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かつを 無題9」(2007/11/15 (木) 16:56:53) の最新版変更点

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今私の隣には犬がいる。名前はペレ。 そこで、そのペレに骨をやってみる。 すると、嬉しそうにかぶりついた。 次は、ぬいぐるみをあげてみよう。 大喜びでぬいぐるみをくわえ、それをぶんぶん振り回す。 ペレの反対側、つまりペレを右とすると、私の左に猫がいる。名前はタマ。 ねこじゃらしをタマにすりつけてみる。 タマがみせるおどけた仕草は、感動的なほど可愛らしい。 小さなボールをタマの前においてみると、 タマはそれを不器用にころがしては追いかけていく。どこまでも。 いずれも本当に楽しそうにみえたので、何が楽しいのか、試してみる。 さてと、骨を自分の前に置く。 そして、咥え――れないなコレは、さすがに。放置。 ぬいいぐるみで遊んでみよう。 成人した男児がこれを弄ぶのはさすがに辛い。 大人の人形ならまだしも、目の前にある女児用のぬいぐるみで遊ぶのは辛い。 (そんなの持ってる時点で辛い、というのは早合点ではないだろうか。) ……ねこじゃらしはもういいだろう。 さて、猫用ボールである。 野球サッカーなんでもござれ。ただ、猫のようにこれで遊ぶのはあまりよろしくない。 実際にやってみる。 いいようの無い脱力感。 普通の人ならば、犬や猫のこのような行為をしたところで、 犬や猫のように夢中になれることはまずないし、 おそらく彼ら――犬猫が感じてるような興奮や楽しさを感じることもできないだろう。 むしろ不快感さえおぼえる。少なくとも私は。 ――人間と他の動物で決定的に違っている点は何だろうか? 言葉の使用という人がいれば、または道具の使用であるとも。 確かにそれらは間違ってはないし、割りとしっくりくる答えである。 しかし、それ以上にしっくりくる答えがコレ↓ 「人は己が死ぬことを知ってしまった唯一の動物である。それが他の動物との大きな違い。」 ま、こういうわけ↑で人は今までの進化をとげてきたわけらしいです。 死の恐怖から逃れるために宗教に頼る。(この言い方は違うかもしれないけども) 死そのものから逃れるために、医療技術から、はては錬金術まで。 その末、良いも悪いも含めて文明は発展し、人と他の動物を分けることになったらしいです。 死ぬまでの限りある時間を、己や文明の発展のために捧げようという考えもあったかもしれません。 要するに、私が犬や猫の真似をしても不快感しか得られないのは、 「限られた時間をこんなことに使っていられるか」という損得勘定のせいである。 要するに無意識のモッタイナイ精神が、頭をたれるからだと思うのだ。 事実、私は人よりも死に対する――というよりむしろ時間に対するひっ迫間が強いと思う。 生活をかけた職探し。 それは、現在の自分はもちろん、未来の自分をも左右してしまう一大事である。 「まずは職活だろゴルァ!」 何をするにも、その念が頭からこびりついて離れない。 他の人もカタチはどうあれ、同じような時間に対する強迫観念のようなものがあると思うのだ。 それゆえに、犬猫のように没頭することができない。 というわけで、時間を止める装置をつくってみた。(つくり方は割愛) さっそく時間を止めてみる。 時間に追われる現代人。それは無職とて同じである。 しかしその装置があれば、時間に追われる心配はなく、つまり何事も無駄にはなりえないはずである。 ――これで犬猫の気持ちが味わえるんではないか。前人未到の高みへ上り詰めることができるのでは。 呼吸をはずませ、それ以上に体をはずませる。 目の前に魅力的に配置された、骨。ぬいぐるみ。ねこじゃらし。ボール。 それらのどれでもいい。それらのどれもが未知なる世界への扉であるはずなのだ。 ―――――――――――――――――――― 人間とは不思議なもので、骨、ぬいぐるみ、ねこじゃらし、猫用ボールをいくら弄んでも全くおもしろくない。 完全な時間の浪費であり、自らの成長のさまたげとなるわけで、不快極まりないわけである。 しかし、以上のような妄想を膨らましている今現在。その現在には確実に充実した自分がいて、 時間を止めて〜という、あり得ない課題に真正面から取り組んでいるのである。 それが完全な時間の浪費であるにも関わらず。 ――人間はとりわけて興味深い動物である。 時間云々をあれこれ考えるアホな動物なんていない。 時間どうこう言ったって、地球は回り続けているわけだし、一年経てば太陽の周りを一周する。 時間を止めれたら何々するだとかそんなこと考えても、文明が発展するわけでもないが、 一見時間の浪費であることに、惜しみなく真っ向から組み合う人間というのは、 ねこじゃらしにじゃれつく猫のようで、中々に素敵である。――と思ったりする。                 埋めがてらにオナニー完了
