○このページは、主にカット間のつなぎに関わる映像処理について用語説明しています。
Fade(フェード)
- 画面暗転。徐々に暗くなってカットが終わったり、逆に暗い画面から徐々にカットが浮かび上がったりしていく画面効果。
- Fade in(フェードイン)、Fade out(フェードアウト)
- シーンのはじめと終わりを区切る上での常套手段です。
White(ホワイト)
- 画面明転。徐々に明るくなってカットが終わったり、逆に明るい画面から徐々にカットが浮かび上がったりしていく画面効果。
- White in(ホワイトイン)、White out(ホワイトアウト)
- アニメの編集処理では一般的でしたが、調べた限りでは実写では使用されない用語のようでした。
- 一般的には、回想シーンにつなぐときなどによく使用されています。
- 露出過多になって画面内が光り輝き何も見えなくなっていく状態を、アニメでは特にGrow out(グローアウト)と呼んだりもしています。
Focus(フォーカス)
- 画面を徐々にぼかしたり、逆にピントを合わせていくことでカット間をつなぐ処理。
- Foucus in(フォーカスイン)、Foucus out(フォーカスアウト)
- Whiteと併用して、回想シーンをつなぐときなどに使用されることがあります。
Overlap または ClossFade(オーバーラップ、クロスフェード)
- 前後のカットのFade inとFade outを重ね合わせてカットをつなぐ処理。
- 一般的には、時間の経過を表現したいときなどに使用されたりします。
Action cut(アクションカット)
- 前後のカットをまたいで一連の演技や動作を写すときに指示する。
- 特にアクションシーンの時、動作の始まりと終わりをひとつのカット内に収めてカットをつないでいると、なんとなく全体のテンポが平坦になって躍動感に欠ける可能性があり、そういう場合に特にアクションカットを意識することがあります。
Frame(フレーム)
- 被写体が画面の外に切れる瞬間や画面内に入ってくる瞬間でカットをつなぐ処理。
- Frame in(フレームイン)、Frame out(フレームアウト)
- 前述のアクションカットに用途が近いため混同するきらいがありますが、アクションカットはフレーミングに関係なく動作をまたぐ時にカット割りを指示します。
- 被写体が瞬発的に場所移動をするときなどにFrame outとFrame inを繰り返す手法がよく使われたりします。→今敏の『千年女優』のクライマックスで、千代子が走り続ける場面で使われていた記憶が…。
Waip(ワイプ)
Insert cut(インサートカット)
- 編集したカットとカットの間のつなぎが不自然になるのを防ぐために、別の画が入ったカットを挿入する処理。
- たとえば、ワンカットで撮影しているロングインタビュー映像などを編集で短く切る場合、切った部分を直接つなげてしまうとジャンプカットになってしまい、編集がバレてしまいます。それを不自然にならないよう一連の流れにみせかけるため、インタビュー映像の合間に別の画―室内なら書斎の机や本棚―を差し込んだりしてつなげたりします。そのような処理を一般にインサートカットと言います。
- 本来の用途は、前後のカットで時間軸のズレがあった場合、それを自然につなげるための緩衝材となることですが、映像演出においてのインサートカットはそれ以上に重要な意味を持っています。
- 特に映画の世界では、インサートカットに差し込む画によって映画全体の印象や世界観が表現されると言っても過言でなく、そこに演出家のセンスや美意識が問われます。
- インサートカットの入れ方で石井が個人的に好きな演出家は、押井守、山下敦弘、ロバート・レッドフォード。
- コンテ上でインサートカットを描く場合、大抵はインサートカットと指示しない場合が多いですが、表現として特に重視する場合は表記します。
最終更新:2007年12月07日 13:21