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*第11話:判決
天空の地、光の判官の面前にて、世の理を示すの章。
***■ 26 名前: azatoth :2002/05/19 14:44:39
第11話:判決(azatoth版ログ)
#blockquote(){
青い空の元、巨木の高い場所にある枝を平らにした所に、6人の人間が立っていた。
しばらくすると、下から吹き上げるような強い風が吹き、あっというまに周囲が白い霧につつまれた。その霧が晴れると、彼らのまわりには白いモコモノした綿菓子のような地面(現代的な表現を使うと雲海の上という事のようですが、彼らはそんな場所のことを知らないので…)が広がっていた。
彼らの上方は一面の青。雲一つない青い空が広がっている。下方は白いふかふかした感じの床に被われ、先ほどまで見えていた巨木とすり鉢状の大地は全く見えなかった。彼らの立つ場所と同じ高さは見渡す限り白い床だが、所々に木の先が出ている様子だった。バセラードが待っていてもしょうがないので、手近な目標物に向って行こうと主張し、何の迷いもなくその白い床に降り、歩き出した。それを見て、他の者達も歩きはじめる。
しばらく柔らかすぎて歩き難い場所を進みつづけていたが、途中でまたしてもバセラードが「あれは何だ?」と大声を出す。近づいてみると、それは巨大な純白の神殿のような形をしているようだった。その神殿は、階段の作りも扉も、身長5~6mぐらいの人間型生物のためのものらしく、何もかもが巨大だった。
奥まった場所にある扉には、槍を持ち後光を背負った若者のレリーフが施されていた。その若者は羽根付きの人々を下に向かわせているイェルムのように見てとれた。バセラードはつぶやいた。
「なんかむかつく神殿だなぁ…」
皆、バセラードの方を振り返る。しかしバセラードはその視線を全く無視して、扉にとりついた。おもむろに力をこめるバセラードを見て、レイク、シャガが続いてとりつくと、何とか扉は開き始めた。
扉の先は下り階段が続いていた。その先には左右にひな壇があり、白いローブの人々が着座しており、正面の高い場所に2人の男性が、その前の低い場所に1人の男性がいた。そこにいる人々は4mほどの身長があり、正面中央に立つ槍を持った男性は7~8mの身長であった。
一行が階段を降りきると、低い場所にいる男性の隣に6つの座席が用意されている場所に出た。そこは裁判所のようであり、6つの座席は「証人席」のように見えた。一行がお互いを見ると、それぞれの身長、外見が歪んで見えた。バセラードが一番大きく、トロール級の大きさに、次がシャガ、ラーサ、キャロライン、ナーシュ、レイク、の順でレイクに至っては幼児のような大きさになっていた。
正面に立つ槍の男が視線を投げかけると、周囲の歌のようなざわめきは止んだ。そして槍の男の隣にいる補佐官のような男が口を開く。
「貴様の術(すべ)による者もあらわれた。災いに流されし者達よ、そこへ。」
と言って証人席を指し示す。一行が席につくのを見ると、槍の男が続いて口を開く。
「我はイルリウス。光の民の長にして正義である。それらは被告であるエルシングの渦(か)を受けた者である。あるべき道に戻れるかどうかはその返答にかかわる。」
エルシングと言われた者は、整った顔立ちの若者で、豊かな黒髪を背中にたらしていた。イルリウスが語り終わった時に一瞬だけ、印象的な金色の目を証人席に向けた。補佐官がそれに続いて被告の罪状を読み上げる。しかしそれは、回りくどく詳細で専門用語を多用していたため、ほとんど人間には理解できるものではなかった。そこで、補佐官は要旨を簡単に証人席に向けて説明した。
「全ての選択肢を示された上で生きて行くのは正義か、ということをこの裁判では問うているのだ。名を名乗り宣誓せよ。」
バセラードが立ちあがり、胸をはりながら答える。
