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ホンキートンクは、常連が訪れこそすれ、混む事などは稀だった。
近くに大学やオフィス街があるわけでもなく、マンションや住宅街も遠い。
混む時があるとすればそれは、たまたま常連客達が、
揃いも揃ってほぼ同じ時間に入店した場合ぐらいのものだろう。
工藤卑弥呼がその店を訪れたのは、丁度そんな時だった。
「いらっしゃ……おぉ卑弥呼ちゃんか、久しぶりだねぇ」
波児は、一ヶ月ぶりくらいに見かけたその馴染みの顔に、挨拶を交わした。
「マスター、エスメラルダを一杯。砂糖二個でね」
簡潔に注文だけ済ませると卑弥呼は、カウンター席に座る実の兄……
美堂蛮の横に着席した。
「久しぶりね。髪型、イメチェンでもしたの? それとも、お風呂上りかしら?」
そう問いかけたのは、彼の髪がウニ型ではなく、真っ直ぐに下ろされていたからだ。
「風呂なんかに入れる程、金を持ってるように見えるかぁ?
 公園の池で洗ってきただけだよ。乾けばその内またツンツンしてくらぁ」
「勿体無いわね。あの髪型、私正直嫌いなんだけど」
あんな髪型が好きな人間は、確かにそうはいない。
勘違い全開の田舎ヤンキーか、マクロスの主人公か、雪代縁ぐらいのものだ。
実際作者も、蛮は髪下ろして白カッター着てる時のが一番好きなので、
好みで勝手にそのイメージで脳内固定させてもらうつもりだ。
そんな書き手の都合を流して、卑弥呼は店内を見渡してみた。
蛮の隣に天野銀次がいるのはいつもの事だが、その更に隣には冬木士度。
そのまた隣に音羽マドカと、風鳥院花月。
テーブル席には仲介屋のヘヴンと、デートでもしているのか、来栖柾。
別のテーブルには、珍しく無限城の外に出てきたヒキコモリのMAKUBEXと、保護者の朔羅。
「……今日は何かの記念日だったかしら?」
「いんや。ただ単に、偶然今日このタイミングで皆この店に来ただけだ」
この超ご都合主義的展開を、偶然の一言で片付けるとは良い度胸だ。
明らかに、何か起こるに決まっている顔ぶれだ。
赤屍やマリーアがいないだけ、まだマシに見えるくらいだ。

蛮はブルマンを飲み干すと、追加注文をした。
つられて、銀次も注文する。
「おい波児、ブルマンもう一杯。ツケでな」
「ダッチワイフお願ーい! ツケで!」
もう今更定番のツッコミをする気は、波児にも蛮にも無い。
一つ溜息をこぼすと、波児は常からの疑問を今日も習性のごとく投げかけた。
「……お前等は一体いつんなったらツケ払ってくれんのよ?」
最近は、一日に二回か三回はこの台詞を言わねば、一日が過ぎた気がしない程だ。
願わくば、こんな形で人生を実感などしたくはないのだが。
「仕方無ぇだろが。仕事が入ってこねぇんだからよぉ。
 おいヘヴン、新しい依頼は無ぇのかよ?」
問われて、ヘヴンは気まずそうな表情を見せた。
来栖と蛮の顔を交互に見比べ、冷や汗をかきつつ釈明をする。
「ごめんねぇ蛮君、銀ちゃん。最近、依頼は殆ど柾に回してるのよ」
「んだとぉ!? こら無精髭ぇ! テメェまで猿回しに続いて奪還屋を……」
怒鳴る蛮を、すました顔で受け流す来栖。
「奪還屋じゃない、運び屋だ。
 元々俺は、ヘヴンと出会う前から運び屋をやってたんだよ。
 奪還屋などという融通のきかない仕事は、俺はしない」
「あぁ!?」
「運び屋ならば、目的地まで無事に身柄を送り届けてくれと頼まれれば、護り屋にもなれる。
 奪われた物品を持ち主の元へ運べと言われれば奪還屋にもなれるし、
 ターゲットを地獄へ送り届けろと言われれば、殺し屋にもなれる。
 ま、さすがに殺しは請け負わないがな」
その主張は、冷静で隙が無かった。
確かに、言われてみればこんなに融通のきく稼業はそうそう無い。
だが、蛮はそれが気に食わなかった。
「ガイドブックじゃどんな設定が付加されるかもわからねぇのに、
 勝手に設定作って公式化しようとしてんじゃねぇ!」
神視点でそう話す蛮の言葉は、卑弥呼には理解出来なかった。
「……アンタ何の話してんのよ。って言うか、その髭の言う事は正論よ。
 職種が限定されないからいろんな依頼を受けられるのは、私が運び屋をやってる理由の一つよ。
 赤屍が運び屋をやってたのも、殺人の機会が多いからだし」
そんな事を言われても、『奪り還す』事にポリシーを持つ蛮には、
今更運び屋に鞍替えするなどという優柔不断な思考は出来なかった。
かつて奪い屋をやっていた頃の事など、どうでも良い。
「おい猿回し。ヘヴンが依頼全部無精髭に回してんだったら、
 テメェだって今稼げてねぇんじゃねぇのか? まさかヒモか?」
蛮は、恋人がいる分士度の方が勝ち組であるにも関わらず、
何故か根拠も無く上からの目線で彼を挑発した。
が、生憎そんな小賢しい真似は、士度には通用しなかった。
「お生憎様、マドカの世話にはなってるが、ヒモじゃねぇよ」
「はぁ? どう言うこった」
その説明は、ヘヴンが引き受けた。
「知らなかったの、蛮君?
