており、その時の二つ名は「空想上の人格保持者」。
本作は「宗教家達が戦い競い合う事で民衆からの支持を集め、心の平静をもたらす」という内容なのだが、
こいしは宗教家でも無ければ(一応上記の通り在家信者だがそれらしい素振りはほぼ無し)魔理沙等のような無宗教サイドというわけでもない、
やや特殊な立ち位置になっている。

+ 『心綺楼』内容ネタバレ
こいしは他のキャラのストーリーか自分自身のストーリーかで境遇がかなり異なる。
他のキャラのストーリーで登場するこいしは基本的に「皆楽しそうだから混ざってみた」程度の動機で挑んでくる上、
無意識の能力により一部*1を除き周囲に気付かれないままなので、
人気がテーマの本作とも全く関わり合いがないイレギュラー的存在として登場する。

しかし、こいし本人のストーリーでは少し話が変わってくる。
今まで気紛れに乱入しているだけだった決闘にひょんな事から自ら挑むのだが、
対戦相手を次々倒す中で知名度が上がり、次第に周囲から注目される存在になっていく。
こいし本人もそれに快感を覚え始め、明確な目的意識を持って決闘に挑むようになるが、
同時に気配も消えなくなっていると臭わせる節がある(一輪曰く「邪念が入りつつある」状態らしい)。

そしてラスボス・秦こころとの出会いにより、ある事実が語られる。
それはかつて地割によって地底に落ちてきた真っ白い子供の顔をしたお面を手に入れた事、
そして、実はそれこそ秦こころが探し求める「希望の面」である事
(常人が持てば感情が偏り破綻させるはずのこの面も元々感情を持たない彼女には悪影響がなかった)、
そしてなんでも忘れてしまう彼女は何故かこの面の事だけは「宝物」としてしっかり覚えている事だった。
つまりこいしがこのように本来持つ事の無い強い感情を持つに至ったのはこの「希望の面」があったからなのである。
当然それを追い求めるこころとは敵対する事となり、結果としてこいしの勝利に終わり、手元に元の「希望の面」が残る。
ただし、その時点でこころは既に神子により作られた新しい「希望の面」を所持しており、実はその「希望の面」は既に必要ないものだった。
しかし互いに戦いの快楽を覚えたこいしとこころは、「希望の面」を奪い合うという名目で決闘を繰り返す「宿敵」という、
不思議な関係を築く事になるのだが…。

以上から分かるように、心綺楼のストーリーのかなり深い所まで関わっており、主要人物の一人と言える扱いがされている。
そもそも表情豊かだが無感情のこいしという存在そのものが、無表情だが感情豊かなこころと既に対になっているとも言えるので、
事実上ストーリーの裏の主役といっても差し支えないだろう。

+ さらに内容に突っ込んだ内容なので注意
実は『心綺楼』というストーリーを順当に終わらせた場合、こいしは元通り感情を失う事になる
何故ならこころには既に新しい「希望の面」があり、これを使いこなし一人前の妖怪になると古い「希望の面」は役目を失い、
その力が消えてしまうからである。
つまり、「希望の面」により仮初の感情を得ているこいしは、いずれまた元の誰にも気付かれない無感情な存在に戻ってしまう、
と明言されているわけである。
そしてこの新しい「希望の面」を馴染ませるのに役立っているのは他でもない、こころとこいしの決闘であったりする。

そもそもこいしストーリーのステージ名も「悪夢の終わり」→「希望の始まり」→「希望が自由を生む」とかなり意味深であり
(流れとしては戦う事を覚える→注目が集まり戦う快感を覚える→人気者の妖怪として扱われる)、
このバッドエンドは最初から約束されていたとも取れる。




『東方深秘録』でのストーリーは、自身が選んだオカルト「メリーさんの電話」が通用するかどうかを試しに行くというもの。
そもそも脅かした相手が電話を知らなかった為に当初の反応はイマイチだったが、
電話もメリーさんも知っている人物に対しては効果覿面であった。
各種の演出を見て分かる通り、他のキャラクターと比べてもオカルト(メリーさん)がこいし自身の性質と良くマッチしている。