「リカルド=バセラード。バセラード家の嫡子にして正当な後継者である。人は俺を"南風のバセラード"と呼ぶ。(キラン)」
微妙な空気の中、シャガのため息が響く。
「我が神オーランスにかけて…誓おう。」
レイクがその巨大な勇姿を見上げる。シャガが、その間は何だ、と呟く。
続けて補佐官が問いかける。
「エンジェル(光の民)は問う。ここに呼ばれたのは、それ("お前"という意味で使っている様子。以下"お前"とする。)のために罠をはった者の渦を受けたためだと思うがどうか。」
「(罠を)用意したのはこいつ(エルシングを横目で見る)かもしれないが、選んだのは俺だ。」
周囲でざわめきがおこる。補佐官が続ける。
「彼の呪縛の元にあるかぎり、その渦は解かれない。それを望むのか。」
「俺は俺の望む通りに生きる。呪縛とやらとも戦う。」
「再び問う。呪縛が解かれるのを望むか。」
「道が分かるなんてのはつまらねぇ。」
バセラードへの質疑は終わった。
----
「次ぎの者。」
「俺はラーサだ。それ以上でもそれ以下でもない。」
「…。お前は世を歪めし力を求めている。今でもそれを望むのか。」
「求めてはいけないのか。」
「その力を得たとしても、お前は矛盾に囚われてしまうだろう。」
「それは俺の力で変えてみせる。」
----
「次ぎの者。」
「フマクトの入信者。リカナンにしてシャガ。」
「お前達はすでに彼の呪縛の中にいる。それを望むか否か。」
「彼は誰で、呪縛とは何か。」
「…(ため息)。お前達が賢明ならそのような問いはしないだろうに…。彼を彼とは呼ばず、呪縛とは何かと問うなら、それは"選択の放棄"だ。この世界の定めに反して、君の運命は決まっていることになる。」
「…(理解しかねるという表情)。私がそれを知ってどうなると言うのか?」
「お前達がそれを望まぬのであれば、そういう力が及ぶという事は無いだろう。」
「では、それが何かではなく"呪縛の中"とはどういうことか。」
「彼(エルシングを示す)を罪に問えば、呪縛を逃れることになるだろう。」
「罪に問われた彼はどうなる?」
「罪人となる。」
「答えを待ってくれないか。」
----
「次ぎの者。」
「私は、アル=パーシー。…(誓いを立てる先をしばし悩む。フマクトでもなし、親でもなし…)。私を生んでくれた世界にかけて。」
ざわめきがおこる。さらに萎縮するレイク(本名は"アル=パーシー"であり、"アレクサンダー=レイク"というのは仮名)。
「お前は彼の考えになびくかもしれない。」
「はぁ…。」
「気をつけるように。」
「え!?」
レイクは動揺した上で、がっくりと肩を落とした。
----
「次ぎの者。」
「私はキャロラインと名乗っています。我が支配者にかけて。」
「何のためにこの地へ至ったのか。」
「ラーサに力を貸すために。」
「お前も気をつけるように。」
「…。」
----
「次ぎの者。」
「ターシュ生まれのナーシュ=ナルスです。知の探求者をしております。
私自身の真実にかけて。」
「お前は既に、彼であるとも言える。
お前は何を望むか?」
「知識の探求、真実の究明、です。」
「お前には既に真実を見つける道はないだろう。
それでも彼と共に生きるか?」
「はい。」
----
被告席から含み笑いがおきる。
やがてその笑い声が大きくなる。
「ふはははは。」
台上の判官と、台下の被告の立場が入れ替わる。
イルリウスが被告席へ、エルシングが裁判長席へ、歩を進める。
それに伴い、エルシングの姿が虹色へと変貌していく。
いつのまにかエルシングは、本をペンをその手に持っている。
逆に、イルリウスが持っていた槍はいつの間にか消える。
台上のエルシングが、証言者達に向かって自信たっぷりに言う。
「お前達に選択させてやろう。
その心に浮かぶ後悔の場面で新たな選択が選べるとしたらどうする?」
----
※以下、各人の心の中。
【レイクの後悔】
村で捜索の依頼を受けた、旅立ちの場面。
依頼を断るか、以前と同じように受けるか?
