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#divclass(noprint){
#right(){&link_edit()/&link_backup()}
}
**神技 《ビエラの爪襲》 Assault Claws of Biela
~ もしくは《猫まっしぐら》 Headlong Cat ~
2016/04/03 ver1.02
魔力を施したネイルカラー「ビエラの爪彩」でペディキュアを施して3段跳びを行い、数百メートル先の敵に音速以上で衝突する魔術的跳躍です。通常、術者も敵も衝撃で死ぬことになります。
3段跳びに合わせた3回の〈ジャンプ〉、攻撃もしくは衝突の判定、着地判定というように、少なくとも5回のロールをともないます。
***1.攻撃宣言
この魔術は必ず「獲物」を視界内に捉えた状態で使用します。意識には必ず攻撃を伴い、移動を目的にして使うことはできません。
弾道にいる身体を持つ生物は、術者がモーションに入ると同時に、必ず危険に気づきます。
***2.着弾距離と衝撃ダイスの決定
術者は魔術の強度を宣言し、強度1につき1MPを消費して〈ジャンプ〉をロールします。この魔術で使用する〈ジャンプ〉の成功率は、ENC×5%のペナルティーを受けます。モーションの開始から跳躍までに、DEXSRM+3+消費MPの時間がかかります。
術者は〈ジャンプ〉を3回成功させる必要があります。強度に3回のジャンプの成功度に応じた跳躍係数を積算したものが着弾距離(メートル)です。
跳躍係数は成功で×2、効果的成功で×4、決定的成功で×8です。3回成功すれば8倍、3回とも決定的成功を出すようなことがあれば512倍ということになります。
術者は着弾距離3mにつき1D6の「衝撃ダイス」を得ます。衝撃は特殊なダメージで、後の項目で説明されます。
#divclass(skilltable){
|成功度|跳躍係数|備考|h
|決定的成功|×8||
|効果的成功|×4||
|成功|×2||
|失敗|×2|以降の跳躍係数はすべて2。&br()衝突判定は自動的に失敗する。|
|ファンブル|×2|以降の跳躍係数はすべて2。気絶。|
}
#blockquote(){例1:強度3×成功2×効果4×成功2=48m(16D6)
例2:強度24(ジャンプ130%、ロール06)×決定8×成功2×効果4=1536m(512D6)}
〈ジャンプ〉に失敗した場合、以降の跳躍係数を×2とみなして計算し、衝突判定は自動的に失敗します。ファンブルした場合、術者は意識を失います。いずれにせよ魔術的な効果により、目標から外れることはありません。
強度を定めずに行うことで、発動をDEXSRM+3に短縮することができます。強度は初回の〈ジャンプ〉が成功率を下回った5%につき1となり、強度分のMPが瞬間的に消費されます。
術者は距離を抑制するためにジャンプの成功率を低くして振ることはできますが、効果的成功や決定的成功が出た後に成功度を変更することはできません。
***3.衝突判定
ジャンプに成功していて、目標が着弾距離の範囲であれば、術者は近接攻撃、受け、回避もしくはジャンプのいずれかを使用した「意図的な衝突判定」を行えます。
あまりの速度に目標を視界で捉えるのは困難で、近接攻撃には着弾距離と同じペナルティーを受けます。成功率が5%を下回った場合、攻撃は自動的に失敗します。
いずれかの衝突判定に成功した場合、術者は衝撃ダイスのうち何個をその衝突に割り当てるかを決定できます。残った衝撃ダイスは次の障害物(通常は地面や壁)に持ち越されます。
例えば16個の衝撃ダイスのうち6個を割り当てたなら、術者と目標はそれぞれ6D6の衝撃を受けます。さらに術者は、着地時に残りの10個ぶんの衝撃を受けます。
回避もしくはジャンプを行った場合、割り当てた衝撃ダイスから成功度と同じ数を減らせ、自分の命中部位を選ぶことができます。
衝突判定に失敗した場合「意図しない衝突」となり、割り当てられる衝撃ダイスは術者のSIZの抵抗値になります。例えばSIZ9のキャラクターが33(+3)をロールしたなら割り当てられるのは9+3=12個です。もちろん衝撃ダイスの最大数を超えることはありません。
目標は自動的にこの魔術に気づき、可能であれば受けや回避、盾のセットを試みることができます。しかしこの魔術的跳躍から完全に逃れるのは、どんな回避の達人でも現実的ではありません。
目標が回避かジャンプに成功した場合、成功度数分、衝撃ダイスの割り当てを増減させることができます。また、術者が攻撃以外の衝突判定を選んでいるか、攻撃に失敗していれば、回避かジャンプに成功することで自分の命中部位を選ぶことができます。
目標が突き刺し武器を持っているならば、「セット」を行えます。この場合、目標側も衝突時に攻撃ロールを行います。振り回す武器をこの突撃に合わせるのは現実的ではありません。
***4.ダメージの適用
目標への命中部位は目標が防御行動をしていれば近接、していなければ発射となります。防御が成功しているかどうかは関係ありません。
術者への衝撃ダメージは攻撃・受けに成功していれば持ち手、回避・ジャンプに成功していれば選択、回避・ジャンプ・受けに失敗していれば近接か発射かを選択、それ以外では発射になります。
近接攻撃を行った場合、通常のルールで示された武器ダメージの処理を行い、そのあとに衝撃ダメージの処理を行います。地面に足がついていないため追加ダメージは加算できませんが、魔術ダメージは加算できます。
