IBIS


「システム起動。22-4フェーズ・・・ 」

『アーマードコア3 サイレントライン』(通称『SL』)におけるラスボス。よく間違えられるが
「IBIS」というのは機体を操るAIの名前であり、機体名は「I-CFFF-SERRE」である
(尤も、プレイヤー達の間では機体の方もIBISと呼ばれることが多い)。
ちなみにIBISとは英語でトキ(鳥)という意味である。病人ではないし負け犬属性も無い。

IBIS

惑星規模での大規模な災害から逃れる為に、いくつかの国家が作り出した地下都市「レイヤード」。
IBISはその一つを管理するメインコンピュータ(通称「管理者」)である。
しかしIBISの管理する地下都市は既に滅んでしまったようで、人の気配が感じられない。

+ レイヤードの真実、そして彼女の目的。以下、ネタバレ注意
『3』の管理者 「DEVO」「DOVE」(ハトの意)は人類を管理し繁栄させた後、人類が管理者から自立し地上で生きていく資格があるかどうかを試すため、
敢えて水面下で人類への敵対行為を行い、最後は明確に滅ぼそうと侵攻を開始した。
プレイヤーの間では「IBIS」も管理するレイヤードの人々に同様の試練を与えたが、人類はこれを乗り切る事ができずに滅んでしまったと考えられている。

技術レベルは管理者が上なため、人類が勝ち残るには文字通り神のごとく君臨してきた管理者を見限って一致団結する必要があり、
それこそが管理者の狙いだったと考えられる。
逆に言うと、それができなかったから「IBIS」のレイヤードの人類は滅んだものと考えられる。
事実、「DOVE」のレイヤードでは最も大きな戦力を有する巨大企業3社は思想の違い、思惑などのしがらみから互いに協力できず劣勢だった。
それでも滅ばなかったのは卓越した戦闘能力を持ったイレギュラー(『3』主人公)、つまりはプレイヤーが単独で中枢に潜入し、
管理者を破壊してしまったからである。

作中では別のレイヤード(『3』の舞台)から地上へ進出した人類に対し接触を図ると同時に、
周囲に近付く者達を衛星砲やミサイル、機動兵器などで排除してきた。
侵入が極めて困難なその区域は「サイレントライン」と呼ばれ、企業達の推し進める地上開発計画の妨げとなっている。
主人公のもとにもAI研究所の女性研究員「セレ・クロワール」として接触し、
サイレントラインや企業のやり方などについて、疑問を投げかけた(もちろんAIであるため姿は無く、メールなどの間接的な手段で接触している)。

終盤では特殊な電波を発することで企業が新たに開発したAI兵器や無人要塞を乗っ取り、
一度は奪われた衛星砲も奪還するが、レイヴン達により敗北。
サイレントラインは突破され、内部への侵攻を許してしまう。そしてI-CFFF-SERREを操り最深部にて主人公と戦う。

元々、フロム作品はストーリーの多くを語らない作風である為、様々な謎や想像の余地が残されるのだが、その中でも特にIBISは行動原理自体も謎に包まれている。
後述のセリフから『3』のレイヤードの管理者「DOVE」同様、人類が今後地上で生きていく資格があるかどうかを試していたとも取れるが確証は無く、
その意味深なエンディングは多くのフロム脳患者を生み出したという。

なお、セレ・クロワール(Serre Croire)はフランス語で「ぎっしり詰まった想い」と訳する事ができる。実に意味深。

I-CFFF-SERRE

IBISが駆る特殊機動兵器。
黒いボディ、細い外見と翼のような背部ユニットが特徴。
凄まじい機動力とミサイル迎撃能力を誇り、武装も多彩。
最初はレーザーやオービット主体で攻めてくるが、ある程度ダメージを負うと背部ユニットをパージし、ブレードとレーザーで高速戦を仕掛ける。
高速形態の時にはその素早さでブレード攻撃を積極的に狙ってくるので、慣れないうちは斬り殺されやすい。
しかし多彩な武装はブレード含めて火力に欠け、耐久力もあまり高いわけではなく、機動力はあるが動きが直線的でミサイル以外ならポコポコ攻撃が当たる*1
といったように基本スペックがあまり恵まれておらず、こいつと並んでシリーズ最弱のラスボスと呼ばれる事も。
むしろ道中の特殊AC「I-C003-IN」の方が火力が高くて強いと言われる始末。

3シリーズは初代シリーズのオマージュが多く、この機体もナインボール=セラフのオマージュとされているが、その強さは完全に真逆である。
しかしこの弱さは制作側が意図したものでは? というフロム脳的意見もある。
戦闘中に淡々と語る進捗情報のようなセリフはセラフのそれとは異なり殺意が無い。
兵器にあるべき目的と機能が闇に包まれたこの機体は、謎多きサイレントラインの象徴と言えるかもしれない。


MUGENにおけるIBIS

ミロカロス等も手掛けためるふぃむ氏(現・浅瑠璃 るめ氏)によるものが存在していた。
氏の活動休止に伴い公開停止されていたが、活動再開に伴い2014年8月に再公開された。
その際に上位カラーが削除されたが、代わりに(?)7P選択でボイスとカットインがトキになるようになった
……が、現在は再度公開停止となっている。

手描きであり、モーションは石上歩氏のナインボール=セラフを元にしている。
原作同様多彩な技や高い機動力を持つコンボ主体のキャラ。
11P、12Pは完全に狂キャラクラスで、高い火力と回復能力を得る。
特に12Pは尋常ではなく、ダメージを負った直後に回復し、パンチ一発で相手が死ぬ。
AIはデフォルトで搭載されている


「ココマデガ、ワタシノヤクワリ・・・・・レイヴン」

「あとは・・あなたの役割・・」

出場大会



*1
ACシリーズのFCS(Fire Control System、火器管制)は簡単に言うと「ロックオンした相手の等速直線運動先を狙う」というものである。
どんだけ速度が出ていようが、ロックオンサイト内でなら左右への切り返しを行わなければ弾はガンガン当たりまくる。


最終更新:2023年12月21日 13:41