一瞬隣にいるバセラードに視線を向け、頷く。
…今のままがいい。
彼らとの旅の中で私は助けられ、そして助けることができた。
その関係は失うには惜しいもの。
私にとってはその後悔よりも、現在の絆の方が大切だ。
【シャガの後悔】
呪われた場面を思い出す。娘が神聖介入した場面。
その介入は成功する?(今の状態:母が占有)
失敗する?(母の存在が失われ、娘一人が残る)
…可能性を信じたい。(今を選択)
【バセラードの後悔】
思い出せない。
【ナーシュ】
エルシング:「君は何を望む?」
ナーシュ:「知識の探求、真実の究明。」
(~ それは望んだ通りになるだろう)
ナーシュ:「リカルドを呪われる前の状態に戻す。」
(~ 戻すことができた)
ナーシュ:「では、生きていくとはどういう事ですか?」
(~ …)
----
バセラード:「くそくらえだ。このままで上等。」
レイク:「(愛馬ゴーゴーとの分かれを惜しみつつ)今のままで結構。」
ラーサ:「そんなのお前のしったことか。」
キャロライン:「お願いです。私を解放してください。(泣)」
シャガ:「…。」
----
虹色は黒濁色となり、縮む。
やがてその身は、黒みがかった虹色へと変貌した。
会場から歌が沸き起こる。
(彼は否決された。否認された。世界の輪は守られた。)
「次なる時まで、閉廷。」
建物が消え、背中の羽根を広げて飛び去っていくエンジェル達。
黒虹色になったエルシングの独白。
「俺の何が悪いのか…。」
バセラード:「現実を否定するのは、ルールを変える事だ。それはダメだ。」
シャガ:「『悪い』のではない。…。」
----
天使の一人が残り、泣いているキャロラインを慰める。
天使は西方語で語り掛ける。
「私の姉がひどいことをして、ごめんなさい。
私にはあなた達の契約を打ち破れる力は無いけれど…。」
その天使へ、ナーシュが語り掛ける。
「ちょっといいですか?
誰なら、その契約を打ち破れるのですか?
彼女だけではなく、リカルドも助け出したいのですが。」
天使(=アリス)は悲しげな顔をナーシュに向け、衣を脱ぎ捨てる。
「あなたに主の加護を…。」
白い衣の下には、槍を手に、兜と鎧を身にまとった姿があらわれる。
彼女もまた翼を広げ、天空へと飛び去っていく。
----
黒虹色の堕天使が変容しはじめる。
その姿は巨大なヴァルキリーのようだが、腰が曲がり、爪が伸び、足が固くなる。
羽根も金属のような印象となった。
その巨大なエルシングの慣れの果ては、意味のわからない言葉を発しながら、暴れまわる。
バセラードをはじめとして、その圧倒的な存在になんとかくい下がるが、突破口を見出せない。
やがてラーサの斧の一撃が、エルシングの額に突き刺さる。(77のクリティカル:NPCのくせに大活躍)
すると、エルシングは意識を失い、くずれおち、体がしぼみはじめる。
ラーサは斧を抜き取ろうとするが、異常に重くなっているらしくなかなか思い通りにならない。
シャガはエルシングの死体に近づくと、その頭部に生えた角から、暗い虹色の宝石を取り上げた。
}
#前半のバセラードのロールは全てクリティカルだったことをここに付記する。
----
#comment_num2(size=100%,vsize=10)
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*第11話:判決
天空の地、光の判官の面前にて、世の理を示すの章。
***■ 26 名前: azatoth :2002/05/19 14:44:39
第11話:判決(azatoth版ログ)
#blockquote(){
青い空の元、巨木の高い場所にある枝を平らにした所に、6人の人間が立っていた。
