「さい、何食いたい?出来れば百円のやつで……。俺見ればわかると思うけど、金持ちじゃねーからさ。」

 確かにアンコウの服装は細身の彼に対しては少し大きめのよれたTシャツと、これまた黒いジャージのような長いズボンで、いかにも安物、といった雰囲気だ。漆黒の髪の毛は様々な方向に飛んでいて、きちんとセットされている感じはしない。有名なスポーツメーカーの靴は底が抜けかかっていた。

「うん分かった。じゃあ、あたしコーヒーでいいよ。」
「わりぃな。えっとコーヒー一つとオレンジジュース一つ。」



最終更新:2007年07月21日 13:28