朝倉涼子


「無駄なの♥」

谷川流のライトノベルおよびそのアニメ作品『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場人物の一人。「あさくら りょうこ」。
ハルヒキョンと同じクラスで、青いロングヘアーと太い眉毛がチャームポイント。
美人で成績優秀、真面目で常識人という色々揃ったクラス委員。
奇行の目立つハルヒがクラスから浮いている事を心配したりと優しい面もあり、クラスメートからの人望も高い。
あと谷口が学内でも最高峰の美少女だと評価している事から、戦闘力も高いようだ。
TVアニメ版のCVはローゼンメイデン翠星石でお馴染みの 桑谷夏子 女史。

+ 原作ネタバレ
…が、それは表の姿で、真の姿は宇宙人がハルヒを監視するために作った長門有希のバックアップ。つまり彼女も宇宙人である。
彼女は長門と違い監視し続ける生活に飽きており(正しくは彼女に指令を出している情報統合思念体の一派が)、
「ハルヒと仲の良いキョンを殺す事で彼女の能力がどう発動するかを見る」という理由でキョンを放課後の教室に呼び出し、ナイフを手に襲いかかる。
それを長門に察知され、戦闘の末に情報結合解除(要するに分解)され、結晶となって消滅した。

+ しかし…
『消失』では突然消えたハルヒと入れ替わるかのようにまさかの登場を果たす。
しかし長門同様に情報統合思念体などとは一切関係の無い、かつての表の性格そのままの一般人となっていた。
…が、実際には暴走した長門がハルヒの能力を奪い取って世界を改変した際に、
本来の能力を全て失って完全に無力となった長門をバックアップするための存在となっていたため、
朝比奈みくるや3年前の長門の力を借りて世界改変直後の長門を元に戻そうとやって来たキョンを再びナイフで殺しにかかる
(キョンが銃と思われるものを構えていたため、長門を守るためだが)。
だがこの行動も数週間後の未来からやってきた長門に阻止され、再び消滅した。
その後、『驚愕(前)』にて再び長門のバックアップ要員として復活。周防九曜と交戦している。
『驚愕(後)』では、朝倉も長門と同様に自我を確立したような描写があるが、詳細は未だ謎に包まれている。

+ 対人間用インターフェースの素性に関する内容
彼女たち対人間用インターフェース(通常TFEI)は個々人で意思を持ちながらも、その行動を決定する主体は情報統合思念体にある
(ただし、長門はキョン達と関わる事で変化し始めている)。
『消失』の長門の例でも分かるように、インターフェースが情報統合思念体の意思に逆らうという事は本来有り得ない事のようである。
保守派が多数を占める情報統合思念体の中で、観察対象の一人であるキョンを独断で殺害しようとする行為は確実に非難を浴び、
その実行犯また思念体にとってはただの道具でしかない自分は確実に処分されるであろう事は分かりきっていたはずだが
(消滅中の台詞から、実は長門にも敵わない事は分かっていたようである)、操り主の命令に逆らわず普段と全く変わらない様子でキョンを襲った。
死という概念が理解できておらず、キョンに「有機生命体にとって死とは怖いものか」と尋ねている。
このような人間らしさの欠如、及び感情の変化の無さは同類の長門と通ずるものがある。
消滅中にキョンに対し、生きたいと思うのなら自分達のような存在にも気を付けるようにと一応の助言と、
操り主が意見を変えるなら長門もキョンを襲うだろうと言っている。
このように、一般社会に溶け込んでいる様子>インターフェース同士の戦闘>消滅までを一通り読者に見せ、
その前後の台詞も合わせてTFEIがどういうものであるのかを端的に表した存在であった(その上で自我に目覚めていく長門を観ると面白い)。
彼女も長門のバックアップだったという事は、その操り主共々保守派に属していたはずである。
あくまでも道具でしかない彼女は保守派からでた急進派に使われただけのはずで、朝倉涼子自身は元々過激な思想の持ち主だったわけでもなく、
普段も別に本性を偽っていたわけでも演技をしていたわけでもなさそうなのだが、
それでも操り主の意見に賛同しているような事も言っており(単に逆らう意思が無かっただけとも取れるが)、
結局の所、その本心は出番が終了してしまった今でも不明である。
長門曰く「とても優秀で、普段の彼女は信頼するに足る存在」との事。
『消失』の世界改変の際、長門は存在する人物とその素性まで自由に設定できたにもかかわらず、
わざわざ朝倉涼子を自身を守る存在として身近に置いていた事からも、普段の彼女ならばその役に相応しいと考えたのではないだろうか。