しばらくすると、下から吹き上げるような強い風が吹き、あっというまに周囲が白い霧につつまれた。その霧が晴れると、彼らのまわりには白いモコモノした綿菓子のような地面(現代的な表現を使うと雲海の上という事のようですが、彼らはそんな場所のことを知らないので…)が広がっていた。
彼らの上方は一面の青。雲一つない青い空が広がっている。下方は白いふかふかした感じの床に被われ、先ほどまで見えていた巨木とすり鉢状の大地は全く見えなかった。彼らの立つ場所と同じ高さは見渡す限り白い床だが、所々に木の先が出ている様子だった。バセラードが待っていてもしょうがないので、手近な目標物に向って行こうと主張し、何の迷いもなくその白い床に降り、歩き出した。それを見て、他の者達も歩きはじめる。
しばらく柔らかすぎて歩き難い場所を進みつづけていたが、途中でまたしてもバセラードが「あれは何だ?」と大声を出す。近づいてみると、それは巨大な純白の神殿のような形をしているようだった。その神殿は、階段の作りも扉も、身長5~6mぐらいの人間型生物のためのものらしく、何もかもが巨大だった。
奥まった場所にある扉には、槍を持ち後光を背負った若者のレリーフが施されていた。その若者は羽根付きの人々を下に向かわせているイェルムのように見てとれた。バセラードはつぶやいた。
「なんかむかつく神殿だなぁ…」
皆、バセラードの方を振り返る。しかしバセラードはその視線を全く無視して、扉にとりついた。おもむろに力をこめるバセラードを見て、レイク、シャガが続いてとりつくと、何とか扉は開き始めた。
扉の先は下り階段が続いていた。その先には左右にひな壇があり、白いローブの人々が着座しており、正面の高い場所に2人の男性が、その前の低い場所に1人の男性がいた。そこにいる人々は4mほどの身長があり、正面中央に立つ槍を持った男性は7~8mの身長であった。
一行が階段を降りきると、低い場所にいる男性の隣に6つの座席が用意されている場所に出た。そこは裁判所のようであり、6つの座席は「証人席」のように見えた。一行がお互いを見ると、それぞれの身長、外見が歪んで見えた。バセラードが一番大きく、トロール級の大きさに、次がシャガ、ラーサ、キャロライン、ナーシュ、レイク、の順でレイクに至っては幼児のような大きさになっていた。
正面に立つ槍の男が視線を投げかけると、周囲の歌のようなざわめきは止んだ。そして槍の男の隣にいる補佐官のような男が口を開く。
「貴様の術(すべ)による者もあらわれた。災いに流されし者達よ、そこへ。」
と言って証人席を指し示す。一行が席につくのを見ると、槍の男が続いて口を開く。
「我はイルリウス。光の民の長にして正義である。それらは被告であるエルシングの渦(か)を受けた者である。あるべき道に戻れるかどうかはその返答にかかわる。」
エルシングと言われた者は、整った顔立ちの若者で、豊かな黒髪を背中にたらしていた。イルリウスが語り終わった時に一瞬だけ、印象的な金色の目を証人席に向けた。補佐官がそれに続いて被告の罪状を読み上げる。しかしそれは、回りくどく詳細で専門用語を多用していたため、ほとんど人間には理解できるものではなかった。そこで、補佐官は要旨を簡単に証人席に向けて説明した。
「全ての選択肢を示された上で生きて行くのは正義か、ということをこの裁判では問うているのだ。名を名乗り宣誓せよ。」
バセラードが立ちあがり、胸をはりながら答える。
「リカルド=バセラード。バセラード家の嫡子にして正当な後継者である。人は俺を"南風のバセラード"と呼ぶ。(キラン)」
微妙な空気の中、シャガのため息が響く。
「我が神オーランスにかけて…誓おう。」