****衝撃ダメージと衝撃AP
術者は割り当てた個数の衝撃ダイスをロールし、合計を衝撃ダメージとします。
衝撃ダメージに対して効果を持つAPを衝撃APと呼びます。基本的には物体の構造力(AP+HP)の半分ですが、武器で受けた時などは無限APへの対策として、STRとAPのどちらか低いほうを用います。
受け武器は「攻撃によるダメージを引いた余りのAPとSTRのどちらか低い値の半分」の衝撃APを持ちます。命中部位は「攻撃によるダメージを引いて残った部位HPと部位APの半分」の衝撃APを持ちます。この二つを足したものが受け側の衝撃APとなります。
攻撃側の衝撃APは「攻撃武器のAPとSTRのどちらか低い値の半分」です。
攻撃や受けを行わない場合、衝突した部位APとHPの半分が衝撃APとなります。
#blockquote(){ 左腕HP4の戦士がクイルブイリ(AP3)を着てターゲットシールド(AP16、STR13)で受けた場合、衝撃APは(4+3+[13<16=13])÷2=10となります。
もし攻撃で10ダメージが出ていると、衝撃APは(4+3+[16-10<13=6])÷2=7に低下します。}
****衝撃ダメージの適用方法
防御側は防御を抜けた武器ダメージを命中部位に適用したあとに、衝撃ダメージを受け武器の持ち手と命中部位に2、隣接部位すべてに1の比率で適用します。
攻撃側は衝撃ダメージを攻撃武器の持ち手に2、隣接部位(通常は胸)に1の比率で適用します。
攻撃も受けも、両手持ち武器は左右の手に2づつ適用することができます。
部位HPの2倍を上回ったダメージは隣接部位に適用します。例えば右腕も胸も2倍に達したなら、残りのダメージは頭・腹・左腕を隣接部位として適用します。
攻撃と防御の関係をまとめると下記のようになります。
#blockquote(){****攻撃成功
-攻撃側:衝撃DM-[STR以下武器AP÷2+部位APHP]、防御された武器DM+衝撃DMでMAXAP判定
-防御成功:防御を抜けた武器DMを命中部位に適用、衝撃DM-[(STR以下受けAP+部位APHP)÷2]
-防御失敗:防御を抜けた武器DMを命中部位に適用、衝撃DM-[部位APHP÷2]
****攻撃失敗or攻撃なし
-攻撃側:衝撃DM-[部位APHP÷2]
-防御成功:衝撃DM-[(STR以下受けAP+部位APHP)÷2]
-防御失敗:衝撃DM-[部位APHP÷2]
}
最後に、防御側は武器ダメージ+衝撃ダメージをもとにノックバックの判定をします。
攻撃側は残った衝撃ダイスあたり3mか、判定時の着弾距離の近いほうの地点まで直進して着地判定を行います。
進路に狙った目標以外の障害物がある場合は、意図しない衝突判定として処理します。
#blockquote(){ 判定の結果、サラの着弾距離は128m、衝撃ダイスは43個です。60m先の敵にまっしぐらに突撃し、バスタードソードを叩きつけます。
しかし43D6をそのまま叩きつければ、剣は砕け、サラも死ぬことになるので、目標には7個の衝撃ダイスを割り当てることにします。
バスタードソード攻撃は命中し、1D10(5)+1+9(深傷)で15。相手は受け(AP16)に成功したため武器でダメージはでませんでした。
衝撃ダメージは7D6で25。相手の衝撃APは([盾16-DM15<STR14=1]+防具6+部位4)÷2=6。25-6で衝撃ダメージは19。命中部位の右腕、受け武器を持つ左腕、隣接する胸に2:2:1で振り分け、左腕8:右腕8:胸3のダメージが適用されました。
さらに武器ダメージ15+衝撃ダメージ25=40からサイズを引いてノックバックを判定します。が、すでに死んだ相手にあまり意味はありません。
次にサラですが、衝撃APは([剣20>STR18=18]+防護6+部位3)÷2=14。25-14で衝撃ダメージは11。右腕8:胸3ですが、打ち切りで右腕6:胸5になり……あれ、気絶しました。
衝撃ダイスが1個多かったですね。剣は防御されたダメージ15+衝撃ダメージ25=40-MAXAP28でAPが12点低下。
まだ衝撃ダイスが36個(108m相当)残っていますが、もともとの着弾地点まであと68mなので、その場所で地面に激突する着地判定を行う必要があります。気絶してるからたぶん死にますけど。
さて、どうすればよかったでしょう。
衝撃ダメージは25だとして、剣で攻撃をせずに盾受け、かつ筋力呪文も駆使してみましょう。
相手も盾受け、今回は武器ダメージの判定はありません。
防護6をかけたAP24のカイトシールド、呪文で筋力を増強してSTRも30、身体にも防護6だとすると衝撃APは(盾24+防護6+防護6+部位3)÷2=20。サラへの衝撃ダメージは5(左腕4胸1)。
相手の衝撃APは([盾16<STR14=14]+防具6+部位4)÷2=12、衝撃ダメージは13(右腕6:左腕5:胸2)。
これならまあ許容範囲でしょうか。
ただし、36個の衝撃ダイスの着地判定が待っています。
}
***5.着地判定
着弾距離に達するかすべての衝撃ダイスを使い切ったら、術者は〈ジャンプ〉で着地判定をします。
着地判定の成功率からは、残っている衝撃ダイス1個あたり5%が引かれます。
成功すれば、成功度分の衝撃ダイスを減らすことができ、減らしたダイスの個数×1mを直進します。加えて、任意の個数を自身の部位に適用して消費することができます。また、着地点が水の場合、ダイスを余分に1個減らすことができます。
