エクスデス


「わたしを本気にさせたな!死の世界へ行くがいい!!」

ファイナルファンタジーV』に登場する不死身の暗黒魔道士であり、同作におけるラスボス
第二世界のムーアの大森林の長老の木に封印されているクリスタルに群がった邪悪な心が1本の樹木に集まって誕生した存在なので、
ゴツい外見に似合わず正体は植物。
名前の由来は英名の「Exdeath」が示すように「死(Death)を超える者(Ex-)」を意味する。

500年前(エクスデス誕生と同時期)に賢者ギード(亀)によって封印されたが、約470年後に封印を破り復活。
第一世界のクリスタルを狙って異世界転移を実行するが、それを察知して追いかけてきた暁の4戦士によって倒され再び封印されてしまう。
30年後(本編)、風のクリスタルが砕けたことで封印が緩んで1人操れる程度には魔力を及ぼせるようになり、
様々な者たちを操って第一世界の4つのクリスタルを全て破壊する事で完全復活を遂げて、第二世界に帰還した。
エクスデスを第二世界においてはエクスデス城を構えた魔物の軍団の長でもある。30年も不在だった間、城がどうなっていたかは不明。
第二世界では長老の木に封印されていた4つのクリスタルを支配して手中に収めることに成功。
そして伝説の暗黒魔道士エヌオーが手にしたと言われる強大な「無の力」を手に入れようとする。
その過程で、クリスタルを全て破壊して分断されていた二つの世界を統合したり、無の力で世界の都市の大半を次元の狭間に送ってしまうなど、
実は『FF』シリーズだけでなく創作全般でも珍しいほどの圧倒的な戦果を挙げている悪役だったりする。

+ 無が エクスデスを のみこみだした!!
紆余曲折を得て無の力を手に入れたエクスデスはバッツ達と最後の戦いを挑むが、
その戦いの最中エクスデス自身が暴走した無の力に呑み込まれてしまう。
そして無の力に呑み込まれたエクスデスは、様々な生物・魔物が融合した巨大な怪物「ネオエクスデス」に変貌。
エクスデスとしての自我は残っておらず、全てを無に還すべくバッツ達の前に立ちはだかる。

「わたしは ネオエクスデス

 すべての記憶 すべてのそんざい すべての次元を消し

 そして わたしも消えよう 永遠に!!」

ネオエクスデスは4つのパーツに分かれており、それぞれ行動もステータス値も独立している。この4つのパーツというのがクセモノで、
情報が無いとどの部分から攻撃すべきか分からない上に、攻撃ターゲットが複数ある事にしばらく気付かなかった人もいたほど。
行動パターンや弱点を知らず正々堂々と戦うとかなりの強敵であるが、それぞれ1個ずつ弱点を持っているので
ネオエクスデスに関する情報を知っていれば楽勝の相手となるだろう。
また、これらのパーツとは別に前部分と後部分のグラフィックを担当しているダミーターゲットが2つ存在する。
バーサーカーの攻撃、乱れうち、メテオなどはダミーも攻撃対象になって分散してしまう(GBA版以降は攻撃対象にならなくなったので少し楽だが)。

まず、右上部分は物理攻撃を中心としているが、暗闇状態にしてしまえば弱体化できる。
「アルマゲスト」を使う右下部分は、実は石化への耐性が無いので、魔法剣ブレイクを使う事で瞬殺できてしまう。
「グランドクロス」を使う左上部分は残りHPによって攻撃を変えてくるが、鞭やマインドブラストなどで麻痺させる事が可能。
魔法を使う左下部分は、死の宣告や魔法のランプで呼び出すオーディンの斬鉄剣が効いてしまう重大な弱点を抱えている。
また、残り1体だけになると「メテオ」「アルマゲスト」「ミールストーム」「しんくうは」などを2回行動で使用するモードに移行してしまう。
よって、まずは魔法のランプ斬鉄剣と魔法剣ブレイクで左下と右下を排除し、残った2体を同時に倒せるよう調整するのが最も楽。
前座エクスデス戦の間に歌やマイティガード、調合などで味方を強化しておけば更に簡単になる。
また、4つのパーツはそれぞれ天叢雲やラグナロクなどの貴重な武器を低確率で盗める。
GBA版以降ならばクリアデータを引き継げるので、狙ってもいいだろう。