 マドカちゃんの知り合いには、セレブがいっぱいいるからねぇ。
 高額の依頼が、結構回してもらえるみたいよ?」
「マジで!? ねぇ士度、マドカちゃん!
 俺等にも少しくらい仕事まわしてよ!」
蛮に代わって士度に頼み込んだのは、銀次だった。
しかし、そんな懇願は無駄に終わった。
困ったように笑うマドカの代わりに、士度が説明する。
「悪ぃな銀次。依頼人は、俺の腕と、何よりマドカの人柄を信用して仕事をくれるんだ。
 いくら俺がお前等の腕を信用してようと、他人に仕事を預けるつもりは無ぇよ。」
それもまた、まさしく正論だった。
蛮としては、こういう答えが返ってくるであろう事が予測出来ていたからこそ、
銀次と違い、仕事の斡旋を頼んだりしなかったのだ。

蛮は次に、テーブル席に座るMAKUBEXに声をかけた。
「おいヒッキー、お前等どうやって無限城で生計立ててんのよ?
 ヒキコモリのニートじゃ、保護者に食わしてもらうしかねぇんじゃねぇのか?
 案外そこのお姉様が、体で稼いで……」
言いかけた蛮の体を、無数の絃が突然絡め取る。
いきなり天井に釣り上げられ、蛮はすまし顔で紅茶をすする花月を見下ろした。
「テメェ糸巻き! 何しやがる!」
「今日ここには、十兵衛も笑師もいないからね。
 朔羅が侮辱されたとあれば、それを諌めるのは僕の役割かと」
情けなく吊るされた兄の姿を、卑弥呼は白い目で見上げるしか出来なかった。
頭痛でもするのか、MAKUBEXは軽く眉間に手を当てた。
「あのねぇ……そもそも年齢から言えば中学生の僕が、ニートに該当するわけ無いだろう。
 それに、自力でちゃんとお金は稼いでるよ。プログラムを作って、法人向けに販売してるんだ。
 とは言っても未成年の契約には法定代理人が必要だから、朔羅に手伝ってもらってるけど」
そうなると今度は、花月の収入源が気になる。
確か案内屋を営んでいた筈だが、そんな仕事が果たして儲かるのだろうか?
そう尋ねてみると、花月はあっさりと答えた。
「そうですね。今はロウアータウンの観光案内のような事をしてますよ。
 無限城は以前と違って、比較的安全になりましたから。
 危険でないわけではありませんが、強盗や強姦に遭遇する確率は、
 今では裏新宿とそう変わらないですしね、MAKUBEXの統治のお陰で」
聞くところによると、無限城ツアーは結構な予約をとれるものらしい。
兼ねてよりあの城を、遊山気分で探索してみたいと思う愚か者は少なくなかった。
それが今では実現可能な程、無限城の治安は良くなった。
仮にツアー中に怪我人が出ても、筧十兵衛の針治療と、薬屋レン達に頼めば大抵事無きを得るらしい。

こうして見ると、仕事が軌道に乗ってる男は皆、恋人のいる者ばかりだ。
来栖にとってのヘヴン、士度にとってのマドカは言うに及ばず、
MAKUBEXにとっての朔羅や、花月にとっての十兵衛を恋人と見なさない者は、このスレには居まい。
となれば、銀次は蛮にとっての恋人の筈だが、801ネタを書く気は無いので今回はスルーして欲しい。
第一ここは801禁止スレだ。
「悔しかったら、アンタも彼女くらい作りなさいな。
 勝利の女神が、運を運んできてくれるかもよ?」
この場でただ一人、恋人もいないくせに仕事の順調な卑弥呼が、蛮を茶化した。
だが、その言葉に反応したのは夏実だった。
「……あれぇ?
