八神はやて


「こんな時がどうか
  少しでも長く続きますよう」

TVアニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズの登場人物。デスノートブーメランを組み合わせたまったく新しい(以下略)とかそういう発想は無い。
かといっての妹とかでもない(某ストーリー動画では本当の兄妹だが)。
シリーズ2作目の『A's』(9歳、影の主人公)及び3作目の『StrikerS』(19歳)に登場。CVは 植田佳奈 女史。
関西生まれなので柔らかな関西弁で話す。ただし一人称は「うち」ではなく「わたし」である。*1
TVシリーズでは唯一誕生日(6月4日)が設定されているキャラである
(なのはは原型の『とらいあんぐるハート3』では3月15日という事になっている)。

モデルとなったのは、都築氏原作のエロゲで『リリカルなのは』の原型でもある、
『とらいあんぐるハート3』のヒロインの一人、鳳蓮飛(フォウ・レンフェイ、通称「レン」)と言われている。
彼女もはやて同様、関西弁で病弱という設定である(中国人と関西人のハーフ,で、心臓に持病を持つ)。

幼い頃に身寄りを無くし、足に原因不明の障害を抱えながら、「父の友人」を名乗る人物の庇護を受けながら1人で生活していた。学校は休学している。
不遇な境遇に置かれながらも前向きで、優しい心を持った強い少女。
しかし、なのはやフェイト同様、辛い事や悲しい事を一人で抱え込む癖があり、がそれを心配する場面もあった。
ある夜、目の前に突然現れた「闇の書」の主となり、その守護者である4人の騎士=ヴォルケンリッターと生活を共にするようになる。
偶然からなのはの友人である月村すずかと親友になり、その伝でなのはとも友人になる。
しかし誤解から心を閉ざし一度は闇の書に捕われるも、その本来の姿「夜天の書」の主として覚醒。なのは達と協力して闇の書を撃破する
(余談だが、この時あまりに一方的だったため、BGMとして流れた「BRAVE PHOENIX」は処刑用BGMとも呼ばれている)。
その後なのは達と同じく時空管理局に入局し、19歳の時点では機動六課の部隊長を務めている。

ポスターやドラマCDであるサウンドステージなどで他人の胸を触る描写が他と比べてやたらと多いが、原作者の意図は不明。
そのため、二次創作ではよくおっぱい星人化、狸(腹黒な意味で)扱いされている。
『StrikerS』以降は一部のキャラから「豆狸」などと呼ばれている。
本人は呼ばれると怒るようだが、その割にタヌキのお面を被って登場したり、ピンナップなどでも狸のコスプレをしたり、
『ViVid』』の単行本で他のキャラが主人公のデバイスである兎と猫の着ぐるみを着ている中、1人だけ狸の着ぐるみを着ていたりする。
なお、かなり体格が小さく、そこがちびだの豆だの言われる所以となっているのだが、
その割に中学時代の胸のサイズはフェイトと同じくらいと所謂トランジスタグラマーである。
特に身長に関しては彼女のコピーであるロード・ディアーチェの身長が伸びない理由に、
「オリジナルであるはやての背丈の伸長に関する因子が控えめ」などとまで言われている。

+ 闇の書について、ネタバレ注意
シリーズ2期目(以下『A's』)でストーリーの「表向きの」核心を担うロストロギア(指定遺失物)。
物凄く分かりやすい言い方をすれば「ヤバい古代の遺産」である。
本来の名前を「夜天の魔道書」といい、主と共に旅をして各地の偉大な魔導師の魔法技術を研究、収集するために作られた収集蓄積型ストレージ。
現代風に言えば「魔法技術を蓄積するための資料ファイル」のようなものである。
しかし、歴代の持ち主の何人かが計画的に「力を求める」=悪用のためのプログラム改変を行った結果、
前述のように本来は兵器(武器)タイプではなかったのだが、彼らの意図通りにその性質及び属性を変えられていく事となる。
その際に主と共に旅をする機能と復元機能が「無限に再生・転生する」というタチの悪い機能へと変質。
真の持ち主以外のアクセスを認めず、無理やりアクセスしようとすると持ち主を呑み込んで転生する。
そのため、完成前のプログラム停止や封印が出来ず、完全破壊は不可能とされていた。

