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道 the road


第1章 中2・冬


 裏切られた気がした。

 あんなに、高校の話で盛り上がっていたのに。

2人で一緒に高校で、笑おうねって、約束したのに。

なのにあんたは、私を置いて違う道を進んじゃうの?

答えてよ、莉奈(りいな)。

[1]

 中2の冬。冬なのに初雪はまだ降っていなくて、世間では暖冬だと騒がれている。寒くもない冬なんて、なんだかおかしい。少し気味が悪いと感じていた冬だった。

 そんなある日の事、美玖はいつも通りB組の千川莉奈と下校していた。中1の1学期から一緒に登下校をしていた。親友、なのかもしれない。だけど、2人の距離感は本当に心地よくて、好きだった。話す事はいくらでもある。そして、莉奈はいつも通りに、今日の出来事を順番に語っていった。美玖はいつも彼女のおしゃべりを黙って聞いている。それが、日常だった。だが、その日は違った。

 その時莉奈が話していたのは、同じクラスのチサキのことだった。チサキは美玖たちが通っている聖歌女子学院の、初等科から通っている、ベッタリ聖歌組だ。なのに、彼女は高校は外へ出ると早々から決めていた。チサキは美玖と同じ、テニス部の部員で、美玖はそれを聞くたびに、悲しくなった。

 その時もまた、チサキと高校の話になったらしい。その中で、莉奈は突然言った。

「あたしも高校出ようと思ってるからさ。」

 告白は突然だった。しかも、そんな大事な事をさらりと言ってのけた。美玖は、今聞いた言葉が信じられなかった。

――莉奈がいなくなっちゃう?

 慌てて美玖はそれを打ち消す。違うよね、今聞いたのはチサキのことだもん。ただ聞き間違えただけだよ……。

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