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304 赤屍×ヘヴン」(2007/04/05 (木) 17:33:07) の最新版変更点

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予想通りの部屋だった。 壁紙一枚張られていない、素材剥き出しのコンクリートの壁。 机と椅子が一脚ずつ置かれてはいるが、使われているようにも思えない。 窓にはカーテンがつけられておらず、室内の様子が向かいのビルから丸見えだ。 ベッドは病院にあるような、パイプで骨格を組んだ簡素なデザイン。 布団をかぶるのが面倒くさいのか、冬だと言うのに敷布団の上には薄いバスタオル一枚のみ。 食器棚には最低限の皿とコーヒーカップがいくつか並ぶだけで、 普段から来客を全く想定していない様子が伺える。 天井には照明が備え付けられているが、多分一人の時は、夜になっても使っていないだろう。 彼は暗闇を苦にするような男ではない。 ヘヴンは、初めて訪れた赤屍の部屋を何と形容して良いかわからず、もどかしく思った。 これで中々掃除はまめにしているようで、清潔感だけはある。 従ってよく言う「監獄のような……」という雰囲気ではない。 さりとて温かみがあるかと言えば勿論無く、しかして機能性を追及しているという風でもない。 恐らく赤屍本人は、寝るための箱、という程度にしか考えてはいまい。 そもそも、彼が睡眠をとるのかどうかも疑わしいものだが……。 「……アンタって、寝た事あるの?」 「今現に寝ているではありませんか、あなたと」 「そう言う事じゃなくって……」 ヘヴンは、ベッドの上に横になった赤屍のペニスを、自らの乳房で挟み込んでいた。 風俗の世界で言うところの、いわゆるパイズリ。蛮あたりが好きそうなプレイだ。 赤屍の体の上に覆い被さるなどという、常人では不可能な筈の体勢を いくらそれなりの理由があるとは言え、まさか自分がさせられる羽目になるとは ヘヴンは思っていなかった。 「わかりませんね……これが『愛』というものなのですか?」 ヘヴンの巨乳に挟まれたペニスは、いつの間にか見事に硬くなっていた。 もっとも赤屍の事だから、性欲だとか生理現象といったものではなく、 それこそ任意で好き勝手に勃起を制御出来るのかもしれない。 まさかね……こいつも一応人間な筈だし、そんなワケ……と考えながら ヘヴンは懸命に彼のペニスを左右の乳で包み込み、上下に動かしていた。 「『愛』の形なんて、人それぞれよ。そりゃセックスも、愛の結実した行為の一種ではあるケド?」 「あなたも、来栖柾と愛を確かめ合うのに、このような戯れをなさってきたのですか?  だとすれば、今私に対してこのような真似をなさるのは、いかがなものでしょう」 モノは立派に大きくなっているのに、赤屍ときたら、その表情は冷静そのものである。 「うるさいわねぇ。今アイツの名前出すんじゃないわよ。  アンタが『愛というものが具体的にどのようなものか教えて下さい』って言ってきたから私は……」 赤屍はしばし考え込んだ。 セックスが愛の証だと言う定説は、多角的に見ると単なる言い訳のようだ。 遺伝子を後世に伝えるための、生物に備わった本能を、無理矢理理性的に解釈しようとしているに過ぎない。 でなければレイプも、或いは今の自分とヘヴンの、興味本位からくる戯れも、愛という事になってしまう。 結局、後学の為にと思って彼女に教えを請うたのは、意味の無い事のようだった。 「もう結構ですよ。お疲れ様でした」 赤屍はそう言うと、ヘヴンの顔面に大量の精液を迸らせた。 「ちょ、待……っ!」 白濁の液体を顔いっぱいに受け止めながら、ヘヴンは目の前の男が、 結局何一つ人の『愛』というものを理解してくれていなさそうな事に、呆れそうになった。

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