「パー速4」(2007/12/15 (土) 12:43:15) の最新版変更点
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854 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 02:16:12.80 ID:vCVB7Ck0
よし、仕事終わった。
そのおかげか今日休みだぜひゃっほー!!
今すぐにでも続き書きたいけれど、とっとと帰宅して飯食って風呂入って寝るよ。
明日に備えることとする。
あと、レス読んで気付いたんだけど、ブログで取り上げられてるみたいだな。
そこまでの価値があるかは別として、読んでくれる人が増えるのは嬉しいことだ。ありがとう
で、前スレで2部か3部構成にするって宣言したんだけど、
重要な要素を分割するのと、現在進行形だという理由で、5部ぐらいに増えるかもしれん。
なので、割と長くなる可能性が高い。まずこれを先に伝えておくぜ
864 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 09:34:34.60 ID:vCVB7Ck0
おはよう。
あと少ししたら書き始めるよ。とりあえず朝飯と歯磨きだけしてくる。
前回のカキコから日にちが経っているため、ひとまずあらすじだけ置いておく。
前回までのあらすじ
プロジェクトリーダーになり、俺は多忙の日々を過ごしていた。
プロジェクト前半はトラブルもあったが、スケジュールは順調であった。
しかしいきなり客先から電話が。大幅な修正が入るという話だ。
戦慄する俺をよそに、リーダーは何か考えがあるのか(何もない)簡単に引き受けてしまった。
修正分の担当者は上原さん・・・彼は今現在、二日遅れのスケジュールとなっている。
ただでさえ無理のあったスケジュール。それに修正分が加わり、上原さんは果たして生き残れるのか。
そして、リーダーである俺はどう対処するのか・・・。
872 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 10:16:48.36 ID:vCVB7Ck0
お待たせ。
「上原さん、スケジュールを見る限り二日遅れとなっているのですが、
これはこれでよろしいですか?」
頼む。違うと言ってくれ。ただスケジュール部分を埋めるの忘れていただけだと言ってくれ。
「はははは、は、は」
マジかよ・・・。修正分を渡してしまったら死んでしまうぞ、この人・・・。
修正分の話をするのは後にする。まずはこの人の状況の詳細を知るのが先決だ。
「取り戻せる予定というか、見込みあります?」
「え、えと、え、え、とえ、と」
まだか
「ど、どど、どど、に、どど、にち」
土日か。土日で取り戻せるのか?
「休日出勤ということですか?」
「は、はは、は、は」
修正分をそこで修正してもらいたかった俺。いや、いかん。
上原さんだって人間なんだ。休みを潰させてまで仕事をさせるなんて外道だ。
俺は自分の良心と、必死に闘っていた。
「わかりました。それで現在の遅れを取り戻すということですね」
「は、は、ははは、は」
修正分をどこで対処するかだ・・・。使える人間は限られている。
藤田さんか、ギリギリで中西さんか、知識・経験は無いが、根性はある(と思っている)俺か。
874 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 10:24:14.23 ID:vCVB7Ck0
取り戻せる状況は聞いた。とりあえず、修正分について話をしておくか。
上原さんは会話できないが、仕事はできる部類の人間だ。
「修正分についてお話したいのですが、よろしいですか?」
「は、は、はは、は」
修正分について話していく。画面レイアウトの変更から内部的なロジックに至るまで、俺の少ない語彙で説明していく。
俺は設計書を片手に、ふと上原さんの顔を見た。
真顔だった。
いや、魂が抜けていっている、が正しいかもしれん。大丈夫なのか・・・。
しかし俺は説明の義務がある。一言声をかけるよりも、まずは話を進めるべきだ。
「以上です」
「は・・・は・・・・は」
上原さんは放心状態となっていた。
877 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 10:28:48.32 ID:vCVB7Ck0
ダメだな。上原さんは使えん。しかしこの膨大な修正分をどうすればいいのか。
元はと言えば、リーダーが簡単に引き受けてしまったからこうなってしまったんだ。
俺はリーダーの元へと向かった。
「すいません」
「なんだよ」
「修正分のことなんですが」
「知るかって言っただろ。上原に聞けよ」
「上原さんに回すのは無理があると思うので、ご相談に来ました」
むしろこいつに少し受け持ってもらう。
「上原は無理じゃねぇよ。あいつは何だって出来る」
何を言ってるんだ、こいつは
