マスタースパーク

撃つ時は精神を集中させ、優しくミニ八卦炉に呪文をかける。
にっくきターゲットを狙い、放つは恋の魔砲!


「あー?弾幕に頭脳?馬鹿じゃないのか?弾幕はパワーだよ」

東方Project』のキャラクター、霧雨魔理沙が使用するスペルカード(超必殺技)の一つ。
正式名称『恋符「マスタースパーク」』、略してマスパ。
相手を完全に飲み込むほどの大出力のレーザーを撃つという、シンプルイズベストな破壊魔法
魔理沙の「弾幕は火力(パワー)」という信念をそのまま体現した技で、(主に)彼女の代名詞である。

本家STGにおいては、恋符型の魔理沙(所謂レーザータイプ。略称「レザマリ」がボムとして使用。
主人公達の中で最高の火力とほば画面全体を覆う範囲を持つ最強のボムであるが、
このタイプは通常攻撃の攻撃範囲が狭いこともあり、道中のザコに苦戦しやすく、
ボスも動きによっては狙いを付けるのがシビアになる場合があるため、攻略が厳しい事も多い。
また、「東方はボムゲー」と言われるように東方は(弾幕STGにしては)ボムが強めなのだが、
弾幕STGの前提として回避がメインなので、ボムにも「溜めておいて連発すればボスを瞬殺できる」といった破壊力があるわけではなく
(特に『永夜抄』『地霊殿』はイライラ棒と称されるほど避け要素が強い。ただ、『紅魔郷』では瞬殺可能)、
要はやられる前に発動して敵弾を回避さえできれば十分なので、ボムの火力の高さはどうしても優先度が低くなりがち
(しかも強いボスや強いスペルに限ってボムのダメージを無効化したりする。威力が売りのマスパの立場は?)。
だがこの極太レーザーにロマンを感じ、レザマリを使い続けるプレイヤーが多数居る。

『星蓮船』ではエフェクトが大きく変更され左右の攻撃範囲が減少し、ボムにアイテム回収効果が無くなったがその威力は健在。
というかむしろ威力上がってないか、というレベルで更にロマン技として磨きがかかった性能となっている。

シューティングゲームは上空視点であるためあまり目立たないが、
公式の設定では森近霖之助の作成した「ミニ八卦炉」というマジックアイテムから発射されることになっている。
萃夢想』や『緋想天』のスプライトでも発射前や発射後にはちゃんとミニ八卦炉を持っている姿が確認できる。

あまり目立たないため、たまに素手で放たれると勘違いされることもあるが、
二次創作では魔理沙の一人称並にファンが気にする設定なので創作者の方々は注意。

また、公式漫画作品『東方儚月抄』では既存のイメージを覆す白くて細くて曲がるマスタースパークが登場した。
うにょーんという感じで飛んでいくその姿はあまりの迫力の無さにファンからは「餅スパーク」と呼ばれた。
満を喫して発動された一撃であったが、綿月依姫にあっさりと切り払われてしまった
踏み込みが足りんとでもいうのか……だとしてもこれなんてアストレイR?
しかも切り払い方が膨らんだ部分を真っ二つにするというものだったため、餅っぽさに更に拍車が掛かる始末。
ちなみに単行本では大幅に加筆・修正されている。
餅スパークを知っている読者からは「迫力が出た」「これでこそマスタースパークだよ!」との声もあれば
「なぜ変えたし!?」「修正前よりひどくなった」と残念がる人も多く賛否両論である。
また、このシーンがシュール過ぎたのか、様々な二次創作でこのシーンのパロディが増えている。
中には尻から出したり、マスタースパークという名のメンズケフィアだっりとマトモなネタが少ない。

ちなみにこの餅スパーク、『非想天則』にて微妙に再現されてしまった。
興味のある方は魔理沙で6Cを使ってみよう、お餅みたいなレーザーが飛ぶ筈。

『儚月抄』と同じく公式漫画の『東方三月精』においては、
植物の妖怪ごと三月精達の大木の家を吹き飛ばそうとした事もあるが、妖精達に止められている。
また、二次創作作品でもかめはめ波のごとくキレた魔理沙がよくぶっ放している光景が見られる。


原作での性能

東方萃夢想

格ゲーになっても、相変わらずの極太レーザーをぶっぱなす技。
壱符でありながら威力が他キャラの弐符並みに高く、若干発生が遅いが暗転前から無敵が付いてるので割り込みにも使えなくはない。
しかしその威力故か、使うと必ず霊力を全消費し、強制的にクラッシュ状態になってしまうという欠点がある。
そのため、連ガから使用して相手をクラッシュさせてもあまり美味しくないなど、いまいち『萃夢想』のシステムに嫌われている感がある。
別の壱符である「スターダストレヴァリエ」が空中可で使い勝手がいいこともあって実戦ではあまり見かけない。