失敗した場合、サイズ6(切り上げ)につき1個の衝撃ダイスをランダムな部位に適用します。命中部位はキャラクターの意識が残っていれば近接、意識を失っていれば発射になります。キャラクターは1mを直進します。
ファンブルした場合は残っているすべての衝撃ダイスをランダムな部位に適用します。
この判定を衝撃ダイスがなくなるまで繰り返します。ただし、身体を回転させて衝撃を逃がすために、連続して同じ部位で衝撃を消費することはできません。
壁や障害物に当たって移動できなくなったときは、残りの衝撃ダイスをランダムな部位に適用します。
#blockquote(){ サラは13個の衝撃ダイスを使い切らなくてはなりません。
最初のペナルティーは13*5=-65。失敗したので2個分の衝撃ダメージ8-(AP+HP)÷2で左脚3ダメージ。
2回目のペナルティーは11*5=-55。出目が11で効果的成功なので11→9。
このタイミングで勢いを殺すためにさらに腹部で2個受けることにします。衝撃ダメージ6-(AP+HP)÷2で腹部に1ダメージ。
3回目のペナルティーは7*5=-35で生き残れる可能性も高くなってきました。
結果は成功で7→6。今度は右脚で1個受けます。衝撃ダメージ6-(AP+HP)÷2で右脚に1ダメージ。
4回目は5*5=-25ですが、ここで運がつきファンブル。
残りの5個を左腕に受け、衝撃ダメージ19-衝撃AP5=14(左腕6:胸8)で無事トータルHPが尽きました。
やっぱり使い物にならないんじゃないの?
……命がけの実験の末、サラはビエラの爪彩をマニキュアとして使う秘密に辿り着きました。
}
***6.爪攻撃
爪攻撃は鉄の爪などではなく純粋に自身の爪で攻撃する技能です。普通の人間は爪や指に十分な強度がなく、技能を持っていることはありません。爪を用いるスンチェン等が技能を持っている可能性はあります。
ビエラの爪彩をマニキュアとして用いると、術者の爪攻撃の衝撃APは術者のPOW+APPと等しくなります(鎧や部位HPは足せません)。
物理的な爪ダメージを持たない種族でも、ビエラの爪彩による衝撃ダメージを仮想ダメージとして適用できるようになります。ただし、術者が受ける衝撃ダメージは実ダメージです。
爪攻撃に両手を用いると宣言すると、一回の命中のダメージを隣接2部位に分散して適用できます。
ノックバックによる相手へのダメージは実ダメージであることに注意してください。
#blockquote(){ 衝撃ダイスを20個割り当てて71ダメージ。POW16+APP17=衝撃AP33。
サラは衝撃を2つに分割して、右腕から36-33=3(右腕2:胸1)、左腕から35-33=2(左腕1)のダメージを受けます。
命中部位は胸だったので隣接部位が出るまで再ロールして、隣接部位は右腕。右の肩口を目標に飛び掛かります。
目標は両手の攻撃を一度の受けで判定できます。
胸への打撃は36-衝撃AP14(盾16+AP6+HP6)で22(左腕7:胸6:頭3:腹3:右腕3)。
右腕への打撃は35-衝撃AP13(盾16+AP6+HP4)で22(左腕8:右腕8:胸6)。
すべて仮想ダメージですが、相手の意識を失わせるには十分なうえ、71ダメージでノックバックさせられます。}
***7.手技攻撃
ビエラの爪彩でマニキュアをした状態で手技攻撃を成功させることで、衝撃ダイスの一部を目標に転嫁し、目標を着地判定に巻き込むことができます。
術者は衝撃ダイスを攻撃分と巻き込み分に分割し、まず攻撃分のダメージロールをします。
術者の衝撃APはPOW+APPとなり、衝撃ダメージを胸・右腕・左腕に均等に割り振ります。
相手への衝撃ダメージは手技の命中部位と隣接部位に2:1で割り当てますが、これは仮想ダメージとして扱います。
相手はまず衝撃ダメージぶんノックバックされます。
次に、手技攻撃が成功であれば、残した衝撃ダイスを術者2個に対して目標1個、効果的成功であれば術者1個に対して目標1個、決定的成功であれば術者1個に対して目標2個を割り当てます。成功度は意図して低下させてかまいません。
割り当ては必ず術者から行います。
#divclass(skilltable){****割り当て例
|状況|割当順と個数|h
|7個で成功|術者2→目標1→術者2→目標1→術者1|
|3個で効果的成功|術者1→目標1→術者1|
|5個で決定的成功|術者1→目標2→術者1→目標1|
}
もし目標が〈手技〉で巻き込みを防ぐという勇気ある行動をとった場合、目標は押し付けられた巻き込みダイスを同じルールでサラに返すことができます。例えば36個のダイスをサラ24個、目標12個に割り振ったとき、目標が〈手技〉に成功すれば12個のうち4個をサラ、8個を自分に振り分けます。結果としてサラは28個、目標は8個の衝撃ダイスに対して着地判定をすることになります。
手技攻撃の衝撃ダメージを適用し、ノックバックを処理した後さらに、術者と目標はそれぞれに割り当てられた衝撃ダイスに対して着地判定を行います。
相手への手技攻撃分は仮想ダメージですが、ノックバックと着地判定によるダメージは実ダメージです。
手技攻撃に失敗した場合は意図しない衝突として判定し、巻き込み効果は発生しません。
#blockquote(){ サラは衝撃ダイス29個から10個を衝突、19個を巻き込みに割り当てます。手技攻撃は成功。命中部位は右脚。衝撃ダメージは38。
