ペガッサ星人


「地球人だって立派な宇宙人じゃないか。
 宇宙には、一千億の太陽を抱えた銀河系の様な島宇宙が、1762億4321万866もあるんだぜ」

+ 担当声優
日笠潤一
『ウルトラセブン』
佐藤正治
『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』
島田敏
『ウルトラスーパーファイト』(他のキャラも共通)

  • ペガッサ星人ペガ
潘めぐみ
『ウルトラマンジード』、『ZERO&GEED』
『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆のクリスタル』、『ニュージェネレーションクロニクル』
『ウルトラマンZ』、『ウルトラマンクロニクルD』

潘女史はこれまでモーションコミック版『ULTRAMAN』の北斗星司や『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』のエレキングなど、
主に派生作品に出演しており、自身もウルトラシリーズのファンである。

円谷プロの特撮作品『ウルトラセブン』第6話「ダーク・ゾーン」に登場した宇宙人。別名「放浪宇宙人」。身長2m、体重120kg。

高度な科学技術を持った宇宙人であるが、惑星の風化作用による荒廃に加え、
隕石の衝突によって故郷のペガッサ星が完全に止めを刺されてしまった為、これを見限り、
移動可能かつ自給自足が賄える巨大都市「ペガッサ市」を建設して宇宙を放浪していた。
+ 原作ネタバレ
だが、ペガッサ市の動力系統の故障により、地球との衝突コースを免れなくなってしまい、
軌道を変えての回避ができなければ地球を破壊せよという命令を受けた一人のペガッサ星人が地球に潜入する。
負傷によって「ダーク・ゾーン」と呼ばれる小型の暗黒空間に身を潜め、ウルトラ警備隊のアンヌ隊員の部屋に厄介になる。
一時はダンやアンヌとも談笑する程に打ち解けるが、地球人の技術では惑星の軌道変更が不可能と知るや、
予め用意していた爆弾で地球を破壊しようとするも、既にペガッサ市は地球防衛軍によって破壊されていた
(これについて防衛軍側はギリギリまで脱出の勧告を行っていたが、ペガッサ市側からは全く応答がなかった*1)。
それを聞いた彼は地球人への復讐を誓い、ダンの変身したウルトラセブンと対峙するも、
武器を叩き落され顔面にアイスラッガーを受けて逃走、爆弾はセブンによって処理される。
その後の彼の行方は明かされていない。夜の道に浮かぶ影を見てふと「ダーク・ゾーンだ」と呟くダンに対し、
アンヌは「あれから暗闇を見るとペガッサの人が人間に怯えてその中に逃げている気がする」と返すのであった……。

「侵略の意図の無い宇宙人と図らずも利害が対立する」「地球人が侵略者加害者の立場になる」という、
『ウルトラセブン』という作品全体でよく見られる図式の一番最初のものとなったエピソードである。

なお、怪獣図鑑などでは鏡台に向かっているアンヌ隊員の背後に立っているスチールがよく使われていたが、
劇中にそのようなシーンはない。
アンヌを演じたひし美ゆり子氏が語った所によると、これは本編撮影後に後から撮影したもので、
当時はこのような本編と無関係のスチールがよく撮影されたのだという。
地球破壊の使命を持っていたとはいえ、あくまでも故郷を守るための行動であり「悪」と一概に断じる事ができない宇宙人なのだが
(前述通り地球の技術や双方の事態への対処次第では友好的に接する事も可能であったし
 彼自身も計画を実行に移す際にはダンとアンヌにだけは地球を脱出するように伝えていた)、
そのスチールは化粧をしているアンヌの背後にいきなり現れ、襲いかかろうとしているように捉えられる物だったりする。
サブタイトルも「ダーク・ゾーン」とやけに物々しい事もあり、本編を知らない人だと怪奇物っぽく見えるかもしれない。

余談だが、『ウルトラセブン』放映の数年前に東宝が製作した『妖星ゴラス』という映画では、
地球の軌道を変更して衝突する星を回避している。しかも近未来技術のフィクションという話ではなく、
当時の東大理学部教授が計算して実行可能なプランとして作ったものである
(ただし、実際の映画の演出から「あくまでフィクション」と割り切ってはいる。計算上当時の科学で実行可能なだけ)。
近未来の地球防衛軍なら、地球の軌道を変える事も可能だったのではないだろうか……。
尤も、時間は足りなかったかもしれないが。

