俺は田舎の冴えない高校生。
成績は中の上。
どこにでもいるつまらない男だ。
でも、ただ一つ他の人間と違うところがある。
俺は時を止めることができる。
頭がおかしいんじゃないか?と思う人がほとんどだろう。
実際少しおかしいんだが、嘘ではない。

止め方は簡単。
いまの時代小学生でも持っている携帯電話。
そう、携帯でとあるところに一通メールを送信するだけだ。

「・・・小学生でも考えないような止め方だ。」
もちろん俺だけでなく作者も思った。
まぁ、止め方などどうでもいい。


俺がこの「時を止めるアドレス」を見つけたのは雪の降っていた約一週間前の土曜日のことだった。
重度ネット依存症の俺はいつも通り、特に目的もなくだらだらとネットをしながら休日を送っていた。
そして、これまたいつも通りエロサイトリンクページで良さそうなものを探していた。
この時だった。
砂時計の絵が描いてあるだけのバナー。
「時の部屋・・?」
なんとなくエロサイトに似つかわしくない名前に目がいった。
「まるでサガフロンティアだ」
たぶんサガフロンティアの18禁ギャラリーがあるのだろうと思い、何のためらいもなくクリックした。
その瞬間、部屋中に電子音が鳴り響いた。

「音が出るのか、うるさいな・・。」
と思いそのウィンドウを閉める。
音は止まない。
そう、音は携帯から出ていた。
携帯はここ3ヶ月くらい鳴っていなかったし、それ以前にマナーモードになっていたはずだったのでかなり驚いた。
「こんな音に設定してたっけ・・?」
とりあえず何事かと思い、携帯をチェックする。
メールが一件来ている。
内容は以下の通りだ。

【お前は選ばれ(ry 】
「・・・長い。」
とりあえず、下まで一通り目を通そうと試みる。

【 ××○○△△□□@toki.jp 】

「何だこれ・・?」
不可解なメアド。
その下にはこう書いてあった。

【このアドレスにメールを送るとお前は時間を30秒だけ止めることができる。】

「あほくさ。」
と言いつつも、ついその下に書いてある【掟】という文字に目がいく。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 掟
  • この力は1日30回まで使える
  • 1時間に使える回数は6回まで
  • 力は連続では使えず、最低3秒の間を要する
  • 時が動き出す5秒前に終了のメールが届く
  • 人間以外の動物の死に関わる様な使い方をした場合、
 またはお前が心の底から力を捨てたいと思った場合に限り力を剥奪する
  • この場合、動物はほ乳類・鳥類とする
  • 時間を止めても光、振動などは伝わるものもある
  • 時が止まっても息はできる
  • 送るメールは空でもいい
  • お前がメールを送った瞬間「時の部屋」は消滅する      
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「イタズラもここまで手が込んでるとまぁまぁかな・・・」
などと夜神月のマネをし、しかし掟の最後の文を見て、半信半疑ながらついメールを送ってしまった。
元から静かだった部屋がより静まりかえった様な気がした。
しかし、時が止まっているという確証はない。
「馬鹿だな・・・。ホントに止まると思ったのか。」
と独り言を言いながら窓の外を見る。

「・・・!」

俺は言葉を失った。
雪が全て空中で止まっている。

そして、愕然としている俺にメールが届いた。
今度は音は鳴らず、ちゃんとバイブレーションだ。
俺は携帯の時計を見る。
何故かストップウォッチのようになっている

      • 26・・  27・・  28・・  29・・  

時計が元に戻り、また正常に時間を刻み始めた。
また、窓の外を見る。
今度は雪もちゃんと降っている。

俺は途轍もない力を手にした恐怖とその力を自由に使える喜びで自分でも知らないうちに笑ってしまっていた。

ちょっと過去の思い出に入り浸ってしまったがよく考えたら今は通学中。
ちなみに通学手段は電車だが、あらかじめ読者のために言っておきたい。
今回はほとんどエロ方面には力を使わないつもりだ。
別に俺に度胸が無いからでも、作者がこういう文章書くの初めてだからでもない。
エロはエロでするから待っていて欲しい。


そうこう妄想に耽っている間に駅に着いた。
流石は田舎高校。
電車通学が俺を含め全校で20人未満だというから恐れ入る。
そして今回の標的はお前だよ・・、クラス・・いや、学年1のイケメンである小島君。
「貴様がいままで築き上げてきたモテモテ人生も今日で終わりさ」
と人に聞こえない程度の声で呟いた。