東方緋想天

『緋想天』ではマスタースパークは3コスト(3ゲージ消費)のスペルカード。
やっぱり攻撃力はコストの割にかなり高く、相殺強度も他の追随を許さない最高ランクである。
今作では、ほとんどのキャラがダッシュで連続グレイズできるため、適当にぶっぱすると反確
暗転前無敵も無くなったので割り込みにも使いにくくなった(使えなくも無いが)。
しかし遠距離での差し込みに使えたり、牽制の地上6Cから繋がって3.5割など高い汎用性を誇るため、多くのデッキに入っている。
ただし6Cは3F毎に攻撃判定が出ており、攻撃判定の出る直前のフレームでキャンセルしてしまうと繋がらないので、
完全にタイミングを把握してない限り2/3の博打になる。


ファイナルスパーク

マスパの上位互換版?として弐符に『魔砲「ファイナルスパーク」』も存在する。
この技は(DIOの)時よ止まれッ!のような完全ゲージ依存型であり、レーザーの放出中にゲージが徐々に減少し、ゼロになると終了する。
ゲージ消費量の割に威力が安いともっぱらの評判。
ゲージMAX(9本)で撃っても7割ほどしか減らせず、そもそも実戦だとゲージは精々5~6本しか溜まらない
(『萃夢想』はラウンドごとにゲージがリセットされる)。
ちなみにゲージ2本以下だとマスパより安い上に、使用後のクラッシュもそのままである。
しかし発生自体は15Fと中攻撃からも繋がるようになっており、地上連続技から容易に組み込めるようになっているため、
P攻撃などの小技からも6Kを中継して繋げば爆発的なダメージを叩き出せる。
他2種に比べて使い勝手の悪さはいかんともしがたいが、一撃必殺のロマンを求める方はどうぞ。

『緋想天』において上位技であるファイナルスパークは斜め上へ向けて射出するタイプとなり、新グラも用意された。
そこはかとなくポーズが可愛い。

ちなみに、『カイザーナックル』に登場する「バーツ」というキャラもファイナルスパークという技を持っているが、
魔理沙のファイナルスパークとは全く無関係である。


その他

その他には上空から地上に向けて撃つ『星符「ドラゴンメテオ」』や、細いレーザーを導線にして出力を上げた『邪恋「実りやすいマスタースパーク」』、
マスタースパークを後方に撃ち、それを推進力として超高速で体当たりする『彗星「ブレイジングスター」』
等派生技的なスペカも存在する。
ドラゴンメテオは空中に飛んで発射するまで無敵が続き、かつ様々な連繋に組み込めるので使いやすい。
実りやすい~は最大6割強を削る脅威的威力だが、発生が遅い・細いレーザーの時は無敵時間が無いという二重苦。
しようと思えば連帯できない事もないが正直、実りにくいです…。当然ぶっぱなんてもってのほか。
一応DCCHという割とよくある状況から繋がるのだが、DCヒット後最速でキャンセルしなければ繋がらないのであまり実用的ではない。


元ネタ?

魔理沙のマスタースパークについてはたまに、
「東方幻想郷(旧作)のラスボスである幽香が使っていた極太レーザーを魔理沙(黒歴史)が盗んだもの」
という話が持ち上がる。幽香が撃つレーザーも「元祖マスタースパーク」とファンに呼ばれており、
物だけではなく技をパクる…もとい、参考にしているフシがあるのではないかという説がファンの間では度々持ち上がり、
この辺りの設定はMegaMari等の二次創作に色濃く反映されている。
+ パクりじゃないよ、リスペクトだよ
  • 靈夢のミサイル(封魔録) → マジックミサイル(複数作品)
  • 幽香の極太レーザー(幻想郷) → マスタースパーク(複数作品)
  • パチュリーの通常弾幕(紅魔郷) → ノンディレクショナルレーザー/スターライトタイフーン(永夜抄)
  • レミリアのサーヴァントフライヤー → コールドインフェルノ(風神録)
  • 永琳の壺中の天地/壺中の大銀河 → オールトクラウド(ダブルスポイラー)
……等々。念のため書いておくが、これらのほとんどは妄想である
(ノンディレクショナルレーザーについては「どっかで見たことのある攻撃」という説明文があるが)。
少しメタなことを言えば、旧作の弾幕を新作で使い回す事は魔理沙に限らずよくあることである。

むしろ人外達の能力を自己流の魔法で再現できていることからも、魔理沙の努力と情熱が窺い知れるというもの。
格闘技含むスポーツも、先達の真似が上達の早道だしね。

元祖(3:25~)

一方、ゲームとしてのマスタースパークには元ネタがあるようで、
そのオマージュ元はアルファシステム開発の弾幕STG「式神の城」の隠し自機「???(S.TAGAMI)」が使うボム「N・E・P」のようだ。

+ 特殊攻撃“N.E.P”
東方紅魔郷のスクリーンショットの中で、それを仄めかす一文が掲載されている。
前方に超高威力のレーザーを発射する。1プレイ中1回しか使用できず、1プレイ中には弾が増加しない。
そのかわり、ほぼ全ての敵を一撃で倒すことができる。ちなみにN.E.Pというのは、
“Null Erinco-Gate-Point Pursuer”の略であり、非エリンコゲート点空間追跡機というのが正式名称である。
『高機動幻想ガンパレード・マーチ』にも同様の兵器が存在する。