 卑弥呼ちゃんって、蛮さんのカノジョじゃなかったんですか?」
一瞬、場が静まりかえる。
この場に集まった者の誰もが、卑弥呼の蛮に対する好意と思慕には気付いていた。
そして同時に、あの無限城での戦いを経た今では、その二人が兄妹である事も。
聞かされていないのは、夏実とレナだけだった。
「な、ななななな……何言ってんのよ!
 わたっ、私は別に、ばばば蛮の事なんか……!」
本音を突かれると慌てる辺りは、ツンデレの本領発揮である。
どうやら卑弥呼は、まだ蛮への好意を捨てきれていないようだった。
(今思ったが、妹でツンデレでボーイッシュでショートカットで色黒で処女とは、随分属性の多い娘だ)
「あのなぁ夏実ちゃん……。
 言い忘れてたけど、俺と卑弥呼は……」
戸惑う卑弥呼に代わって答えようとしたのは、蛮だった。
慌てふためく妹をフォローするあたりは、やはり頼り甲斐のある兄そのものだ。
しかし、思っていた言葉を言い切る前に、またも夏実に空気を止められた。
「あっ、ひょっとしてお二人って、元カレと元カノなんですか?」

ピキーン……
という音が、銀次の耳に響いてきた。
段々話がおかしい方向にこじれていく気配がする。
波児は我関せずというスタンスを決め込み、そっぽを向いて新聞を読み始めた。
MAKUBEXと朔羅は「そろそろお会計を……」と言って席を立ちたかったが、
レジまでの通過点に、当事者である蛮と卑弥呼がいるので、通りにくくて仕方が無かった。
そんな場の空気をよそに、天然の夏実は一人納得したような表情で、ウンウンと頷いている。
「そっかぁ、そりゃ難しいですよねぇ、一度別れたのにヨリを戻すって言うのは」
「……話を聞けや」
何とか場を取り持とうとする蛮だったが、火のついた卑弥呼が暴走を始めた。
「ちょっと、水城夏実さんだっけ?
 アンタこそ、蛮とはどうなのよ。以前蛮がルシファーにボロカスに負けた時、
 徹夜で看病してあげてたでしょ?」
言葉と態度は澄ましているが、目には女豹の鋭さが漂っていた。
が、やはり天然には通用しない。
夏実は「ほえ?」といった表情で、卑弥呼の挑発を華麗にスルーした。
「私ですかぁ? 私は別に蛮さんとは何の関係も無いですよ。
 看病してたのは卑弥呼さんだって一緒だったじゃないですか。
 どっちかって言うと、レナちゃんの方が、蛮さんにベタボレだと思うんですけど」
「はぁ!? ちょ、ちょっと先輩! 何言って……」
銀次の、というより、この場のほぼ全員の予想通りになってきた。
確実に、修羅場に近付いている。
「あれ、違うの? だってレナちゃん、松茸の代金奪還してもらってから、
 いつも蛮さんを目で追ってるし、蛮さんの話ばっかりするし、てっきり……」
「あ、いやっ、私はっそのぉ、別に……だって、その、あの……」
「……ちょっとアンタ、まだ中学生のくせに、それは生意気なんじゃない?」
「ちがっ、違います! 私はただ、人として憧れてるって言うか、ちょっと良いなぁって……」
ここで状況を整理してみよう。
蛮の隣には、卑弥呼。カウンターの向こう側には、夏実とレナの二人。

↓図で表すと、こう
  夏  レ
―――――――――――――カウンター
  卑 蛮 銀 士……
つまり蛮は、至近距離で三人の少女からジトーッと見られる事になったのだ。
「……態度、はっきりさせた方が良いんじゃない?」
「そうですよ、蛮さんは誰が好きなんですか?」
「こ……答えてくれないと、首吊りますよ」
こういう場面で、例えば花月なら、うまくかわした事だろう。
だが、彼程大人でも、ましてや紳士でもない蛮には、これを切り抜けるのは荷が重すぎた。
「いや、誰をってお前……そりゃあ……」
蛮は当惑した。
何しろ、いつ消滅するかもわからない、呪われた身だったのだ。
とても特定の女性と密接に関わろうとなどという気には、今までなれなかった。
だがデモンズアームを克服した今、邪眼の使用制限を破らなければ、滅多な事では死なない。
何しろ、あの赤屍すらも一応倒した程なのだから。
ドラゴボールのように、日本或いは地球の外から、もっと強い敵が現れない限りは大丈夫だ。
となれば、彼にも人並みの幸せを求める権利はある。
だが、しかし……
「悪いけど、どれも俺の好みじゃねぇわ」
誰か一人を選ぶ事によって、他の二人を傷つけるような事は、蛮には出来なかった。
いや、冷静に考えれば、夏実は別に蛮の事が好きなわけではないし、卑弥呼は妹だ。
レナを選べば、夏実は素直に喜んだろうし、卑弥呼だって諦めただろう。
夏実か卑弥呼のどちらかを選ぶよりは、一番妥当な選択だったに違いない。
しかしそれでも、蛮にはそれが出来なかった。
何しろ本当に、レナも含めてこの三人の誰かに、恋愛感情を持つ事など出来ないのだ。
何かあったらすぐ自殺を図るようなレナに、
その場を収めるだけの目的で嘘の告白をする事は、許されなかった。
が、そんな男の計算と気遣いを理解せず、下手をすると卑怯とまで罵るのが女である。
事態はますますヒートアップしてきた。
「はっきりしろって言ってんでしょ、馬鹿!」
「この期に及んでどれも好みじゃないなんて、通用しませんよ?」
「……この想い、きっちりトドメをさしてもらわないと、すっきりしません」
こうなるとムキになるのが蛮である。
「うるせぇ! どいつもこいつも!