俺はいつでも時を止めれるようにあて先をあのアドレスにしたメールを常に30個保存してある。

そしてすでに右ポケットの中で一通目の送信ボタンに指が付いている。
準備は完璧だ。
小島のあとにぴたりとついて電車を降りる。
駅を出てすぐのほとんど交通のない交差点で
「まずは手始めに練習でもするか」と思っていると、目の前を一昔前のスクーターが通った。

俺はちょっと面白いことを思いつき、メール送信。

「時よ止まれ!」

この瞬間のために家で練習した決めポーズも完璧に決まった。
しかし、このせいで2秒ほどタイムロスしてしまった。
急いで小島の両腕を持って、10メートルも離れていないスクーターの後ろまで引きずる。
のこり15秒しかないが、とりあえず小島の無駄に長いマフラーの片方を荷台にぐるぐると巻き付ける。
残り8秒。
元の場所には2秒もあれば戻れそうだったが、小島の首にもマフラーをもう二巻き♪
ここで携帯にメールが入る。残り五秒だ。
初めてということもあってこれで終わり、もとの立ち位置に戻り、一呼吸。

「再び時間が動き出す」と心の中で叫び、小島を見る。

奴は何が起こったかわからないような顔をしてバイクに引きずられていく。
首が絞まっていて叫び声も出ないようだ。
しかし、バイクの方もいきなり数十キロの重りが付いたんだ、バランスを保てる筈もない。
運転手は必死にバランスを取っていた。
運転手が頑張れば頑張るほど小島は長く引きずられる。
が、健闘虚しく転倒
この瞬間は時間を止めていないのに止まったかのように長かった。
俺には不思議と何の罪悪感も無かった。

その後、救急車が呼ばれ30メートルほど引きずられ数カ所の骨折や打撲等々の重傷を負った小島は運ばれいていった。
運転手も、近くにいた生徒も何が何だかわからなかったらしい。
俺も何が何だかわからないということにしておいた。

「・・・練習のつもりだったのに・・・。」

思ったより簡単にイケメンを一匹葬ってしまったことに驚く一方
少し新しい事を発見した俺はついニヤけてしまった。

「さて、あと29回か。」

たった一度の時間停止で小島を(この世から)葬り去った俺と何も知らないその他数人の生徒は何事も無かったように学校へと向かった。
あの事故のせいで一限目は遅刻。
普段から電車の都合で始業時間ギリギリにしか学校に着かないので当然だ。
「まったく、これだからイケメンは嫌いなんだ・・・」
責任を亡き小島に押しつけ階段を上っていると、一限目から授業をサボるために保健室に向かうDQNとすれ違った。
このDQN・・・たしかC組の小野寺だ。
俺の記憶しているかぎりでは、こいつの成績は学年で5~8番だったと思う。
髪まで染めているくせに見かけによらず賢い野郎だ、腹が立つ。
生憎だが、俺は授業をサボるような不真面目な奴は嫌いだ。

決めた。
次のオモチャは君だよ、小野寺君。
せいぜい俺を楽しませておくれやす。

まずは携帯でメール送信準備に取りかかる。
こんな作業は10秒もあればできる。

そして小野寺が最後の階段を下りたときに

「ザ・ワールド」

ちょっとセリフは変わってしまったが、そこは俺。気にしない。
そしてせっせと小野寺の元に駆けつけ、階段を4段上に移動させる。
案外重くて疲れてしまったが、時間はもう少しありそうだ。
本当ならこれだけにしておこうかと思っていたんだが、なんて運が良いんだ小野寺君。
俺はイタチの最後っ屁と言わんばかりに小野寺のズボンのチャックを開けた。

ここで携帯にメールが入り、途中までしかできず不完全燃焼気味だが急いで元の位置に戻り

時は動き出す。

俺は最大限息を整え、平静を装いつつ観察する。
小野寺は一番下まで階段を下りたつもりで、四段も上に上げられたことに気づかずに次の一歩を踏み出した。

「やっ やったッ!!
 さすが小野寺!
 おれに上げられた事に気付かず平然と次の一歩を踏み出すッ
 そこにシビれる!あこがれるゥ!」

どう見ても転落です。
さようなら、小野寺。
しかし、これは俺の優しささ。
これでお前は仮病など使わずとも、堂々と保健室で休めるのだよ。
と、標的への思いやりも忘れず、俺は階段の下方でうずくまっている小野寺に一別し
気付かれないように急いで階段を上り教室へと向かった。

