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 それは中2の期末の事だった。

 莉奈は、英語の成績が芳しくなかったらしい。聖歌学院では、英語と数学は習熟度別クラスに分けられる。今まで、莉奈は帰国子女であるプライドを守るために、一番上のクラスに血の滲むような努力でい続けていたのだが、初めて1個下のクラスに落ちてしまった。そして彼女はこう言った。

「絶対あんたを蹴落としてやるから!」

 美玖は一瞬耳を疑った。――蹴落とす?一緒に上のクラスにいようね、っていう事じゃないの?この私を、莉奈は蹴落とすって、今確かにそう言ったよね……。

 信じられない。しかも彼女は、その言葉を目をギラギラさせながら、美玖に言い放った。言葉では表せない衝撃が美玖に走る。

 クラスが落ちて動揺したのは分かる。美玖だって、そんな状況だったら、誰かに当たりたいのは分かる。それに、1学期に2個目のクラスで、そこから這い上がってきた美玖が、憎らしかったのも分かる。美玖にはちゃんと分かっていた。しかし、莉奈の発言はあまりに傍若無人で、それは美玖に大きなダメージを与えた。

 そして3学期、莉奈は本当に美玖を蹴落とした。美玖が落ちたのではない。莉奈が、美玖を蹴落としたのだ。