サラへのダメージは衝撃AP33(POW+APP)を引いて、5(胸1:右腕2:左腕2)。
目標は([盾16<STR14=14]+鎧6+部位5)÷2で衝撃AP13なので仮想ダメージ25(左腕6:右脚5:腹2)。SIZ16を引いて2mノックバック。
手技は成功なので、衝撃ダイス19個がサラ13個、相手6個で割り当てられ、目標はサラに脚をすくわれて巻き込まれます。
絡み合って5mほどを転がった後、サラは動かなくなった相手に馬乗りになった状態からふらふらと立ち上がりました。}
#divclass(break){}
***8.ガイ先生の危険な遊戯&br() Dangerous Games of Master GUY
マニキュアを用いても、いまだ危険すぎる魔術を前に、ガイ先生は奇跡的な閃きで、サラの持つふたつのアイテムを組み合わせるアドバイスをしました。
過酷な修行の末、サラは《ビエラの爪襲》を実用が検討できるレベルまで改良することに成功しました。
……何をもって実用と言うかは人それぞれですが。
****珈琲醒珠
《ビエラの爪襲》に用いた場合、3段跳びのジャンプの「それぞれの判定後」に、効果的成功をただの成功に、決定的成功を効果的成功に抑制することができます。
また、高速移動による攻撃成功率へのペナルティーを無効化できます。
#blockquote(){珈琲醒珠の基本機能
耐性を獲得するまで順応させたばあい、口中に含んでいるあいだ反射速度が超人的に上昇します。DEXは+10され、行動変更の時間が3SR→0SRになります。
使用後、服用していたラウンドと同じ回数まで、D100分に1回、ランダムな発射部位に1D6の麻痺ダメージを受けます。これは《治癒》で治すことができず、1時間に1点づつしか回復しません。
部位HPが0以下になった部位は動かすことができなくなります。もし頭か胸の麻痺ダメージがに部位HPの2倍を超えたなら、CON×5の判定に失敗するとキャラクターは死亡します。
麻痺をしているときに再度赤い実を用いると、効果時間の間だけ麻痺は無効化されます。}
****狩猫の迅尾
《ビエラの爪襲》に用いた場合、MPを使う代わりに1D6の性欲求を消費して基本距離とすることができ、その場合に限り着地判定に+100のボーナスを獲得します。
また、性欲求の代わりに変質欲求(破壊)を使用して、1点ごとに1D3を基本距離とすることができます。変質欲求(破壊)は、変動がなくても繰り返し《ビエラの爪襲》に使用できます。
#divclass(break){}
***9.由来
”麗しき長毛の”ビエラはインキンに由来する宝飾品の一種に、銀の粒で飾る真珠色の美しい爪化粧があるのに気づきました。幾度かのクエストを経て、ついに彼女は素敵なネイルカラー「ビエラの爪彩」を作り上げます。
ところが、それは想像もつかないような、恐ろしい魔術的効果を持っていました。それを足の爪に塗って狩りの跳躍をしたならば、数百メートルを一瞬のうちに飛び越えることができるのです。飛んだ距離と同じ高さから転げ落ちた負傷──つまり、死──と引き換えに。
どうにか生き残った可哀そうなビエラは、この魔術を調べ始めました。神力は明らかにインキンへの祈りから提供されています。失われた神の物語へとつながるかもしれない発見を、彼女はニャースコ以外が知るのを嫌がりました。
彼女は何度もこの魔術の意味を知ろうと跳躍を繰り返しましたが、いつも酷い怪我を負うばかり。最後には恐怖でネイルカラーを見ることもできなくなって、彼女は姿を消したのです。ニャースコの手に「ビエラの爪彩」を残して。
***10.〈美爪術〉 製作10
「ビエラの爪彩」の作り方ははっきりしません(ニャースコは知っているのかもしれません)。現在残されているのは両手もしくは両足に塗って30回ほどの分量です。
〈美爪術〉のロールに成功すれば1週間、効果的成功なら2週間、決定的成功なら3週間、魔術的効果が持続します。ロールは足に塗るのに1回、手にも塗るならもう1回行います。失敗すると効果は表れず、ファンブルすると1D6回分を消費してしまいます。1回ロールをするには1時間を要します。
「ビエラの爪彩」の効果は靴を履いたり手袋をした状態では使えません。大青と異なり、覆ったからといって効果がなくなることはありません。
〈化粧〉を持つキャラクターは半分の成功率で〈美爪術〉を実行できます。〈化粧〉によって一時的に向上させたAPPは《ビエラの爪襲》にも効果を発揮します。
#blockquote(){****〈化粧(集団)〉 製作10
化粧品を使って一時的にAPPを加算します。1回のロールに1時間を要します。
成功で+1、効果的成功で+2、決定的成功で+3の効果を持ちます。
十分な道具と化粧品がない場合は技能にペナルティーを負います。必要な道具や化粧品の量や種別・価格は効果をもたらそうとする集団に依存しますが、一般的には2L/週です。8週間で16L必要なのに化粧品に4Lしか使えなければ、不足する金額の割合と同じ75%のペナルティ―を受けます。}
***11.作り方
秘密。
***12.更新履歴
2016/04/03 〈手技〉による巻き込み処理のわかりにくい記載を修正。相手の〈手技〉防御を追加。
#divclass(noprint){
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#divclass(width100){#comment_num2(vsize=10)}
