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82 変態花月さんとマゾなレン」(2007/05/11 (金) 21:50:07) の最新版変更点

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まがいものの自分には必要ないのに。 どうして欲望してしまうのか。 醜い、嫌らしい、汚れている。 「あぁ…っ!」 螺堂レンは幾度目かになる絶頂を向かえた。 真夜中のレンの自室。暗闇のなかうごめくレンの指は、自身の足の間にへばりついていた。 びくりびくり、陸にあげられた魚のようにレンの体は痙攣する。 はー。はー。 浅い呼吸を繰り返し。 レンは虚空に目を向ける。 焦点の合わない目は、欲望にあえいでいる。 躊躇いののち、レンの指が再び踊る。 「あ、ああっ、ゃあっ…ふ、ふあ…ああんっいやぁっ」 片方の手は自分の胸へ。 固くなりすぎた乳首にかすると、痛いくらい感じた。 「あっ」 いじるだけの単調な愛撫。 「あんっあんっやぁっ」 なのに失禁しそうなほどに感じてしまうのは。 「か…づき、さぁんっ」 固く閉じた瞼。 暗闇の中で、レンは愛しい人の愛撫を夢想していた。 あの人の指が。美しく細い指が。 あの人の舌が。美しく赤い舌が。 「ごめ…なさぁっ…かづきさ、ん…ごめ… いやらしくて、ごめん…んあぁっ!」 美しい人を。 たとえ夢想の中でさえ、汚してしまう自分。 情けなくて申し訳なくて、けれど罪悪感すら欲望を煽るだけ。 「ふあ…も、だめ、また…きちゃう…やああん!」 レンの止むことのないあえぎ声。 誰に届くはずもない声を、聞いてしまっている人間がいた。 りん、と涼やかに鈴が鳴る。 細い細い糸を揺らして、麗人はくすりと笑った。 翌日。 レンは新生ボルツのもとへ薬を届けに来た。 「はい、これ…じっちゃんのつくった新薬。擦り傷によく効くよ」 「ああ、ありがとう、レン」 少年王は微笑みながら代金を支払った。 「それじゃ、帰るよ」 「あ、ちょっと待って。…花月、レン送っていってあげて」 「……!大丈夫だよオレ一人で帰れるっ」 「わかったよMAKUBEX」 「なにかあったら困るしね」 レンの動揺を気にすることなく、男二人は話を進める。 花月はレンの隣に来た。 「行こうか」 「……うん」 照れながらも、嬉しくて顔がにやけてしまうレン。 ばれないように必死で顔を引き締めるが、すぐにほころんでしまう。 「大丈夫?」 さりげなく花月の手がレンの肩に置かれる。 少しだけ力が入り、わずかに引き寄せられる。 「だ、だだだ大丈夫っ!」 いつもの違う大胆な花月の行動に、レンは顔を真っ赤にしながら答えた。 声がうわずっている。 花月はくすりとおかしそうに笑いながらも、レンの肩から手を退かさなかった。 レンは今日の花月になんとなく違和感を感じていた。 「ねえ、家に寄っていいかな?」 家に着いたときの一言で、その違和感は決定的になった。 なにかが起きる予感がする。 それを理解しながら、レンは拒否しなかった。 花月を家にあげて、レンは家の鍵を下ろした。 ガチン、という音が、やけに大きく響いた気がした。 祖父は薬の原材料を求めに街へ出かけている。 明後日になるまで帰ってこない。 そのことを改めて思い出し、そわそわしながら花月を自室に入れた。 「…散らかってるけど」 「そんなことないよ」 花月は穏やかに笑う。 いつもと変わらない笑顔。 急に恥ずかしくなってきた。 もしや、なんて。なんて馬鹿な勘違いを。 「ねえ、レン」 気付くと花月が顔を近付けていた。 「わわっ」 「そんな驚かなくても」 「ご、ごめんなさいっ!」 近距離で見た顔があまりに綺麗で。 レンの動悸は止まらない。 「これ、聞いてみて」 差し出された手には細い細い、糸。 それが花月の武器であることをレンは知っている。 なんだろうと糸を耳に近付けると。 「…わー」 音。 音。 音。 隣家の夫婦喧嘩。 遊ぶ子供の笑い声。 けたたましい騒音が耳に溢れる。 「すごいねー…」 花月の特技にレンはただただ感心した。 花月はただただにこにこと笑う。 「ね、面白いだろう?」 「うん」 「昨日の夜ね、もっと面白いものを聞いたんだ」 心臓が一瞬止まった気がした。 花月はにこにこと笑いながら続ける。 