作中では「ペガッサガン」と称される銃を武器として用い、これによって公衆便所を破壊するなどしていた
(なお、この銃は後にウルトラ警備隊のキリヤマ隊長が、ブロップ流用鹵獲品と思しき物を使用している描写がある)。
また、怪獣図鑑によれば目から「ペガッサ光線」と呼ばれる溶解光線を発し、何処でも夜に変えられるらしい。

その後、『ウルトラセブン』からの直接の続編となるビデオ作品『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』にも、
『セブン』本編とは別のペガッサ星人が登場した。
+ 『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』ネタバレ
ペガッサ市の生き残り数名が登場しており、一部は初代が扱わなかった変身能力によって地球の人間社会の中で暮らしている。
ペガッサ市を破壊された事に対する復讐を主張する強硬派と地球人と共に生きる道を選ぶ穏健派に分かれており、前半の物語の主軸となった。
穏健派のリーダーは女性(演じたのは桜井浩子氏)で、表向きは保育園の園長をしており、地球防衛軍のユキ隊員の恩師でもあった。
また、カザモリ・マサキ(ウルトラセブン)についても知っていた模様。

強硬派は異次元空間発生装置によって地球を消滅させようとするが、
穏健派のリーダーがその身を犠牲にして強硬派をダークゾーンに送り込む事で地球を守った。
後のエピソードでは、強硬派が地球防衛軍の最高機密を狙うゴドラ星人と手を組み、防衛軍基地の占拠に加担していた事が語られている。

ビデオ作品『ウルトラスーパーファイト』でも登場。
メトロン星人を鎖攻めで折檻したり、ウーを子分にしてたり、タロウ怨敵と間違えて襲ったりと、
同ビデオにおける他の連中共々、本家ウルトラファイト以上にはっちゃけたキャラを見せている。

2017年の『ウルトラマンジード』ではレギュラーメンバーとしてペガッサ星人の少年、ペガが登場。名前的にペガ星人と紛らわしい
ペガッサ星人がTVシリーズに登場するのは50年ぶりであり、恐らくウルトラセブンが放映50週年を迎えたための抜擢と思われる。
ジードに変身する主人公朝倉リクにとってはかけがえのない相棒であり、
戦闘能力は皆無だがダーク・ゾーンを作り出して身を隠す事ができ、それでピンチを打開した事もある。
視聴者からの認識は満場一致で「本作のメインヒロイン」
なお『ジード』の世界の宇宙はM78ワールドとは別であり、ペガ自身も親について言及している事や、
『ニュージェネレーションクロニクル』で他のペガッサ星人の名前が出てきた事から、
少なくとも本作においてはペガッサ星人の故郷は健在と思われる。
もとは両親と一緒に暮らしていたようだが、彼らから「宇宙を旅して大人の男になって戻ってくる」ように言われた事で、
家族のもとを離れて宇宙に飛び出すも、地球に漂着した際に乗っていたカプセルが壊れてしまい、
途方に暮れていた所を中学生時代のリクに助けられ、以後彼と行動を共にするようになった。
また次回作『ウルトラマンR/B』の劇場版にもリクと共に登場し、『ニュージェネレーションクロニクル』ではブースカと共にナビゲーターを担当。
『ウルトラマンクロニクル ZERO&GEED』ではビヨンド学園の生徒としてリクと一緒に通っており、
上記の「他のペガッサ星人」その人であるベガもちろんシャドルーの総帥ではない)との対面も果たしている。
ちなみにこのベガは平成セブンなどで使われていたスーツで登場しており、普通のペガッサ星人が平成以降にTV作品に登場したのはこれが初めてでもある。

その後も『ウルトラマンZ』にもリクと共にゲスト出演、『ウルトラマントリガー』でも本編後の番宣担当など、
ウルトラシリーズの新たなマスコットキャラとして定着しつつある。

昭和シリーズの世界観を引き継いだ『ウルトラマンメビウス』にはペガッサ星人は直接登場しなかったが、
小説版『アンデレスホリゾント』において、かつてウルトラ警備隊が使用していたマグマライザーの掘削システムは、
当時ペガッサ星人が用意した爆弾に内蔵されていた、地球内部に到達する為のシステムを流用していた事が明かされた。
防衛軍の教本においても、ペガッサ市の悲劇はかなりのページを割かれて記述されているとの言及もあり、
数十年経った時代においても、地球を守る為とはいえペガッサ星人を犠牲にした事件が重く受け止められている事が窺える。
こいつらのような扱いにならなくて良かったと思うべきか