改変された後は「リンカーコア」と呼ばれる魔力の源を蒐集(若干削り取る。場合によっては全て奪い取る)し、
転生後に空白である666ページ全てを埋める事で魔道書は完成する。
ただし完成していない段階で蒐集した魔法を使用すると、埋まっているページが空白に戻る。
また、蒐集したリンカーコアからその魔導師が使っていた魔法をコピーする機能も付いているが、
場合によっては魔法を組み直したり性質が変質する事もある。
例としては、第10話で放たれたスターライトブレイカーが、オリジナルとは違ってタダでさえ長いチャージ時間が更に長くなり、
広域攻撃属性までも付随していた。

一定期間ページの蒐集が無い場合は持ち主のリンカーコアを侵食するようで、これがはやての身体麻痺の原因になっていた。
なお、魔道書を完成させたとしても管制・防御プログラムの双方からの認証を得ないと管理者権限を取得する事が出来ない上に、
自律思考を持たない防御プログラムが破損しているという致命的な欠陥を抱えているため正常な認証が行われず、幾度も暴走を起こしていた。

…こうして本来は単なるノートのような存在であった夜天の魔道書は、「闇の書」と呼ばれる制御不能の最凶最悪の兵器と成り果ててしまったのである。
クロノ・ハラオウンの父であるクライド、そして幾度目かの改変によってもたらされた「失敗」後の闇の書の所有者達は、
こうした「暴走」によって悉く命を落としている。
仮に認証を成功させていたとしたら管理人格のサポートの下、膨大な魔力と蒐集した魔法全てを行使する事が出来るというチートキャラが誕生していた。
でも暴走が確定している状態なのでそんな事はなかったぜ!
とは言え、そのチートぶりが厄介なのは事実で、作中でフェイトはあっさりと闇の書に飲み込まれ、
なのはは手も足もでず、切り札であるエクセリオンバスターですら防がれている。
はやてがシステム掌握に成功していなかったら、負けていたのは確実であり、
一期の“表向きの”ラスボスであるプレシアと並び、シリーズ最強の敵の一人に数えられているほど。

このように危険な存在であるため、時空管理局のギル・グレアム提督(はやてを庇護していた「父の友人」の正体。クライドのかつての上司でもある)は、
闇の書の完成を待ち、暴走状態に陥る直前の数分間にデュランダルによる極大凍結魔法により、主であるはやてごと永久封印させる作戦を実行しようとした。
そのため、使い魔であるリーゼアリア及びリーゼロッテ(彼女じゃないよ)を「仮面の戦士」に変身させて送り込み、
闇の書の完成を促すためにヴォルケンリッターの手助けやなのは達の妨害を行っていた。
しかしこの「完成した闇の書は魔力を蒐集する必要が無いので自らは動かない」というシステムの穴を突いた場合、
永久封印は不完全な状態となる事をクロノに指摘される。
最終的には管理人格に名前を与える事で、管理人格の解放と暴走部分である防御プログラムの分離・破壊に成功するが、
無限再生機能によって防御プログラムが再生・暴走してしまう事が確定。
既に夜天の魔道書としての姿を持っていないため再構築も不可能であるという事から、管理人格の願いにより、なのは達の協力の下に破壊された。

…が、前述のような何名かによるあからさまな悪用目的とも言えるような無茶な改変(兵器化)の詳細については、
劇中におけるヴォルケンリッター達のセリフで僅かに述べられた事以外、例えば彼ら自身の詳細と共に謎のままである。
一応前述のように暴走した事でその計画も恐らくは失敗に終わったのだろうが、
彼らが目指したであろう本来の改変計画等々、数々の重要な情報が(闇の書だけに)闇の中に消えてしまったという意味では、
この事件は本当に解決したとは言い難いと言える。
ちなみに後の『StrikerS』でもこの事件は話題に上り、その件に関してはやてを「犯罪者」と言う人物がいたが、
  • 別に八神はやて本人が自分の意思で闇の書を悪用しようとしたわけではない
  • そもそも闇の書自体、前述のように持ち主を死に至らしめる制御不能の暴走兵器であり、使用者の意図的な悪用など不可能なデバイスであった
事などから、その人物の指摘は全くの見当外れである。ヴォルケンリッターに関しては完全に言い訳出来ない訳だが
ただし、はやて当人は面と向かってそう言われても否定しておらず、自分が中心に居た事件として責任を背負っていくつもりのようである。
別に作者が設定を忘れたからじゃないよ!