教室ではイタズラし放題だ。
俺も作者も楽しみだ。

教室にはいると普通に授業が行われていた。
当たり前か。
一限目は古典だ。
俺は「すいません」と一言言い、席に着く。
この古典の村田(以下ババァ)はかなり騒がしい教師だ。
しかし、それよりも・・・・五月蠅い教室だ。
授業中だというのに隣とぺちゃくちゃ喋りまくる糞共め。
いいや、こんな言い方をしたら糞に失礼だ。
こいつらは糞以下だ。

まぁランクなどどうでもいい。
俺は何をしようかと考える。
力はあと28回使える。この1時間だとあと4回だ。
4回・・・。
それだけあれば十分だ。
問題はどのタイミングで時を止めるか・・・。
色々考えていると、ババァが授業を脱線して自分の娘の話をし始めた。
いつものことだが果てしなく鬱陶しい。
だが、今の俺には好都合だ。

携帯を取り出し 保存メール→送信準備。

そして、今一度周りを確認し、標的を決める。
だが、五月蠅い奴などいくらでもいる。
ええぃ!面倒だ!標的はババァでいい!

メールを送信する俺、停止する教室。

急いで教卓まで走り、チョーク入れに入っているチョークをありったけババァの口に押し込む。
押し込む。押し込む。
9本くらい入ったと思う。
もちろん時が動き出したら噛み砕くように、縦にだ。
とりあえず入れ終わった。
まだ15秒くらいは残っているだろう。
とりあえず、これだけでは物足りないので黒板消しを頭の上の少し高めで静止させ、
ゆとりをもって席に戻ったところで終了間際のメールが届く。

4・・3・・2・・1・・

時が動き出した瞬間、ババァは勢いよくチョークを噛み砕く。
教室の前方でバギュッ!とどことなく鈍い音が教室に鳴り響く。
そして、音で生徒たちが振り向いたとほぼ同時にババァの頭に黒板消しが直撃した。

教室はシーンと静まりかえってしまった。

当然みんな何が起きたかわからないがための沈黙だろう。
すると、ババァは「をうぇえッ」っという変な音とともに
元から白くなってきていた髪の毛を真っ白にさせ、チョークをはき出す。
なんて気持ち悪いシーンだ。
見ているこっちまで吐きそうな顔をしてやがる。

その後、1クラスに1人はいる真面目君がババァの元に行き、教室から連れ出していった。
状況が飲み込めない生徒(ほぼ全員)が「何が起きたの?」と互いに聞きあっている。
真理を知っているのは俺だけしかいないというのに。

「今日は楽しかったな」
家に帰ると今日あった出来事を振り返る。
小島討伐、DQN小野寺退治、古典の糞教師へのささいな反抗等々。
普段なら絶対に出来ないことばかりだ。
時を止めるのがこれほど自分を強くするとは思ってもいなかった。
これらは全て『朝の1時間』でのもの。
作者の都合でそれ以後の小さなイタズラは省略させていただく。

そして俺は明日はすこし違った趣向のイタズラをしようと思い、必要だろうモノを鞄に入れる。

洗濯バサミ、カッター、ガムテープ、セロハンテープ、つまようじ、水鉄砲・・・。

これだけでは少しもの足りないと思い、外出する。
気分転換と、何かを購入しよういう目論見だ。


1時間後、帰ってきた俺の右手にはイチジク浣腸(数個)と小さめの水筒があった。
準備はできた、明日が楽しみだ。

翌日。
昨日購入した水筒にはぬるま湯が入っている。
そして、制服(ブレザー)の内ポケットには
イチジク浣腸とカッターそれとつまようじが一個ずつ収まっている。
携帯もいつでもメールを送れるようにしてある。
ポケットに携帯を入れたまま送信する練習も何度も繰り返しした。
あとは授業中にちょこっと時を止めるだけだ。

俺の予定では今日は1時間に6回という使用回数を無駄に出来ない。

今日は三限目に体育がある。
今日の体育は持久走だ。
だから作戦を実行するなら四限目だろう・・・。

ここで本日の標的を説明させてもらおう。
標的は我がA組で最も(俺的に)可愛い・・・・いや美人というべきか。
そしていつでも人々(主に俺)を魅了してやまない超絶おしとやかガールの小村さんだ。
身長は高めとだけ言っておこう。あとは読者の想像で人物像を作って欲しい。

事前に言っておく。
『あなたは鬼畜ですか?(Y or N)』と聞かれたら、俺は迷わず Yes と答える。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
それにしてもまだ一限目か。
四限目までどう考えても1時間以上あるから多少のイタズラなら構わないだろう。

行くぜッ!