(以上、Wikipediaより転載)

以下、閑話休題。

…というか、「???」は通常弾からしてアルファシステム制作のガンシューティング『幻想虚構 精霊機動弾』のパロディになっており、
またN.E.P.の「(ボス含む)全ての敵を一撃必殺」「1プレイ1回」という特も、
ガンパレにおける「攻撃範囲内の敵ユニットは無条件で破壊される」「1回の出撃につき1発しか撃てない」という仕様を再現した物で、
このキャラそのものが「アルファの過去作の自己パロディ」という側面がある。
ちなみにパロディ元のN.E.P.の詳しい設定はこちら
N.E.P.

非エリンコゲート空間追跡機(Null Erinco-Gate-Point Pursuer)。
これによる攻撃を受けた「この世界」の者でない者は過去に遡って存在自体を「この世界」から否定され、
最初から「この世界」にいなかった事にされてしまう。
非常に重く、両手用装備で、装弾数は1。さらに入手するためには莫大な発言力が必要になるが、
ミサイルランチャー同様効果範囲内全ての敵に攻撃でき、射程は無限大、しかも命中すればいかなる相手であっても撃墜できる、
あまりの強力さにゲームバランスを崩しかねない代物。
また戦闘中に戦場に捨てても自動的に回収される唯一の武器。

(以上、『高機動幻想ガンパレード・マーチ - Wikipedia』より)

過去の弾幕STG名作リスペクトとして作られている『東方Project』ならではの趣向と言えるだろう。
この他にも、『東方Project』で見られるスペルカードには元ネタが存在するものが多々ある。
日本神話から少年漫画まで幅広いので、興味のある方は探してみてはいかがだろうか。
有名で露骨な所で言うと咲夜ザ・ワールド


MUGENにおけるマスタースパーク

そのシンプルで分かりやすい大火力の見た目故か、MUGENでは魔理沙以外にも同種の技が搭載されているキャラは多数存在する。
見た目やSE、名前がマスパに近そうな所を挙げると、
など。

なお、先の記述で触れたように、見た目がMVC版真空波動拳やかめはめ波に酷似しているが、
当然ながらMVC版真空波動拳の方が格ゲーマスタースパークより先に出来た技なので、
リュウマスパ撃つなww」などと言うと両方のファンを敵に回すこととなるので注意。
まあ実際の所はかめはめ波なのか真空波動拳なのか、それともプロトンキャノンだったりするのか、
どの技がどの技のネタ元なのかさっぱりな状態であるのだが。

描写の傾向としては、やや放射状に拡散するビームがマスパ、収束を保ってほぼ平行に伸びるビームがジャンプ系といった所か。
原作STGと共通の、鈍い「バァァァァァァァァン・・・・」というSEは神キャラのレーザーや全画面攻撃に愛用されている。
アレンジやオリジナルのキャラを作る時、ビーム系の超必殺技を付けるなら使ってみてもいいかもしれない。

ちなみにMegaMariのマスパはグラフィックが魔理沙と異なる(前述のMVC版真空波動拳に近い)他、
パワーMAXかつHP30%以下の状態ではカットインがどう見てもアレな「ファイナルマスタースパーク」に変化する。

+ 謎の左上スパーク現象
kong氏製作の『MVC』キャラを使用すると、ラウンド中に突然小さいマスタースパークのエフェクトが画面左上に表示されてしまうことがある。
動画では見えにくいが、ラウンド開始時にスペルカード宣言のエフェクトも表示されている。
実害は無いが何の脈絡も無く出てくるので、多くの視聴者を驚かす現象である。
原因はとま氏製作の魔理沙使用時に導入を推奨される動作快適化パッチ。
とま氏の魔理沙はデフォルトではマスタースパーク系の技が上手く表示されないので専用のパッチを使用するが、その正体はヒットスパーク。
Kong氏のキャラは恐らく『MVC用』のヒットスパークと共存するのを前提として作られているが、
偶然にも左上に表示する何か(恐らくMarverous!やGreat!といった『MVC』独自の文字表示)と、
とま氏の魔理沙快適化パッチのマスタースパークのスプライトNoが偶然被ったために、このような現象が起こるものと思われる。

解決方法はマスタースパークのエフェクトを魔理沙本体から出すようにした上で他のヒットスパークを使うこと。
ただしこの方法では動作が重くなるので注意が必要。
風見氏が魔理沙のAIと共に配布しているパッチには、この現象を回避するための対策が施してあるので、
どうしても気になる方はパッチの導入をお勧めする。


「極太魔法レーザー照射。それにしても、嫌な恋心だなぁ。滅殺の恋」
                                ~東方永夜抄 スペルプラクティスより


最終更新:2022年03月28日 09:39