 誰が妹や、貧乳や、中学生に惚れたりするかよ!
 カウンターの二人は、もっと大人んなってから出直してきな!
 卑弥呼は問題外!」

卑弥呼のすぐ隣に座っていた蛮が傀儡香を嗅がされたのは、そのわずか0.5秒後だった。
「悪いわね、天野銀次。こいつ借りてくわよ」
「マスター、私今日はもうあがります。良いですよね?」
「あ、あの……私も……」
波児には、彼女等を引き止める事は出来なかった。
抗えず連行されていく相棒の背中を見つめながら、銀次は溜息を吐き出した。
「良いなぁ、蛮ちゃんだけあんなにモテて」
「……あれだったら、モテない方がまだマシだと思うがな」
士度も、今回ばかりは蛮に同情した。

都内。裏新宿に程近い、とあるマンションの一室。
無理矢理操られて車を運転させられた蛮は、三人の少女を連れて……
というより、三人の少女に連れられて、卑弥呼の部屋へと歩かされた。
玄関を通過して、複数あるうちの一部屋、卑弥呼の寝室に通される。
そこは、クローゼットと書架とテレビとオーディオとPCと……
兎に角、いたって平凡な内装の部屋だった。
ヌイグルミが置いてあれば年頃の女の子らしいのだが、生憎卑弥呼にそんな趣味は無いようだ。
室内には更に扉があり、隣は香水を調合する実験室のようだった。
卑弥呼はその実験室から、香水を一瓶持って来た。
「おい、テメェその毒香水は何だ。嫌な予感がするんだが」
「察しが良いじゃない、蛮。欲滅香って覚えてる?」
その名は記憶にある。
確か、地獄谷で大量の蟲を相手に卑弥呼が使用した、蟲滅香の別名だ。
だが卑弥呼が持ってきたのは、それとは真逆の効能を持つ香水のようだった。
「以前、興味本位で作ったのよ。
 勃起不全を引き起こすという事は、成分を調合しなおせば
 逆にバイアグラにもなるんじゃないか、と思ってね」
卑弥呼としては、まさか本当に使う日が来るとは思っていなかった代物だ。
したがって、人体実験も何もしていない。どんな副作用があるかはわからない。
とりあえず、死ぬような事は無いだろう。いざとなれば解毒香を使えば済む。
卑弥呼は、躊躇無くその匂いを蛮に嗅がせた。
蛮は抵抗して呼吸を止めたが、口を手で覆われては、いつかは吸わざるを得なかった。
部屋中に独特の甘い香りが漂う中、蛮の下半身はパンパンにテントを張った。
そうなるまでに、一分も必要とはしなかった。
卑弥呼オリジナルの、まだ名も無い香水の効果は、抜群のようだ。
(決してこの香水のオサレな名称を考えるのが面倒くさいというわけではない)
蛮は、もうどうにでもなれと思った。
女性に下半身を見られる事に、今更抵抗などありはしない。
今あるのは、処女&天然&鬱病一歩手前の女達が、加減をわきまえているか否か、という事だった。
卑弥呼が代表して蛮のチャックを下ろし、手袋をした手で、陰茎を引き出す。
硬くなったソレは、バネのように勢い良くトランクスの穴から飛び出して天をついた。
「うっわエグ……」
「へぇえ、こうなってるんだぁ」
「……うぷ、何か思い出しそう」
三者三様の反応だ。
さて次にどうするつもりかと思って黙って眺めていると、
夏実は躊躇いもなく、それを舌の先で舐めはじめた。
「お、おいっ!? 少しは恥じらいってもんは無ぇのか?