「ちょうど、このあたりで」 「あ…」 「僕を求める甘い声が」 「……いわないで」 「レンの声だったよ?」 優しい優しい微笑みで。 真実を告げる。 体中から血の気が失せて、次にさああっと赤くなった。 いたたまれなくてレンは顔を覆った。 聞かれてしまった。 聞かれてしまった。 「…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 消えそうな声で呟き続ける。 そして花月はにこにこと笑いながら続ける。 「ねえ、僕の前でやってみせて」 レンはのろのろと顔をあげた。 そこにあるのは大好きな人の大好きな笑顔。 笑顔はそのままで、別の人になってしまったようだ。 でも花月であることには違いなくて。 花月である以上、レンは決して逆らえない。 「………はい」 下着を下ろすとき、ぬちゃっと嫌な音がした。 「………!」 花月は何も言わない。 ただその目が、面白がるように笑った。 いたたまれない。 レンは思わず花月から目を反らしうつむいたが、 「駄目だよ」 花月の手がレンの顎を持ち上げた。 「あ…」 「目を閉じても駄目だ。僕を見続けるんだ。いいね?」 す、と花月の手が離れる。 目が次を促していた。 おそるおそる、レンは自分の秘部に触れた。 そこはぐっしょりと濡れている。 「ひっ…!」 「さあ、レン」 「は、い…!」 親指と人差し指と中指で、二、三度擦る。 「ふあ、ふあ、やあっ!」それだけで面白いくらい蜜が溢れ出た。 ちゅぷちゅぷちゅぷ。 指が愛液と擦れ合いいやらしい音がする。 ますます蜜がこぼれて、音が大きくなる。 ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷ。 花月が自分を見ている。 自らを愛撫する姿を。 こんな恥ずかしい浅ましい姿を。 それだけでこんなにも。 「あひっ、ああっ!いやぁっ!ああん!」 「ねえ、レン」 場にそぐわない花月の落ち着いた声。 「足を開いて。よく見えない」 「…だめっ」 レンの制止を無視して、花月はやんわりとレンの足を開いた。 だらしなく、ずるりと蜜が垂れる。 「すごい濡れてるね。いつもこんなに?」 くすりとおかしそうに笑われて。 レンは消え去りたくなるような恥辱を感じた。 「いつもどんなことを考えてしてるの?」 花月の目がレンを射ぬく。 それだけは言うまい言ってはならないと理性が止める一方で、秘部をいじる指の動きがますます激しくなる。 「あ…かづき、さんの」 「僕の?」 「かづき、さんの、…ふぁっ、指が。 オレの、…ここを…」 「僕の指がレンのここを?」 「…さわっ…ああ、さわ、てんの、かんがえ…ひぅっ!」 言ってしまった。 レンの目から涙が一筋溢れる。 それを花月は面白そうに眺めている。 「さっき僕がレンの肩を抱いた時も顔を赤くしてたよね。 そんなことを考えていたの?」 「ちが…」 「僕と会う度、僕の手が君に触れる度、君は自慰の材料にしていたの?」 「あ…ちが………ごめんなさぁ…」 「レンはとてもいやらしい子だったんだね」 呆れたような、嘲るような。 どこまでも楽しげな声。 「…ごめんなさ、ごめんなさい、ごめ…」 花月は泣き出したレンの頭を撫でて、全てを許すような、これまでで一番優しい笑みを浮かべた。 「そんないやらしい手は縛ってしまおう」 しゅるりと花月の絃がレンの手に巻き付いた。 手首と拳。 突然の刺激の断絶。 「……あ?」 何が起こったのか理解できない。 レンは必死で拳を開こうとする。 けれど風鳥院の絃が易々と解けるはずもない。 動けば動くほどきつく食い込み、レンの手首に赤い痕を残す。 体の熱が解放されず苦しい。気が狂いそう。 「…あー、あー、あー」 もはやレンは意味のある言語を喋ることも出来ない。縛られた両方の拳を力なく振り回し、 目からも口からもだらだらと液をこぼしながら、懇願するように花月を見る。 花月はふいっと目を反らし、レンの足の間に顔を埋めた。 視覚の無いはずの足の間で、花月の視線をレンは強く感じた。 「…すごい、見てるだけでどんどん溢れてくる」 感嘆したような花月の声。 花月は舌を伸ばし舌先でそっと蜜をすくいとった。 「ーーーーーーっ!」 がくん、とレンの体がのけぞった。 ぶるり、と震えたあとは、声も出さず反応もない。 けれど花月はレンの異変にはさして気にも留めず。 