パワードバルタン星人


銀色の巨人を援護しますか?

彼が味方だとなぜ言える?

ハサミを持ってる方は明らかに敵ですから

1993年に円谷プロがアメリカで製作した特撮作品『ウルトラマンパワード』に登場した宇宙人。
ウルトラシリーズの人気宇宙人バルタン星人をリメイクした存在であり、
劇中では単に「バルタン星人」、放送当時の書籍などでは「バルタン星人(新)」とも呼ばれている。
身長:ミクロ - 65m、体重:最大2万3千t。別名は初代と同じ「宇宙忍者」。

登場エピソードは第1話「銀色の追跡者」、並びに第13話(最終話)「さらば!ウルトラマン」。
本作の黒幕的な立ち位置で暗躍しており、最終話ではパワードバルタン星人の元締めとして、
冬虫夏草を髣髴とさせる見た目のサイコバルタン星人も登場している(上記画像右端)。

過去シリーズのバルタン星人とは性質・デザイン共に大きく異なり、特に性質に関しては、
本作では「宇宙の多くの星を侵略してきた宇宙の侵略者」とされ、地球人と意思疎通さえしようとしない
悪の侵略者としての性質が強調されており、地球人と対話するシーンや宣戦布告するシーンなどが一切無い。
外見もシャープな昆虫のようなイメージであり、金属的な甲虫のような紺色のカラーリングと相まって、
他の作品のバルタン星人とはかなり印象が異なる。
アレンジデザインを行ったのは、平成『ガメラ』3部作でガメラギャオスをアレンジデザインし、
樋口真嗣氏と共同でイリスレギオンのデザインを手がけた前田真宏氏である。
視聴者からの人気も高く、ソフビ人形『ウルトラ怪獣シリーズ』では『パワード』怪獣で唯一、
規格変更されるまでラインナップされ続けていた。パワードはラインナップから外されちゃったのに。

主な得意技としてはハサミから放つ衝撃波があり、これで空間を歪ませてビルを破壊している。
書籍設定では反重力や念力の類とされており、
後年のデータカードダス『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』では「フラッシュ念動波」という名称になっている。
また、口の管から毒ガスを発射でき、射程こそ短く至近距離の相手にしか当たらないが、
接近したパワードに使用して退けた。
他にも飛行中に赤い光弾(当時の書籍設定やゲームでは「バイオビーム」)を追撃するパワードに発射しているが、
劇中では逆にパワードに跳ね返されてしまっている。
攻撃能力以外にも飛行能力を持ち、第1話では背中の青い翼を広げて飛行してパワードと空中戦を繰り広げた。

劇中での動きは若干スロー気味で、動きは遅め(尤もこれは『パワード』怪獣全体の共通項だが…)。
ただしこの回に関しては上手く宇宙人の不気味さを出していたとする見方もある。
また地上では立ち止まって衝撃波を多用していたので、他の怪獣に比べて動きの遅さも目立たなかった。
第1話ではパワードとの激闘の末、最期はメガスペシウム光線を受けて消滅した。

が、以降も生き延びたバルタン星人らは、地球を我が物にせんと暗躍。
第12 - 13話ではドラコゼットンを差し向け、遂にはパワードをエネルギー切れで戦闘不能に追い込んでしまった。

各種ゲーム作品では、上記のような劇中設定など何処吹く風、
シャープな外見から想像される通りの軽快な動きを見せてくれることが多い。
技が過去のバルタン等の技から水増しされていたり、槍状のハサミでの素早い突き刺し攻撃も高確率で搭載されている。
劇中でのハサミ攻撃ってスローな薙ぎ払いぐらいだったはずなんだけど。
後述するMUGENのパワードバルタンは、映像作品よりもこちらのイメージのキャラになっている。