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}
#divclass(noprint){
#right(){&link_edit()/&link_backup()}
}
**神技 《ビエラの爪襲》 Assault Claws of Biela
~ もしくは《猫まっしぐら》 Headlong Cat ~
2016/04/03 ver1.02
魔力を施したネイルカラー「ビエラの爪彩」でペディキュアを施して3段跳びを行い、数百メートル先の敵に音速以上で衝突する魔術的跳躍です。通常、術者も敵も衝撃で死ぬことになります。
3段跳びに合わせた3回の〈ジャンプ〉、攻撃もしくは衝突の判定、着地判定というように、少なくとも5回のロールをともないます。
***1.攻撃宣言
この魔術は必ず「獲物」を視界内に捉えた状態で使用します。意識には必ず攻撃を伴い、移動を目的にして使うことはできません。
弾道にいる身体を持つ生物は、術者がモーションに入ると同時に、必ず危険に気づきます。
***2.着弾距離と衝撃ダイスの決定
術者は魔術の強度を宣言し、強度1につき1MPを消費して〈ジャンプ〉をロールします。この魔術で使用する〈ジャンプ〉の成功率は、ENC×5%のペナルティーを受けます。モーションの開始から跳躍までに、DEXSRM+3+消費MPの時間がかかります。
術者は〈ジャンプ〉を3回成功させる必要があります。強度に3回のジャンプの成功度に応じた跳躍係数を積算したものが着弾距離(メートル)です。
跳躍係数は成功で×2、効果的成功で×4、決定的成功で×8です。3回成功すれば8倍、3回とも決定的成功を出すようなことがあれば512倍ということになります。
術者は着弾距離3mにつき1D6の「衝撃ダイス」を得ます。衝撃は特殊なダメージで、後の項目で説明されます。
#divclass(skilltable){
|成功度|跳躍係数|備考|h
|決定的成功|×8||
|効果的成功|×4||
|成功|×2||
|失敗|×2|以降の跳躍係数はすべて2。&br()衝突判定は自動的に失敗する。|
|ファンブル|×2|以降の跳躍係数はすべて2。気絶。|
}
#blockquote(){例1:強度3×成功2×効果4×成功2=48m(16D6)
例2:強度24(ジャンプ130%、ロール06)×決定8×成功2×効果4=1536m(512D6)}
〈ジャンプ〉に失敗した場合、以降の跳躍係数を×2とみなして計算し、衝突判定は自動的に失敗します。ファンブルした場合、術者は意識を失います。いずれにせよ魔術的な効果により、目標から外れることはありません。
強度を定めずに行うことで、発動をDEXSRM+3に短縮することができます。強度は初回の〈ジャンプ〉が成功率を下回った5%につき1となり、強度分のMPが瞬間的に消費されます。
術者は距離を抑制するためにジャンプの成功率を低くして振ることはできますが、効果的成功や決定的成功が出た後に成功度を変更することはできません。
***3.衝突判定
ジャンプに成功していて、目標が着弾距離の範囲であれば、術者は近接攻撃、受け、回避もしくはジャンプのいずれかを使用した「意図的な衝突判定」を行えます。
あまりの速度に目標を視界で捉えるのは困難で、近接攻撃には着弾距離と同じペナルティーを受けます。成功率が5%を下回った場合、攻撃は自動的に失敗します。
いずれかの衝突判定に成功した場合、術者は衝撃ダイスのうち何個をその衝突に割り当てるかを決定できます。残った衝撃ダイスは次の障害物(通常は地面や壁)に持ち越されます。
例えば16個の衝撃ダイスのうち6個を割り当てたなら、術者と目標はそれぞれ6D6の衝撃を受けます。さらに術者は、着地時に残りの10個ぶんの衝撃を受けます。
回避もしくはジャンプを行った場合、割り当てた衝撃ダイスから成功度と同じ数を減らせ、自分の命中部位を選ぶことができます。
衝突判定に失敗した場合「意図しない衝突」となり、割り当てられる衝撃ダイスは術者のSIZの抵抗値になります。例えばSIZ9のキャラクターが33(+3)をロールしたなら割り当てられるのは9+3=12個です。もちろん衝撃ダイスの最大数を超えることはありません。
目標は自動的にこの魔術に気づき、可能であれば受けや回避、盾のセットを試みることができます。しかしこの魔術的跳躍から完全に逃れるのは、どんな回避の達人でも現実的ではありません。
目標が回避かジャンプに成功した場合、成功度数分、衝撃ダイスの割り当てを増減させることができます。また、術者が攻撃以外の衝突判定を選んでいるか、攻撃に失敗していれば、回避かジャンプに成功することで自分の命中部位を選ぶことができます。
目標が突き刺し武器を持っているならば、「セット」を行えます。この場合、目標側も衝突時に攻撃ロールを行います。振り回す武器をこの突撃に合わせるのは現実的ではありません。
***4.ダメージの適用
目標への命中部位は目標が防御行動をしていれば近接、していなければ発射となります。防御が成功しているかどうかは関係ありません。
術者への衝撃ダメージは攻撃・受けに成功していれば持ち手、回避・ジャンプに成功していれば選択、回避・ジャンプ・受けに失敗していれば近接か発射かを選択、それ以外では発射になります。