春河もえ氏の作画でも怪しく光る瞳孔は健在。ストーリー中の立ち絵で見られる、白い歯を見せた満面の笑みが可愛いと評判。
ラストワードの*今から電話をするから出てね*使用時のカットインは、
耳に左手で持った受話器を当てつつ右手の短刀で笑顔のまま斬りかかるという可愛さと怖さを両立したもの。
他、ボロ絵では帽子にヒビが入っている様子が確認できる。まさか物理的な意味で石ころ帽子なのでは…

「ねえ、そこんところ どうなんです?」

余談だが、元ネタの妖怪「覚」は、人間が焚き火をしていた所に現れて勝手に心を読んでからかっていた所、
人間が意識しないで焚き火に入れた小石が焚き火の熱で爆ぜて直撃、慌てて逃げていった…という伝承がある。


+ 二次創作での扱い
主に孤独な深層心理を描写した作品や、無意識に何かをしでかす作品が多い。
誰にも気付かれない能力を生かしてバトルものでの索敵や不意打ち、ギャグ作品でのイタズラから某記者とは別な方向性でウフフな方面にまで大活躍である。
かと思えば本編では「貴方の死体は地霊殿のエントランスに飾ってあげる!」と笑顔で語るというちょっと怖い描写もあり、
心を閉ざした本編の経緯などもあって、どこか精神に異常をきたした病んだ、或いは壊れたキャラクターとして、
シリアスやスプラッターな方向性にも暗躍している。
当然、その手の作品に対して快く思わない人も居るので気をつけよう。

他のキャラとの絡みは「自分から干渉しない限り誰からも気付かれる事がない」性質上、地霊殿の仲間達に限られがちである。
特に姉のさとりとの絡みにおいては、お姉ちゃん大好きっ子から無意識に虐めてしまう狂気を孕んだ作品まで幅広い。
しかしそんな姉からはどんな時も心配され、無償の愛情を注がれている事が多い。
ギャグ作品だと「無意識だから」こいしがボケ、姉がツッコミという形式が多くなる傾向にあるが、
「姉の言動」を軸にこいしがツッコミ役に回る形式も、珍しがられるが皆無ではない。
地霊殿以外では、彼女自身が「気の触れていないフランドール・スカーレット」といった印象が強く、
尚且つEXボス・妹キャラという繋がりがある事から生まれたカップリング、通称「こいフラ」が有名。
さらにテーマソングの類似性などから封獣ぬえも加えて、EX三人娘を結成している事も。
MUGEN動画を含めたニコニコ動画やニコニコ静画では地霊殿以外のみんなとも仲良く遊んでいる姿が見られる。

また猫耳が付いた「ねこいし」なるものもあリ、姉の猫耳付と合わせて「ねこめいじ」。たまらん。
しかし、猫耳標準装備のお燐の影が薄くなったり、猫メイジ(猫の魔道士)と勘違いされやすい等の理由から評判と知名度は低く、
いぬさくや」のように二次創作キャラクターとしては確立していない。

弾幕を放つ時のドット絵のポーズがグリコのパッケージイラストに似ており、
発売直後からこれを指して荒ぶるグリコのポーズなどとネタにされている。
グリコはこいしの弾幕と同じハート型のキャラメルであり、妙に親和性が高い。
しかしこ明治なのにグリコとはこれいかに。
黄昏フロンティアの日記でも「必殺グリコジャンプ」呼ばわりされており、『心綺楼』でもモーションとしてしっかり再現されている。

戦闘力は解釈が分かれる。小五ロリの姉を越えて絶賛発育中のもの、無難に姉より下のもの。
貴方のお好みでどうぞ。
登場初期は服装と帽子から「バスガイドのような格好」と言われたりしていた。
+ 公式絵

ちなみに毎年5月14日は「こいしの日」として扱われており、チルノの「⑨月⑨日」やルーミアの毎月7日の「そう七日(なのかー)の日」などと同じく、
pixivではかなりの量のイラストが投稿される事もある。

当初人気投票では35位と振るわない成績であったが、ファンアートやSSやMMD劇場といった二次創作で徐々に人気を上昇させる。
心綺楼出演で時流に乗り、2013年の第5回東方ニコ童祭東方人気投票では、
MMDモデルで二次人気を博したアリスや、姉のさとり等を抜き去って妖怪キャラ最高位の2位に躍り出た。
そして、東方深秘録の新作効果で最高のブーストが掛かり、2015年第11回人気投票で1位を獲得。
人気投票開始以来、「種族:妖怪」のキャラが1位を獲るという初めての快挙を成し遂げ、
霊夢の七連覇を阻止するという大金星を挙げた。