一方彼らの方が何故はやてに対してこのような見当違いの因縁を吹っかけたのかというと、
実は『リリカルなのは』シリーズの設定や世界観の大きな問題点や、それにちなんだ彼のコンプレックスに起因している わけなのだが……。
この辺の事情については、是非『StrikerS』を参照するといいだろう。
というか管理局自体が三権分立出来てなかったり犯罪を犯しても優秀な人材なら積極的に雇用したりと色々問題が(ry

また、販売・バンダイナムコゲームス、開発・ウィッチクラフトのPSP版『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE』シリーズでは、
管理人格が消失しなかったifの世界で話が展開されている。
+ PSP版でのif展開
しかし、このPSP版でも実際には防御プログラムを破壊した時点で無限再生機能も破損・消滅している事が判明しているものの、
当然ながらこの状態を維持出来るわけではなく、余命幾許かの病人のようなもので、主と共にある時間を少しだけ得られたというわけである。
戦闘も一応可能ではあるが、能力の殆どをはやてに置いてきてしまっているのでアニメでのチートじみた力は残っていない…… はずだった。

……のだが、 はやてが管理人格に逆ユニゾンを行う という裏技をしてのけた。
管理人格が言うには最後の手段のようで、その時はフルパワーで何とか出来たものの、その後はやては寝込む羽目になってしまった。

また、なのはやフェイト同様にはやての2Pカラーのようなキャラクターとして、
「闇統べる王」(2作目『THE GEARS OF DESTINY』では「ロード・ディアーチェ」に改名)が登場している。
闇統べる王は1作目と2作目では技の名前が違い、最初のフルドライブバーストは「エクスカリバー」だったが、
『THE GEARS OF DESTINY』では「ジャガーノート」になった。

ちなみに、この管制人格のリインフォースⅠはロングレンジでの砲撃が強いキャラだが、クロスレンジでは元気にステゴロする姿が見られる。

余談だが、リハビリ中はヴォルケンリッターの1人であるザフィーラ(狼の守護獣)に乗って帰宅していたためか、
近所で「デカイ犬に乗った少女」として噂になっていたらしい。
撃墜され、リハビリ中のなのはも一度だけ同乗した事もある。
なお、前述のようにはやてが小柄なため、ザフィーラ曰く今でもはやてを乗せられるらしい。

戦闘スタイル

遠距離・遠隔発生、広域攻撃などを得意とし、支援攻撃に特化した指揮官タイプで、ポジションは指揮官らしく後衛。
グループ戦の際、フリーにして詠唱の隙を与えると壊滅的な被害を被る攻撃が飛んでくるため、真っ先に落とすべきとクロノに評されている。
一方で、大出力の魔法は高速・並列処理との相性が悪いため「立ち止まって発射」という固定砲台としての運用を行っている。
『StrikerS』時に本人曰く同部隊のメンバー同士、ガチでやり合うと勝てるのはキャロ・ル・ルシエ(召喚魔導師)ぐらい、
もしくは最近は戦技教導官であるなのはが仕込んでいる分を考えると負けるのではないかという位、個人戦には弱い。
また、はやて自身がノーコンとぼやいており(というか力を持余しているような描写がある)、
狙いの悪さをリインフォースIIや後方部隊「ロングアーチ」の管制によるサポートで補っている。
また、闇の書もとい夜天の魔道書が蒐集した魔術により、ミッドチルダ式と古代ベルカ式どちらの魔術も扱える。
ただし新しい魔法を覚える場合ははやて自身が学習する必要がある。
夜天の魔道書が残したレアスキル「蒐集行使」、私有戦力であるヴォルケンリッターを保有しているため、
9歳当時はSランク魔導騎士として、『StrikerS』時はメンバー中最高の総合SSランクとして評価されている。

