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「――う、んっ……」

小さなうめき声とともに、『レディポイズン』工藤卑弥呼はその意識を覚醒させた。
ぼんやりと未だ霧のかかったような意識の中その瞳を周囲へと移す。
7畳ほどの広さだろうか、無機質なコンクリートのうちつけの壁が周りを囲み、
2,3個の裸電球が部屋を薄暗く照らすその部屋の中央に卑弥呼はいた。
窓もなく、少し肌に湿気を多く感じるあたり、どこかの地下なのだろう。
そして褐色の肌の細い腕に感じる冷たい金属質の感触――
天井につけられた滑車から伸びる鈍く銀色に光り輝く鎖が自らの腕に絡みついているのを感じた時、
卑弥呼はようやく自分が捕われたことを理解した。


(…足の方は自由は利くみたいね。ま、殺されたなかっただけマシってとこかしら。鎖は…緩くはないみたいね。)

冷静に今の自分の状況を見極めながら、脱出口となりえそうな場所が左隅にある鉄製の扉であることを確認する。
鎖の拘束具合を確認するために一度体を揺らせば、
邪眼の男に貧乳と呼ばれる(もっとも、【ヘヴンと比べたら】なのだろうが)柔らかな乳房が服の中で窮屈そうに揺れる。

「さて…と。さっさと抜け出しておかないと、明日の仕事の方に支障が出るし… どうするか、だけど……」

今回の依頼の品の方は無事に届いただろう。自分はフェイクの品を持ち敵をひきつけておいた。
何より、ミスター・ノーブレーキとDr.ジャッカルのコンビに勝てる人間などそうそういるものではない。
これくらいの状況ならば、何度か体験している。
思ったよりも落ち着いている自分自身を感じながら、卑弥呼は今の状況から逃れる手段に考えを巡らせていた。



そして――
卑弥呼が逃げる算段を巡らせ始めるその時と同じくして、重々しい金属音と共に鉄製の扉が開かれた――――

現れたのは意外な人物だった。
「天野…」
卑弥呼ににっこり微笑んだのは、奪還屋の一人天野銀次だった。
あんたどうしてここに、と卑弥呼が問うのを無視して、銀次は卑弥呼のそばにいき身を屈めた。
鎖の強度を確かめるように2、3度ひっぱる。
とりあえず助かりそうだ、と安堵した卑弥呼だったが。
「さすがは無限城製の鎖だ、びくともしないね」
「え…?」
銀次の言葉に卑弥呼は取っ掛かりを感じた。
「卑弥呼ちゃんのことだから俺が来る前に脱出しちゃうかも、って焦っちゃった」
よかった間に合って。
決定的な言葉を聞いてもなお、卑弥呼は信じられなかった。
だって、彼にはこんなことをする理由も度胸も、ない。
はずなのに。銀次は笑顔であっさり言った。
「おれだよ?卑弥呼ちゃん縛ったの」
銀次は卑弥呼の頬に手を伸ばした。逃げようにも鎖に繋がれ動けない。
恐怖が沸くのを必死に押さえ、卑弥呼は気丈に銀次をにらんだ。
「近付かないで。あんたがどうしてこんなことするのよ?」
「卑弥呼ちゃんってほんと俺のこと嫌いだねえ」
断定口調。悲しげではなく、むしろ楽しそうに。
意図がつかめず、戸惑いながら答える卑弥呼。
「…そりゃこんなことされて好きになる奴いるわけないでしょ」
「そうじゃなくて。最初っから俺のこと嫌いだったよね。俺が蛮ちゃんの隣に居るから」
隠していた想いをいい当てられて、卑弥呼の頬が赤く染まる。
「ほんと卑弥呼ちゃんってわかりやすい」
「るっさい!」
「だから俺卑弥呼ちゃんのこと大好きなんだ」
銀次の顔がゆっくり近付く。顎を強い力で捕まれ、卑弥呼は目をそらすこともできない。
「ね、銀次って呼んでよ」
「……や」
「呼べよ」

卑弥呼の体がびくりと跳ねた。

銀次の表情は、笑顔のまま。それがより、恐怖をそそる。

卑弥呼は必死に口を閉じた。これでもかと言うくらい固くきつく。

名を呼んでしまえば済むことかもしれない。ただそれだけで逃れられるかもしれないのに、負けん気の強さのせいか、はたまた想いの強さのせいか…まだ彼女には銀次にへりくだるという行為は出来なかった。