まずは机の横にかけてある鞄に手を入れ、ノートを探すような感覚でセロハンテープを取る。
周りからは捜し物をしているようにしか見えないだろう。
そして鞄に手を入れた状態で、もう一方の手ではコッソリとメール送信。

ざわついていた教室が静まりかえる。

「よし、誰1人動いていない」

当たり前のことだが、念のため時が止まっている事を確認し
セロハンテープを持って小村さんの席までダッシュ。

言い忘れていたが、俺の席は最後から2列目の廊下側の壁沿い。
小村さんは隣の列で、俺の二つ前だ。

何をするかは言うまでもない。
勢いよく、しかし優しく彼女のスカートを捲る。
あらわになったのはピンク色のショーツだった。
少し純白の・・・を期待していたのが・・・それにしても綺麗な足だ・・・。
ハッと我に返り、そんなことを考えている暇はないと気付く。
時間は全部で30秒しかないのだから。

まずはセロハンテープを適当な長さで切る。
適当と言ってもそんな事を考える暇はない、大体人差し指の関節二つ分くらいの長さだ。

「すみませんね小村さん・・・」
そう言い終わる前に小村さんの足を広げ、ショーツで隠れている秘部に向かう。

内心どころか、心臓が張り裂けそうだ。
極度の緊張で気分が悪くなってきた。
心拍数も200回/分くらいのハイスピードだ。
なにせ女性器どころか女のパンツをこんな間近で見るのも、これから見る秘部も、全てが初体験だからだ。

だが俺はこんなところで引くわけにはいかないッ!

それに時間もあと20秒もないだろう。
俺は急いで小村さんの大事なところを隠している布きれをずらす。
見えたのは・・・毛だ。
だが、男の毛ではない・・・。
やばい・・・ちょっと意識が飛びかけた、限界か?
それにしても小村さんは案外毛深い・・・いや、女はみんなこうなのか?
そんな事を考えながらも手探りでジャングルの中の割れ目を探す。
        • 発見ッ!
瞬きの間に割れ目の上にセロハンテープを貼る。
セロハンテープは透明だからだが、なんだかとても卑猥な事になってしまった。
ついでに記念として毛を一本抜き取る。

すると携帯にメールが入る。 5秒前だ。

こんなに残り時間が減っているのは毛を抜き取るのに手間取ったせいだ。
一瞬で「ショーツを元に戻す時間は無い」と判断した俺はスカートだけを元に戻し
慌てて自分の席に戻り、鞄の中に手を突っ込む。
たしかこれが元の体勢だったと思うが、記憶があやふやだ・・・。
この30秒は童貞の俺にはキツすぎた。
大人の階段をバイクで上ってしまった気分だ。

教室にざわめきが戻る。

俺は出来る限り心も体も落ち着かせようとしたが間に合わなかった。
しかし、席に戻るのは間に合った。

「ギリギリセーフ」
俺はそう小さく呟き小村さんを観察する。
観察はイタズラの醍醐味だ。

どうやら違和感を感じているようだ。
たぶんパンツがずれていたことよりも、テープを貼られたことの方だろう。
股間部分をスカートの上から両手で押さえてモゾモゾしている。

やばい仕草が可愛すぎる。

よく見ると小村さんは耳を真っ赤にさせている。
      • これまた可愛い。可愛すぎる!パーフェクトだッ!
息子も暴走寸前だ。
まだ授業時間は15分ほど残っている。
俺は15分間この『悶え続ける小村さん』を観察出来るのだ。

ワンダフル!!ビバセロハンテープ!!!

しかし、いざという時のためにここは牽制しておかねばなるまい。
小村さんのようなもの静かな女の子にはないと思うが念のためだ。
俺は高々と手を挙げ、先生にこう言った。


「トイレ行ってきてもいいですか?」


これは俺だけかもしれないが、授業中に誰かがトイレに行くと自分が行きたくとも行けなくなってしまう。
単なる精神的な問題だ。
だがまぁいい、心を落ち着けるためにも、だ。

そして俺はトイレに行き、戻ってくると、
案の定、小村さんはまだ股に手を両手挟んでモゾモゾとしていた。

3限目の体育(持久走)はサボり、体力を温存した。
女子の方も持久走だったからみんな股はムンムンのはずだ。
お目当ての小村さんには1限目にあんな事(>>24あたり参照)をしてしまったので
体育を休まれないか心配だったが、そこは優等生、ちゃんと出席していた。

計画通り。

夜神月のマネをするつもりで不細工な顔を更に醜く歪めて笑う俺。
周りから見ると通報モノだ。
だが気にしない。
これからすることを想像するだけで最高にハイになってしまう。
イタズラはジョースター家の血より俺の体にしっくりくる。

