「こんばんわ。あなたはあと2時間d…い、いやあああああ!!!!」
 「うぎょあ!な、なんですか貴方は!?」
 PCのモニターを見つめ、左手でマウスを操作して、お気に入りの画像を
閲覧しつつ、俺は息子をマッサージしていた。そこへ壁から綺麗な黒い女
が出てきた。うわ、俺見られちゃってる…俺の恥ずかしい所、綺麗な人に
見られちゃってるよぉ…

 「いいからまず、しまいなさい!は、はやく!やっ、手を動かすな!」
 や、やばい、これが言葉責めってやつか、なんて攻撃力だ。もう限界。
 「ハァハァ('д`*)…ウッΣ('0` )」
 「いやああああああああ!!!」
 しまうどころか出してしまった。その、白いの。
 それで、うん、蹴られた。綺麗な回し蹴り。白いパンツが見えた気がした。
 俺、もう死んでも悔いは無いや。とりあえず気絶。

 「わ、分かったわね?」
 「なんとなくでっが」噛んだ。

 この黒い女の人(死神と名乗った)は、俺はあと1時間30分後に死ぬと教えて
くれた。そしてその代わり、30秒時間を止めるストップウォッチを10個くれると
いう。
 「ほら、持っていきなさい!」
 乱暴に10個のストップウォッチを投げて渡した。さて、もうすぐ死ぬなら
さっそく押そうか。話を聞いている最中から我慢してたんだ。ピッ

 2秒で時間が止まったことを認識した俺は、すぐさま行動を起こした。
 黒い女の人は座布団の上で正座して、手をギュッと握り締めていた。
 さて、頭の中では与野党が討論を繰り広げているわけだが。
 与党「おっぱいだ!」野党「キスだ!」ふん、同時に行けばいいだろう。女の
人の太ももの上に腰を下ろす。ここまで女性に接近したのは初めてだ。
 俺は黒い女の人の唇に思いっきりむしゃぶりついた。同時に服の上から胸を
揉みしだく。俺の唾液で汚れていく唇。手の中でふにゅふにゅと変形していく胸。
唇も胸も、とにかく柔らかい。首筋やうなじも舐めてみた。甘い香りがする。
服の上から胸に顔をうずめてみた。柔らかい乳房が俺の顔を優しく包む。女の甘
い体臭が俺の鼻腔をくすぐる。
 さて、もう27秒経ったか。全力で黒い女の人から離脱する。直前の体勢へ。

 「あ!い、いやぁ…」
 黒い女の人は唇や胸や首筋に違和感を覚えたようだ。俺のことをすごい目で睨む。
興奮してしょうがないじゃないか。俺は続けて二個目のストップウォッチを押した。

 最後のストップウォッチは、女の人が泣きながら俺に後ろ回し上段蹴り
を放った瞬間に押した。すでに履いてる物がスカートとニーソしかない。
足を思いっきり広げてるため、陰毛と女性器は丸見えだった。形のよい胸
も躍動的に止まっている。
 足と足の間に俺の分身を割り込ませた。立ちながらの性交。入れるのは
なかなか手間取った。いや、俺も初めてな上に、女の人はまったく濡れて
ないわけですから。
 女の人の腰に手を沿え、無理やり入れると、微妙に湿っぽいのが分かっ
た。次に温度が伝わってくる。不器用に腰を振る。これが女性器の感触か、
と思った瞬間俺は中に出していた。背中をそらし、中にすべてを出し切る。

 時間が動き出したようで、合体していた俺は彼女の脚に巻き込まれるよ
う蹴られた。彼女の中から排出される感触がまた気持ちよかった。
 「痛っ!…い、いやあああああ!!!」
 女の人は叫びつつ涙をぽろぽろ流して、俺の体を踏んでいく。わき腹に
入ったりしてめちゃくちゃいたい。いや、ニーソで踏まれるのも悪くない。
このざわざわする感触、上から見下されるアングル、スカートの中が見える。
…あ、また大きくなった。

 「いやぁ!もういやっ!気持ち悪い!」
 女の人は服を持って外に出て行った。ちなみにパンツは俺のポッケに入っ
ている。…どうしよう、返したほうがいいのかな。とりあえずパンツの匂い
を嗅いでから、俺は外に出た。

――死神男――

 僕がコンビニで本を読んでいると(正確には読んでいる人の後ろに張り
付いているだけなのだが)、コンビニの前を、上半身裸で、服を抱えたデ
スが走って来た。その後ろを、パンツを一枚ひらひらと手に携えた男が、
何か叫びながら追いかけている。周りの人は男から目をそらしている。
死神であるデスの姿は普通の人には見えていない。
 デスが赤信号の横断歩道を渡った。男もそれに続いたが、男は当然轢か
れた。パンツを抱えながら幅10mの美しい放物線を描いた。

 轢かれた男に近づいてみる。
 「ハードディスクの中、誰か消してくれ…
  それにしても、死神付きのストップウォッチか…ふはは」
 遺言を残して逝った。車から出てきたのは、彼の両親みたいだった。

 デスが逃げていったほうを探すと、公園の茂みで服を着ていた。デスも
こっちに気がつく。

 「あ、デス」
 「…あなたねぇ」明らかに不機嫌な顔をしている。「来るのが遅いわよっ!」
 「ごめん、でも」
 「言い訳禁止!人が苦労している時にあなたはコンビニで立ち読み!?ふん!
  いい御身分ね!一度上下関係というものを体で分からせてあげましょうか!?」
 「“今回は私が行ってちゃっちゃと片付けてくるから、
  早く終らせて遊びに行きましょう”ってデス、君が言ったよね?」
 「…う、うるさい!695年間連れ添ってきたパートナーのピンチにくらい、
  駆けつけなさいよ!今日は遊びに行かない!早く帰ってシャワーを浴びる!」

 どうやら嫌な目にあったようだ。やっぱり二人で行ったほうが安全か。
 デスが聞いてもいないのに、今日どんな目にあったのか話し出した。

 それにしても、“死神付のストップウォッチ”か。
 上手い表現だ、死と引き換えに時間を止める本質をよく突いている。
 少し考えていると、デスに「無視するなぁ!」と蹴りを食らった。
最終更新:2007年04月30日 03:05