 つーかいきなり舌とか、サービス良過ぎだろ!」
「……ほえ? なんれふかぁ?」
夏実の目は、溶けそうな程とろんとしていた。
ベッドの横に屈みこんで、楽しそうに蛮のモノをペロペロする。まるで犬のようだ。
片手で肉棒を保持しながら、もう片方の手はと言うと、何とスカートの中。
早くも股間をまさぐり、自らも気持ち良くなろうとしている。
「ほらぁ、卑弥呼ちゃんもレナちゃんも、早くぅ」
何か様子がおかしい。
いくら性的知識や貞操観念の薄い夏実(いや、俺の偏見だけど)と言えど、
いきなりここまで興奮状態に陥り、かつフェラチオまで開始するとは。
何がこの少女をそうさせるのか、蛮はしばし逡巡した。
「……おい卑弥呼! まさか……」
「ごめん、そのまさかみたい……。
 まさかこんな副作用があったなんてね……」
そう言う卑弥呼の顔も、既に相当赤く火照っていた。
レナはモジモジしながらも、トラウマの残る筈の肉棒から、目を逸らさない。
「まさかこの新香水、女性にも発情作用があるなんて思わなかったわ」
卑弥呼はそう言うと、吹っ切れたように服を脱ぎ始めた。
ミルクを舐める猫のように、三人の少女はペロペロと蛮の男根を舐めた。
夏実は、ベッドの横から。
レナはベッドの上に上がり、夏実の反対側から。
卑弥呼も同じくベッドの上で、蛮に尻を突き出しながら。
それぞれに、既に恥すら感じる事なく、オナニーをしていた。
処女は、自分の大便よりも、股間を見られる方を嫌がると言う。
逆に非処女は大便を見られる事の方が嫌なそうだが、少なくとも
この場でそんな風説は、全く意味が無かった。
既に、処女である卑弥呼が、蛮に股間を見せつけながらフェラチオしているのだ。
シックスナインの体勢だが、蛮は目の前の処女宮を、舐めたり弄ったりしようとは思わない。
何しろ実の妹だし、そもそもその卑弥呼が、自分で弄っているのだ。
何かしてやろうにも、彼女自身の手が邪魔だ。
代わりに、そのか細い指先が肉をまさぐる様子を、まざまざと見せ付けられた。
「覚悟しなさいよ、蛮。
 私が妹だって事、下半身から忘れさせてやるわ」
「私をペチャパイ扱いした事、後悔させてあげます!」
「私を子ども扱いした事、必ず撤回させてみせます……」
ペニスを人質にとられた状態でこんな脅しをかけられては、抗えよう筈もない。
蛮は、数年ぶりに女を「怖い」と思った。
段々と三人の口使いは大胆になっていく。
夏実とレナは、口を開けて顔を横に倒し、それぞれに肉棒を両サイドから挟み込む。
卑弥呼は、カリの部分を口に含んで、先端の汁を無心に吸い続ける。
夏実とレナの唇は、蛮のモノを挟んで軽くキスするように触れ合い続けながら、
棒の形にそって上下にゆっくりとスライドして、唾液を満遍なく広げる。
そこへ卑弥呼のフェラチオが重なる事で、時折三人の唇が触れ合う。
「んむ……はっ……そう言えば……
 卑弥呼さんには、いつかの借りがありましたね?」
レナは、少しだけ蛮から口を離し、卑弥呼に話しかけた。
「借り……?」
卑弥呼は、かつて自分と仙堂レナが、神の記述の世界で戦った事を思い出した。
はっきり言って、秒殺した相手の顔など、卑弥呼はろくに覚えていなかったのだ。
「あぁ、アンタあん時の。……そうね、返せるものなら返してみなさい。
 でもとりあえずは……」
卑弥呼は自慰を止め、体を起こした。
つられて、夏実とレナも体を起こす。
キョトンとする二人を尻目に、卑弥呼は蛮の下半身の上に跨った。
「悪いわね、早い者勝ちよ」
「あっ、ズルい!」

名前も決めてない新香水のお陰か、それとも自身のオナニーによって解れていたのか。
卑弥呼の膣は、初めてながらも蛮のモノをズブズブと受け入れる事が出来た。
常に活発に動き回る事で、膜が自然裂傷していたのも都合が良かった。
既に愛液をコポコポと隙間から漏らしながら、卑弥呼は実の兄との結合を果たした。
「ふぅっ……どう、蛮? あたしの具合は」
卑弥呼は、入れただけなのにもうイってしまいそうな程だ。