『CRぱちんこウルトラマン』のCMにも他の怪獣と共に登場するが、巨大化している。何故だ。

+ その他ゲーム作品におけるペガッサ星人
『スーパーヒーロー作戦』において、原典同様ペガッサ市を爆破されたペガッサ星人は、
「ならばこちらも地球を爆破してやる!」と逃走しセブンに捕捉される……前に、快傑ズバットに撃退された。

「この者、爆弾犯人」
(※倒れたペガッサ星人に添えられたズバットカード)

えぇえ……。ま、まぁズバットだから仕方がないよね

しかし、このペガッサ市の事件は地球を悪質宇宙人達の楽園にしようと目論む一派のロビー活動に利用され、
以後地球は野蛮人の棲む星として、銀河文明圏における立場を失っていく事になる
(と言うか、本作ではペガッサ市の事故自体がペダン星人による工作だった)。

+ 『ウルトラ怪獣擬人化計画』におけるペガッサ星人
本作にて擬人化されたキャラの1人であり、劇場用アニメ『怪獣娘(黒)』では主人公として登場(CV:八木侑紀)した他、
ジードBDBOXの販促の一環として描かれた漫画にて、通常とは別枠でペガが擬人化されている。
なお、通常ペガッサ星人がゴスロリのつるぺたなのに対して、
ペガはパーカーのファスナーを上げる事が出来ない程の爆乳となっている。


MUGENにおけるペガッサ星人

カーベィ氏によるキャラが存在。
MUGEN関係うpロダのup0027で初公開され、同所の閉鎖後は氏のサイトにて公開中。
FCソフト『ウルトラマン倶楽部』に雑魚敵として登場するもののスプライトを使っており、サイズがちんまい
氏によるキャラで初めて投げ技が搭載されており、必殺技として「地球爆破」、
超必殺技として「ペガッサシティ衝突」という原作のエピソードをモチーフとした技が用意されている。
長らくAIは未搭載だったが、2013年6月15日にAIが搭載された。
最新版は2014年2月26日版で、カラーが追加されている。

出場大会



*1
……ただ、本編を見る限りは、防衛軍がペガッサ市に対する退去勧告をしたのはおよそ爆破の30分前くらい。
当時侵略者の襲撃が多発してピリピリしてたとはいえ、非常に好戦的な印象が免れない作戦ではあった。
このペガッサ星人のように「地球人にペガッサ市が壊せるわけがない」と高を括っていた者もいたに違いないだろう。

尤もウルトラ警備隊のキリヤマ隊長は後のエピソードで、地球の観測ロケットを侵略行為とみなして報復に来たアンノン星人に対し、
発砲して効かないと分かってから「お前は、地球に何しに来たんだ?」と聞いたり
(アンノンの返答にキリヤマは誤解だと弁明するが、当然聞き入れられる訳も無かった
 (尤も、相手は地球人を侵略者と見なしていたので最初から聞く耳持たない可能性も高いが)。
 最終的には(地球人ではない)セブンの話なら信用するとして、次は無いと言いつつ帰っていった)、
人類の海底開発を侵略とみなして報復行動(潜水艦を破壊)に出た海底人を全滅させた後に、
「海も我々人間の物だ。我々の海底開発を邪魔する者は二度と現れないだろう」と言い放ったりって侵略者の物言いだろ
そんな言動や行動の数々から、シリーズ屈指の過激派隊長として有名である。コスモスメビウスの世界観なら確実に悪役扱いだろう
とは言え、キリヤマ隊長は公私共に優れた人格者である。
ギエロンの件でも、タケナカ参謀の「強力な超兵器を開発し続ければ地球は絶対安全か?」という問に対して、
冷静に考察し、ダンの台詞を引用して否定的な意見を出している。
そんな良き上司でも、人類の為なら相手を皆殺しにする事を厭わないからこそ、モロボシ・ダンことウルトラセブンは苦悩するのだ。


最終更新:2022年10月01日 13:46