別に今回の話には関係ないけど、4限目は世界史だ。
先生は生きているのかどうかすら危ういジジィだが今は本当に関係ない。

そうこうしているうちに休み時間が終わり、授業開始のチャイムが鳴る。
それから10分くらい経って先生到着。
いつものことだが遅すぎる。しかし、ジジィだから憎めない。
まぁ何度も言うが今回はそれはどうでもいい。
ようやく来てくれた、とでも言おうか。
先生が来ていない状態でも時を止めて目的を達成することは出来たが
それだと小村さんに保健室に逃げられる恐れがあった。

今回は1限目の時とは少し違う。
席に座った時点でメール送信、一回時を止める。
イタズラのためではない、その前段階、準備のためだ。

まずはガムテープを切り、左手の甲に4枚貼る。
そして洗濯バサミを二つブレザーの内ポケットに入れる。

ガムテープを切るのに時間がかかったせいで30秒はこれだけで終了した。
これだけ、と言ってもやりたいことは全部出来た。
時を止めなくても出来そうだな、というツッコミは厳禁。

ようやく次は本番だ。

じっくりまったり行くぜ・・・。
俺は携帯へ手を伸ばす。

標的は体育で疲弊した小村さん。
疲れた獲物を前にして手を出さないことは自然の摂理に反することだ。
などとワケのわからないことを考えつつもしっかりと頭の中でイタズラの手順を構成する。

そして、想像も妄想も脳内ゲージがMAXになった瞬間メール発信!

「時よ止まれ!!」

今回は少し時間に余裕がある(予定)から決めポーズもきっちり決める。
完璧だ。今の俺はカッコ良すぎる!
しかし流石に自分に酔いしれている時間は無い。

この30秒でするミッション・・・それは
『小村さんのパンちーをゲットせよ』だ。
楽勝!
ブレザーの内ポケットからカッターを取り出し、小村さんの席へ向かう。

相変わらず綺麗な肌だ。
一度は30秒全てを使って抱きしめたりしたいものだ。
だが、時間が限られている。モタモタしている暇はない。

まずはスカートを捲らせてもらう。
これまた相変わらず綺麗なふとももだ。

チキチキチキチキチキ・・っとカッターの刃を出し、小村さんのパンツの左右両端を切る。
「正攻法で脱がしてる時間は無いんだ、ごめんね」
そう言い、そーっと引き抜きブレザーの内ポケットに入れ、席に戻る。

席に着きちょっと経つと携帯に終了メールが入り、まだ相当時間が残っていたことを少し後悔した。
時を止めれるのは残り四回か。

周りが騒がしくなった。
時が動き出し、しばし席で小休憩をとる。
小村さんを見るとワンテンポ遅れてパンツが無くなったことに気付いたようだ。
スカート越しに股に手を挟みもじもじしている。
耳も真っ赤だ。
俺の脳内ビジョンにはマスタベーションをしているように映る。

しかし顔を見れないのは惜しい。

一限目はセロハンテープで、それはそれで良かったが、今回は格別だ。
何せ、小村さんはノーパンなのだ。

こんな野獣共の跋扈する教室内にノーパンなんて・・・。
まったく以て、なんてエロい状況なんだ。

しかも、女子の体育後の脱ぎたてパンティーが俺の内ポケットに入っている。
そういえば何となく芳醇な匂いもするような気がする。

やばい、また息子が暴れてきた。

ふと気が付くと小村さん(悶絶ver.)を眺めて妄想を膨らませている内に5分も時間が経っている。

そろそろ次の計画に移るとするか。
白昼堂々、それも授業中に股をいじくるいけない子にお仕置きだ。

小村さんがスカートから手を放し、何事も無かったかのように振る舞おうとし始めた。
どうやら、あまりモゾモゾしているとバレるかも、と思ったようだ。
だが動揺を隠し切れていないのは真っ赤な耳を見ればわかる。
そういう気丈なようで純情なところも俺の息子に元気を与えてくれる。

早速だが、携帯に手をやり、一呼吸おきメール送信。無論ポケットの中で、だ。
我ながら驚くほど素早い。

「今日は絶好調だ。気のせいか爪の伸びも速い気がする。」
そんな馬鹿なことを口ずさみながら小村さんの席へと足を運ぶ。
そして、ようやく我が最高にして最強の秘密兵器!
これにかかれば全ての生物が俺の前に跪くであろう。
それほどのブツだ。