「リーダーに受け持ってもらえませんかね」
「はぁ!? なんでこの俺が上原の仕事をやらんといけんのだ。お前がやれよ。リーダーだろうが」
だ、ダメだ、話にならない。いや、わかっていたんだ。
分かっていたが、これっぽちの光が見えると思った。だから賭けたのだ。
しかし、いとも簡単にそれは崩れ去った。
仕方がない・・。そう思い、俺は藤田さんの元へと向かった。あの人なら、あの人なら何か妙案を出してくれるはずだ。
881 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 10:39:54.94 ID:vCVB7Ck0
>>880
AAありがとうww それを待っていたww
「すいません、藤田さん」
「うん?」
「修正分のことなのですが」
頼む。どうにかしてくれ。
「いや・・・これはちょっとな・・・」
だ、ダメなのか。
「リーダーに頼んではみたの?」
「は、はい。ですが、やらないと言われまして・・・」
「わかった」
そう言って、席を立った藤田さん。リーダーの元へと向かっていく。
「リーダー、今よろしいですかね」
「おう、藤田か。なんだ」
まさか
886 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 10:48:43.02 ID:vCVB7Ck0
「1くんの言っていた修正分に関してなんですが」
来た。藤田さんがリーダーを説得する。動かざること山の如しのリーダーを動かせるのか。
「おう、お前がやってやれよ」
「それがですね、そうしてあげたいのは山々なんですが、私も仕事を多く抱え込んでるんですよ」
「お前ならどうにでもなるだろ」
藤田さんでもダメなのか。
「うーん、さすがに時間的な余裕がないので、厳しいですね」
「そんなの知るかよ。俺だって時間がないんだぞ」
「そうなると、このプロジェクトは潰れますね」
「そうだな。まぁ俺がリーダーじゃないから良いけどなwwww」
おい、ちょっと待て
「いえ、そうとも言えませんよ。今回のプロジェクトは、リーダーが補助・指導に回っているわけですから
責任の半分はリーダーにあるという訳です。しかも1くんは未経験で、今回が初体験」
「はぁ?知るかよ、大体」
「さらに」
藤田さんが強引にさえぎる
「これは社長の判断です。ということは、逃げ場がありませんよね。
1くんは私の目から見てもかなり頑張っていますし、前半部分は少なくとも彼に過失はありませんでした」
流暢な口調で話を進めていく藤田さん。凄いぞ、あなたが孔明か。
894 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 10:55:10.08 ID:vCVB7Ck0
「しかし、ここで過失が出た。私は実際、現場に行ってないので知りませんが、
おそらくリーダーが契約の話を進めたんじゃないかと思っています」
その通りだ。俺はこの納期じゃ無理だと思ったんだ。中西さんのおかげで、無理→凄く厳しいになってはいるが。
「となれば、先述の半分の責任が8割程度にまで増加してしまうんじゃないですか?
そうなると、リーダーが社長から責めをくらい、最悪クビになってしまうとは考えられないですか?
1くんから聞きましたが、最近社長に怒られたんですよね? 今こそそれを取り戻す時期だと思いませんか?」
「うーん・・・」
おぉ、あの「やらん」で一辺倒だったリーダーが悩んでいる。しかし、後一歩が足りない。後一歩で落とせるんだ。
がんばってくれ、藤田さん・・・!
「それに、これでもしプロジェクトを完遂できたとしたら、
私は1くんだけでなく、リーダーの補助が良かった、と社長に報告しますけどね」
フィニッシュブロー。
「・・・うーん・・・。うーん・・・・。まぁ・・そうだな・・・・。
しょうがない、俺が引き受けてやるよ」
諸葛亮孔明は、平成の日本に居た。
905 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:02:16.47 ID:vCVB7Ck0
俺は心の中で、藤田さんありがとうございます、と15回ぐらい言った。
これでどうにか修正分は回る。おっと、藤田さんに直接お礼を言わなければ。
「藤田さん、ありがとうございます」
小声で会話する。
「いやいいよ。1くん、リーダーみたいな人は使うのにコツがいるんだよ。
誰でもそうだけど、まずは人の性格をキッチリと掴んで、それを元に説得方法を頭の中で展開させるんだ。
そうすれば、お客さんの所に出たときでも上手く行くから」
それが出来れば苦労はしない・・・。藤田さん、あなたは何者なんだ。
「はい、すいません。ホントありがとうございます」
こうして俺は、何とか事なきを得た。早速、作業に戻る。
自分のスケジュールだけで手一杯な状況だったが、俺は藤田さんのおかげで何とかなっていた。
みんなが協力し合い(井出はあまり役に立っていない)着々とプロジェクトを進めていく。
