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25歳。職歴無し、学歴無し、資格無し。
現在は何とかバイトで食いつないでいる。
就職しようとしても、こんな人間を正規社員として雇ってくれるところはあるのだろうか。
「計画性が無い」とよく言われた。
今、そのことを痛感している。そして、そう言ってくれる人はもういない。
――正直ピンチだと思う。

ここで逆転の発想。ピンチはチャンス。

幸いにも友達はいない。
彼女や結婚なんてできるはずもない。
金のかかる趣味があるわけでもない。
読書と2ちゃんができればそれで満足するような人間である。
そんな人間であるからして、人生の大方をあきらめて、
奴隷の如きワーキングポアに成り下がるのを覚悟しようと思う。
それでも生きていく上では事足りると思うのだ。
同時に、全てを客観的に――自分の惨状さえ客観的に見れるほどの達観を手に入れつつある。
仙人っぽくてカッコイイと思う。

そんな25歳の夏のある日、バイトを終え家に帰ると女がいた。
「あ、どうも」
と女が話しかけてきたのでディープキスしようとすると
顔面にグーパンチを喰らった。地面にくしゃり。

男の家に上がりこんで挨拶するなんて性交OKの合図だぞ。
と注意したら、少し照れてはにかんだ様子。
さっきのパンチのダメージが足に残ってなかったら押し倒してたところだ。
――男の家での赤面は、性交のフラグなのだ。

ダメージで足が動かないので、地面にくしゃりと折りたたまったまま話は続行。

「――で、なんで? なんで俺の家にいるの?」
「仕事。あー、説明するのメンドクサイけど一応説明するわ。
 私、仕事で来たのね。
 仕事というのは、恵まれない人間を少しでも救うこと――」
「名刺とかある?」
「簡単に言うと、今回抽選で選ばれた恵まれない人、というのが……
 職歴無し学歴無し資格無し25年間彼女無し現在バイト先で浮きまくり
 親から見離され何をするにも気力がなく最近ハゲてきた
 年収100万にも満たない……。アンタというわけ」

全てを達観しつつある俺だが、まだ完全に仙人になったわけではない。
まだ繊細な部分が残ってるわけで。

「ちなみにこの程度のスペックで選ばれたというのは、アンタよっぽど恵まれてるよ。
 というわけで、もう仕事打ち切りにして帰りたいくらいだわ」
「何歳?」
「私?……一応、23……くらい?」
「お前俺より年下じゃねぇか。
 それに少しくらいの礼儀ってもんを教えてもらってないのか?
 お前の話だと、俺は言わばお客様なんだし、何よりお前より年上だ。
 だからお願い。一回だけでいいから、岩本゛先輩゛って呼んで」
「バカじゃないの!? このハゲ」

だからホラ、こんな些細な罵倒で勃起する。

「というわけで早速仕事」
と言って、女は傍に置いていたカバンから何かを取り出した。
「……スイッチ…っぽいね」
四角い銀色の塊の上に、赤色が丸く取り付けられている。
丁度、一の目しかないサイコロみたいな感じ。
ただ……コードがない。
スイッチがあるだけで、その他の周辺機器が一切無い。

「これは時間を止めるスイッチ」
「ん?」
「ま、信じる信じないはアンタしだいだけども。
 説明するのもメンドクサイわね。というか説明いらないでしょ」
「お前、仕事なめてるだろ」
「アンタをなめてるだけ。
 ま、とりあえず見たまんま。
 このボタンを押して時間を止めます。
 止めれる時間は……30秒くらいかな」

ということらしい。

「ここから重要。止められるのは一回だけ。
 また、このスイッチを使わない間、私はスイッチの監視をし続けます」
「……時間が止まってる間、動けるのは俺だけ?」
「うん、アンタだけよ」
「お前は?」
「……」
と黙り込んだまま、首肯。
ということらしいフヒヒヒ。

〜早速、雑貨屋へと向かった。
家に置いておくのは不安なので、スイッチを持ち歩く俺。
その後ろを10メートルの距離をおきながらついてくる女。
「知り合いだと思われるのは絶対に嫌」だそうだ。ほざいてろ。

15分もしないうちに帰宅。
改めて、たった一部屋の小さな我が家に彼女は座る。
そんな女を横目に、俺は袋の中に詰めてある品々をテキパキと取り出していった。
中身はガムテープ5巻きとビニルロープ3巻き。一応、洗濯バサミ10本。

「ねぇねぇ、これ何に使うの――」
などと俺にほざきかける女の言葉も無視して、唐突にスイッチをオン。
スイッチを強く握り締めながら、俺は時間が止まっていることを確認。
女の唇にフレンチキス3連発。乳を揉み、足から股間にかけて手のひらを滑らせた。
時間が止まっていると確信した俺は、声にならない絶叫とともにスイッチを投げ捨てた。
すぐさま机の上のガムテープに猛然と向かう。
ガムテープを手に取ると、勢いを殺さずに三角跳びの要領で女へ飛び掛った。
スイッチを押してから三秒足らず。
その間、ジーパンの下から見事にむくれあがったチンコが
猛烈に自己を顕示し、その姿に鼓舞された俺の心身は
それまで以上に爆発しようとしていた。

そして、3,5秒程たったころ。
そんな俺の顔面を女の拳が打ち抜いた

「近寄るなウンコ!! 死ね!!」
予想外の打撃と、極上の責め言葉に思わず射精。
「やろうとしてることがミエミエなんだよこの変態野郎!
 時間が止まるのはスイッチを゛押し続け゛てる間だけなんだよ!
 説明を曖昧にしてて良かったよクソ野郎!」
と叫んで、倒れている俺の股間を蹴って出て行った。
スイッチをカバンに入れて。
ドアが思い切り開かれる音。
どうやらお仕事終了らしい。
俺は床と一体化していた。

気づくと部屋に夕陽が差していた。
机の上にきれいに並んだガムテープたちが妙に悲しかった。
床には一つだけガムテープが転がっている。
それを手にとって、粘着を剥がしたり付け直したりしてみた。

夕陽を浴びながら俺はオナニーした。
微かに残る、女の感触を手探りしながら。
――もしスイッチを使わず、手元に置いたままだったら。
女は実質、軟禁状態。すなわち犯し放題。
そんなことをオナニー後の冷静な頭で閃いた時は死にたくなった。

「計画性が無いよね」
と言ってくれる人はいないので、自分で言ってみた。
計画性云々以前に、判断力思考力が無いことを痛感して泣いた。

                おわり