近接攻撃を行った場合、通常のルールで示された武器ダメージの処理を行い、そのあとに衝撃ダメージの処理を行います。地面に足がついていないため追加ダメージは加算できませんが、魔術ダメージは加算できます。
****衝撃ダメージと衝撃AP
術者は割り当てた個数の衝撃ダイスをロールし、合計を衝撃ダメージとします。
衝撃ダメージに対して効果を持つAPを衝撃APと呼びます。基本的には物体の構造力(AP+HP)の半分ですが、武器で受けた時などは無限APへの対策として、STRとAPのどちらか低いほうを用います。
受け武器は「攻撃によるダメージを引いた余りのAPとSTRのどちらか低い値の半分」の衝撃APを持ちます。命中部位は「攻撃によるダメージを引いて残った部位HPと部位APの半分」の衝撃APを持ちます。この二つを足したものが受け側の衝撃APとなります。
攻撃側の衝撃APは「攻撃武器のAPとSTRのどちらか低い値の半分」です。
攻撃や受けを行わない場合、衝突した部位APとHPの半分が衝撃APとなります。
#blockquote(){ 左腕HP4の戦士がクイルブイリ(AP3)を着てターゲットシールド(AP16、STR13)で受けた場合、衝撃APは(4+3+[13<16=13])÷2=10となります。
もし攻撃で10ダメージが出ていると、衝撃APは(4+3+[16-10<13=6])÷2=7に低下します。}
****衝撃ダメージの適用方法
防御側は防御を抜けた武器ダメージを命中部位に適用したあとに、衝撃ダメージを受け武器の持ち手と命中部位に2、隣接部位すべてに1の比率で適用します。
攻撃側は衝撃ダメージを攻撃武器の持ち手に2、隣接部位(通常は胸)に1の比率で適用します。
攻撃も受けも、両手持ち武器は左右の手に2づつ適用することができます。
部位HPの2倍を上回ったダメージは隣接部位に適用します。例えば右腕も胸も2倍に達したなら、残りのダメージは頭・腹・左腕を隣接部位として適用します。
攻撃と防御の関係をまとめると下記のようになります。
#blockquote(){****攻撃成功
-攻撃側:衝撃DM-[STR以下武器AP÷2+部位APHP]、防御された武器DM+衝撃DMでMAXAP判定
-防御成功:防御を抜けた武器DMを命中部位に適用、衝撃DM-[(STR以下受けAP+部位APHP)÷2]
-防御失敗:防御を抜けた武器DMを命中部位に適用、衝撃DM-[部位APHP÷2]
****攻撃失敗or攻撃なし
-攻撃側:衝撃DM-[部位APHP÷2]
-防御成功:衝撃DM-[(STR以下受けAP+部位APHP)÷2]
-防御失敗:衝撃DM-[部位APHP÷2]
}
最後に、防御側は武器ダメージ+衝撃ダメージをもとにノックバックの判定をします。
攻撃側は残った衝撃ダイスあたり3mか、判定時の着弾距離の近いほうの地点まで直進して着地判定を行います。
進路に狙った目標以外の障害物がある場合は、意図しない衝突判定として処理します。
#blockquote(){ 判定の結果、サラの着弾距離は128m、衝撃ダイスは43個です。60m先の敵にまっしぐらに突撃し、バスタードソードを叩きつけます。
しかし43D6をそのまま叩きつければ、剣は砕け、サラも死ぬことになるので、目標には7個の衝撃ダイスを割り当てることにします。
バスタードソード攻撃は命中し、1D10(5)+1+9(深傷)で15。相手は受け(AP16)に成功したため武器でダメージはでませんでした。
衝撃ダメージは7D6で25。相手の衝撃APは([盾16-DM15<STR14=1]+防具6+部位4)÷2=6。25-6で衝撃ダメージは19。命中部位の右腕、受け武器を持つ左腕、隣接する胸に2:2:1で振り分け、左腕8:右腕8:胸3のダメージが適用されました。
さらに武器ダメージ15+衝撃ダメージ25=40からサイズを引いてノックバックを判定します。が、すでに死んだ相手にあまり意味はありません。
次にサラですが、衝撃APは([剣20>STR18=18]+防護6+部位3)÷2=14。25-14で衝撃ダメージは11。右腕8:胸3ですが、打ち切りで右腕6:胸5になり……あれ、気絶しました。
衝撃ダイスが1個多かったですね。剣は防御されたダメージ15+衝撃ダメージ25=40-MAXAP28でAPが12点低下。
まだ衝撃ダイスが36個(108m相当)残っていますが、もともとの着弾地点まであと68mなので、その場所で地面に激突する着地判定を行う必要があります。気絶してるからたぶん死にますけど。
さて、どうすればよかったでしょう。
衝撃ダメージは25だとして、剣で攻撃をせずに盾受け、かつ筋力呪文も駆使してみましょう。
相手も盾受け、今回は武器ダメージの判定はありません。
防護6をかけたAP24のカイトシールド、呪文で筋力を増強してSTRも30、身体にも防護6だとすると衝撃APは(盾24+防護6+防護6+部位3)÷2=20。サラへの衝撃ダメージは5(左腕4胸1)。
相手の衝撃APは([盾16<STR14=14]+防具6+部位4)÷2=12、衝撃ダメージは13(右腕6:左腕5:胸2)。
これならまあ許容範囲でしょうか。
ただし、36個の衝撃ダイスの着地判定が待っています。
}
***5.着地判定
着弾距離に達するかすべての衝撃ダイスを使い切ったら、術者は〈ジャンプ〉で着地判定をします。
着地判定の成功率からは、残っている衝撃ダイス1個あたり5%が引かれます。