「…ほんとに卑弥呼ちゃんは可愛いね」

そうやって、彼を拒む行為にすら、銀次は笑う。それは彼の愛情の深さを表しているのだろうが、卑弥呼はただ背中がぞっとした。

別に嫌いじゃなかった。蛮の隣にいたのには腹が立ったけど、優しくて、明るくて…

「血、出てるよ」

その彼は、ゆっくり彼女に顔を近付けると、固く結ばれた唇に舌を這わせた。

「!っな」

思わず言及しようとして、口を開いてしまった。その隙をついて、銀次の舌が腔内へと侵入してくる。

「~~~っ!」

声にならない声。目を見開いた卑弥呼には、瞳を閉じキスに没頭する銀次が見えた。

逃げようと身をよじるも、銀次の手がしっかりと肩を掴んでいる。
舌を噛みきってやろうとすると、彼の舌は逃げ歯列をなぞったり唇の裏側をくすぐったり、それでまた彼女の口が開くと舌を侵入させる、いたちごっこが繰り返される。

そうこうするうちに銀次が唇を離した。

満足に呼吸が出来るようになって、ようやく卑弥呼は一息つけた。
「ふあっ……」と、心持ち大きめな声をあげながら、二酸化炭素を吐き出す。
痛む唇に危機感が煽られ、目の前の男を涙目で捉える。
本人が正気だと思っている狂気程、敵に回して恐ろしいものはない。
目の前に立つ銀次は、ある意味で雷帝よりも恐ろしく見えた。

「この鎖、裏新宿の街角で拾ってきた奴だけど、結構頑丈でしょ?
 俺、正式な捕縛の仕方とか拘束の技術なんて知らないからさぁ、
 とりあえず適当に絡ませてみたんだけど……」
卑弥呼の腕をグルグル巻きにした鎖は、確かに素人丸出しな絡み方をしていた。
だが、それ故に明確な解き方が存在しない。
卑弥呼も、ある程度の縄抜けなら出来るが、これはかなり厄介だ。
「アンタっ! これ解きなさいよ!」
「いやぁ~……俺にもちょっと無理、かも」
案の定だ。
銀次自身、無茶苦茶に絡ませ過ぎて解き方がわかっていない。
大きめの工業用ペンチでも使わなければ、これを外す事は出来ないだろう。
あるいは、ガチャガチャと腕を動かしている間に、運良く外れてくれる事を祈るしかない。

試しに腕を左右に振ってみるが、いまいち外れそうな気配は、やはり無い。
「無駄だってば、卑弥呼ちゃん。蛮ちゃんにでも頼まない限り、それ素手じゃ外れないよ」
銀次は卑弥呼の左腕を縛る鎖に手を添えた。
そして、一気に放電する。
「ちょ、何を……ぎぁっ!」
帯電した鎖は卑弥呼の腕を伝って、左胸に到達した。
軽い電気ショック程度だったが、心臓を刺激されて激痛を感じないものはいない。
たった0.何秒かの放電で、卑弥呼は失神直前にまで意識が落ちかけた。
「大人しくしててよぉ、卑弥呼ちゃん。俺が面倒くさいじゃんか」

なんなのだろう、この目の前の男の狂気は。
いつもと同じような笑みを浮かべてはいるが、そこには恐怖しか感じ取ることができない。

「………?」

ここで卑弥呼はとある事に気づいた。笑みを浮かべ狂気を振りまく、天野銀次のこめかみにある
「黒い刺繍」に。どことなくいつもの天野銀次に比べて瞳に生気がないのは、何かそれが関係あるのだろうか。

「天野、あんたそれ……」

「起きたようだね。どうだったかな?前座としては中々に趣深いものだったろう?レディポイズン。」

「っ!!」

卑弥呼の疑問の声は、卑弥呼の背後――最も、卑弥呼がその気配を感じ取ることは今の今まで出来なかったが――
より発せられた声により遮られた。
「和」と呼ぶにふさわしいような、羽織と袴に身を包むその男がゆっくりとした足取りで卑弥呼の眼前へと回りこむ。細身に端整な顔立ち。

「誰よ、あんた………」

自分の声が震えていなかったかどうか、卑弥呼は自身が持てなかった。病弱そうにも見えるその細身から発せられる気は、
一流の運び屋でもある卑弥呼の脳内に、激しく警鐘を鳴らす。蛮よりも、鏡よりも…計り知れないほどの強さを秘めている。
口には決してだせないが、自分ではこの男に勝つのは難しいだろうと卑弥呼は瞬時に判断した。
一度姿勢を正すために、鎖を鳴らしその身体を艶かしく揺らし夜半の方を睨みつける。

「自己紹介が遅れたようだね。僕は黒鳥院夜半。はじめまして、レディポイズン・工藤卑弥呼。こんな歓迎をしたことをまずは詫びよう。
 だが、面白い趣向だったろう?雷帝と呼ばれ恐れられる天野銀次が狂気を君に向ける様は。」

いつの間にか口を真一文字に紡ぎ、光のない瞳で夜半の後ろにひざまづく天野銀次を見て、何らかの方法で操られているのだろうと気づく。
(…まったく、甘ちゃんはこれだから…)などと心で馬鹿にしながらも、目の前に佇む夜半の方からは眼を離さずにいた。

