※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

朝夕すっかり冷え込むようになった11月初旬、
太陽さえ出ていれば、日差しで暖かい昼下がり。
相田 喪時(あいだ そうじ)はぼーっとベランダで
タバコを燻らせていた。

喪時は相田家の一人息子として生まれ、大学卒業後すぐに、
居眠り運転のトラックに巻き込まれ、両親を無くしている。
喪時は、その時決まっていた就職先を蹴り、現在までの5年間を
親の遺産と、事故の慰謝料とで暮らしている。
いわゆる、引き篭もりと言うやつだ。

夜中までネットゲームをやり、午前中いっぱい寝ていたが、
まだまだ眠い。
「ふぁあぁ・・・。さて、食料の買出しでもして来るかな。
はぁ。面倒臭せぇ・・・」
喪時がベランダで欠伸をしようと、上を向いたとき、
屋上に、人影らしきものが見えた。

「ん? なんだ?」
喪時は気になり、ベランダから身を乗り出して見上げると、
人影が飛び降りるのが見えた。
喪時の部屋は10階建てマンションの9階。
飛び降りた人影が、見る見る喪時の方へ近づいてくる。

「う、うわ! と、止まれ!」
辺りに静寂が訪れ、すべての物が停止する。
屋上から飛び降りた人影は、喪時と衝突寸前で停止した。
どうやら、人影の正体は、制服を着た女の子のようだ。
歳はまだ14〜15歳だろうか、あどけなさが残る少女だった。


喪時は、人とは違う能力を身に着けていた。
時を止める能力。止められる時間は、ごく短く、30秒程度である。
20歳の時に、父親からこの能力を引き継いだ。
相田家の長男には、代々この能力があるらしい。
息子が20歳の誕生日を迎えると、この能力を息子に引継ぎ、
能力を失うのである。
喪時の父親も、この能力を息子に引き継がなければ、居眠り運転
のトラックに巻き込まれることは無かったかも知れない。
両親が死んだ時、喪時はこの能力を引き継いだことを恨んだ。
自分さえ、この能力を引き継がなかったら・・・と。

喪時は、止まった時の中で少女をベランダに引き込み、少女を抱き抱えた。
止まった時の中でも、物を動かしたりすることは可能だ。
しかし、その物体に掛かっていた運動力、つまり、慣性の法則から
は逃れられない。
時が動き出すと、少女が2階から飛び降りた力と同じ力が喪時の腕に掛かり、
喪時は、少女に潰される様に倒れ込んだ。

「いった〜・・・。やっぱ、無茶だったか・・・」
喪時は、少女の下敷きになり、身動きが取れない。
頭だけ少女の方へ向け、少女が無事なのを確認する。
「え? なんで? 屋上から飛び降りたはずなのに・・・」
少女は喪時の上で、現状が把握出来ずに、戸惑っている。
「あ、あのさ、とりあえず、俺の上から降りてくれない?」
少女が喪時の声に気付き、慌てて立ち上がった。
「ここはどこ? 私、屋上から飛び降りたはずなのに・・・」
時が止まったことを知らない少女としては、その疑問は至極真っ当なものだろう。
少女にとっては、屋上から飛び降り、落下し始めたと思ったら、
喪時の上に乗っていたのだから。

「ふ〜、痛たたた・・・」
喪時は背中を摩りながら、立ち上がった。
「あなたが、私を助けたの?」
「ん? あぁ、そうなるかな」
「なんで? 何で助けたりしたのよ! 死にたかったのに!」
「なんでって・・・。上から急に降ってきたからさ。
その、そう、条件反射ってやつだよ」
特に喪時の趣味には、人助けと言う言葉は無いが、あの状況なら、
大抵の人は同じ事をしただろう。

「そう、条件反射か・・・。なら、今度は助けないでね!」
そう言うと、少女がベランダの手摺りに手を掛けた。
「ちょ、ちょっと待て! 止まれ!」
少女がベランダの手摺りに手を掛けた瞬間に、喪時の能力が発動する。
「何なんだよ、この子は・・・」
さすがに、半ヒッキーな生活をしている喪時にしても、自分の部屋の
ベランダから飛び降りられるのは、決して気持ちの良いものではない。
喪時は少女を抱え、部屋の中に入れ、テーブルの前に置いた。
そして念のため、部屋の窓を閉めると、鍵を掛けた。
「これで、いきなり飛び込まれるってことはないな」