成功すれば、成功度分の衝撃ダイスを減らすことができ、減らしたダイスの個数×1mを直進します。加えて、任意の個数を自身の部位に適用して消費することができます。また、着地点が水の場合、ダイスを余分に1個減らすことができます。
失敗した場合、サイズ6(切り上げ)につき1個の衝撃ダイスをランダムな部位に適用します。命中部位はキャラクターの意識が残っていれば近接、意識を失っていれば発射になります。キャラクターは1mを直進します。
ファンブルした場合は残っているすべての衝撃ダイスをランダムな部位に適用します。
この判定を衝撃ダイスがなくなるまで繰り返します。ただし、身体を回転させて衝撃を逃がすために、連続して同じ部位で衝撃を消費することはできません。
壁や障害物に当たって移動できなくなったときは、残りの衝撃ダイスをランダムな部位に適用します。
#blockquote(){ サラは13個の衝撃ダイスを使い切らなくてはなりません。
最初のペナルティーは13*5=-65。失敗したので2個分の衝撃ダメージ8-(AP+HP)÷2で左脚3ダメージ。
2回目のペナルティーは11*5=-55。出目が11で効果的成功なので11→9。
このタイミングで勢いを殺すためにさらに腹部で2個受けることにします。衝撃ダメージ6-(AP+HP)÷2で腹部に1ダメージ。
3回目のペナルティーは7*5=-35で生き残れる可能性も高くなってきました。
結果は成功で7→6。今度は右脚で1個受けます。衝撃ダメージ6-(AP+HP)÷2で右脚に1ダメージ。
4回目は5*5=-25ですが、ここで運がつきファンブル。
残りの5個を左腕に受け、衝撃ダメージ19-衝撃AP5=14(左腕6:胸8)で無事トータルHPが尽きました。
やっぱり使い物にならないんじゃないの?
……命がけの実験の末、サラはビエラの爪彩をマニキュアとして使う秘密に辿り着きました。
}
***6.爪攻撃
爪攻撃は鉄の爪などではなく純粋に自身の爪で攻撃する技能です。普通の人間は爪や指に十分な強度がなく、技能を持っていることはありません。爪を用いるスンチェン等が技能を持っている可能性はあります。
ビエラの爪彩をマニキュアとして用いると、術者の爪攻撃の衝撃APは術者のPOW+APPと等しくなります(鎧や部位HPは足せません)。
物理的な爪ダメージを持たない種族でも、ビエラの爪彩による衝撃ダメージを仮想ダメージとして適用できるようになります。ただし、術者が受ける衝撃ダメージは実ダメージです。
爪攻撃に両手を用いると宣言すると、一回の命中のダメージを隣接2部位に分散して適用できます。
ノックバックによる相手へのダメージは実ダメージであることに注意してください。
#blockquote(){ 衝撃ダイスを20個割り当てて71ダメージ。POW16+APP17=衝撃AP33。
サラは衝撃を2つに分割して、右腕から36-33=3(右腕2:胸1)、左腕から35-33=2(左腕1)のダメージを受けます。
命中部位は胸だったので隣接部位が出るまで再ロールして、隣接部位は右腕。右の肩口を目標に飛び掛かります。
目標は両手の攻撃を一度の受けで判定できます。
胸への打撃は36-衝撃AP14(盾16+AP6+HP6)で22(左腕7:胸6:頭3:腹3:右腕3)。
右腕への打撃は35-衝撃AP13(盾16+AP6+HP4)で22(左腕8:右腕8:胸6)。
すべて仮想ダメージですが、相手の意識を失わせるには十分なうえ、71ダメージでノックバックさせられます。}
***7.手技攻撃
ビエラの爪彩でマニキュアをした状態で手技攻撃を成功させることで、衝撃ダイスの一部を目標に転嫁し、目標を着地判定に巻き込むことができます。
術者は衝撃ダイスを攻撃分と巻き込み分に分割し、まず攻撃分のダメージロールをします。
術者の衝撃APはPOW+APPとなり、衝撃ダメージを胸・右腕・左腕に均等に割り振ります。
相手への衝撃ダメージは手技の命中部位と隣接部位に2:1で割り当てますが、これは仮想ダメージとして扱います。
相手はまず衝撃ダメージぶんノックバックされます。
次に、手技攻撃が成功であれば、残した衝撃ダイスを術者2個に対して目標1個、効果的成功であれば術者1個に対して目標1個、決定的成功であれば術者1個に対して目標2個を割り当てます。成功度は意図して低下させてかまいません。
割り当ては必ず術者から行います。
#divclass(skilltable){****割り当て例
|状況|割当順と個数|h
|7個で成功|術者2→目標1→術者2→目標1→術者1|
|3個で効果的成功|術者1→目標1→術者1|
|5個で決定的成功|術者1→目標2→術者1→目標1|
}
もし目標が〈手技〉で巻き込みを防ぐという勇気ある行動をとった場合、目標は押し付けられた巻き込みダイスを同じルールでサラに返すことができます。例えば36個のダイスをサラ24個、目標12個に割り振ったとき、目標が〈手技〉に成功すれば12個のうち4個をサラ、8個を自分に振り分けます。結果としてサラは28個、目標は8個の衝撃ダイスに対して着地判定をすることになります。
手技攻撃の衝撃ダメージを適用し、ノックバックを処理した後さらに、術者と目標はそれぞれに割り当てられた衝撃ダイスに対して着地判定を行います。
相手への手技攻撃分は仮想ダメージですが、ノックバックと着地判定によるダメージは実ダメージです。
手技攻撃に失敗した場合は意図しない衝突として判定し、巻き込み効果は発生しません。
#blockquote(){ サラは衝撃ダイス29個から10個を衝突、19個を巻き込みに割り当てます。手技攻撃は成功。命中部位は右脚。衝撃ダメージは38。