ここまでややこしい事になっているのはTFEIにとって「私」が誰を、あるいは何を指しているのかが曖昧なためである。
少なくとも作られたインターフェースのボディとしての「私」、それに宿っている精神としての「私」、そしてもう一つある。
確かに原作の朝倉のセリフでは「なにも変化しない観察対象に、あたしはもう飽き飽きしてるのね──」、
「上の人たちは頭が固くて(中略)現場の独断で──」となっているのだが、
その後のセリフで「統合思念体は、この通り、一枚岩じゃない」と、この行動が統合思念体の意志である事を仄めかしている。
「現場」という言葉も統合思念体の立場からの可能性もある。
統合思念体は無形であり、時間も超越し空間に存在しているわけではない事が明らかになっており、
生物レベルの意識と思考を介して人間とコミュニケーションを取るための媒介がTFEIなので、
インターフェース自身にはっきりとした意思が無ければ統合思念体がその目と口を使って話をしているようなものであると考えられる
(もちろん実際に思考を言語化し行動しているのはインターフェースなので個々の性格を反映する事になるが)。
故にしばしば彼女らは操り主を指して「私」と言う事がある。
初期の長門にもその傾向は多く見られ、特に物質としての自身を指す場合は「このインターフェース」と呼んでいた事からも明らかである。
その後長門はSOS団と行動する事で徐々に自我に目覚め、現在では「私」と言えば長門本人の事になっているが。
これらを踏まえ、朝倉涼子も長門のように自我に目覚める可能性があったのだとしたら、中々不幸な存在である。

以上のような境遇や裏とのギャップから、未だファンの多いキャラクター。

+ ヤンデレ?
なお萌えのカテゴライズで言えば「ヤンデレ」と見られる事も多いが、病んでもなければデレてもない。
しれっと物騒な発言をする人が「ヤンデレ」と呼ばれる世の中だからしょうがない。多分「キチガイ」と間違えてるんだろう。
強いて言えば『涼宮ハルヒの消失』にて、長門を守るためとはいえ満面の笑みを浮かべながらキョンにナイフを突き刺し、
長門に「貴女の為なら何だってする」と語る描写は、長門に対するヤンデレと言えなくも無いが……。

余談であるが、原作のイラストレーターの絵柄が眉毛を細く長く描く傾向にあるため、
和風美人のコンセプトが取り入れられているであろう彼女の眉毛が相対的に太く見えてしまう(実際少しは太めに描かれているのだが)。
それを受けてアニメのキャラデザではさらに眉毛が太くなり、アニメから入った人に「「眉毛の人」「ゲジマユなどと呼ばれてしまっている。
+ 原作絵
こんな感じ。

+ 『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』では
スピンオフ作品『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』では初っ端からキョンを殺そうとするが、
キョンを助けに来た長門の頭突きで倒されてしまい、暫くした後もしもの時のために取っておいたバックアップで復活。
…したのだが、何を間違えたか二頭身の「あちゃくらりょうこ」として復活してしまう(「あしゃくらりょうこ」とは違う)。
その後は猫に捕まっていた所を長門に拉致され、監視の目的を兼ねて同居する事になる。
一度消滅したために表舞台に立てないため長門、犬型風船のキミドリさん(コンピ研の彼女とは関係無い)としか絡みは無いものの、
私生活がかなりぐうたらな長門の代わりに家事全般を受け持って長門家を支えている主婦的存在。
と、同時に長門に弄られる立場であり、初期の頃は、
「長門に何かしらで弄られる→拗ねる→長門が何とかおもちゃやお菓子なんかで機嫌を取ろうとする
 →拒否ろうとするが…今回だけですよっ!または、まいっか!」
が定番パターンであった。
どう考えても、自我を確立しているとしか思えないが、自我を確立出来なかった原作を思うとこれはこれで救われていると言えなくもない。

一応、キョン抹殺という使命だけは覚えていて、実は原作通り3年間長門の部屋にキョンが寝ていた事を知ってキレたりしている。
…が、主婦業が性に合いすぎたためか、話が進むにつれてその使命を忘れかけている。
初詣で絵馬に「家内安全」と書いた後で、キミドリさんに突っ込まれたり、
長門から制作依頼されたキョン用のチョコに毒を仕込む事も出来たのに「長門さんに迷惑がかかるから」と普通に作ったり。
キミドリさん曰く「(良い意味で)この人もう駄目だな」
こんなキャラクター性もあってかとても可愛らしい作品を代表するマスコットキャラとなっている。
ただし、ナイフを持つとマスコットから「あの頃の朝倉さん」に豹変、長門や天敵であるはずの猫すら圧倒する。ちなみにナイフは竹製でもOK。
包丁では豹変しないので刃物全般というわけではなく、ナイフでなければならないらしい。
さらにアニメ版では声優の熱演もあって更に可愛らしさが増した。つーか声のテンションのせいで翠星石が乗り移ったかのようであった。
その後は天敵である猫を(あちゃくら視点で)撃退してくれたキョンの妹を(キョンの妹とは知らずに)師匠と慕ったり、
馬型に変態したキミドリさんと組んで長門に挑んで返り討ちに遭ったりしている。
そして、『分裂』『驚愕』を原作にした話に入った事で、遂にキョンに存在を知られる事になる。
SOS団員の人気投票を依頼してきたキョンに「自分を殺そうとしている相手に頼む事か」と突っ込んでいるので、
今でもキョン抹殺は狙っているらしいのだが、突っ込むだけで攻撃してないのでどこまで本気なのやら。