改めて少女を見てみると、近所の中学生らしい。
コンビニなどで何度か見かけたことのある制服だ。
「しかし、何で中学生が自殺なんか・・・」
喪時が少女を見ながら思案をめぐらせていると、時が動き始めた。
動き始めた少女は、ベランダの手摺りだと思いテーブルの端に乗り上げる。
ごぃ〜ん。
「あぅ!」
鈍い音の後に、短い悲鳴が部屋の中に響き渡る。
テーブルがひっくり返り、少女の額に直撃したのだ。

「あら・・・」
少女がテーブルの直撃を受け、喪時の足元でピクピクしている。
「え〜と・・・」
喪時が後頭部をポリポリ掻きながら、少女を突いて見る。
どうやら、少女は失神してしまったらしい。
喪時は失神した少女をベッドに寝かし、赤く腫れ上がった額に濡れタオル
で冷やした。

「ん、ん〜、いたたた・・・」
半時ほど経過し、少女が目覚めた。
「ここは・・・?」
少女は上半身だけ起き上がり、部屋の中を見回した。
「私、マンションの屋上から飛び降りて、男の人の上に乗っかってて、
また飛び降りようとしたはずなのに、何でベッドで寝てるの?」
「目が覚めた?」
少女の声が聞こえ、喪時が部屋の中へ入ってきた。
「あなたは誰?」
「俺の名前は喪時。君が飛び降りようとしたマンションの住人だよ」
「何で、私はベッドで寝てるの?」
喪時は、少女が眠っていた間に考えた言い訳を話し始めた。

「君が飛び降りたときに、すぐ下の俺の部屋のベランダに引っ掛かったんだよ。
何か事情があるんだと思って、警察には連絡しないで、とりあえず、
俺の部屋のベッドで寝かせておいたんだ」
「私、あなたの上に落ちたんじゃ? それにこの額・・・」
「額は引っ掛かった時に、に何処かにぶつけたみたいだね。
頭をぶつけた衝撃で、一種の記憶障害が出てるんじゃないかな?(汗)」
「そう・・・。失敗しちゃったのか・・・」
「何でまた、自殺なんてしようと思ったの?」
「・・・」
何か余程の事情があるのか、少女は自殺の理由を話そうとはしなかった。
「まぁ、言いたくないなら言わなくてもいいけどさ・・・」
二人の間に沈黙が訪れる。

「私、帰ります」
少女がベッドから起き上がり、部屋の外へと出ようとする。
「え、あぁ。え〜と、もう、自殺なんてしないよね?」
少女が一瞬こちらを向き、無言でドアへと向かった。
「ちょっと待てよ!」
喪時が少女の腕を掴み、引き止める。
「あなたには、関係ないでしょ?」
「関係ないと言われれば、関係ないけどさ・・・」
「だったら、離してよ!」
少女をこのまま帰したら、きっとまた自殺してしまうだろう。
喪時は少女の腕を掴むが、少女も必死に抵抗する。
「だけど、自殺はだめだって!」
「もう、離してよ!」

がぶ!

少女が喪時の腕に噛み付いた。
「いてぇ!」
少女に噛み付かれ、喪時は少女の腕を離してしまった。
喪時の腕から逃れた少女は、玄関へと走り出した。
「止まれ!」
喪時が時間を止める。
「お〜、いててて・・・。思いっきり噛みやがって」
喪時は少女に噛まれた腕を摩りながら、少女の前へと回り込む。
少女に噛まれた腕には、くっきりと少女の歯形が残り、薄っすらと
内出血していた。