レイクがその巨大な勇姿を見上げる。シャガが、その間は何だ、と呟く。
続けて補佐官が問いかける。
「エンジェル(光の民)は問う。ここに呼ばれたのは、それ("お前"という意味で使っている様子。以下"お前"とする。)のために罠をはった者の渦を受けたためだと思うがどうか。」
「(罠を)用意したのはこいつ(エルシングを横目で見る)かもしれないが、選んだのは俺だ。」
周囲でざわめきがおこる。補佐官が続ける。
「彼の呪縛の元にあるかぎり、その渦は解かれない。それを望むのか。」
「俺は俺の望む通りに生きる。呪縛とやらとも戦う。」
「再び問う。呪縛が解かれるのを望むか。」
「道が分かるなんてのはつまらねぇ。」
バセラードへの質疑は終わった。
----
「次ぎの者。」
「俺はラーサだ。それ以上でもそれ以下でもない。」
「…。お前は世を歪めし力を求めている。今でもそれを望むのか。」
「求めてはいけないのか。」
「その力を得たとしても、お前は矛盾に囚われてしまうだろう。」
「それは俺の力で変えてみせる。」
----
「次ぎの者。」
「フマクトの入信者。リカナンにしてシャガ。」
「お前達はすでに彼の呪縛の中にいる。それを望むか否か。」
「彼は誰で、呪縛とは何か。」
「…(ため息)。お前達が賢明ならそのような問いはしないだろうに…。彼を彼とは呼ばず、呪縛とは何かと問うなら、それは"選択の放棄"だ。この世界の定めに反して、君の運命は決まっていることになる。」
「…(理解しかねるという表情)。私がそれを知ってどうなると言うのか?」
「お前達がそれを望まぬのであれば、そういう力が及ぶという事は無いだろう。」
「では、それが何かではなく"呪縛の中"とはどういうことか。」
「彼(エルシングを示す)を罪に問えば、呪縛を逃れることになるだろう。」
「罪に問われた彼はどうなる?」
「罪人となる。」
「答えを待ってくれないか。」
----
「次ぎの者。」
「私は、アル=パーシー。…(誓いを立てる先をしばし悩む。フマクトでもなし、親でもなし…)。私を生んでくれた世界にかけて。」
ざわめきがおこる。さらに萎縮するレイク(本名は"アル=パーシー"であり、"アレクサンダー=レイク"というのは仮名)。
「お前は彼の考えになびくかもしれない。」
「はぁ…。」
「気をつけるように。」
「え!?」
レイクは動揺した上で、がっくりと肩を落とした。
----
「次ぎの者。」
「私はキャロラインと名乗っています。我が支配者にかけて。」
「何のためにこの地へ至ったのか。」
「ラーサに力を貸すために。」
「お前も気をつけるように。」
「…。」
----
「次ぎの者。」
「ターシュ生まれのナーシュ=ナルスです。知の探求者をしております。
私自身の真実にかけて。」
「お前は既に、彼であるとも言える。
お前は何を望むか?」
「知識の探求、真実の究明、です。」
「お前には既に真実を見つける道はないだろう。
それでも彼と共に生きるか?」
「はい。」
----
被告席から含み笑いがおきる。
やがてその笑い声が大きくなる。
「ふはははは。」
台上の判官と、台下の被告の立場が入れ替わる。
イルリウスが被告席へ、エルシングが裁判長席へ、歩を進める。
それに伴い、エルシングの姿が虹色へと変貌していく。
いつのまにかエルシングは、本をペンをその手に持っている。
逆に、イルリウスが持っていた槍はいつの間にか消える。
台上のエルシングが、証言者達に向かって自信たっぷりに言う。
「お前達に選択させてやろう。
その心に浮かぶ後悔の場面で新たな選択が選べるとしたらどうする?」
----
※以下、各人の心の中。
【レイクの後悔】
村で捜索の依頼を受けた、旅立ちの場面。
依頼を断るか、以前と同じように受けるか?