眠れない夜の中、僕はアスファルトを歩いていた。 人はいない。月は雲で隠れ、夜の闇をゆくのは僕とぬるい風だけ。 腕時計に目をやると、午前三時。 ぬるい風をあびながら、ダッシュ、ジョグ、ウォークを繰り返す。 ――そう、ぬるい風をあびながら。 闇の中、周りに木々がそびえ、僕はそこを能動的にゆく。 それは日中とは比べ物にならないほどの運動量だ。 仮にそこが闇ではなく日がとどく場所で、 木々ではなく人に囲まれているのだとしたら、 僕はその行動を途端に止め、自分を殺し、 さも自分がその場に必要ないかのように振舞うだろう。 人――特に両親はよく、僕のそんな性質を咎めた。 人の前で本来の自分を発揮できない者は、不幸な者だ。と。 僕はそれほど、自惚れてはいない。 自らの力をよく分かっているつもりだ。 僕が人前で自分――両親が言う゛自分゛を発揮したところで、 それは人々の個性、能力が作り出すうねりに またたく間にのみ込まれてしまうだろう。それくらい察している。 だから、僕は決して自己主張はしない。 つまり僕は、僕という個性能力を殺すことで自分を確立させているのだ。 そして、それは本来の自分でもある。 時間を30秒止めることができる。 僕のもつ異端の力は、そんな僕の性質を端的に表わしていると思う。 その力に気づいた頃は、嬉々としてその力を使い、 その力の存在を用いて、周りより上位に立とうとした。 しかし、幼い頃はその能力を信じてもらえず、 嘘つき扱いされて、周りから孤立していった。 小中高生の頃は、ただその力の中にのみ自らの場所を見出して、 ますます周りから孤立していった。 いくら悪事を働いても、決して非難されることはない。 逆に、いくら善行をつんでも、人のために動いても、 決して感謝されることも、意識されることもない。 思えばその能力に気づいた時から、現在の自分に向かって進んでいたのだろう。 その力が現在の自分を形作った。そう言ってもいいかもしれない。 しかしそうだとするならば、今の自分、 つまり午前三時のアスファルトをゆく自分が説明できない。 仮に、僕が自分を押し殺すことで自らを主張し続けていた――そして、 現在も主張し続けているのだとすると、 僕が裸で外を歩くことには何の意味もないはずだ。 その姿と行動は、あきらかに人の目をひくものだ。 そして、それは僕に必要ないもの。 しかし、僕は現に裸で出歩くことで昂りを感じ、快感を得ているのだ。 家に帰り昂りを静め、一息つくとすでにa.m.四時だった。 そこで僕は考えた。先ほどの裸の行動についてだ。 気がつくと夜が白み始めていた。 それを見ると、つくづく夏が始まっているのだなあと実感する。 時計を見ると、a.m.四時三十分を指していた。 それまでの時間、僕は今までの行動を全て 本来の自分に帰すために思案し続けた。 何故、裸で歩いていたのか? それは、暑い夜を少しでもまぎらわすための、いわばオナニーである。 決して自己主張などではない。 何故、時間を止めなかったのか? 他人に見られたいがための行動ではなかったのか? 人はいつもと違うことをする際には、表面上はよりリスキーに、 そして実質はより安全なやり方で行動するものだ。 裸で、しかも夜に出歩くのはよりリアルな感覚を自分に与えてくれる。 時間を止めないということで、常に見られているんではないか、というスリルを得ることができる。 しかし実質、午前の三時に外を見る人なんていないし、 時間停止の能力をイザという時のため――例えば警官に見つかった時のための 逃げ道として確保しておくのが妥当である。 簡単なことだ。 ――では何故そんな簡単なことに、妙につっかえるモノを感じていたのか? それはきっと、自分を守るためだったのだと思う。 結局自分を殺すことで自分を確立する、 そんなことは自分の弱さを誰よりも知っているからこその行為だ。 それを誰よりも知っているから、あらゆることに敏感になる。 周りの環境、感情、会話。 自分を脅かすようなものであれば特に、である。 それらを自分の中でもみ消し、または上手く吸収するために、 租借し、消化できる形にまでもっていく。 そうしないと不安で堪らないのだ。 睡眠不足で疲労した体に、早朝のホットミルクを流し込む。 先ほどの行動は全て論理的に消化したつもりだ。 しかし、どこか腑に落ちないところがある。――が、それはそれで悪い気はしない。 妙に胸が温まる。 温まったところで、さてと、ベッドへ向かおう。 何故、腑に落ちないのに悪い気はしない? それは、きっと僕自身が新しい自分を求めてるから――かもしれない。 時間停止の能力に頼らない自分を。 そんな考えが湧いてきたので、無理やりもみ消しておいた。 窓から見える光景はさっきよりも明るい。 うん、悪くない朝だ。久々に熟睡できるかもしれない。

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