一方蛮も、不本意ながら快感を得てしまっていた。
人間の体は、相手が血縁だからと言って、快楽を感じずに済むようには出来ていない。
当然勃起もすれば、射精もする。
「う、うるせぇっ……ヤるんならさっさと済ませろ、この魔女め……」
「あぁ、そう言えば私も、魔女の血族だったわね。忘れてたわ」
あまりピロートークには聞こえない、ぎこちない会話。
卑弥呼は覚悟を決めると、ゆっくりと腰を上下に動かし始めた。
その様子を、喫茶店の娘二人が、羨望の眼差しで見る。
「まだ順番も決めてなかったのに、アンフェアですよ!」
「あぁもうっ、どうしたら良いんですか! 収まんないよぅ……」
どんな薬でもそうだが、人によって効能の現れ方は差異がある。
どうやらレナは、夏実以上に欲情している様子だった。
さりとて、自分の番が回ってくるまでは、自慰を続行しようという気にもなれない。
目の前で本番を見せ付けられては、対抗心が燃えるばかりだった。
「あふっ、あっ、良いっ、あぁんっ!」
動けない兄の上で、卑弥呼は一心不乱に乱れ続ける。
頭の中は何も考える事が出来なくなっているため、蛮を操作する事もままならない。
本当なら蛮を操って、もっと激しい体位を楽しみたい程だ。
「あっ、もっと、もっとぉ、足りないよぉ……っ」
自分が一番感じる部分や角度を、本能で探り続ける。
とうとうGスポットを探り当てて、そこを重点的に突くが、それでもまだ足りない。
香水によって高められた性欲は、もはや暴走状態だった。

蛮は、妙案を思いついた。
身動きのとれない状況下でも、妹とのセックスを無理矢理早く終わらせる方法。
「卑弥呼、お前確か……」
「……んぁ? なにぃ? もっ、きこえ、なっ……あん」
自らの乳房をひたすら揉みながら、卑弥呼は踊り続ける。
「おい、レナ……良い事教えてやろうか?」
息も絶え絶えになりながら、蛮は作戦を実行に移した。
「お前、早く自分の番になりたいんだったら、卑弥呼の耳を苛めてやりな。
 こいつ確か、耳が異常に弱ぇからよ」
「耳が……?」
「ちょ……ちょっと、蛮ん……っ」
レナは、半信半疑ながらも、卑弥呼の背後に回りこんだ。
恐る恐る舌を突き出し、上下に揺れる卑弥呼の耳たぶに触れさせた。
「ひぅんっ!!」
「あはっ、本当だ……面白いかも」
卑弥呼の反応が思ったよりも激しく、可愛かったので、レナは調子に乗った。
彼女の両耳の穴の中に人差し指を差し入れ、中で軽く回転させる。
「ひぃあぁぁぁぁぁ……それっ、うふぅ……らめぇん……」
卑弥呼は、耳を触られるだけでも、その都度イきそうになった。
両耳と膣。一度に三箇所の穴を攻められては、身が持たない。
内壁は急速に締め付けを増し、蛮の側にすら痛みを与える。
「ぐっ、きっつ……こりゃ、ヤベェな……」
「うぇえんもうダメ、もっダメェっ! みみ気持ひ良いよぉっ、あっ、あ、やぁあん……!」
卑弥呼は仰け反り、レナに凭れ掛かった。
意識を失った瞬間腰が沈み、図らずも蛮の先端が奥にぶち当たる。
蛮は、零距離に密着した妹の子宮に、魔女の遺伝子を注ぎ込んでしまった。
一人レナだけが、勝ち誇った気分だった。
「えへへ……借りは返しましたよ、卑弥呼さん」
卑弥呼が意識を失った事で、傀儡香の効果が切れた。
自由に動けるようになった蛮は、そのままこの場から逃走しようと思った。
「へへっ、こうなりゃこっちのもんよ!」
赤屍をも驚愕させたスピードの片鱗を見せて、蛮は亜光速で服を着始めた。
そのスピードはギャグのように速く、もはや夏実やレナには、蛮が消えたようにさえ見えた。
が、すぐに彼の動きは止まった。
「……ま、マジかよ……そう言やこいつの毒香水が、
 ほんの数分で効果切れた事なんて、今まで無かったっけか……」
驚いた事に、蛮の男根は、未だガチガチの勃起状態を継続していた。
どうやら効果が切れたのは、傀儡香のみだったようだ。
さすが呪術が礎にあるだけあって、術者が気絶しようが睡眠しようが、解法にはならないらしい。