人間に使うのは少し危険かもしれない。
だがそれがいい。(ニヤリ

「イチジクカンチョー!(怒羅右衛門風)」

これはね用法をよく読んで使えばいいんだよ、のび太君。
こんな馬鹿な事を脳内で展開しながらイチジク浣腸をブレザーの内ポケットから取り出す。

というわけでいかせてもらう!
スカートを捲りパンツ・・・はもう穿いてなかったな、そういえば。
聖なるアヌスを探す。
これで小村さんの股間に顔を近づけるのは都合3度目くらいになるが、やはり俺には刺激が強い。
いや、強すぎる。

しかし探すといっても今度は女性器とは違い、俺にもある。
見つけるのは一瞬だった。
優しく素早くイチジクの先端を差し込み、一気に中身を注入する。
小村さんに痛みはないはずだ。
そして、俺の胸で暖めていたから冷たさも無いはずだ。
まぁ「何か」を入れられた、という感覚程度はあるだろう。
しかし、自分がしたことを気付かれないのではつまらない。

だから・・・・。

俺は手の甲に貼った中指大のガムテープ二本で×の字に小村さんのアナルを塞ぐ。
すると、ここまでしたところで携帯のバイブレーションが震える。
「もう時間か・・・。」
慌てて席に戻り、小村さんを観察する体勢に入る。

時が動き出す。

すると、小村さんは「っぁ・・!」っという声を漏らした。

俺の席は小村さんの斜め後ろで、近くだとはいえ、声が聞こえるということはそれなりの大きさだということになる。
つまり、当然俺以外の周りにも今の声は聞こえたということ。

その予想通り、周りの数人がちらっと小村さんの方を見る。
小村さんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
俺は内心バレるんじゃないかと一瞬ヒヤッとしたが、周りの奴はすぐに前方を向き直した。

そして小村さん。
今度はモジモジといっても、その可愛いお尻と椅子で手を挟んだ状態、といえばわかりやすいだろうか。
その状態で左右に少し、小さく体を揺すっている。
よく見るともう一方の手は依然スカートごしに股に挟んだままだ。
ガムテープのせいだろう。
浣腸の方はまだ効いてないようだな・・。

やはり、恥ずかしそうに、かつ不自然に動くその仕草は堪らない。
俺はしばらくそのまま観察することにした。

数分後。

今度は「んッ・・・・」という声を漏らした。
当然小村さんの声だ。
どうやら今度は浣腸の方が効いてきたようだ。
それにしてもなんというエロチックな声だ。

すると隣の女子が「大丈夫?」と声をかけている。
なんてっこった!
そんなことをされたら・・・。

俺の不安は的中した。
小村さんは「ちょっと気分悪い・・・」といい、世界史のジジィに保健室に行くと告げて教室を出ていってしまった。

まさか、だ。
まさかの出来事だった。
俺と小村さんの薔薇色の世界に第三者が介入してくるとは。
しかし、よく考えてみれば可能性は全然無いことではない。

      • 今回は想定できなかった俺の負けだ。

「クソッ!」
小村さんに逃げられた悔しさが収まらないまま4限目が終了し、昼食時間兼昼休みになった。
小村さんに声をかけ、保健室への逃げ道を作ったのはあいつだ。
席は小村さんの隣(だから声をかけれたのだ)
名前は坂口。
小村さんのような美人とは比べることすらおこがましい生物だ。
良く言えば不細工、悪く言えばアンモナイトのような顔だ。

クソ・・奴が視界にはいるだけで腹が立つ・・・。

怒りを抑えるために席を立ちトイレへと向かう。
俺にとって、唯一学校の中で落ち着ける場所だ。

「始末してやる・・・、次はあいつだ・・、クソッ・・・始末だ・・」
などと無意識にかなり電波な事を呟きながら用をたす。
周りから見たらかなり危ない奴に見えるだろう。
が、運良くこのトイレには誰もいなかった。

尿と一緒に少し怒りも放出したような気もするし、ノロノロと教室へと向かう。
そして、廊下を曲ると・・・。

        • 小村さん・・。
まだ校内にいたんだ。

保健室にいると思っていた小村さんと鉢合わせた俺はまた平常心が吹っ飛んでしまった。
小村さんは小さな声で「あ・・・」と言った。

何でこんなところに?
やばい、目があった。
いやちょっと待て、別に構わないんじゃないか?
バレてはいないはずだ。
でも「あ・・」って何だ?
バレる・・?まさか。
いや、でももしかしたら何か俺だとわかる証拠でも・・?
そんなものは残っていないはずだ。
ひょっとしてカバンか?カバンの中を漁られたか?
いや、小村さんがそんな事をするわけがない。
しかし事実は小説より何とかって言うし。
やばい・・・、またまともな思考が出来なくなってきた。
落ち着け、俺。
落ち着け、素数を数えて落ち着くんだ。