+ ゲーム作品での扱いの詳細
3DOの格闘ゲーム『ウルトラマンパワード』では素早い動きと高いジャンプ力を持ったスピードキャラになっている。
動きも本編より実に生き生きとしている。むしろこっちが本編で良かったとする人も少なくない。
分身による攻撃やハサミでの突き刺しなどが使用可能。
組みつき技として、劇中同様の至近距離での口からの毒ガスが搭載されている。
またテレポートによるバックステップや瞬間移動も使用可能である。
2代目バルタン星人の使用していた全身を覆う黄色いバリアーなどの技も新たに搭載されているが違和感は殆ど無い。
赤い光弾を出すゲージ技バイオビームは劇中同様光弾が小さく地味。
ゲージ最大時に使える必殺技はハサミを開いて放つ衝撃波で、目視可能になり反重力波という名前になっている。
このようにこちらのゲームでは劇中イメージ同様、赤い光弾より衝撃波の方が強いという扱いである。
他にも空中を飛行して槍状のハサミで敵を突き刺す突進技が搭載されている。
こちらも劇中の空中戦のイメージを上手く発展させており実にイメージに合っている。

データカードダス『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』(現在は稼働停止)でも登場しており、
高いスピードを武器に戦い、軽快な連続攻撃も通常攻撃時に見せてくれる。
赤い光弾を出す技に「赤色破壊光線」、ハサミを開いて放つ見えない衝撃波は「フラッシュ念動波」という技名が付いている。
こちらでは赤色破壊光線の方がフラッシュ念動波より強力という位置付けになっており、かなり派手になっている。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも参戦。
スぺックは、回避が高いユニットが多いバルタン系の中では異端となる回避の低さだが、防御は高い。
また、固有スキル「虚空の残像」は、1回必殺または攻撃を受けるまでの間、受けるダメージ量を破滅的にダウンさせる。

その他、漫画『ウルトラマン超闘士激伝』ではゴーデス編に登場。
パワードの弟子という設定で、同じく『パワード』出身の怪獣同様、パワード流派門下生という設定で登場した。

ウルトラ怪獣擬人化計画では本家バルタン星人を差し置いて擬人化された。宇宙忍者ということでくのいちをイメージしたデザインになっている。
漫画『ウルトラ怪獣擬人化計画ギャラクシー☆デイズ』ではわずか2コマの出番ながらも、物語の舞台となる円谷学園の教師として登場した。


MUGENにおけるパワードバルタン星人

手描きで製作されたm78氏のものと、3DOの『ウルトラマンパワード』のスプライトを用いたカーベィ氏のものの二種類が存在する。

+ m78氏製作
  • m78氏製作
メルバの作者であるm78氏による、手描きドットのパワードバルタン。
2011年10月16日に公開された。

動きは素早く、飛行突進や2代目バルタン星人が使用したバリアなども搭載されているなど、
映像作品よりも3DOの『ウルトラマンパワード』に近い技構成と動きになっている。
攻撃もハサミが細長いため前後に攻撃判定が長く発生も速いので、連発すれば攻撃がつながりやすい。
一見何もしていないようなモーションだがゲージ溜めも搭載されており、使うとモリモリとゲージが溜まって行く。
『大怪獣バトル』版の要素も技名などにあり、赤色破壊光線も強力でかなり派手な光線技に仕上がっており、
3ゲージ消費でカットイン有りの技になっている。
赤色破壊光線とは別に、通常技で赤い光線を放つバイオビームも搭載されている。
が、このバイオビームが非常に強力で、この技と飛行突進を多用して人操作で戦うと隙のある凶キャラなら倒しかねない。
ただし、バイオビームなど以外は割と普通寄りな性能の技が揃っており、ゲージ技の威力も低めである。
人操作で使う時には相手の強さに応じて使う技を変えると(特にバイオビーム、飛行突進、ゲージ溜めの使用頻度)、
色々な相手と楽しく戦えるかもしれない。
AIは未搭載だが、2016年7月12日に怪獣スレ3の716で外部AIが公開された。

