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※※※注意事項※※※
枢木誕生日記念で、書き始めることにした作品です。
半猫が多忙だったので、下準備は一ヶ月以上していたのに、うっかりアップ不可になるところでありました。。

話は、原作に沿いそうではありますが、ゲンブ首相は生きているし、ルルとナナリーは兄弟たちに生きていることはバレてるし、なんともおかしな展開になる予定です。
ジノスザ篇で創作したはずのにょたるるフレーバーこと、ヴィクトリアが今後普通に出てきたりしますが、彼女のジノスザ篇での設定(オープン、隠し問わず)はあまり引きずらない予定です。
スザクとヴィクトリアの話になりますが、、、普通のカップルに平然とルルをぶつけていきます(謎)。

ルルが暴走したら、たぶん普通のカップルから男を引き剥がして持っていくという、前代未聞の謎話になること請け合いです。。。

尚、原作沿いなので、ルル=ゼロですし、ギアスや黒の騎士団の活躍というものもありです。。

誕生日を出発点に話がスタートするのですが、もともとの構成の関係上、今回が0話となります。

ご理解いただいたうえで、下へどうぞ。



夏を目の前に 0話




「お誕生日おめでとうございます、スザクさん」
 笑顔の幼馴染の少女、ナナリーが言祝ぐ。
「ハッピーバースディ、スザク。これ、俺とナナリーからのプレゼントだ」
 一抱えもある大きなボックスを渡してくる、同じく幼馴染で、ナナリーの兄であるルルーシュ。
 食卓には、豪勢な食事と、巨大なケーキ。
 そこに3人だけが座っている。
「今年も二人に祝ってもらえてうれしいよ、ありがとう」
 満面の笑みで、例を言うスザクに、二人も自然と笑みがこぼれた。

 ルルーシュの手作りである数々の料理を食べながら、穏やかに過ごすのが3人が毎年お互いの誕生日に行ってきた慣習だった。
「18歳ですから、今年で9回目ですね」
「10歳のときからだから、ね」
「昔から食い意地だけは張ってたからなぁ」
「ルルーシュの食が細いだけだろう。そのせいで全然運動はダメじゃないか」
「俺はいいんだ。お前の百倍は勉強が出来るからな」
 食事のからかいもいつものこと。
 和やかな優しい時間を共有し、翌朝の朝食を食べるまでは、特別な時間として大切に過ごす。
 決して穏やかとは言いがたい8年間を過ごしてきた三人だからこそ、そうした時間を大切にしていた。
「でも……ごめんね、二人とも。本当は僕の誕生日昨日だったのに」
 スザクは、大切な日とわかっていながら、スケジュールの調整に失敗してしまい、二人との時間を取ることができなかったのだ。実家で両親が、親族で会食の席を設けてしまい、そこに出席せざるを得なかった。
 そんなことは初めてだったから、二人にずらしてくれと頼まなければならなかったとき、一番パニックを起こしていたのは本人だった。
「気にしてないよ。スザク」
「そうですよ、ちゃんとこうしてお祝いが出来てますから」
 優しく二人は翌日である今日、祝いの時間をとってくれたが、スザクは内心非常に落ち込んでいた。
「来年また誕生日を祝えばいいさ」
「今度は7月10日に、ですね」
「……ありがとう」
 二人の優しさが心にしみる。
 そうして、18歳2日目の夜は過ぎていった。



 翌日は平日で、ナナリーが先に休むと、普段の特別な日の慣習で、スザクとルルーシュは台所の流しに並んで立っていた。
 三人の時間を大事にしたいから、翌日の昼まで、お手伝いを完全にシャットアウトしている。洗濯はまだしも、大量に使った食器を洗わないわけにはいかなかった。
「しかし、その……すまなかったな」
「は?何の話?」
 ルルーシュがスポンジで汚れを落としたものを、スザクが流れ作業で濯いでいく。
「スケジュールが合わなかったの、俺が紹介した軍の仕事の所為なんだろ?」
 半年ほど前、ルルーシュは異母姉であるコーネリア直々の頼みで、スザクにナイトメアのテストパイロットをする仕事を紹介した。開発チームのたっての願いということと、コーネリアにうまい貸しができると踏んでの行為だったが、元より暇人ではなかったスザクを完全に多忙人間に貶めた。
 スザクの半年前までの忙しさは、数多在った浮名のせいだったが、今は完全に実験という名目の軍需開発に、その青春の時間を捧げている。
「確かに時間拘束は酷いけど、やりがいはあるよ。楽しいから続けても見たい気もするんだ。でも、高校が終われば辞めないとね…」
 スザクやルルーシュ、ナナリーは、トウキョウ租界内でも有数のエスカレーター校に在籍している。大学部までもつ私立校で、比較的実家が名の知れた子弟が多く通っている。
「ゲンブ首相との約束だっけ?」
「うん。好きに出来るのは高校まで、って約束。大学はアッシュフォードに通い続けるから、学校での自由さは残るけど、家のこととか、色々勉強する予定」
 スザクの家は、旧宮家にも繋がる名家で、地方に一族だけの一大拠点を現在も持つほどの資産家でもある。枢木本家は神事を行う家系でもあり、その関係からトウキョウとの関わりも深い。スザクの父親であるゲンブが現職総理を務めているのは、一代の成り上がりというわけではない。代々の人のつながりを活かしてそこに登って行っただけだ。
 政治をすることを望まれているかは今のスザクにも不明だが、最低限神事に関わることだけは、学ばなければならないだろうと、スザクは思っていた。
 食器乾燥機に押し込めるだけ押し込めてから、一休みとばかりにリビングに戻ってくる。
 その瞬間、リビングの端で電話が鳴った。
 すぐに家主であるルルーシュが電話に出る。
「はい、ランペルージです。あぁ、お久しぶりです」
 スザクが手持ち無沙汰に椅子に座るとすぐ、
「スザクですか。ここにいますよ。換わりましょうか」
といって話が振られてどんよりとした視線をしゃっきりと元に戻した。
 クッションに受話器を置いて、ルルーシュが振り返る。
「誰から?」
「噂をすれば、ゲンブ首相からだ」
 壮絶に嫌そうにスザクが顔を歪める。
「早く出ろよ。忙しいんだろうし」
「うん…」
 乗り気ではないというのは、ルルーシュにもよくわかった。
 三人の時間。実質ルルーシュとスザクがお互いの関係を確かめる時間。
 親友として、普段殺伐と他人の中にいる二人が、心をリフレッシュする時間なのだ。
 それを、ストレスの原因その1といいたげな父親との電話に一秒でも消費したくはなかった。
「…はい、お電話換わりました。スザクです」
 どこか投げやりな声で、応対する。
『スザクか』
 すると、確認する声がする。
 威圧感のある声だった。
「はい。何かありましたか」
『昨日の会食時に、言い忘れたことがあってな』
「言い忘れたこと…ですか」
 何かの重大なことだろうか。いや、忙しい父親が、電話とはいえ自分の口で物を伝える時間を設けたのだから、それは間違いないのだろう。
 ちらりと後ろを振り返ると、ルルーシュがどうでもよさそうに視線を泳がせていた。しかし、注意は確実にスザクの方に向いていた。
『内容は込み入った話だから、詳しいことは、あとで椿に聞くといい。概要だけ簡潔に言っておくぞ』
「はい」
 簡潔なその言葉を、待ち受ける心構えだけをしておく。
 ルルーシュに顔の見えないように背を向けて立って、言葉を待つ。


『実は、お前には7年越しに本領で預かる婚約者が居る』