「くすっ……まだ、元気なんですねぇ」
「当然です。まだ私達が残ってるんですから、満足させるまで許しませんよ」
悪戯っ子のような、純粋且つ恐ろしい瞳で、夏実とレナは微笑んだ。
「……実の妹に、ガキみたいな体型に、本物のガキに……。
 一人ぐらい普通の女はいなかったのかよ、畜生!」
「むぅ~。誰がガキみたいな体型ですって?」
「良いじゃないですか、先輩。今から蛮さんは、そのガキに、気持ち良くさせられるんですから」
レナはそう言うと、蛮の胸板に顔を近づけた。
もはや男性恐怖症を感じてはいないようだ。これだけ見れば、良い傾向である。
だが、その次にとった行動が、問題だった。
何とレナは、そのまま蛮の乳首を舐め始めたのだ。
「お、おいテメェ……?」
戸惑う蛮を無視して、レナは夏実に目配せする。
アイコンタクトを感じ取った夏実は、後輩がやっているのと同じように、
自らも蛮の乳首を舐め始めた。
男性とは言え、乳首が性感帯の一種である事には変わりは無い。
蛮も、二人の少女の乳首責めに、奇妙な感覚を覚え始めた。
「どうれふかぁ、蛮ひゃん?」
「気持ひ良いれしゅか?」
舌足らずな赤子のように問いかける二人に、蛮は答える。
「あ、あぁ……まぁ悪か無いが」
二人は、その答えが聞きたかった。
即座に蛮から離れると、夏実はベッドの上に仰向けに寝転んだ。
レナは、先輩に譲るように、ベッドの端に移動する。
「今度ぁ何の真似だぁ?」
「蛮さん、今言ったじゃないですか。おっぱい大きくなくたって、
 気持ち良くなれるって事を、自分で証明してくれましたよね?」
蛮は得心した。
要は、同じようにして、貧乳の夏実を気持ち良くしてやれ、という事らしい。
確かに男からすれば、揉み心地が無いので面白くないが、女にとっては
揉むよりも乳首を弄る方が気持ちが良いものだ。(って>>406が言ってました)
蛮にとっては、夏実が気持ち良くなろうが、レナが満足しようが、どうでも良い。
要はこの勃起を鎮めて、さっさとこの場から逃げたいだけなのだ。
その為に必要とあらば、子ども体型を相手にする事ぐらい、軽いものだ。
蛮は舌を伸ばして、なだらかな丘の上に申し訳程度に乗った突起物を、軽くつついてみた。
「ひんっ」
貧乳は感じやすいという俗説(>>406曰く)が正しいのか、
それとも香水の威力によるものか、夏実の体は、たったそれだけの事で鋭く反応した。
蛇のような蛮の舌技に、自身も上半身を蛇のようにくねらせて悶える。
こんな表情をする夏実など、今までレナも見た事が無かった。
「ひぅぅぅ……病み付きになりそぅだよぅ……」
「……それは勘弁してくれ」
聞こえないように、ぽつりと小声で拒絶する蛮。
しかし、その下半身はむしろ拒絶の態度を否定している。
今にも入る穴が欲しいといった様子だ。
「なぁ、もう良いか? イったばっかで何だが、もうヤベェんだよ……」
だが、レナがそれを制する。
「ダメですよ。まだ私は何もしてもらってません。
 イく時は、先輩と一緒にイきたいです」
蛮は一旦夏実から離れると、そのままレナの方に振り向いた。
まだ中学生という事もあって、胸にはヘヴンや朔羅程のボリュームは無い。
だがよくよく考えてみればこの漫画は、夏実やレナだけでなく
マドカやレンやクレイマンなど、それ程巨乳でない女性キャラは実は多い。
(少なくとも見た目の話であって、実寸は覚えてないが)
従ってレナのこの乳房でも、普通の男性ならば十分満足出来る大きさだ。
おっぱい星人の蛮も、妥協すればそれなりに楽しめる。
「ま、この際コダワリは抜きにすっか。そう言やお前の乳は前にも見た事あったけど
 揉んだり弄ったりした事は、まだ一度も無かったっけなぁ?」
蛮はそう言って、彼女の胸に手を伸ばした。
だが、何故かレナは、その手を拒否した。
「ごめんなさい……ちょっと、その……」
「んだぁ? 今更怖くなったか?」
「ち、違うんです……ただ、その……
 顔を見ながらだと怖いから、後ろから……ダメですか?」