紛らわしいが、ネオエクスデスはエクスデスがパワーアップした形態などではなく全くの別物
むしろ『FFIII』の暗闇の雲や『FFIX』の永遠の闇のような「ポッと出のラスボス」である。
ドラクエで言えば『2』のシドーも同じ。
また、ネオエクスデスを倒した際の状態(具体的には戦闘不能者の人数)でエンディングが分岐する。

基本形態(上記イラスト)では「暗黒魔導師」と言う肩書きを忘れてしまうくらいマッチョなお姿をされている(腕とか)が、
最終決戦時は「邪悪な心を持った樹木」と言う設定が反映された、巨大な樹木の化け物のような姿を見せる。
カラーは違えど『FFIV』に登場した黒騎士ゴルベーザに通じるデザインをしており、
特に魔道士でありながら筋肉モリモリマッチョマンである点、中盤から強い印象を残す点など、ゴルベーザと似ている面が多い。

魔導師らしく「メテオ」「フレア」「ホーリー」と様々な高位魔法を自在に操る一方、物理攻撃である「しんくうは」で軽々と即死級のダメージを叩き出す。
さらには倒されても小さなトゲの状態から復活するなど植物由来の再生力・強い生命力によってほぼ不死身であり、無の力抜きでも実に強大な力を持っている。
人間の邪悪な心の集合体という設定故か、FFシリーズのラスボスとしては珍しく作中で人間味を感じさせる場面が比較的多く、
不出来な部下に悩んだり怒ったりするなど妙に可愛らしい面もある。
他にも、
  • 「私はよみがえったぞ!ファファファ…
  • 「な、なぜ死なん!?
  • 役にたたぬやつめ!次元のはざまへ 行くがいい!」
  • 「カメェェェッー!」*1
  • 「なぜ、「無」の力が消えるのだ!?えーい これでもくらえっ!!」
  • 「無とはいったい……うごごご!!
  • 『宇宙の 法則が 乱れる!』*2
など印象的な台詞も多く、邪悪な存在であるはずなのにプレイヤーから結構愛されているという不思議な立ち位置にいる。
後述する『DFF』が発売されてからは、それがより一層顕著になったように感じられる。

+ 『ディシディア ファイナルファンタジー』シリーズでは
対戦アクション『ディシディア ファイナルファンタジー』(DFF)でも、カオスサイドとして登場。
(元が樹木であるという設定の為なのか)移動速度が有り得ないほど遅いが、
相手の攻撃を特殊なガード技でガードするとそこから高性能なブレイブ、HP攻撃に繋ぐ事ができる。
その代わりほとんどの技の出が遅く、自分から攻めるのは極めて苦手である。
CPUのエクスデスがほとんど要であるガードを使わず、ワープとHP攻撃を繰り返すため、レベル100のCPUエクスデスをパターンにはめてボコボコにし、
経験値を稼ぐ所謂「エクスデス道場」が発売直後に発見され、エクスデスはプレイヤーから敬意を持って「先生」と呼ばれる親しまれる様になった
(同じく最弱候補であり経験値稼ぎの良き相手である皇帝と合わせて「校長」「教頭」とも)。
経験値を上げるアクセサリーやボーナスを組み合わせれば一戦で数十レベルは稼げる(というかレベル1からレベル100にする事も可能)ため効率がよく、
多くのプレイヤーのレベル上げの友となった。

それ故一時は最弱キャラとも呼ばれていたが、実際は相手の攻撃を適切にガードできれば極めて強力な上級者向けキャラであった事が発覚
(ガード技をCPUの超反応で使いこなされると強すぎるので、CPUは使わないように調整されているのだと思われる)。
現在はフレアが反射できる事が判明した皇帝に最弱の座を明け渡している。
また、海外版とそれを元にした『ユニバーサルチューニング』で調整が入り、一部の技とCPUが強化された。

ストーリー面ではこの一言。「扱いがどこか下っ端風味」。
意気揚々と出てきて宿敵には逃げられる、子供相手から見逃して欲しいと言われ高笑いして忠告して見逃す、
敵に内通してる裏切り者ゴルベーザを粛清に来たら居合わせた敵に返り討ち、策謀を巡らせる皇帝からは「無能な破壊者」呼ばわり、
最終的にはラスボスへの壁として立ちはだかって「お前達も滅ぶのだ」と一応威厳は出してはいるが、
この後にはストーリーで暗躍してきた皇帝、この世界の始まりと真実を知るガーランドが控えているので……。
また、ストーリーやエンカウントボイスではやたらに「無」という言葉を使いたがる。
レベルを上げればゴルベーザと同じくあの名台詞も喋ってくれる。でもその亀はいないよ先生。