しかし、問題はこれだけでは収まらない・・・。
プロジェクトリーダーである俺の苦悩はさらに続くこととなるのだ。
907 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:09:23.03 ID:vCVB7Ck0
「1さん」
中西さんだ。
「はい、どうされましたか?」
「少し、相談があります・・・」
上原さんのワキガか?確かにあれから対策は取ってないが・・・。
しかし、今の状況を見ればそれ所ではないと察してくれるはずだ。中西さんは常識人だからな。
「はい、なんでしょうか」
仕事のことだろうか。確かに派遣社員である中西さんにとっては、激しく辛いかもしれん
「ここでは話しにくいので、応接室で・・・いいです?」
「えぇ」
俺はこれから始まる彼女との会話で、リーダーの大変さを思い知ることになる。
912 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:17:49.10 ID:vCVB7Ck0
>>908
正論すぎて泣いた。ホントにその通りだ
「相談というのは」
中西さんが口を開く。
「藤田さんのことなんです」
藤田さん何かしたっけか・・・。全く思い当たらない。
「何かされました?」
「いえ、そうじゃなくて、気になって仕事に集中できないんです」
し、知らんがな
「そ、そうですか・・・。どうしましょうか、部屋を別々にしますか?」
「それはイヤです! 先週、藤田さんがリーダー説得してたじゃないですか。それが凄くカッコよくて」
業務に関係なくないか?早く切り上げて仕事をするべきだ。
「私どうすればいいか分からないんです。今まで付き合った人とか、こんなの全然無くて」
そうなんですか。でも俺は童貞でいない暦=年齢で、恋愛の経験なんてないから、そんな話をされても
「1さん、藤田さんに彼女いるか聞いてくれませんか?もしかしたら既婚者かもしれないですし」
な、なんだ。なんで俺はこんな事を頼まれているんだ。
919 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:25:47.00 ID:vCVB7Ck0
「えぇ? 私がですか? 中西さんが」
聞けば良いでしょ、なんて空気の読めない発言はできん。
「お願いします! それだけ分かれば、どっちに転んでも私の中でケジメがつくんです」
し、知らん・・・。そんなの知らん・・・。大体、どうやって切り出せば良いんだ。
あの藤田さんだぞ・・・。業務外の事では、ほとんど何も会話したことがないんだ。
「井出さんに頼めば・・・」
「ダメです。井出さん、何か気持ち悪いです・・・。1さんから何か言っておいてくれませんか?」
な、何なんだ。俺はこの女からとんでもない事を頼まれていないか?
リーダーとは言え、まだ新入社員なんだぞ・・・。
「は、はい・・・。井出さんの方は、了解しました・・・が・・・」
藤田さんのことは知らんがな。自分で何とかしてくれ。俺の管轄外だ。
「このままじゃ・・・業務に影響出るかもしれません・・・」
中西さんは、常識人という名のヴェールを被った非常識人だったようです。
924 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:33:24.67 ID:vCVB7Ck0
「・・・わかりました。お伝えするのが遅くなると思いますが、それで良いのであれば」
「あ、はい! それで結構です! お願いします、ありがとうございます!ww」
そう言って部屋を出て行く中西さん。
俺はとんでもないことを引き受けてしまったぞ。
井出さんへの忠告は言葉を選べばどうにでもなるが、藤田さんの件はどうにもならん。
いや、今はとにかく仕事だ。藤田さんの方は大した問題じゃない。後回しにするべきだ。
まずは会社に来たくなくなる要素を潰すことだ。つまり井出さんに忠告する。
中西さんから具体的な被害を聞き、俺は井出さんを呼び出した。
「井出さん、仕事中に呼び出してしまってすいません」
「おう、いいよww で、なにww」
「中西さんがですね」
「おうおうww 中西さんが俺のこと好きだって?ww」
ホントめでたい奴だな
926 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:39:28.44 ID:vCVB7Ck0
wwが自動で2個になるのが、ちょっと不満な機能だなww
一個だけなら、嬉しいっていう感情表現に使えるが、2個つくと違う表現に見えてしまう。
まぁ仕方ない!
「いえ、そうじゃなくて」
お前の会社のポジションで、どう中西さんが惚れるんだ。
「なんだよ、違うか。でなに」
態度変わりすぎだ。
「えっとですね、最近仕事に来るのがイヤだと言ってまして」
「なんだと。1くん、中西さんに変なことしてないだろうな!?」
してねぇ。おまえだ。
「いえ、私はしてませんよ」
「誰だよ」
おまえだよ!