東方心綺楼』における古明地こいし

こいしを語る上で欠かす事が出来ない要素が、固有システムである特技「超反応センス」
強打撃・強射撃・必殺技を入力する事でそれぞれその技が一つずつセットされ、
その技ごとに決められた発動条件を満たした時に自動的にその技が発動するという能力である。
一つ例を挙げるなら、8B(電球)を入力するとポーズだけを取り強打撃に対応するゲージが点滅し、
この点滅が止んでから「相手から一定距離以内の下」になるように位置取りすると、自動で真上に対して電球で攻撃する、といった具合。
ただし例外として、強射撃・5Bはコマンド入力で通常通り技が発動し同時にその技のセットが行われる仕様で、
必殺技「アンアンサードラブ」はそれに加えて相手にヒットさせるか、他のスキルで上書きするまで何度でも勝手に発動してしまうというリスク持ち。
このシステムの為、こいしは直接出せる技が非常に限られる上に、下手に仕込むと今度は暴発のリスクとも付き合わなければならない。

これだけでも相当癖が強いのに、こいしはそれだけに飽き足らず、
  • 前歩きと同じ速度しかない代わりに、出し続けると白レンのように姿が消えて接触判定食らい判定がなくなる前ダッシュ
  • さらに前ダッシュを続けると勝手にTB(通常の技と違いグレイズ付き)が出る
  • 対してバックステップは非常に素早い、そして終わり際にうっかり落とした帽子を拾う動作に攻撃判定がある
  • ダッシュAのくしゃみは一定時間以内に再使用しようとするとくしゃみを我慢して不発する。
    これは同じモーションのA連3段目にも該当するが、こちらは不発する事自体は無い
など、とにかくトリッキーな要素が満載のキャラクターとなっている。
「使う側にトリッキー」などと揶揄された諏訪子ほどではないにしても、同じ系譜にあるキャラと言って良いだろう。

こうした性能面でのアクの強さもさる事ながら、『心綺楼』におけるこいしの真骨頂はそのコミカルな動き。
キャラの象徴でもあるハート型の弾を繰り出すのは当たり前、くるくる回ったり空中スキップなど戦っているとは思えないような動きから繰り出される攻撃手段は、
くしゃみや電球(ピコーン)、触手のように自在に伸縮するサードアイのコード、必殺のグリコ昇竜(公式)、
そして勝利ポーズの一つが伝説の狼のようだったりと、イレギュラーなキャラらしいイロモノフリーダムな戦い方で魅せてくれるキャラでもある。

+ 性能と変遷
いかにも調整に手間取りそうなその第一印象が少しも違わないという事を示すかように、非常に修正による性能変化が激しいキャラの一人。
その迷走ぶり修正箇所の多さからも、いかにこのキャラが色々と規格外な性能をしているかが良く分かるだろう。

+ 初期
  • 超反応センスは条件を満たさなくても7秒以上経過していると勝手に発動する
  • そのせいで超反応センスを仕込んだ状態で立ちスタンコンボを食らうと反確
これらの仕様があまりに致命的で、最早技を仕込むという固有のシステム自体が戦術上成り立たっていない。

まぁ公式自ら事前に「調整が不十分」と公言していたぐらいなので仕方がないと言った所だろうか。
ただこの時点で後に界隈を騒がせる事となる「こあし」「電球」は既に持っていた為、基本的なポテンシャルはそこまで低くはない。
ただリスクがそれに全く見合っていないというだけで。

+ 1.10時代
こあし&電球全盛期の時代。
初期バージョンのあまりにも酷い仕様上の不備を修正した結果、前バージョンでも頼りになっていた数少ない強技8B(電球)が、
性能据え置きでリスクが無くなった事で手が付けられない代物に。
簡単に言えば、小足より発生が速く、真上に攻撃し判定が物凄く強く、受け身不能時間がかなり長くヒットしたら余裕で3割、
ガードさせて有利というとんでもない技。