+ 特徴的な技の性能解説
  • バイオビーム
バイオビームは赤い光線を放つ攻撃になっている。
劇中のような光弾ではなく平成ゴジラの放射熱線のような光線なので攻撃範囲がかなり広い。
ゲージ不要、発生も速く攻撃範囲も当てやすく、威力も多段ヒットするので高い。
使い勝手も良く、連発しているだけでも非常に強力。
空中版は近くにしか届かない代わりに全段ヒットでだいたい威力が100、
しゃがみ版や立ち版はかなり遠くまで届く代わりに威力は70程度である。
  • 飛行突進
翼を広げて水平飛行して突進し、槍のようなハサミで敵を突き刺す攻撃。
空中、地上のどちらでも使用可能で威力は60程度。
ゲージ消費無しだが使用前および使用中に無敵があり、突進技なので当てやすいとかなり高性能。
地上版は地面スレスレを飛ぶのでジャンプで回避できるが、AIにはできるわけもなくAI殺し。
バイオビームに次ぐ使い勝手の良さを誇り、連発しているだけで非常に強力。
  • バリア
2代目バルタン星人の使った黄色いバリアで身を守る。使用中は無敵で、相手の飛び道具などを跳ね返せる。
反射された飛び道具の威力はかなり高めなので相手にする時には注意。
  • シザーアタック
腕のハサミを開いて敵をはさみつけて攻撃する。威力は55程度だが、
ハサミが長いためリーチが長く、発生前と使用後の隙もほとんどない。
前後に広い攻撃判定もあって、敵をダウンさせないので、
うまく連発すればコンボのようにつながり、かなりのダメージを与えられるだろう。
  • 空中キック
空中技で斜め下方向にキックを放つ技。発生が速く、当てやすくて威力も70程度ある。
  • 毒攻撃
毒ガスを出す攻撃、威力は70程度。攻撃範囲が狭いが相手のゲージを少し減少させる。
自分のゲージが溜まる量も他の技より多めなのも特徴。
  • 衝撃波
ハサミを開いて不可視の衝撃波を発生させる広範囲攻撃。無敵は無く、相手をダウンさせられる。
攻撃範囲は広めだが、ギリギリまで接近されたり遠すぎると相手に当たらない中距離戦向けの技。威力は50程度。
  • フラッシュ念動波
ハサミを開いて不可視の衝撃波を発生させる超広範囲攻撃。
衝撃波の強化版とも言える性能で接近されても当たるし、画面端まで届くほどの攻撃範囲がある。
使用中には無敵時間も有り。2ゲージ必要だがゲージ消費量は1000である。威力は50程度とゲージ技にしては低め。
  • 2way光線
しゃがみ状態でのみ使える2ゲージ技でバイオビームを正面と斜め上方向に同時に放つ。
攻撃範囲が広く当てやすい。無敵は無いが、発生が速くて使い勝手もいい。
威力は光線1本で75程度。至近距離で使って2本とも当たれば150近くのダメージが見込める。
  • 赤色破壊光線
威力は350程度、空中版と地上版があるが威力は同じで光線の発射方向が異なる。状況に応じて使い分けよう。
手描きのカットイン有り。3ゲージ消費。

+ カーベィ氏製作
  • カーベィ氏製作
2021年12月12日に公開された、数多くの怪獣キャラを手掛けるカーベィ氏によるパワードバルタン。
スプライトは3DOの『ウルトラマンパワード』のものが使用されており、
これによって同ゲームに登場するキャラは全て氏によってMUGEN入りした。

動きはゲーム版を基にしており劇中以上にヌルヌル動くのが特徴。
通常技は鋏によって判定は広いが、モーションの関係でm78氏製に比べると発生は遅め。
一方でテレポートや光弾状のバイオビーム等も搭載されているので距離を問わずに戦えるキャラとなっている。
必殺技はゆったりとした速度の飛び道具の「重力波」、大きくジャンプして攻撃する「銀色の侵略者」、
そしてバルタン星人二代目のように攻撃を反射するバリアを張る「光波バリアー」の三つ。
AIもデフォルトで搭載されており、氏の他のパワード怪獣と同じぐらいの強さとなっている。

また、同梱されているdefファイルを登録することでサイコバルタン星人も使用することができる。
パワードバルタンに比べると頭に特徴的な突起が追加される他、一部の技が変化するのが特徴。
通常技はモーション含めて変化はないが、必殺技が大きく変更される。
「重力波」は範囲が広くなり、「銀色の追跡者」は自分ではなくストライカーが攻撃するようになる他、
「光波バリアー」は自動で攻撃を行うパワードバルタン星人を二体まで召喚する「護衛」に変更されている。
こちらもAIがデフォルトで搭載されている。

出場大会

出演ストーリー

なこるる茶屋(第126話に登場)


最終更新:2022年09月20日 15:24