「ん〜、良く見ると、結構可愛い子だな。こんな子が自殺なんて
勿体無いよなぁ。もしかすると、将来この子が俺の恋人になる可能性
だって・・・ないな。うん」
喪時は少女の前で、一人頷いた。
そして、時が動き出す。
どんっ
少女が前に回りこんだ喪時とぶつかりった。
体格の違いか、少女は喪時に弾かれ、尻もちをついた。
「いったぁ・・・。あれ? なんで前にいるの?」
喪時は玄関前に仁王立ちになり、玄関を塞いだ。
「ちょっと、どいてよ!」
「だめだよ。ここを退いたら、また自殺しに行くんでしょ?
だったら、通せない!」
「あなたには関係ないじゃない!」
少女が喪時の横を通り、無理やり玄関に行こうとする。
「だから、自殺しに行くなら、通せない」
「通してよ!」

自殺をしよう玄関に向かおうとする少女。
それを阻止しようとする喪時。
二人はもつれ合いながら、倒れこみ、喪時が少女に馬乗りになった。
「なんで、自殺なんてしようとするんだよ」
喪時が暴れられないように、手を抑えながら言った。
「だって、もう生きてるのが辛いんだもん・・・」
少女の目に涙が溜まり、少女はやがて泣き始めた。
「あわわ・・・。ご、ごめん。どこか痛かった?」
喪時は立ち上がり、少女を助け起こしながら聞いた。
少女は手で顔を覆い、首を振った。
「あ、あのさ。俺で良ければ、話を聞くからさ。ほら、良く言うじゃん。
他人に話せば、多少気が楽になることもあるってさ。
身内や、学校の先生に話せないことだって、まったくの赤の他人なら
話せることもあるだろうしさ」

喪時の説得が効いたのか、少女は多少落ち着き始め、喪時に促されるまま、
椅子に座った。
少女がぽつり、ぽつりと話し始め、喪時は最後まで大人しく話を聞いた。
話を要約すると、こういうことだった。

現在少女はイジメの対象になり、イジメを率先しているのが、かつて
親友だった智子と言う少女。
少女には、原因が判らず、イジメを学校の先生に訴えたが、
「対処しておく」だけで、何もやってはくれなかった。
両親は口を開くと「勉強しろ」で、取り付く島も無く、相談する相手も
いないまま、イジメはエスカレートして行った。
少女はヤリマンと言う噂を立てられ、それを聞いたヤンキーに呼び出され、
輪姦された。
そのことを親に言ったが、親は世間体を気にしてか、少女の言うこと
信用してないのか、取り合ってはくれなかった。
やがて、少女がヤンキーに輪姦されたている画像がクラス中に配信されて
しまい、彼氏と別れてしまった。

少女は話し終えると、テーブルに突っ伏して、再び泣き始めた。
喪時は、少女のあまりにも重い話に、掛ける言葉を失った。
確かに、中学生の女の子が、そんなことをされたのなら死にたくなる
気持ちも判る。
許せないのは、少女の訴えを無視した大人たちである。
喪時は少女に掛ける言葉を捜したが、なかなか声にならない。

「え、えっと・・・。そ、そうだ。君さえ良ければ、しばらくここに居る?
ここは俺しか住んでないし、両親と死に別れてからずっと引き篭もってる
から、ここには他の誰もこないしさ。
ここに居れば、学校にも行かなくていいし、両親にも会わないで済むしさ。
それに、ほら、自殺するにしても、今すぐじゃなく、しばらくここに居てから
だって出来るんだし・・・」
喪時が説得をしようと話し始めるが、話の内容が支離滅裂になってくる。

やがて、少女が泣き止み顔を上げた。
「あはは・・・だ、だめ・・・だよね?」
少女が首をフルフルと振った。
どうやら、少女は俺の提案を受け入れてくれるらしい。
「あ、あは。えっと、俺はそうじ。相田喪時」
「まなみ。岸田愛美」
「よろしく」
喪時は愛美に握手を求め、愛美もそれを受け入れた。
愛美の手は小さく、そして暖かかった。
こうして、喪時と愛美の奇妙な同居が始まった。

ぐ〜。
喪時の腹の虫が鳴いた。

「そういえば、飯買いに行くつもりだったな。お腹減らない?」
愛美がコックリと頷く。
「よし。それじゃ、他の買い物もあるし、隣町のスーパーに行こうか。
車で行けば、知り合いにも出会わないだろうし」
そういうと、喪時と愛美は地下駐車場に向かった。