「…ハジメマシテ。随分な歓迎をしてくれたようだけど、一体何のつもりかしら?言っておくけどあたしを捕らえたって、この仕事には支障は――
「君の事は」

卑弥呼が言い終わらぬうちに、夜半はゆっくりとその唇を開いた。

「以前から無限城の方にも噂は届いていたよ。そして、そこの雷帝からも多大な情報はいただいた。貴方を捕らえたのは仕事ではない、
 単に僕が君に興味を持ったからだよ。一流の運び屋として可憐に裏で活躍する、レディポイズンの「誇り」を見たくてね…」

「誇り…?」

「レディポイズンが「レディポイズン」であり続けるか――それとも、僕の玩具となるかを。」

「どういう意味かしら…?」

夜半の放つ雰囲気から、多少なりともこれから行うであろう行為は理解できた。それでも、この目の前の底知れない雰囲気を放つ男
が一体何をたくらんでいるのか、確かめる必要があると感じた卑弥呼は改めて聞き返す。
夜半の冷たい瞳はまっすぐに卑弥呼を見つめ――その瞳を臀部や乳房、そして何より、勝てないであろうことは理解しているだろうに、
殺気を込めた瞳でまっすぐに睨みつけるその表情に口元を綻ばせた。

「レディポイズン。君には――」


「レディポイズン。君には「牝」としての試験を受けてもらう。」

「っ! ―――どういう意味よっ!」

「分かりやすく説明しようか。その方が君もこれからの事が分かって楽だろう。 
 僕は今からレディポイズン、君を犯す。あらゆる技巧を駆使してね。
裏の風鳥院には女性を篭絡するような技もいくつかある。 そして、君が全てを忘れ、
快楽だけを求め貪る獣…「牝」となれば、合格…僕の性奴隷、玩具として側においてあげよう…そういうことだよ。」

自分の言葉に鋭い反応を示す卑弥呼が面白い、とでもいう風に夜半は笑みを浮かべる。
そして何より、一流の運び屋のプライドが勝るか、牝としての本能が勝るか… この強気に振舞う女が、果たして「牝」となるのかを
自分が運命を握っているということが夜半にとってはこの上ない楽しみだった。
その卑弥呼はと言えば、あまりにも露骨な表現と…笑いながら狂気の沙汰を話す夜半に、言葉が出ずにいた。
ただ、多少その頬が赤らんでいるところを見れば…これから何が行われるのかは理解できたのだろう。


「…冗談じゃないわ。あたしは『レディポイズン』工藤卑弥呼よ?あんたの思ってるようなことになるとでも思うんなら、とんだ笑い草ね。」

「それでいい。工藤卑弥呼、君は君の全存在とプライドを賭け自分を守り抜く…そして僕は、それを少しずつ打ちこわし、
 新たな君の可能性…「牝」、「性奴隷」としての工藤卑弥呼を作り上げていこうじゃないか。」


言葉を紡ぎながらも、夜半はスリットはその綺麗な脚を見せ付けるかのように深く入れられ、胸元に煌びやかな刺繍の入ったチャイナドレス 
(永遠の絆を奪りかえせ、蟲編で着ていた衣装)を身にまとう卑弥呼を値踏みしていた。
無駄な贅肉など一つも見あたらない細く引き締まった腰、そこから丸やかなラインを描き出す尻肉、そして少し背を反らすようにして拘束されている
ために強調される乳房のライン―― どれをとっても楽しめそうだと、夜半は口元を再び狂気に歪めた。

先ほどの天野銀次の放った電撃に合わせ、卑弥呼の淫らな素質を秘めた身体を包むチャイナドレスに
夜半の放った黒い弦が縫いこまれたことを卑弥呼は感じ取れてはいないだろう。
雷帝と同じようにこめかみに呪刺繍を打ち込めば、何の苦労も無く目の前の女は自分にひざまづく。
だが、それではなんの面白みもない。
プライドを快楽で打ち崩し、ただひたすら快楽を与えることで「牝」へと堕落させる…
誇り高いレディポイズンでそれを楽しめるのだ、と夜半は自身の下半身がすでに熱くたぎっていることを感じていた。


「あんたが何を言おうと、何をしようとあたしは「あたし」よ。あんたなんかのチンケな遊びに付き合ってる暇はないし、付き合うつもりもないわ。
天野みたいに簡単に自分のものに出来ると思ったら、大間違いよ…」

「その強気を保っていてくれると嬉しいな…それでこそ、「牝」としての飼育のしがいがある。さぁ、レディポイズン・工藤卑弥呼。
 『性奴隷』としての試験を、はじめようか…」