「えっとですね・・・」
直接言うべきか。遠まわしに言うべきか。藤田さんの、人の性格を掴め、というアドバイスを思い出す。
井出は遠まわしに言っても気付かない可能性が高い。直接言うべきだ。
「井出さん、中西さんの匂い嗅いでませんか?」
「へ!?」
932 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:47:35.45 ID:vCVB7Ck0
「か、か、か、嗅いでねぇよ?」
嗅いでるな。
井出さんの席は部屋の出入り口の近くに居るのだが、中西さんが部屋を出入りしたら、鼻をクンカクンカしているようだ。
俺もコイツ変なことやってるな、とは思っていたが、匂い嗅いでるとは思わなかった。
「井出さん、中西さんが嫌がってるので、やめてあげてくれませんか」
ホント何をやってんだ、コイツは・・・。
「いや、だから嗅いでないよ」
「そう言われましても困ります。もしそうであるなら、そういう素振りをやめて欲しいんですが」
「いやいや、知らん、知らん」
人の話を聞けよ。そういう素振りだけでもやめればいいんだ。
「このままでは中西さんが会社に来なくなりますので、よろしくお願いします」
藤田さんなら、中西さんを説得の材料に使うはずだ。
「ドンマイww」
ダメだった。
940 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 11:53:35.45 ID:vCVB7Ck0
>>933
フォローありがとう。でも、マジレスの中にその通りだな、と思えるものがあれば
それを吸収して役立てていきたいんだぜ。
「ドンマイ、と言われましても」
「事実無根、毛根無根なんだよ」
おまえはただの坊主だろうが
「うーん・・・。まぁ、普通にしてくれるだけで良いんで・・・お願いできないですかね・・・」
「しょうがないな。1くんの頼みならしょうがない。気をつけるようにするよ」
納得行く形ではないが、結果オーライだ。
しかしリーダーって人間関係にまで気を使わないといけないのか・・・。精神的に参るな、これは。
そんな心配をよそに、再び問題が浮上する。
納期まであと2週間に迫った時だった。
この頃では、みんな会社を出る時間が日付が変わってからになっていた。
特にスケジュールが厳しい上原さん、その上原さんの仕事を受け持った藤田さんに至っては
会社泊まりこみが週に1~2回はあった。そんな絶体絶命のピンチの時、事件は起きた。
947 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 12:02:53.64 ID:vCVB7Ck0
「やってられるか、ヴォケがッ!!」
リーダーだ。上原さんの修正分を担当していたが、ついにその限界が来たのか。
「おい、1!おまえちょっと来い!!」
またどやされるのか。何なんだ、一体。
「はい」
「おまえ、マジいい加減にしろよ」
「すいません」
「なんでこの俺が上原の仕事を受け持たんといけんのだ。おかげで帰れねーぞ」
「ですが」
「ですがじゃねぇ、お前がやれよ」
ダメだ。この人は完全にキテいる。だが、俺だってもう限界なんだ・・・。睡眠時間が絶対的に足りていない。
それにみんな同じ状況なんだぞ。お前だけが辛いんじゃないんだ。なのに駄々こねやがって。
俺の中で憎悪が渦巻いていく。
「私も正直、辛い状況ですので」
「知るかよ。あと少しだから、残りはお前がやれ」
ダメだ。寝てないせいで、頭が働かない。説得の材料が出てこない。このままでは押し切られる。
「リーダー」
藤田さんだ。頼む、孔明の再来を願う。
957 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 12:22:38.31 ID:vCVB7Ck0
「藤田、お前も1に何か言ってやれ。コイツ、自分がリーダーだと思って、調子乗ってるぞ」
何を言ってるんだ。言いがかりだ。ふざけるなよ。
「1くん」
藤田さんだ。そんなバカな。常識人の最後の牙城、藤田さんまでもが。
「君が悩むことはない。今の正直な気持ちを言ってごらん。リーダーの仕事を、誰かに回すアテはあるの?」
違う、藤田さんは俺の味方だ。藤田さんの言う通りに動くべきだ。
「ありません。みんな手一杯です」
例外をあげるとするならば井出さんだが、彼の能力を考えると、それこそプロジェクトが潰れてしまう。
「お前がやればいいだろうが。休みに出てやれば、どうにでもなんだろうが」
「それでリーダー、この修正分が終わったら、リーダーは何時ごろに帰れる見込みなんですか?」
「20時ぐらいだよ。今は修正分のおかげで、日付変わっても仕事やってるがな」
20時っておまえ・・
「派遣社員で、女性である中西さんでさえ、それをこなしていますがね」