「・・2 3 5 7 」
つい口に出して数えてしまい、小村さんはキョトンとした顔で俺を見る。
「あ、すすす、すいません、ごめんなさい。」
(・・11 13 17 19・・・
 何を言ってるんだ俺は。素通りすればいいのに何故謝るんだ。
 なんか背中に変な汗をかいてきた・・・。・・23 28・・おっと違った 29・・)
よく考えてみるとこの小説(第一回投稿以来)主人公と他のキャラの会話は今回が初めてだ。
俺も作者もテンパっている。

俺が無理矢理平静を装って足早に教室へ戻ろうとすると、
小村さんが「待って」と声をかけてきた。

何で俺に話しかけるんだ?
ここ半月ほど親と先生以外との会話がほぼ皆無な俺に・・・なんで・・。
「実はちょっと話があって・・・」

やばい!完全にバレている?
それともこれは夢か現か。
そんなことはどうでもいい。
どうやってこの場から立ち去る?トイレに行くか。
いや、トイレは行ったばかりだ。

などと疑心暗鬼を生み、どんどんネガティブ方向へと思考を展開しまくっていると
また小村さんが小さく口を開く。

「実はさっきの授業中、いきなり体調が悪くなったんだけど・・。」
      • まさか、次に俺の名前が出るのか?
俺がやったとバレ・・・・・・・。

「誰かに何かされたの。」

待たせるな、いっそのこと俺の名前を呼んでくれ。
覚悟は出来ている。

「私の周りで変な人いなかった?」
「え?」
少し拍子抜けした質問に思わず口が反応してしまった。

「自分でも変なこと聞いてるのはわかってる
一瞬でもいいの。変な人見たりしなかった?」
泣きそうな目で俺に問いつめてくる小村さん。

      • 俺はここを上手く乗り切ればこれから先、自分に疑いはかからないと悟った。
そのためには、小村さんの信頼を得ねば・・・。おれに出来るか・・?
「な・・何で俺に聞くの・・?」
声が裏返った、だが初めの謝り行為からキョドりキャラが確定していたので多少のドモリはあまり気にされていないようだった。
「だって、私の後ろの方の席だし・・。」
女子との会話は少ないどころか、高校入学してから0の俺だ。
多少変なことを言っても疑われないか?
「え、いや・・その・・他に俺より聞きやすい人・・いるでしょ?」
精一杯の努力。
わかる人にはわかってもらえよう。
これだけのセリフを言うのが精神的にどれほど堪えるか。

「いっつも何も喋らなくて・・・
 何考えてるかわかんないから・・気持ちワルイけど
 他の男子よりは口が堅そうだし・・・それに・・」

あぁ。

案外率直にモノを言うタイプだったのね小村さん。
心に深く突き刺さったよ。
にしても、4限目は運がいいと思ったけど、イタズラの犯人の俺に頼み込んでくるとはよほどの運の無さだ。
綺麗な顔して案外幸薄いのかな?

「それに?」
「それに・・あんまり沢山の人に知られたくないの」

それが乙女心というやつなのか?
正直さっぱり理解できないだろ。
まぁ俺もあまり知られない方が便利ってもんだ。
俺はとりあえず会話を続ける。
「知られたくないって・・何かされた事を・・?」

わかっていることを確かめるように聞く。
「うん・・。」
小村さんは顔を赤くして頷く。

そして、小村さんは俺に
『とりあえず授業中こっそり自分を見張れ。
変な人がいたら授業後廊下に出て、そこで教えろ』
といった内容を言い。

「絶対に他の人には言わないでね。絶対!」と再三注意し、教室へ戻っていった。

頭の整理ができないが、とりあえず俺の試みは成功とみていいのだろうか。
少なくとも失敗ではないだろう。
それにしても、どうして髪からあんなにいい匂いがするのだろう。

まさか小村さんが俺に泣きついてくるとは・・。(ちょっと違う)
奇跡のような出来事だったな。
俺は運が良すぎる。
小村さんには失礼だが、俺はイタズラを止める気はさらさらない。

というか、こんなおいしい事を今更止めれるかってんだ!