続編の『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』(DDFF)でも登場。
高性能なハイガードが弱体化した代わりに、攻撃型のブレイブ攻撃・HP攻撃の発動前の隙を諸ガード技でキャンセル可能というトンデモ効果が付き、
めでたく強キャラの仲間入りを果たした。
同様にCPUも強化された事もあり、「エクスデス先生」改め「教官」「軍曹」と呼ばれるようになったとかならないとか。
ちなみに公式のディレクターインタビューによると、開発陣は「僕らは敬意を込めて「教授」と呼んでいます(笑)。」(笑)まで本文)との事。

本編ストーリーにおいては、次元の裂け目からイミテーションを発掘し、それを手駒として用いてカオス陣営の大躍進に貢献しているが、
同僚であるはずのゴルベーザが敵側のカインに心を動かされた結果戦いにおいて手を抜き、味方のイミテーションの足止めをされて敗北する。

公式配信ストーリーでは、元部下も同じ陣営に召喚されたのだが、元上司であるエクスデスの事を全く覚えておらず、
元主のために働けと説得すると、エクスデス配下の同僚と勘違いして腕試しを挑んで来られてしまう。
戦いが終わった後、軽く記憶を取り戻して「主であるエクスデスの為に共に働こうエクスデス」と自分がボケた発言をした事で、
ギルガメッシュは自分の間違いに気付くが時既に遅し、次元の狭間に逆戻りとなってしまうと言う展開に……。

キャラクター紹介によれば、元の世界の記憶をほぼ全て持っているらしい。
ネオエクスデスに変貌を遂げた時の台詞や、ネオエクスデスになった時の技も使いこなせるのはそういう事なのだろう。
もっとも、ストーリー面では原作においてエクスデスと関わりのある連中は揃いも揃ってエクスデスの事を覚えておらず、
その事を指摘しても上記のような事になってしまったり、急いでいるからと宿敵には逃げられるという、大ボスでありながら扱いの軽さが哀愁を感じさせる。

CVは 石田太郎 氏。
声優としての主な役は『ルパン三世 カリオストロの城』のカリオストロ伯爵役や『刑事コロンボ』のコロンボ役(2代目)、
OVA版『ジャイアントロボ』の混世魔王・樊瑞、『宇宙戦艦ヤマト完結編』のルガール大総統、『銀河英雄伝説』のハイドリッヒ・ラング(二代目)。
映画の吹き替えではニコニコではおなじみの『コマンドー』に出演する敵役のベネットの吹き替えをやっていたりする。
ゲームオリジナルのキャラのCVを担当するのは本作が初めて。
石田氏によって吹き込まれた威圧感に溢れ、非常に生き生きとした笑い声を上げる先生の様は一見の価値ありである。
DFFエンカウントボイス集
DDFFエンカウントボイス集
DFF・DDFFエンカウントボイス比較動画
「カメェェェッー!」

石田氏が鬼籍に入られた後にエクスデスが追加リリースされたAC版では新たに『スパIV』のダッドリーを演じる 楠見尚己 氏が担当。
また、足の遅さも浮遊して移動する事により改善されている。


「永遠の虚無が訪れる……」


MUGENにおけるエクスデス

長らくお覇王跳ね飛ばされるだけの役に甘んじていたが、フレア氏の製作したエクスデス御本人が公開された。
神竜オメガ同様に原作のドットを使用したもので、攻撃方法も原作に基づいている。
一切移動できない代わりにハイパーアーマー状態で、画面下のATBゲージが溜まると攻撃を行う。

また、同氏によってネオエクスデスも製作されており、こちらも原作に基づいたものになっている。
元々このネオエクスデスは約数日の間だけの限定公開キャラだったのだが、
2013年10月1日にイルルヤンカシュ氏の改変版がmugenファイルアップローダ2と氏のOneDriveで公開された。
ただし、前者は既に閉鎖されているので注意。