スーパーに到着すると、二人は買い物を始めた。
喪時は一人っ子なので、愛美と買い物をしていると、妹が出来たみたい
な気分になり、心が弾んだ。
ひと通り買い物を済ませ、喪時と愛美は車へと向かう。

「愛美!」
前方から、愛美の名前を呼ぶ声が聞こえた。
声の主は、金髪の若者だった。
その横には同じような雰囲気の黒髪の男。
見た目から、ヤンキーと呼ぶのに相応しいやつらだ。
愛美は声の主を見ると、喪時の後ろに隠れた。
喪時は愛美の態度から、愛美を輪姦したやつらだということを感じた。

「愛美、今度は援交かよ?」
金髪のヤンキーが、喪時の後ろに隠れた愛美に向かった言った。
喪時の背中に、愛美の震えが伝わる。
「ちょ、やめ・・・」
「おっさん、邪魔だよ!」
喪時は止めさせようとするが、黒髪のヤンキーが喪時と愛美を引き離す。
「なぁ、愛美。俺ら暇なんだよ。またいいことさせてくれよ」
金髪のヤンキーが愛美の肩を抱き寄せる。
「おい、止めろよ!」
喪時が金髪のヤンキーと愛美の間に入り、愛美から金髪のヤンキーを離そうと
する。
「おっさん、うるせぇんだよ!」
黒髪のヤンキーが喪時の肩を掴み、殴り掛かろうとした。
「止まれ!」
喪時が殴られる寸前に時間を止める。
黒髪のヤンキーはパンチを繰り出した状態のまま止まった。

ボクシュ! ボクシュ! ボクシュ!
喪時は黒髪のヤンキーを力の限り、殴り続ける。
「ハァハァハァ」
普段の運動不足のせいか、すぐに息が上がってしまったが、数十発は殴った。
時が動き、数十発のパンチを食らった黒髪のヤンキーが膝を折る。
「ハァハァ・・・」
喪時は黒髪のヤンキーの前で、息を整え始めた。

「てめぇ!」
がきっ
金髪のヤンキーが喪時の後ろから、腕で首を絞めた。
「ぐ・・・」
喪時は首を絞められ、声を上げることができない。
渾身の力を込めたはずの喪時のパンチも、さほど効いていなかったのか、黒髪の
ヤンキーが立ち上がった。
「よくもやりやがったな!」
黒髪のヤンキーがポケットからナイフを取り出し、喪時をナイフで突き刺そうと
する。

(やばい!)
「と・・まれ!」
喪時はなんとか金髪のヤンキーの腕を喉から離し、時を止めた。
「げほげほ・・・」
喪時は首を抑えながら、金髪ヤンキーの束縛から逃れると、刃先は喪時から10cm
ほどのところで止まっていた。
「まったく、あぶねぇなぁ」
喪時は黒髪のヤンキーの腕を少し上げ、手首を捻った。

ナイフで人を刺すとき、ナイフを立てたまま刺すと、ナイフが肋骨に引っ掛かり、
心臓を刺すことができない。
ナイフを横に向けることで、肋骨の間をナイフが通り抜け、ナイフの刃が心臓
に到達するのである。

時が動き始め、ナイフが吸い込まれるように、金髪ヤンキーの胸に刺さった。
「がは・・・」
金髪のヤンキーは力なく、うつぶせに倒れ、辺りに血溜まりが出来た。
「ひ、人殺し〜」
どこからか、女の声が聞こえた。

「え?」
黒髪のヤンキーは、崩れ落ちた金髪のヤンキーと自分の手を交互に見つめた。
「お、俺じゃない。俺が刺したんじゃねぇ・・・」
黒髪のヤンキーはナイフを投げ捨て、車道の方へ逃走した。
キキィ〜。バン。
黒髪のヤンキーが車道に飛び出すと、トラックが走りこんで来た。
黒髪のヤンキーがトラックに轢かれ、前輪に巻き込まれた。
あの状態では、助からないだろう。