あまり聞いた事の無い意見だ。
顔を見ながらでないと嫌だという女性は多いが、顔を見るのが嫌だとは。
彼女は別に、蛮を嫌っているわけではない。
恐らく、過去に強姦された時の記憶と恐怖が、彼女にそうさせるのだろう。
至近距離で男に顔を覗き込まれ、卑猥な言葉を投げかけられるのは、
まだ受け入れられないと言うわけだ。
「わかったぜ。バックでやってやらぁ」
蛮はレナの背後に回りこみ、その可愛らしい乳房を両手で覆った。
掌にすっぽり収まるそのサイズは、揉み心地では巨乳に劣るものの、
逆にそのサイズ故に、全部自分のものだと感じられる征服感があった。
「へぇ……中学生の乳も、悪かねぇな」
「蛮さん、ロリコンですね……」
コリコリと乳首を転がされながら、レナは精一杯強がった。

仰向けのままの夏実の上に、レナが覆い被さる。
下半身を密着させ、クリトリスを擦れさせる。
乳首と乳首が触れ合い、吐息と吐息が交じり合う。
「大丈夫だよ、レナちゃん。トラウマ、治そう」
優しい先輩はそう言うと、レナの唇にそっとキスをした。
尊敬する夏実と見つめあいながらであれば、蛮に犯されるのも怖くはない。
そう言ったレナの気持ちを優先して、蛮と夏実はこの体位を承諾した。
密着したビラビラの肉の間に、蛮は怒張した自分の男根を差し挟んだ。
「っしゃ……動くぜ、二人とも」
その言葉を合図に、一度目のピストンが後方にスライドした。
それを反動のようにして、勢い良く前方に突き出す。
パン、という肉の音と、ぐちゅ、という水の音が交じり合う。
だがこの程度では、二人の少女もまだ声を我慢出来る。
蛮は様子を確かめながら、徐々にピストンのスピードを上げていった。
具合が整ってくる頃には、既に少女達は快楽に溺れていた。
「あぅん、あはんっ、あ、あぁっ、ふあっ、あっ、あっ、だめっ、気持ひいぃんっ」
「きぃあっ……こん……なのぉっ……知ら、なはっ……あぁん!」
既に、理知的な言語を話せるような状態ではなくなっている。
蛮は、二人が絶頂に近付いていっている事が、手にとるようにわかった。
同時に、彼自身もそろそろ二度目の限界に到達しつつある。
「いくぜ、二人とも……思いっ切りブチ撒けてやる!」
「あぁん、ちょうだい、ちょうらいっ! 蛮ひゃんのせーしぃい!」
「あぁもう駄目ぇもう、あ、あぁっ、もう駄目ぇっ、あぁぁぁぁあぁぁ!」
少女達の意識は、まるで胸と腹に発射されたその精液のように、白く濁っていった。
意識を失った蛮が、次に目を覚ましたのは、夜になってからの事だった。
気持ち良く眠れたのか、三人の少女達は既に起きていた。
ぼーっとする頭を振って、何とか意識を覚醒させようと試みる。
だが蛮は、意識を取り戻した事を、すぐに後悔した。
「あっ、やっと起きましたよ、二人とも」
夏実はそう言って、卑弥呼とレナに声をかけた。
蛮が二人の方を見てみると、やはりと言うか、あまり良い雰囲気ではないようだった。
しかし、いくら元々反りの合わない二人とは言え、何故今険悪な雰囲気になっているのだろうか?
「ようやく目ぇ覚ましたのね、馬鹿兄貴」
「やっと、第三ラウンド開始ですね」
……何、第三ラウンドだと?
「さっきはこの中学生が途中で横槍入れてきたけど、今度は返り討ちにしてやるわ!」
「それはこっちのセリフです。いつまでも負けていられません。
 次こそは、勇気を出して私も卑弥呼さん同様、中に出してもらうんですから」
「させやしないわよ。大体卑怯じゃないの、ヤってる最中に耳を攻めるなんて。
 アンタの弱点も見つけ出して、同じ目に遭わせてやるんだから」
何か、嫌な予感しか感じさせてくれない会話だ。
「まぁまぁ二人とも。
 とりあえずは、またさっきの香水を使わない事には、話は進みませんってば」
夏実が、卑弥呼とレナの間をとりなす。
「おい、ちょっと待て……いくら何でも、体が持つわけ……」
未だ疲労の回復していない蛮の体が、再度の毒香水によって
無理矢理臨戦態勢に持ち上げられたのは、そのわずか数秒後の事だった。