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実家を離れて早一年半。夏も終りに近付いた八月のある日。
去年と同じように、俺の部屋の電気が消える。

「ハッピーバースディ……俺……」

買って来たショートケーキには数本の蝋燭。
自ら火を灯し、そして自ら吹き消す。何でもないこの作業が、何よりも俺の気持ちを沈めた。

「誕生日なのに2chって人生終わってるな、ははっ……」

携帯の無機質な光が部屋を照らす。

「……えっ?……」

お気に入りのスレッド。そこには幾つもハッピーバースデーと書き込まれていた。

「あ……あ……」

時間が止まった気がした。もしかしたら、本当に止まっていたのかもしれない。
ここの住人はどうやら時間を止めれるみたいだ。
涙があふれてくる。何故だか止まらない。こんな気持ちを、俺は表現出来なかった。
味わった事が無かったから。
「ありがとう」

ただそれだけ書き込んで、携帯を閉じる。部屋から光が消えた。
電気をつけ、蝋燭が刺さったままのケーキを口へ運んだ。
少ししょっぱかったけど、今までで一番美味かった。

このスレの住人に、心からの感謝を込めて

「ありがとう」