金髪のヤンキーの周りと、トラックの周辺に人が集まり始めた。
喪時はギャラリーが二人に気を取られている隙に、愛美の手を取り
車へと走った。

車に乗り込むと、愛美は事態を把握したのか、震え始めた。
「大丈夫。大丈夫だから。
もうやつらが愛美に手を出すことはないから」
喪時が愛美を抱きしめ、落ち着かせる。
「い、痛い・・・」
力を入れすぎたのか、愛美が痛みを訴えた。
「あ、ご、ごめん」
喪時が愛美を放した。
車内に沈黙の空気が流れる。
「えっと、取りあえず家に帰るね」
喪時は再び車を走らせ、家に向かった。

「あれ、あなたがやったの?」
自宅に帰ると、愛美が小さな声で先ほどのことを聞いた。
「え? あ、あぁ。うん。まぁ」
喪時が曖昧な返事を返す。
「どうやって?」
俺は時を止められることを、愛美に話した。

時を止めることを聞いた愛美は、さほど驚いた様子は見せなかった。
「あまり驚かないんだね」
「え? 驚いてるよ。でも、時間が止められるなら、今日起こった出来事が
全部納得できる。後ろに居たはずなのに前に回り込んだり、殴られそうに
なったのに、反対に相手を倒したりとか・・・」
「そっか。よし、それじゃ、晩御飯にしよう。俺、腹減っちゃったよ」

スーパーで買ってきた惣菜を並べ、夕食を食べ始めた。
「あの二人、死んじゃったかな?」
「あの状況だからね。金髪の方は心臓を刺されたし、黒髪の方はトラックに
捲き込まれたからね。まず助からないよ」
「そう・・・」
「あの二人だったんだろ? 愛美に暴行したのは」
「うん・・・」
しばらく、二人は沈黙したまま夕食を食べ続けた。

「人って、簡単に死んじゃうんだね・・・」
愛美が沈黙を破るように、話し始めた。
「うん。人は簡単に、あっけなく死んじゃうんだよ・・・」
俺は両親のことを思い浮かべながら答えた。
「そっか。簡単に死んじゃうんだ・・・」
愛美は、何かを思いつめたような顔で呟いた。
「さて、飯も食ったし、先風呂入っちゃいなよ。
その間に、向こうの部屋に布団用意しとくからさ。
今日はいろいろ有って疲れたでしょ」
「うん。そうする・・・」
愛美は食器を下げると、バスルームへと向かった。
喪時は、愛美が入浴中に布団の用意をした。

どうやら、愛美はすぐに自殺をするということは無いようだ。
しかし、15歳の少女が目の前で人が死ぬ姿を見てどう思ったのだろうか。
食事中の愛美の態度に、やや怪しい雰囲気を感じつつ、喪時は食器を
洗っていた。

カチャ。
パジャマ代わりに喪時のワイシャツを着た愛美が、バスルームから出てきた。
大人の女性でもなく、子供でもない年齢の色気。
大きめのワイシャツを着込んだ愛美から、そんな色気がかもし出され、
喪時の心臓が高鳴った。
「あ、さ、さっぱりした?」
喪時は動揺と欲情を抑えつつ、愛美に話し掛ける。
「うん」
「そう。布団、あっちの部屋に用意しといたからさ」
愛美は頷くと、布団を用意した部屋に入って行った。

喪時も入浴を終え、ベッドに横になるが、先ほどの愛美の姿が頭にちらつき、
なかなか寝付くことができない。
「ふぅ。やっぱり、抜いてから寝るか・・・」
喪時は愛蔵の一冊を本棚から取り出し、自慰行為を始めた。
「はぁはぁはぁ」
写真に写っている女性の顔が、なんとなく愛美に見え始めた。
「はぁはぁ、ま、愛美・・・」

カチャ。
自慰行為に集中していた喪時の前に、愛美が現れた。
「うわ!」
突然のことに、喪時は息子を握り締めたまま、硬直してしまった。
愛美も喪時の姿を見つめたまま、硬直している。
「え、えぇと、その、これは・・・」
喪時はしどろもどろになり、言い訳を考えはじめるが、この状況では、
思い浮かぶはずもなかった。