立ち回りは取り敢えず8Bを仕込んでおき、超反応センスで飛びに対してピコーン!
上下にジャンプできるゲームなので飛ばなくてもこいし側から下に来てピコーン!
ならばと下に空対空しにいったら自分が先に浮上してしまってピコーン!
なまじ自動で出てしまう為、コンボを落とした時位置が悪ければピコーン!、固めようとしてミスってもピコーン!
ガードしながらジャンプで逃げるこいしを追いかけようとしたらピコーン!と、最早使う側すら良く分かっていないタイミングで事故らせる上に、
当たったら余裕で追撃が出来るので、こいしのワンチャン火力の高さも相俟って非常に猛威を振るった。

他にも発生最速判定最強の小足5A(通称古明地こあし)を持つ事から、電球を仕込んで事故狙いで纏わり付くチンパン行動のこいしが非常に増え、
そしてそれが全然洒落になっていない強さを誇っていた為、元々の使用人口の多さと相俟って非常に忌み嫌われていた。
まぁ、これでも一応1.04の霊夢にとりなどと比べると大分マシだったというのだから世も末か。

+ 1.20以降
1.20より仕込んだ打撃が時間経過でセット解除されるようになり、また当然と言うべきか、電球が発生鈍化の弱体化を食う。
それでもまだ強いが、流石に1.10のような猛威を振るう事は少なくなった。
その代わりとしてこいしの主力に居座っていたのが修正を免れたこあしだったが、それも1.30でとうとう弱体化。
発生7F→9Fと、最速から一転して最低クラスに。

尤も弱体化ばかりではなく、1.30で全キャラ共通の強化点として加えられた「射撃の上下撃ち分け」をこいしはX射の全信仰に適用。
特に元々弾幕性能が非常に高い神X、貫通力に優れる道Xなどはこの恩恵が非常に大きい。この為中~遠距離での牽制は比較的強くなった。
また、何故か猛烈に強化されたのが道信仰のY射と、画面端まで一瞬で到達するビーム。元々このゲーム特有の射撃の発生保障に加え、妙に太い攻撃判定、
そしてヒットすれば吹き飛ばしてバウンドを誘発し、位置次第では遠距離からでもスタンまで持っていける=人気を稼げる事から、
急に注目が集まりだした。
一時は電球こあしの代わりと言わんばかりにこれを振り回すプレイヤーを揶揄し、ビーム脳「脚が折られた代わりにビーム脳を移植された」
などと言われていたが、そもそもビームは相手の牽制に差し込めるからこそ強く、単体ではグレイズ安定なただの射撃なので、
主力になるには一歩及ばなかった。

結局の所、こいしは初期から一貫して主力となる技がほとんど変わっておらず、
しかもそれが弱体化の一途を辿るばかり(まぁ当然と言えば当然の弱体化でもあるが)なので、使用感はほぼ変わらないのに性能が追いつかないという、
使い手泣かせなキャラだったりもする。

1.33では、様々な修正・追加により初期と比べれば格段に扱いやすくなっているが、一方でかつての電球・こあしのような尖った武器が無く、
良く言えば丸くなった、悪く言えば掴み所が無いキャラになっている。
ランクでも下位組の一人と評価されているが、本作はキャラ差が非常に小さいので、それでも戦術次第では十分に戦えるだけのポテンシャルは依然持っている。
その性能は、敢えて一文で表すなら「広い攻撃範囲の打撃を軸にじりじりと追い詰めて、高いコンボ火力でのワンチャンスを狙う」キャラと言った所だろうか。
こいしはまず相手を追いかける機動力が非常に低く、出せる技も少ない事から固めもあまり得意ではない。
さらに、強打撃が特殊な仕様をしているせいで全キャラで唯一チキガを潰す為の溜め打撃を直接出せない、という致命的な弱点も持っている
(一応これはこれで使いようによっては崩しの手段として有効ではあるが)。
この為、基本的には能動的に攻めるより相手を動かして狩る方が主体である。

立ち回りでは主に上方向に滅法強い8B(電球)と、その対となる2Bのどちらを仕込むかで読み合いを仕掛けつつ、
X射で牽制を仕掛けながら上下ラインをじりじりと前に上げていき、
焦れて攻めてきたり左右を切り返そうとしてくる相手に打撃をぶつけてワンチャンスを狙う、というのが主な方針となる。
当然、アイテムカードの「否徳の法輪」や「仙風大皿」、「毘沙門天の宝塔」などは数少ない直接出せる攻撃技なので良く採用される。
特に「仙風大皿」は上手くやればX射からの固めの択として重要であり、他のキャラではお世辞にも採用率が高いとはいえないこの装備も、
こいしでは高い採用率を誇っている。