+ エクスデス
  • エクスデス
体力が半分以上ある時は相手のジャンプ力を低下させる「じゅうりょく100」や、30秒後に相手を即死させる「しのせんこく」、
割合ダメージを与える「グラビデ」「ほのお」、スリップダメージを与える「バイオ」など多彩な技を使い、
体力半分以下になるとガ系魔法で力押しと、原作のトラウマを彷彿とさせる非常に再現度の高いキャラに仕上がっている。
全ての攻撃がガード不能(一部はブロッキングも不可)で、大半は相手の位置をサーチするためAI殺しだが、
プレイヤー操作ならタイミング良くダッシュやバックステップすれば回避できるものも多い。
アーケードのボスに設定すれば十二分にその役目を果たしてくれるだろう。
また、ライフの数値は原作通り32768と非常に高いが、防御力は低めなので全くダメージが通らないという程ではない。
ただし被弾時に若干の無敵時間があり、コンボゲー・弾幕勢など単発火力の低いキャラだと苦労する。

製作者の並々ならぬ愛とこだわりを感じられる良キャラである。
AIは搭載されていないが、何でもいいからとにかく攻撃を出せば強いという性質上、無くてもさほど問題は無いようで、
ランク的には凶最上位~狂下位の強さと思われる。
(笑)氏による外部AIも存在し、適用するとバグが同時に修正される。

+ ネオエクスデス
  • ネオエクスデス
原作同様4つの部分に分かれており、それぞれが独立したステータスを持っている
(攻撃部位は「右上」「右下」「左上」「左下」)。
各部位の大きな特徴は以下の通り。
  • 右上:HP50000。物理攻撃や「しんくうは」等の打撃攻撃が中心だが「ディスペル」も使用。
  • 右下:HP55000。行動は画面全体攻撃の「アルマゲスト」のみ。本体が震え出したらコレが来るサイン。
  • 左上:HP55000。「宇宙の 法則が 乱れる!」の後にグランドクロスを使用する部位。HPが減ると物理攻撃や「メテオ」も使用。
  • 左下:HP60000。様々な魔法攻撃や一定確率で石化する「デルタアタック」等を使用する。

また、残り1体になると発狂し、どの部位が残ったかに拘らず「しんくうは」「メテオ」「アルマゲスト」等を二連続で使い始める
(ただし左上の残した場合のみ「グランドクロス」を使用する事がある)。
この時だけ、HPを1桁にする「ミールストーム」も他の技からの連携でのみ使えるようになる。

ネオエクスデス最大の特徴たる「グランドクロス」は、現時点では以下の7種類の状態異常の内のいずれかを発動するものになっている。
これらの内、下の3つ以外の効果はディスペルを受ければ解除される。
  • 毒:一定時間ライフが減る
  • 石化:一定時間行動不能になる
  • 沈黙:パワーゲージが使えなくなる(パワーゲージが0になり、その戦闘中は増えなくなる)
  • 暗闇:攻撃命中率が下がる(一定の確率で攻撃が無効化)
  • 瀕死:ライフが1桁になる
  • 死の宣告:頭上に49カウントが出現し、0になると即死
  • 即死:無条件で即死
ライフの数値は上記の通り猛烈に高いが、初期設定であればカンフーマンの普通の攻撃でも一回で3000近いダメージを与えられる事があるため、
プレイヤー操作ならば太刀打ちできなくもない。ただ、AIだとそれを認識しにくい訳で…。


これらの他に、ルーネス氏がネオエクスデス戦を再現したステージを公開している。


「ついに手にいれたぞ!!最強の力!
 世界を支配する力!「無」の力だっ!!」

出場大会



*1
自身の宿敵ともいえる賢者ギードに邪魔された時に飛び出した台詞。
発言者の名前が表示されていない上にあまりにも唐突に異様なキレ方をしているため、ギードの鳴き声や掛け声と誤解される事もあるが、
れっきとしたエクスデスの台詞である。
あと「カメェェェーッ!」ではなく「カメェェェッー!である。お間違えなきよう。
2:20~辺りから対決

『FFV』では上記のように二人とも超高速で戦っている(ギードも亀なのに素早い)のだが、
『DFF』では何故か打って変わって非常に鈍足なエクスデス先生になってしまった…。
後のGBA版以降ではエクスデスの顔グラ付きで喋っているため、分かりやすくなった。
+ GBA版・IOS版の問題のシーン

余談だが、『DFF』においてはエクスデス専用武器として「ギードの髭」なる装備が存在する。
……この戦いで引っこ抜いたのか?

*2
正確にはネオエクスデスの台詞…と言うか戦闘中のナレーション。
結構誤解している人も多いようだが、元々漢字表記であり、決して「うちゅうの ほうそくが みだれる!」という書き方ではない。
「うちゅうの ほうそくか゛ みた゛れる!」なんてもってのほかである。


最終更新:2023年09月16日 00:15