だが、自ら自分を見ろと言ってきた小村さん・・。
これはもう結婚だろ。

などと馬鹿な事をぬかしつつ、次なるイタズラを考える。


考えていると一つの考えにあたった。
よくよく思い返してみると、俺は一回教室内で教師を1人潰している。
当然、周りの奴らは何が起こったか全くわかっていなかった。
しかし、小村さんはどうだ?
まさか自分の身に起こっていることとあの事件を関連づけることは無いと思うが・・・。

前にも述べた通り小村さんはこのクソ騒がしいクラスに似合わないくらいの真面目な子だ。
授業中の視線はノート、黒板それか先生の顔くらいにしか向いていない。

あのシーンを直視していた可能性は相当高い。
そうなるといきなり自分に起こった非科学的な出来事と照らし合わせることも・・。
今日でないにしろ、近いうちにきっとするだろう。

よく考えてみると、小島と小野寺を潰した時にその時間帯の電車と遅刻はおれだけだ。
はたして誰かが気づくか・・・?
そうなるとやはりイタズラ回数はこれから抑えるべきか・・?
いや、抑えることは逃げる事。
俺は最強の力を持っているんだ、恐れる事などあることか。
L並の探偵がいるならまだしも、ここはただの学校だぞ。


む し ろ イ タ ズ ラ は 増 や す べ き

これが俺の結論。
ダービー兄弟がいたら2人そろって「グッド」というほどグッドな結論だ。
そして俺は例によってズボン右ポケット内の携帯に手をやり、メール送信準備に入る。
次はまだ使っていない洗濯バサミでも使うか・・・乳首とかを挟むとどんな反応をするんだろう。
ハサミの圧力が強すぎて後で腫れるとか聞いた事もあるな。
と妄想を膨らましきったところでメール送信!

時よ止まれ!

      • あれ?止まらない。

俺とした事が、ボタンを押し間違ったか・・・?
ポケットの中で一から送信し直す。

今度こそ!時よ・・・・。


周りの喧騒がやまない。

      • おかしいな、なんでだ?
予定が狂うぞ?
        • まさか・・・・ひょっとして アレ か?
俺は授業中だとかは忘れ、ポケットから携帯を取り出し画面を見る。
真っ暗だ。
      • もっとも恐れていた事態。
そう。

バッテリー切れだ。

これだから電気機器は困る。
こんなに携帯を多用したのは実に3ヶ月ぶりだったから仕方ないと言えば仕方ない。
もう今日は学校では何も出来ない。
      • 小村さん。俺は君の認識を間違っていたようだ。
君の幸は全く薄くないよ。

この俺の魔の手から二度も逃げ切るんだからね。

時を止めれなくなり、極端に退屈になった俺は少しウトウトとしていた。
それもそうだ、今日は少しハードな事をしすぎた。
まぁ、主に小村さんへのイタズラだが。

自分では結構楽しんでいたが、やっぱり極度の緊張があったことは否めない。
だから体にも思ったより負担がかかっていたのだろう・・・。

それにしても眠い・・・。

つい、瞼が下りてくる。
周りの音が消えていくような気がする。


俺はハッと我に返る。

目の前では信じられない事が起こっている。

周りの音は消えていく気がしたのではない。
まるで時を止めた時のように・・・いやこれは時が止まっている。
なぜだ・・?俺以外の人間が時を止められるはずがない。

まさか俺の能力が進化した?
そんなわけがない。俺は時を止めるのに道具が必要だ。
俺自身は無力・・・誰かが俺の携帯からメールアドレスを盗み見た・・・・のか?
動く事も忘れ、考えていると時間が動き始めた。

おかしい・・・俺の時に比べてかなり短い。
止まっていた時間はだいたい10秒といったところだ。

だが、誰かが時を止める事ができるようになったのは間違いない。
このクラスの人間ではない。
では隣のクラスあたりか・・・。

家に着き、携帯を充電しながら能力の説明についてもう一度見直す。

基本ルール・・剥奪条件・・・・特に他の事は書いていない。

一度時を止めてみる。
      • 25秒後携帯にメールが入り、その5秒後に動き出した。
俺の能力まで減っているワケではないか・・。

じゃあ今回の出来事は新ルールとして見ていいのか・・?
俺の携帯を盗み見た奴が誰かはわからないが、俺が時を止めている時は誰も動かなかった。
でも、その誰か・・・Aとでもしようか、Aが時を止めている間、俺は自由に動けた。

つまり、能力の強さは断然俺の方が上と言う事になるな・・・。

同じアドレスに送っても、どういう原理かは知らないが第一人者を見分けてくれるということか。
こういう事はルールに書いておいてほしいな。
いや、ひょっとして俺に力をくれたサイト(時の部屋とか言ったな・・)を作った人は
こんな事態が起こるなんて予想していなかったんじゃないか?

しかし、これ以上能力をAに持たせておくわけにはいかないな。
確実に明日学校で始末してやる。

もしメールを送れても二度と利用できないような体にしてやるぜ。

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最終更新:2007年05月27日 22:56