打撃と同様に立ち回りの中核を成すX射は、信仰によって性質が結構異なる。
共通しているのが隙が少なく高燃費で連射性能が高い代わりに、弾速が全体的に遅めという事。
大雑把に分けるなら、無・神は攻撃範囲が広く弾幕形成に向き、道は貫通力があるので射撃戦に向き、仏は近距離での牽制・固め・コンボ性能が段違いに高い。
こいしは通常射撃の比重が他のキャラより大きい分信仰が変わると立ち回り自体も大きく変化するので、信仰ごとの向き不向きを把握する事が大切。
強いて言うなら近距離での使い道の豊富さから仏、Y射の性能と合わせて道がこの中では一歩リードしていると言える。

スキルは仕込む系がはっきり言ってどれもリスクが高すぎる為、以前は主にコンボ用として「リフレクスレーダー」、
リスク承知の差し込みや安定コンボ用に「アンアンサードラブ」、たまに起き攻めで「スティンギングマインド」が使われる程度だった。
ところが、1.32の修正により強化された「キャッチアンドローズ」の性能が中々尖っていて、
これを常時仕込む所謂「常時キャッチ」と呼ばれる戦法をメインに用いるプレイヤーも増えた。
尤も、常時キャッチも決してリスクが少ない戦法とは言い難く、やはりこれもコンボ用として優れている事から、
確定状況だけキャッチを使うプレイヤーもいる(詳しくは以下region内参照)。

+ 常時キャッチについて
まず「キャッチアンドローズ」とは、簡単に言えば相手が喰らいモーションになった時だけ自動で攻撃、ヒットすると相手を捕まえて投げ飛ばすという技。
6方向版はそれに加えて相手の射撃モーションにも反応し、リーチも非常に長くなるというカウンター的な性能になっているのだが、
ここでいうキャッチとは主にそれ以外である482版の事を指す。

以前はこれをセットしていても追撃が出来る技・出来ない技の違いが激しく、しかも当たらない距離でヒットしても勝手に暴発し、
そしてキャッチ自体はヒットさせられなければ恐ろしく隙が大きいなど、到底リスクに釣り合う性能ではなかったのだが、
強化により発生が早くなり、Aが少しカスった程度でも確実に自動追撃してくれる上、
ある程度近くないと反応しない(=隙を晒さない)という本来あるべき姿になる。
つまりこの技を仕込んだ状態なら、5AだろうがDAだろうがX射だろうが間合い内で少しでもカスれば即壁コンボ確定。
ヒット確認やその後のコンボを想定する必要がない為、非常に自由に技を振り回せ、
8Bや2Bが刺さった時は、ダウン中の相手を掴むので、追撃の邪魔になる事もあまりないという状態になる。
特にこれの恩恵が大きいのがDA(くしゃみ)で、斜め下に非常に広い攻撃範囲を持つ代わりに、
仏信仰Xぐらいでしか追撃が出来なかったこの技がキャッチを仕込む事で、
少しでもカスれば壁バウンドからスタンという高いリターンを得られるようになった事で本格的に強技として扱われるように。
また、ヒット効果が「壁長バウンド」に変更されたのも大きく、足の遅いこいしでもある程度の距離なら近付いて追撃が出来るほどの猶予があり、
上手くコンボに組み込めば、バウンド中にキャッチを仕込んだ後で追撃を間に合わせる事も可能。
この事から、新しい壁コンのパーツとしても大きく注目が集まった。

ただ、隙を晒し辛くなったとはいえ絶対に暴発しないというわけではなく、
特にX射をカス当たりさせたりなどすると、外して反確という事も依然としてある。
この為、上記のようにコンボパーツとしてはともかく常時仕込みはどうなのか、という意見を持つプレイヤーもいる。
そのリスクを踏まえても、キャッチ仕込み済みのこいしが高い圧力・事故らせ力を持っているのもまた事実なので、意見が分かれる所だが。