一瞬隣にいるバセラードに視線を向け、頷く。
…今のままがいい。
彼らとの旅の中で私は助けられ、そして助けることができた。
その関係は失うには惜しいもの。
私にとってはその後悔よりも、現在の絆の方が大切だ。
【シャガの後悔】
呪われた場面を思い出す。娘が神聖介入した場面。
その介入は成功する?(今の状態:母が占有)
失敗する?(母の存在が失われ、娘一人が残る)
…可能性を信じたい。(今を選択)
【バセラードの後悔】
思い出せない。
【ナーシュ】
エルシング:「君は何を望む?」
ナーシュ:「知識の探求、真実の究明。」
(~ それは望んだ通りになるだろう)
ナーシュ:「リカルドを呪われる前の状態に戻す。」
(~ 戻すことができた)
ナーシュ:「では、生きていくとはどういう事ですか?」
(~ …)
----
バセラード:「くそくらえだ。このままで上等。」
レイク:「(愛馬ゴーゴーとの分かれを惜しみつつ)今のままで結構。」
ラーサ:「そんなのお前のしったことか。」
キャロライン:「お願いです。私を解放してください。(泣)」
シャガ:「…。」
----
虹色は黒濁色となり、縮む。
やがてその身は、黒みがかった虹色へと変貌した。
会場から歌が沸き起こる。
(彼は否決された。否認された。世界の輪は守られた。)
「次なる時まで、閉廷。」
建物が消え、背中の羽根を広げて飛び去っていくエンジェル達。
黒虹色になったエルシングの独白。
「俺の何が悪いのか…。」
バセラード:「現実を否定するのは、ルールを変える事だ。それはダメだ。」
シャガ:「『悪い』のではない。…。」
----
天使の一人が残り、泣いているキャロラインを慰める。
天使は西方語で語り掛ける。
「私の姉がひどいことをして、ごめんなさい。
私にはあなた達の契約を打ち破れる力は無いけれど…。」
その天使へ、ナーシュが語り掛ける。
「ちょっといいですか?
誰なら、その契約を打ち破れるのですか?
彼女だけではなく、リカルドも助け出したいのですが。」
天使(=アリス)は悲しげな顔をナーシュに向け、衣を脱ぎ捨てる。
「あなたに主の加護を…。」
白い衣の下には、槍を手に、兜と鎧を身にまとった姿があらわれる。
彼女もまた翼を広げ、天空へと飛び去っていく。
----
黒虹色の堕天使が変容しはじめる。
その姿は巨大なヴァルキリーのようだが、腰が曲がり、爪が伸び、足が固くなる。
羽根も金属のような印象となった。
その巨大なエルシングの慣れの果ては、意味のわからない言葉を発しながら、暴れまわる。
バセラードをはじめとして、その圧倒的な存在になんとかくい下がるが、突破口を見出せない。
やがてラーサの斧の一撃が、エルシングの額に突き刺さる。(77のクリティカル:NPCのくせに大活躍)
すると、エルシングは意識を失い、くずれおち、体がしぼみはじめる。
ラーサは斧を抜き取ろうとするが、異常に重くなっているらしくなかなか思い通りにならない。
シャガはエルシングの死体に近づくと、その頭部に生えた角から、暗い虹色の宝石を取り上げた。
}
#前半のバセラードのロールは全てクリティカルだったことをここに付記する。
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***■ 22 名前: なゆた :2002/03/13 21:47:41
第11話:この回はね、みなさんの評価を聞きたいんだけれども
はい。ごめんなさい(笑)。
なんかすごいハナシだったかもしれません。
テーブルトークとして許されるのかどうかという^-^;。
マスターの心残りは、シャガの切り分けと、ラストシーンの描きこみが、花粉症と業爆のためおろそかになったことです。
反省してます。すいません。
でも次回スタートからぶっ飛びまくりの予定なので許してね。
キャラクターの温度を上げる準備もよろしゅうに_o_。
***■ 23 名前: azatoth :2002/03/13 23:03:19
現在、ログ執筆中ですが、たいそう面白い会でした。
深淵の話を考えている時に、あそこまでの事ではありませんでしたが、似たような話をやろうと思った時がありました。
しかし、自分が想定した超常の存在の思考をロールプレイできる自信がなくて、止めました。
まずは、あれをやれるマスターの度胸はすごい、と思いました。
そして、バセラードがかっこいいなぁ、と。(笑)
***■ 24 名前: なゆた :2002/03/31 10:54:43
ログいただきました。ありがとうございます。
ありがたく参考にしながら書き進めています。
いま3/1ぐらいかな。
終わったらマスターのとaza氏のと両方乗っけると、マスターが何を考えているかわかって面白いと思います。
>まずは、あれをやれるマスターの度胸はすごい、と思いました。
>そして、バセラードがかっこいいなぁ、と。(笑)
度胸^-^;?
んー、ぶっつけ本番ですが、まあなんとか形になってよかった。
バセちゃんには、最終回、もっとかっこいいシーンを用意していますので、ぜひ魅せてほしいなぁ、と期待しています。
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