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 ジーナス着任前に集められた開発チームは、コム局長(当時)の示した要求スペックを聞いて、当初唖然としたという。スタッフの一部からはお伽噺じゃないとの声も聞かれたというから洒落にならない。開発スタッフは何処から手を着けて良いか判らず、ジーナスがチーフとして赴任するまでの間、ずっと頭を抱え続けていたらしい。

ジーナス「なかなか面白いテーマをもらってね、スタッフの諸君も頑張ってくれた」

 現在アンドロメダ第3惑星『トランター』で暇つぶしに忙しいジーナスは、当時を振り返ってそう述懐する。ジーナスは一歩づつ課題をクリアしていった。

 スタッフがまず躓いたのは、『ふるへっへんど(この意解せず)』であった。もともとCSの前身である通常装着タイプでも、旧式のGタイプや大柄なKGタイプは特に『ふるへっへんど』に弱く、小さな『ふるへっへんど』にも躓きが生じて、前のめりに転んでしまうのだ。これに対してジーナスは…以下四行解読不能…を解消した。その結果CSの靴底には溝が切られ、まさに『あーんてれっけん(この意解せず)』であったと言える。

 戦闘時には白兵戦を基本とするCSには、白兵戦専用の兵器が装備されることとなる。
 その参考になったのも『地球平和守備隊』の個人装備だった。彼らの用いる戦闘技術にバリツと呼ばれる格闘技術がある。多くのスォードを用いる戦闘技術は力任せに叩き壊す技が多いが、バリツではサムライスォードと呼ばれる特殊な片刃のスォードを用いて、相手を斬って倒すのである。スピードとタイミングに充分以上の訓練が必要ではあるが、力任せにならない分、周囲への余分な被害は減少する。その点が評価され、宇宙刑事はスォードを標準装備することが現場段階からの提案で決定された。この時開発されたのが、ダイナミックレーザー誘導型ブレード、通称レーザーブレードである。コム局長(当時)が地道に収集した武器データが功を奏し、ライトサーベルアランブレード太陽剣などの技術を寄せ集めて、全く新しい概念の携帯武装が開発されたのだ。そしてレーザーブレードは宇宙刑事のトレードマークとなる。

 だが全てが順調だった訳ではない。課題は山積みだった。 最も重要な難点はスーツの素材であった。
 当時から電送移動に関して最も進んでいたテクノ惑星リゲルでは、瞬間装着型CSの構想を聞いて、成功すると考えた者は皆無だったという。転送に耐え、しかも装甲服として使用しうるほどの強度を持つ金属はグラヴィウムしか存在しなかった。当たり前の話だが、均一の素材だけでは、回路が生じる訳がない。

ジーナス「無垢の金属鎧を転送するだけなら、私が赴任してから15分で成功したんだがね」

 また、試作された転送装置は桁違いに巨大で、収納にはマーカライトジャイロクラスのギラン円盤が使用された。試作二号機は大幅に小型化されたが、標準クラスのギラン円盤の収納能力ぎりぎりの大きさとなり、転送プラントが巨大すぎて、武装が不可能という奇妙な事態に陥ってしまった。

コム局長(当時)「武装のないギラン円盤では小型宇宙船の集中攻撃を受けたらひとたまりもない。我々は何とかして機動性をあげ、武装を組み込むべく努力したのが、結局最も頼りになるのはアクティブレーザーセンサーだという情けない状態だった」

 また他にも、運用コストが膨大で量産が難しいこと、メンテナンスの自動化に技術的困難があることなどが、実戦配備には大きな壁となって立ちはだかった。
 その上、提唱者のボイサーが赴任先で行方不明になり、その一方で『地球』との技術提携の立て役者・ハンターキラーが正式に導入反対の立場を表明したため、銀河連邦警察上層部でも計画見直しの気運が高まった。コム局長(当時)はじっと耐えるしかなかった。
 テストパイロットに抜擢された新任宇宙刑事(当時)ギャバンはこう語っている。

ギャバン「特別捜査局6課に抜擢って聞いて、やった!って気持ちと、何それ?って疑問が同時に頭に発生してさ、頭ごちゃごちゃになっちゃった」

 特捜6課…コム局長(当時)の肝煎りで急遽設立された実験部隊だ。