つん。
愛美が息子を握り締めた手の先から出ている、亀頭部分を突いた。
「うぇ」
驚きのあまり、喪時が変な声を上げる。
「エッチな気分になってるの?」
「あぁ・・・。う、うん・・・」
「そう・・・。エッチな気分なんだ・・・。私とエッチしたい?」
そう言った愛美の顔は、とても15歳には見えない、妖艶さに満ちていた。
「う、うんうん」
「そう。じゃぁ、私のお願い聞いてくれる?」
愛美は、喪時の亀頭部分を撫でながら言った。
「き、聞く! 何でも聞く!」
愛美に撫でられ、喪時の息子が更に大きくなった。
「じゃぁ、エッチなことをしてあげる」
愛美はそう言うと、喪時の股間に顔を埋めた。

愛美の暖かい手が喪時の息子を握り、舌で睾丸を丹念に舐め始める。
「あぁ・・・」
喪時はとろけるような快感に全身が包まれた。
ちゅっちゅっちゅ。
愛美の舌が睾丸から離れ、息子にキスをし始める。
亀頭部分にキスされた時、喪時の全身が痺れるような快感が走った。
愛美の舌が息子の根元から、亀頭に向って這う。
愛美の舌が亀頭部分に差し掛かるころには、すでに先走り汁が亀頭から
溢れ出していた。
息子の先端が口に含まれ、舌で亀頭を舐めまわす。
愛美の舌が尿道に差し入れられると、喪時は限界を迎えた。
「で、出る。でちゃう」
愛美の口が窄まり、更に吸い上げる。
「ああぁぁ・・・」
喪時は堪え切れず、愛美の口内で射精してしまった。
愛美が、口内から喪時の息子を抜くと、口の端から精子が溢れ出した。

コクコク。
愛美が上を向き、喪時の精子を飲み下した。
喪時の息子は射精したにも関わらず、未だに立ちっ放しの状態だった。
「今度は、俺が・・・」
喪時は愛美を脱がし、ベッドに寝かせる。
愛美の胸は、まだ発育途中らしく、膨らみはまだ小さく、小さな乳首
が可愛らしく上を向いていた。
喪時は愛美の乳首に舌を這わせ、反対の乳房を揉み始めた。
「い・・・」
膨らみ途中の胸は、揉まれるのが痛いらしく、愛美が小さな苦痛の声を漏らした。
「あ、痛かった?」
愛美は首を横に振ったが、やはり痛かったのか、目の端に涙が浮かんでいた。
喪時は胸を諦め、下半身に手を伸ばした。

愛美の下腹部は、まだ無毛に近く、産毛のような毛が生えているだけだった。
喪時が頭を下腹部に移動させると、愛美が腿で喪時の頭を挟んだが、喪時が
愛美の脚を広げると、抵抗せずに脚を開いた。
愛美のスリットから小さな肉芽が顔を覗かせている。
喪時が割れ目に合わせ、舌を這わせる。
「ん・・・」
愛美が小さく喘いだ。
喪時の舌が愛美の肉芽を捉える。
ちゅ。
喪時が肉芽にキスをすると、愛美の体がビクっと動いた。
喪時はそのまま肉芽を口に含み、舌を這わせる。
「ぁぁ・・・」
愛美の割れ目から、うっすらと愛液が滲み始めた。
喪時は、滲み出した愛液を舐め、舌を膣口へと入れた。
「ぃぃ・・・」
舌を出し入れすると、愛美の口から喘ぎ声が漏れ始めた。

「もう、我慢できない。入れるよ」
喪時がそう言うと、愛美は小さく頷いた。
愛美の膣内は、まだ小さく、喪時の息子を激しく締め上げる。
「はぁはぁはぁ」
喪時はがむしゃらにピストン運動を繰り返す。
「はぁはぁはぁ、い、いく!」
喪時が絶頂を迎える瞬間、愛美の足が喪時の腰に絡みつき、
喪時は愛美の中で射精した。
「あぁぁ・・・。はぁはぁ・・・」
射精を終えた喪時は、愛美から息子を引き抜き、肩で息をする。
こぷっ。
愛美の膣内から、喪時の精子が溢れ出して来た。
喪時は、何度も愛美を求め、空が白み始めてから眠りに落ちた。