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「で、お前の名前は?」

 あたしは、輝きながら放たれるアンコウの笑みに負けないように、精一杯笑いながら言った。

「あたしは、さい。あたしにも勿論苗字あるよ、だけどやっぱり言わないよ。これでアンコウと同点でしょ?」

 今度は、アンコウがくっくと声を立てて笑った。あたりにアンコウの楽しそうな声が木霊のように響く。

「同点、か。うんそうだな、さい。いい名前だよ。」

 アンコウはポン、と、彼の大きな手をあたしの頭の上に載せた。それは適度に重くて、なぜか安心感があった。




 もう少し歩いたら、いつものように鮮やかな赤い看板が見えた。

「おー、あったあった。俺実はこの町来るの初めてでさ、マック行くーとか言っちゃったけど、もしなかったらどうしようって思ってた。」
「こんな寂れた町だし、ね?」
「さい、正解♪」

 今日、というかついさっき会ったばっかりなのに、アンコウとは自然と打ち解けられた。あたしは元々人見知りの激しいほうだし、こんな状況、周りの人が見たらきっと驚くだろうな、と思った。