そうだ。リーダーは元々、中西さんを気に入ってたんだ。今はそういう感じではないが、唯一の女性だ。
とんでもない事を頼まれたが、やはり中西さんの存在は大きい。
「うるせぇよ。男女差別すんじゃねぇ。俺はもうやらねーぞ」
「男女差別ではありません。派遣社員の中西さんが不平不満を漏らすならともかく、
正社員で、しかも元リーダーのあなたがそれを言うのはどうですか。おかしくないですか」
藤田さんが俺を見る。一人では手強しと言っている。加勢するべきだ。
「藤田さんの言う通りだと思います。私は新人で」
「うるせぇ!」
「うるさいのはあなただ。リーダーである1の話を聞け」
藤田さんがキレた。
969 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 12:34:44.08 ID:vCVB7Ck0
「あぁ!? 藤田、おまえ自分が何言ったかわかってるのか!」
これを機に、上原さん以外がこっちを向く。戦慄が走る。
上原さんは口ですーはーしながら、仕事を進めていた。
「それは私のセリフだ。あなたみたいな責任感の無い人は始めてだ。
自分がリーダーから降りた途端、手の平を返すなんて、社会人のすることじゃない」
つまり、リーダーは自分がリーダーであるならば、きっちりと義務をこなす人間らしい。
いや、それでも自分に割り振る仕事は最低限にしているが。
「藤田、おまえ自分の立場わかってるんだろうな!?」
この会社の主柱だ。藤田さんが抜けた瞬間、全てが終わる。
「立場など関係ない。人間としてどうなのか、道徳としてどうなのかと言ってる。
リーダー、仮にあなたが1くんの立場ならどうしますか。新人で、初めて体験するリーダーやって
頼りになる人があなたしか居ない状況で、もうやらん、なんて言われたらどうしますか」
最後は違う。頼りにしてるのは藤田さん、あなただ。
「うるせぇな!」
「今日はもう仕事にも話にもならないでしょう。家に帰って、ゆっくり考えてください」
「ヴォケがッ!」
そう言い、席を立つリーダー。ゴミ箱を蹴飛ばし、ドアを乱暴に締めて帰っていった。
979 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 12:44:02.70 ID:vCVB7Ck0
一体どうなるんだ・・・。やはり失敗してしまった。
新人で、経験も知識も無い人間がリーダーなんてやれるわけがないのだ。
ストレス爆発。それを見て愕然とする俺に、藤田さんが声をかけてきた。
「1くんは気にしないでいいよ。リーダー、相当ストレス溜まってただけみたいだから」
「ですが・・・」
「私も溜まってて、自分を抑えることができなかったな。見苦しい所を見せてしまってすまないね」
違う。藤田さんは俺の代わりにキレてくれたのだ。俺は一度、ぽりんきー事件でキレている。
あの事件を見て、キレると理詰めで話をすることができない、社長など他人に頼る、などの特徴を捉えられていたのかもしれない。
「ホントにすいません。リーダー、明日来てくれるでしょうか」
「来ると思うよ。来なかったら、君の指導を断ったって事だから、その時に社長に言ってごらん」
「はい・・・。どうもすいませんでした」
「あぁ、いいよ」
そう言って席に戻る藤田さん。俺も戻る。ふと井出さんと目が合った。
「パプアニューギニア」
・・・俺は無反応で席についた。
988 名前:1 ◆kmd7lCK4/M[] 投稿日:2007/12/01(土) 12:54:48.27 ID:vCVB7Ck0
そして翌日。リーダーはすでに来ていた。
「おはようございます」
席につく俺。俺に全く過失はないが、今後を考えるならば謝っておくべきだろう。
「すいません、リーダー」
「・・・」
無視のようだ。
「昨日はホントにすいませんでした。私のスケジュールミスで、リーダーだけじゃなく、
メンバー全員に苦労をかけてしまってます」
「うるせぇ。仕事中だ。とっとお前も席にもどれ」
藤田さんの言う通りのようだ。ストレスが溜まっていただけだったらしい。
つまり、それを見抜けなかった俺の過失でもあったわけだ。ここは反省すべき点である。
これで何とかなりそうだ。みんな死にそうになりながらも、確実かつ着々とプロジェクトを進めていく。
しかし藤田さんは凄い。キレると我を忘れて、自分のエゴを他人に押し付け勝ちだが
それを制御して、リーダーの考えを改めさせてしまった。
ちなみに、井出のパプアニューギニア発言で、場の空気は和んだ。
あぁいう存在も悪くはないのかもしれん。
よし、キリも良いので飯を食ってくる。
続きは立ててくれた次スレに書くよ。
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