「まだイクには早いよ、レン」 舌を動かし続けた。 「あっ、あっ、あっ…ーーー!」 ずるり、と音を立てながら液をすする。 口をつけるそばから溢れて、とても飲み干せそうにない。 「も、も、だめっ、ひいっ!あっー!おねが、ゆるし…あああっ」 「駄目」 何度いかされたか覚えていない。 途中から喉が枯れて声も出せなくなって、レンはおもちゃのようにがくがくと体を動かすだけになった。 ごめんなさい。 ごめんなさい。 もうゆるしてください。 呟きは届かなくて。 「…レン、大丈夫?」 「ふぁ……」 解放され、半ば気絶しかけていたレンは、ゆっくり目を開けた。 ぼんやりとした視界に広がる愛しい人の顔。 心配そうに自分を見ている。 まるで先程までの責めが夢だったかのようだと、レンは錯覚した。 「…だい、じょぶ、…です」 「よかった。今度は僕の番だね」 花月はズボンを下ろした。 そそりたったものが現れる。 「……………」 レンは無言で、それを口にくわえる。 夢であるはずがなかった。 夢でなくて良かった。 レンの思考回路はいつの間にかショートしていた。 それが元からの欲望だったのか、花月に責められているうちに生まれた欲望なのか、 わからないまま、レンは花月のモノを舐めながら涙を流している。 喜びの涙を。 愛しい人のモノを、口いっぱいに頬張ってる。 自分の行為に反応して、固く大きくしてくれる。 自分の醜い、嫌らしい、汚れている欲望を、この美しい人が受け止めてくれる。 まがいものの自分を必要としてくれる。 幸せだった。 レンは口を離すと、あまり大きくない乳房で挟み込んだ。 谷間も無いので、両方の手で胸をぎゅっと押し付ける。 固い乳首で擦るように、体を上下させる。 その瞬間未知の快楽がレンを襲った。 「あ、ああっ……!」 胸が小さいため、体全体で花月のモノを包みこむような形になる。 全身で花月のモノを抱き締めているような感覚に夢中になる。 自分の汗と、花月の先走りの汁で体は濡れて、動く度にぬちゃりぬちゃりと音がする。 「レン、…」 かすれた声で花月がレンを呼んだ。 すぐにレンは動きを止めて、花月の言葉を待つ。 「…また自分ばかり気持ち良くなってるね」 呆れたように、怒ったように。 「…ご、ごめんなさい…っ」 目を伏せたレンのほほに、花月の手が触れる。 どこか躊躇いがちな仕草に、かえってレンは戸惑った。 「花月さん……?」 「…………」 手が、腕が、レンの背中に回り。 花月はレンを強く抱き締める。 同時に男根が侵入する。 指や舌とは比べ物にならない大きさに、体が悲鳴を上げる。 「ぐっ……」 「苦しい?」 尋ねる声は優しかった。 いつもの花月さんの声だ、とレンは思った。 優しくて心配性なあの人の声だ。 花月はなだめるようにレンの背中を撫でる。 肩胛骨を辿るように手が触れる。 それだけで苦しいくらい気持ち良すぎて。 「平気、だから…!」 「だから?」 「おねが、…もっと突いてぇ!!」 花月は驚いて目を丸くし、くすりと笑った。 「ああ」 レンの望み通り、腰を押し付けて深く深く突く。 「気持ちいい?」 「うんっうんっ…もっとぉ」 甘えるようにレンは花月に腕を巻き付けた。 腰を揺らして自ら求める。 「あっ……」 ある箇所を当たって、格段に違う反応を見せる。 「ここだね?」 ぐりり、と深く深く突く。 「だめぇっ!あ、ああ、そこはぁ…」 「ほら、もっとあえいで。求めて」 ぐちょり。 腰を離して、より深くを撃つ。 「ひああ」 「レン…」 「ふあ、ふあっ…そこ、も、もっとぉ…きもち、いいっ…! あんっあんっあぁっ!!」 それから一週間後の夜。 花月はベッドに腰掛け、足をなげだし。 レンは膝まづいて、花月の足の指を一本一本丁寧に舐めていた。 桜貝のような爪に舌を這わし。 指の間も貪欲に舐める。 「…上手くなったね、レン」 かすれた声と頭を撫でる手が最高のご褒美。 レンは照れ臭そうに笑った。 二人の関係は続いていた。 レンは花月に突然態度を変えた理由を聞くこともなく、一心不乱に花月を求めた。 歪な関係が丁度いい。 もっとオレを求めて。 辱めて。 どうか、オレがここに居るって、現実に存在してるって、思わせて。 今だけは錯覚させてください。

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