スペルは三種類ある中でどれも役割がはっきりしていて、威力が高くこいしのワンチャン火力の高さの最大の要因となっている「スーパーエゴ」、
エゴに隠れがちだがこちらも十分な威力を持ち、さらに相手を押し返しながら弾を出すので為ぶっぱなしやすい「イドの解放」の二つが非常に優秀。
残る一つの「ご先祖様が見ているぞ」は、
一枚のスペルで三回攻撃出来る(=三回使わないと不発ペナルティが付く)という、ゲーム内でも異色のスペルであるが、
そのインパクトのある名前とこいしダンスはともかく性能では他二つの良い所取りをしようとして出来なかった中途半端さが拭い切れず、
スペルの中ではマイナーとなっている。

ラストワードは「ブランブリーローズガーデン」。こいしを中心に渦のように周囲からガード不能の薔薇が集まり、
これにヒットするとこいしの場所まで巻き込まれ、捕まると爆発してダメージを受ける。ただしグレイズ可能。
コンボでスタンを取って当てれば普通に繋げられるが、何故かこの技異様に外れやすい事に定評があり、
使えないラストワードの代表格のような扱いをされた時期もあった。
一応薔薇のルートが最適化された現在では、以前ほど外す事は無くなった。


MUGENにおける古明地こいし

+ chiguma氏製作
  • chiguma氏製作
可愛らしい手描きドットで作られたこいし。
AIは未搭載だが、プレイヤー操作で動かして遊ぶ分には問題ない程度に仕上がっている。
システム・ボタン配置などは『東方非想天則』のそれを簡略化したものとなっている。
射撃には霊球を消費し、霊撃はゲージ消費で発動。
最新の更新で『緋想天』『非想天則』の特徴とも言える「飛翔」システムも搭載された。
射撃はどちらも彼女の象徴と言えるハート弾。通常射撃で米粒弾撃ってたような
B射撃は大きく広がるハート弾で、投げキッスのモーションで発射する。かわいい。
C射撃は原作STGの復燃「恋の埋火」を弱体化させたような弾を発射する。

必殺技はゼンマイが生える飛び道具「原初の成長」、ワープする「グリコ無双流舞」、突撃技「パラノイア」、
設置型の機雷として機能する「迎え火」、そして当て身技が搭載されている。
超必殺技は迎え火の強化版「夢路の迎え火」、パラノイアの強化版「弾幕パラノイア」、迎え火を起爆する「夢枕にご先祖総立ち」、
しばらくの間無敵になる「嫌われ者のフィロソフィ」、周囲に弾幕を発生させる「没我の愛」、反射するハートを撃ち出す「恋の埋火」、
弾幕が渦巻きながら上昇し対空に使える「DNAの瑕」全画面技「サブタレイニアンローズ」…などなど。
各種当て身技に自己強化、効果が三種類からランダムな「胎児の夢」や、ダメージ量がランダムな「妖怪ポリグラフ」など、
バクチ要素の強い技も追加され、独特な性能を持つキャラへ向かいつつある。

ちなみに本家黄昏フロンティアのキャラのように各技に様々なモーションのパロディが見受けられる。
J2Aがどう見てもアイツアレだったり、ワープの見た目は某世紀末移動技
それでいて自己強化モーションにカイテンをチョイスするのが無意識流。
さすがにこれみたいなハート弾幕は使わないが…。
さらに表象「弾幕パラノイア」はグリコの一粒三百メートルなアレなのだが、こちらはSTGの原作再現だったりする。
どのモーションもクオリティの高いドット絵で描かれているため非常に可愛らしい。
暇があったらじっくり眺めてみるのもいいだろう。

誠治氏がAIを公開しており、11段階にレベル調整が可能な他、9種類のシステムカード使用パターンを選択できる。
かつては切干氏のAIも公開されていたが、現在は使用時に制限があるので注意しよう。
誠治氏AI

+ BIYO氏製作
  • BIYO氏製作
お空も製作しているBIYO氏によって、2013年12月9日に公開されたこいし。
氏のブログから公開先へ繋がらなくなっているため、現在はhamer氏によって代理公開されている。

こちらも可愛らしい手描きドットであり、
A(打撃)、B(弱射撃)、C(強射撃)、Y(飛翔)、Z(スペル)の5ボタン制。
6段階の霊力ゲージあり。また、空中ダッシュも可能となっている。
ダッシュ、バックステップ、ハイジャンプにはグレイズ効果が付与されており、
上手く使いこなせば弾幕キャラ相手でも防戦一方に陥らず、反撃に転じる事ができる。

作者によるAI(3段階にレベル調整可能)もデフォルトで搭載されており、中々強い。
この他、2013年12月11日に某氏のAIがmugenファイルアップローダ2で公開された。
……が、現在はロダが消滅しており、残念ながら入手不可。
人操作で相手をすると分かりやすいが、清々しいまでに超反応で行動する。
超反応センスってそういう意味じゃねえから!

