また同じ季節が巡ってゆく
皆前へ進んで行くのに
あたしだけ未だ次の一歩を踏み出せないでいるよ
夢で会いに来てくれてもいいのに
あなたは一度も来てはくれないね
残された方が会いに行こうと
約束した筈なのに
あなたは未だ守っていないよ
病院で握ったあなたの手は冷たかった
だけど心は温かかったのにね
あの日あの時もし出会っていなければ
あたしはあなたの優しさに触れることもなかったのに
触れてしまったから離れられなくなったよ
失いたくないと思ってしまったんだよ
だからあなたが死んだときどうすればいいのか分からなかった
春の風に乗ってあたしに会いに来て
夏の夕立と共にあたしに降りかかって
秋の木の葉みたいにあたしを包んで
冬の木枯らしに吹かれてあたしを元気付けて
会いたくて
あなたにただ会いたくて
病床につくあたしは
死ぬ日を指折り数えている
■後書き■
あなたは夢でさえ会いに来てはくれない。
最終更新:2007年08月12日 11:40