「っ――――!」



―――――――――――――――――――――――――――――

それは一瞬の出来事だった。

チャイナドレスの襟から腰までが、急に破れたのだ。

柔らかな膨らみが二つ、服が破れた反動で揺れる。

「い、いい加減にして!」

頬を少し赤らめつつ、卑弥呼は強気に怒鳴る。これくらいの辱めは数回受けているから、慣れはしないが強気ではいられる。

そんな彼女に夜半は表情を変えず、無言。代わりとばかりに答えたのは、銀次だった。

「…卑弥呼ちゃん」

ゆっくりと近づく正気を失った男。

「何………!!」

目の前まで来た銀次は、彼女の胸を無遠慮に揉み始めた。

「蛮ちゃんって、嘘つきだね。卑弥呼ちゃん全然貧乳なんかじゃないのに」
「や、だめ、やめなさい、天…」

行為を止める声は続かなかった。

銀次が、揉みしだいていた手を止め、代わりに固くなってきた乳首を吸いあげたからだ。

「ひあっ!」

ちゅうちゅう、と無心に乳首を吸う銀次。
その瞳に生気は薄い。まるであやつられているような。

卑弥呼はその快感に染まりそうになりながら、夜半を潤む瞳で捕えた。

「あんた、こいつ、に、何を…」
「ただ彼の理性を取り除いただけだよ。彼が今していることは、彼が心の奥底でやりたいと望んでいたことだ」

銀次が急に軽く歯を立てた。

「ぅあっ!」

彼はゆっくりと片方の胸を揉みながら、もう片方の乳首を吸い続ける。

これが、あの天野銀次が心の奥底で望んでいたこと…?

声を押さえようと必死になりながら、卑弥呼はぼんやりとそう考えた。


―――

「どうしたのかな、まさかこの程度で君は牝へと成り下がるつもりかい?」

「…冗談じゃないわよっ、これ、くらいっ…」

銀次の愛撫に敏感に反応する卑弥呼に夜半は口元を歪めながら挑発の言葉を並べた。

「そうでなければおもしろくない。だからこそ君を僕の玩具に選んだのだからね」

それだけ呟くと、美しい乳房を露出した卑弥呼の背後に夜半は回りこむ。
そして一度銀次の方へ弦を向ければ、銀次はその場に崩れ去るようにして倒れ、
やがて、この陵辱劇には大きな違和感を感じさせるような安らかな寝息をたてていた。

「君を牝へと変貌させるのは何よりの楽しみ。操っているとはいえ他人に譲るのも…ね」

背後に回りこんだまま、夜半はゆっくりと卑弥呼の露出した引き締まった腰に手をあてがう。

「この細くくびれた腰、しなやかな筋肉、そして水水しい肌… これが艶かしく振られると思うと、ゾクゾクする」

「な…ふ、ぁっ……」

言葉と共に夜半の手はゆっくりと卑弥呼の腰のあたりをさすりはじめた。まるで愛おしい玩具に触れるかのように。
まさか夜半は自分の身体全てをこうして言葉で飾っていくのだろうかと、卑弥呼はゾクリと背筋が寒くなるのを感じた。
と同時に、身体の奥の奥底が熱くなっていたのを、卑弥呼本人は感じとれていた…だろうか。


夜半の手がゆっくりと腰を伝い、胸にまできた。

「右の胸は雷帝の唾液がまだ残っている。随分感じていたようだね、乳首がこんなに…」

銀次の唾液のついた乳首を夜半がぐりぐりといじくる。
かすかにくちゅくちゅという音が鳴り、卑弥呼の羞恥心をさらにあおった。

「っ…」
「綺麗な薄紅色だ。性奴隷になった時には、何色になっているかな?」

夜半が銀次の唾液のついていない方の乳首を強く吸いあげた。

「ひぅっ!」

卑弥呼の身体が軽くのけぞる。

ぢゅる、ぢゅる、といやらしい音が響く。

「う、あぅ、あ…」

卑弥呼の足から力が抜けていく。
ガクガクという音が聞こえるくらいに震える足を見て、夜半は手を軽く動かした。

足に巻き付いていた絃が、彼女の纏っていたもの全てを破いた。

「いやぁ!」

さらけだされた足を卑弥呼は擦りあわせる。
そこはかすかに濡れていた。

夜半が卑弥呼の前に回る。
そして両足を持ち上げて開かせた。

「や、やめなさいよ、変態!」

まだ強気な姿勢を崩さない卑弥呼に夜半はまた、飾りたてたように言う。

「こちらも乳首と同じ色だ。美しい薄紅色。もっと潤わせれば、さらに美しくなるだろう」

夜半は卑弥呼の足を開いたまま絃で固定した。
彼女の身体は地を離れ、鎖と絃とで支えられる形になった。

―――――





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