サラへのダメージは衝撃AP33(POW+APP)を引いて、5(胸1:右腕2:左腕2)。
目標は([盾16<STR14=14]+鎧6+部位5)÷2で衝撃AP13なので仮想ダメージ25(左腕6:右脚5:腹2)。SIZ16を引いて2mノックバック。
手技は成功なので、衝撃ダイス19個がサラ13個、相手6個で割り当てられ、目標はサラに脚をすくわれて巻き込まれます。
絡み合って5mほどを転がった後、サラは動かなくなった相手に馬乗りになった状態からふらふらと立ち上がりました。}
#divclass(break){}
***8.ガイ先生の危険な遊戯&br() Dangerous Games of Master GUY
マニキュアを用いても、いまだ危険すぎる魔術を前に、ガイ先生は奇跡的な閃きで、サラの持つふたつのアイテムを組み合わせるアドバイスをしました。
過酷な修行の末、サラは《ビエラの爪襲》を実用が検討できるレベルまで改良することに成功しました。
……何をもって実用と言うかは人それぞれですが。
****珈琲醒珠
《ビエラの爪襲》に用いた場合、3段跳びのジャンプの「それぞれの判定後」に、効果的成功をただの成功に、決定的成功を効果的成功に抑制することができます。
また、高速移動による攻撃成功率へのペナルティーを無効化できます。
#blockquote(){珈琲醒珠の基本機能
耐性を獲得するまで順応させたばあい、口中に含んでいるあいだ反射速度が超人的に上昇します。DEXは+10され、行動変更の時間が3SR→0SRになります。
使用後、服用していたラウンドと同じ回数まで、D100分に1回、ランダムな発射部位に1D6の麻痺ダメージを受けます。これは《治癒》で治すことができず、1時間に1点づつしか回復しません。
部位HPが0以下になった部位は動かすことができなくなります。もし頭か胸の麻痺ダメージがに部位HPの2倍を超えたなら、CON×5の判定に失敗するとキャラクターは死亡します。
麻痺をしているときに再度赤い実を用いると、効果時間の間だけ麻痺は無効化されます。}
****狩猫の迅尾
《ビエラの爪襲》に用いた場合、MPを使う代わりに1D6の性欲求を消費して基本距離とすることができ、その場合に限り着地判定に+100のボーナスを獲得します。
また、性欲求の代わりに変質欲求(破壊)を使用して、1点ごとに1D3を基本距離とすることができます。変質欲求(破壊)は、変動がなくても繰り返し《ビエラの爪襲》に使用できます。
#divclass(break){}
***9.由来
”麗しき長毛の”ビエラはインキンに由来する宝飾品の一種に、銀の粒で飾る真珠色の美しい爪化粧があるのに気づきました。幾度かのクエストを経て、ついに彼女は素敵なネイルカラー「ビエラの爪彩」を作り上げます。
ところが、それは想像もつかないような、恐ろしい魔術的効果を持っていました。それを足の爪に塗って狩りの跳躍をしたならば、数百メートルを一瞬のうちに飛び越えることができるのです。飛んだ距離と同じ高さから転げ落ちた負傷──つまり、死──と引き換えに。
どうにか生き残った可哀そうなビエラは、この魔術を調べ始めました。神力は明らかにインキンへの祈りから提供されています。失われた神の物語へとつながるかもしれない発見を、彼女はニャースコ以外が知るのを嫌がりました。
彼女は何度もこの魔術の意味を知ろうと跳躍を繰り返しましたが、いつも酷い怪我を負うばかり。最後には恐怖でネイルカラーを見ることもできなくなって、彼女は姿を消したのです。ニャースコの手に「ビエラの爪彩」を残して。
***10.〈美爪術〉 製作10
「ビエラの爪彩」の作り方ははっきりしません(ニャースコは知っているのかもしれません)。現在残されているのは両手もしくは両足に塗って30回ほどの分量です。
〈美爪術〉のロールに成功すれば1週間、効果的成功なら2週間、決定的成功なら3週間、魔術的効果が持続します。ロールは足に塗るのに1回、手にも塗るならもう1回行います。失敗すると効果は表れず、ファンブルすると1D6回分を消費してしまいます。1回ロールをするには1時間を要します。
「ビエラの爪彩」の効果は靴を履いたり手袋をした状態では使えません。大青と異なり、覆ったからといって効果がなくなることはありません。
〈化粧〉を持つキャラクターは半分の成功率で〈美爪術〉を実行できます。〈化粧〉によって一時的に向上させたAPPは《ビエラの爪襲》にも効果を発揮します。
#blockquote(){****〈化粧(集団)〉 製作10
化粧品を使って一時的にAPPを加算します。1回のロールに1時間を要します。
成功で+1、効果的成功で+2、決定的成功で+3の効果を持ちます。
十分な道具と化粧品がない場合は技能にペナルティーを負います。必要な道具や化粧品の量や種別・価格は効果をもたらそうとする集団に依存しますが、一般的には2L/週です。8週間で16L必要なのに化粧品に4Lしか使えなければ、不足する金額の割合と同じ75%のペナルティ―を受けます。}
***11.作り方
秘密。
***12.更新履歴
2015/11/29 1.00 正式版。
2016/04/03 1.02 〈手技〉による巻き込み処理のわかりにくい記載を修正。相手の〈手技〉防御を追加。
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