所有デバイスは『StrikerS』時点では登場人物でも最多の4つ。『A's』(というかゲーム版前後)では2つ。
魔力を出力するために使う騎士杖ことアームドデバイス「シュベルトクロイツ」に蒐集した魔法を保存しているストレージ「夜天の魔道書」、
融合型デバイスである「リィンフォースII」*2とリィン用のストレージである「蒼天の魔道書」である。
本来ならば、なのはやフェイトのようなインテリジェントデバイス単体で機能させる事も出来るのだが、
夜天の魔道書の容量肥大化など様々な理由があって機能を分割させているようだ。
バリアジャケット……ではなく、ベルカ式なので騎士甲冑のモチーフは「騎士」と「堕天使」。
黒い翼と白い帽子など白と黒が混じり、アクセントとして袖や襟、腰回り(西洋甲冑で「タセット」、
日本の鎧で「草摺」と呼ばれる部分)に黄金を用いている所が「天使」がモチーフのなのはとの違いである。
ちなみに、騎士甲冑姿になると出てくる翼は伊達や酔狂で付いているのではなく、飛翔魔法「スレイプニール」が実体化した物である。
(余談だが、幼少なのはの靴に生えていた羽はフライヤーフィン)。

(以上、wikipediaおよびNanohaWikiより転載・改変)

バンナムから発売された格闘ゲーム『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE』シリーズでもロングレンジでの遠距離砲撃型。
そんな彼女のフルドライブトリガー(超必殺技を発動させるための攻撃)はなんと頭突き(大阪ストリートファイト用語で言う「パチキ」)である。
2作目の『THE GEARS OF DESTINY』では、なのはから習ったマニューバACSという突進攻撃が追加されており、
弱点である接近戦を克服しようと努力しているようだ。
ちなみに、教えたなのは本人や、新作で独自の性能を得たロード・ディアーチェ(こちらの技名は「ダインスレイブ」)は、クロスレンジで使用する。

ソーシャルゲームでありそれを元にした漫画『リリカルなのはイノセント』では、古書店八神堂の店主になっている。

有志の作った愛のかたまり


MUGENにおける八神はやて

omega氏製作の美坂栞改変のものが存在していた。イントロの衣装からすると、どうやら小学生時代のようだ。
攻撃は魔法を使ったものが多く、遠距離戦を得意とするキャラ。移動速度は速め。
また溜まったゲージ数に応じて強化される技がある。
まだ未完成との事だが、AIもデフォルトで搭載されいる。
なお、容量がそれなりに大きい(60M強)ので注意。
試合(エキシビジョン)での様子(8:51~)

また同氏によりのりものとして、「ガルル(八神はやて with メタルガルルモン)」も製作されていた。
括弧内から分かる通りメタルガルルモンに載った八神はやてで、ミサイルを射出し冷凍ブレスを吐く。
現在ははやて、ガルル共にサイト消滅で入手不可。

この他、レミリア・スカーレット改変キャラ「ザトラツェニェ」に、そっくりさんのロード・ディアーチェのボイスを追加するパッチが存在している。

出場大会

出演ストーリー

夜風物語(とある人物の使い魔として登場)
KING OF FIGHTERS X
蕎麦処?八神庵!!(八神庵の妹)


*1
一口に「関西弁」といっても言語学上では地域別に細かく分類されるが、
植田女史は奈良・生駒生まれの大阪・北河内育ち、更に神戸の大学に通い、そこで関西各地域の方言を話す友人と会話する機会が多かったため、
少なくとも奈良弁、河内弁、摂津弁、播州弁を話し分けられるようである。
「なのはA's」でも、台本のはやてのセリフの方言にチェックを入れていた逸話がある。
ただし、原作者・都築真紀氏は、はやての一人称についてはこだわりがあるらしい。

*2
ドイツ語で「2」を意味する「ツヴァイ」と読む。
ベルカ式魔法のネーミングはゲルマン(北欧・ドイツ)神話もしくはケルト(アイルランド・スコットランド)神話由来。


最終更新:2021年03月22日 18:59
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