+ kagenui氏製作 Painful Hearts
  • kagenui氏製作 Painful Hearts
上記のBIYO氏のこいしを改変した凶悪キャラ。
性能は狂下位~最上位程度。
ストライカーとしてフランこころを呼び出す他、画面中央にが常駐しているのが特徴。

+ Oracle氏製作 Divergence Mind
  • Oracle氏製作 Divergence Mind
同じく上記のBIYO氏の改変キャラ。
表モードはシールドを張っており、破壊しないと自動減少で自滅、破壊されると自動減少が解除されてダメージが入るようになる。
10Pからは一定時間で裏モードになり、即死攻撃を使うようになる。
設定でシールドの仕様やステ抜けの調整が可能。

+ Oracle氏製作 恋恋
  • Oracle氏製作 恋恋
本人はあまり攻撃せず、落ちてくる薔薇と種などで攻撃する。
ランダム性が強いために相性が出やすい。

+ fxnull氏製作 心綺楼/深秘録ドット
  • fxnull氏製作 心綺楼/深秘録ドット
『GUILTY GEAR』などのシステムを取り入れたアレンジだが、強さは狂ランクなので大会で使用する際には要注意。
デフォルトでAIが搭載されている。

+ barai氏製作 心綺楼/深秘録ドット
  • barai氏製作 心綺楼/深秘録ドット
魅魔トキ(けものフレンズ)などを製作したbarai氏製作のこいし。
『心綺楼』ドットのこいしの中で唯一のほぼ原作再現仕様となっている。
以前まではMUGEN1.1専用だったが、更新によってdefファイルを変えればWinでも使用可能になった。
ホルン氏による外部AIが公開されている。

+ にんにく氏製作 エクストリーム・アサラウス
  • にんにく氏製作 エクストリーム・アサラウス
個性的な東方狂改変キャラに定評のある氏による、『心綺楼』ドットを用いた改変。
超反応センスという仕様があり、こちらの攻撃が当たった際にしか喰らい判定が生じない。
言いかえれば、敵の行動に関わらず絶対にこちらが先手を取れるというもの。
他にも常時死亡ステートで行動する(=相手AIが行動を知る事が出来ない)という凄まじいAI殺し、
人操作不可能、AIの行動が対戦相手の存在を思い出したり忘れたりする事で変化するなど、とにかく特殊なキャラ。
演出面では原作を反映した攻撃動作の他、黒い鉄球を攻撃に使うのも特徴。
その一つである空から鉄球を振らせる超必殺技は、AIが敵の暗転を感知して発動してくる。
強化カラーも存在。

ランクはおおよそ狂だが、氏のキャラの中でもとりわけ相性に強く左右される。
相手によっては完封出来るが、喰らい動作中でも攻撃が可能な相手、例えば設置技や数の暴力は苦手。
それでいて敵の足を引っ張る仕様が多い為、アサラウス自身が完全に詰む相手が少ないのも特徴。


「大丈夫大丈夫、死体はに運ばせるから
 一生私の家で暮らせるよ!」

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*1
具体的にこいしの存在に気付けたキャラを挙げていくと、
物部布都雲山、こいしルートの序盤も含めると豊聡耳神子の三人。
何故彼女らがこいしに気付けたのかは良く分かっておらず、特に布都は自身のルートでは気付けたが、
こいしのルートでは気付けていないというからさらに良く分からない。
ただし、この中で雲山だけは以前から知り合いであるような会話があるので、取り敢えずナチュラルにコミュニケーションは出来るようである。
なお、こいしの存在に気付ける者自体は他にもいなくはないようで、特に子供に多いらしい。
あくまで稗田阿求の言葉ではあるが、「イマジナリーフレンド(空想上の友達)」との共通点を指摘する記述もあったりする。


最終更新:2023年05月11日 23:06