なお、『ハルヒちゃんの憂鬱』における消失世界では当然あちゃくらりょうこではなく朝倉涼子として登場したが、
等身と精神年齢が上がっただけで主婦染みたキャラである事は変わっていない。というか、通い妻。
…が、キョンの分の食事を作ろうとしてキョンの目の前でマイ包丁を取り出して怯えさせるあたり、どこか抜けている。

+ 『長門有希ちゃんの消失』では
『ハルヒちゃん』と似たポジションだが、超常現象が存在しない世界観なので、TFEI端末などではなく只の人間。
主人公が長門である関係上、原作に比べて出番が大幅に増え、長門、キョンに次ぐ第三の主人公的な立場に出世している。

長門とは自他共に認める親友関係で、彼女への態度は通い妻を通り越して子煩悩な母親の領域に達している。
彼女とキョンの恋愛関係を進展させるべく様々な策を練っているが、策に溺れて自爆したり、
「二人が恋人同士になってしまったら、自分と長門の距離が離れてしまうのではないか」と嫉妬してしまう事もある。
また、長門が別人格と入れ替わってしまった際には、本来の長門の復活を望みながらも別人格の長門の意志を尊重、普段と変わりない態度で接し続けた。
別人格の長門はそれを感謝し、「この人達と一緒に私は私になったんだ」と感じている。
キョンへの害意も全く無く、彼に恋愛感情を抱くどころか息子としての愛情を抱くまでに至っているが、
呼び出す際にペン先で背中を刺したり、「ストレスが溜まったらナイフを取り出してキョン君の背中を……」などと語ったり、
キョンへの手作り弁当を毎日作っていたら何故か徐々に狂気に染まっていくなど、不穏な言動を見せる事もある。
また、本作ではハルヒと仲が良く、互いにボケとツッコミをこなす迷コンビである。
長門へのアドバイスに思い悩んだ際には、朝倉の脳内でハルヒが「理性」として登場するという珍しい事態になった。


MUGENにおける朝倉涼子

minoo氏製作のものとyukimiti氏製作のものが確認されている。

+ minoo氏製作
  • minoo氏製作
手描きの朝倉さん。改変元は特に見当たらないが、ナイフなどの動作は七夜志貴遠野志貴を参考にしたものかと思われる。
ドット的にはドロウィン氏製作の長門有希のものに似ているが、あちらとは違い遠距離戦が得意であり、
通常攻撃の動作も素早いため近距離も遠距離もこなせる万能型。
全体的に火力は高いとは言い難いものの、コンボでダメージを稼ぐコンボ系キャラである。
超必殺技の「時間停止」はガード不能技だが、朝倉の目線より上にいると全く無駄に終わる。
少し沙耶の「耕司の嘆き・郁紀の狂気」と性能が似ている。上方に高くは飛ばないけど。

色々と未調整なため、地上コンボも空中コンボもやりたい放題な部分がある。
初心者にも適当にボタンを押せば繋がるので扱いやすいと言えば扱いやすいが、一線を超えると並のキャラでは歯が立たなくなる事も。
正に新世紀…とまではいかないね、うん。
功刀氏によるAIパッチが存在していたが、現在は公開終了。
功刀氏AI

+ yukimiti氏製作
  • yukimiti氏製作
チョイヤー氏のサイトで代理公開されていたが、氏の引退に伴うサイト閉鎖により、現在は入手不可。
メルブラ』ドットの改変キャラで、イントロやニュートラルポーズ(完成版では変更)が弓塚さつき
刃物の動作や必殺技遠野志貴七夜志貴がベースとなっている模様。
ゲージ技の杭投げや情報制御空間にはDIOの要素が入っている。
また、チョイヤー氏製作の涼宮ハルヒD4長門キョン、そして何故かこの人にまで特殊イントロが対応している。

待ちより攻めを優先した動画栄えするAIもデフォルトで搭載されている他、おまけの人氏による外部AIも存在。
おまけの人氏のAIは絶対に妥協しない人とのタッグ用で、積極的に連携を狙いに行く見ていて面白いAIである。
実力も申し分なく、「空気読め読む」などの強力タッグとも互角に戦える他、
空中縫い止め+火炎放射が決まれば勝利する事だって夢ではない、という実に素敵なコンビに仕上がっている。
詳細や開発経緯については、後述の大会ネタバレを参照の事。

+ 大会ネタバレ注意
yukimiti氏の朝倉涼子がちとヘンテコなネタとかで男女タッグトーナメント にてロールシャッハとコンビを組んで出場。
火とナイフと包丁とを組み合わせたバイオレンスな連携を展開し、ついには優勝してしまった。
またBブロック四回戦と決勝戦のおまけでは彼と虚々実々の会話を繰り広げ、見る者を震え上がらせた。


出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
削除済み
更新停止中

出演ストーリー



最終更新:2021年05月31日 19:32