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闇に沈みしその槍


トロウルの魔導師ズブラックと忌まわしき槍の話

ズブラックの属するアーカットについて

■ 3 名前: なゆた :2001/05/30 20:32:16

ヨルプ山脈のトロウルの中に魔道師のカルトとして存在するトロウル系アーカット。カルトはアーカットをトロウルの英雄として崇め、彼のもたらした魔道呪文を信徒に教える。カルトは第三期になってから創設された。「黒い輝き」というひとりの女王種トロウルが創設以来カルトの長となっており、そのためアーカットとしては例外的にカルト的色彩を持っている。「黒い輝き」の下に7人の導師(master)の地位が存在する。導師はひとつの神性カルトにつきひとりと定められており、現在はカイガーリートール、ゾラークゾラン、ジオーラウンバー、アーガンアーガー、ゴラキーキ、スビーリーの侍祭もしくは有力な信徒が司っている。これらの導師の多くは50歳を越えた長老トロウルであり、一席は空白となっている。
導師には同じカルトの1人の信徒が第一順位の徒弟として配置される。「黒い輝き」、導師と第一順位の徒弟、の計15人でカルトの内陣が構成され、彼女らがカルトを運営する。内陣に任命されるには知識技能・魔道技能・魔道呪文の中から4つについて75%以上でなくてはならず、また浄化技能を50%以上もっていなくてはならない。さらにカルトの秘儀である<英雄の歌>の試験に合格していなければならない。スビーリーやゾラークゾランなどの徒弟を得るのは難しく、内陣の地位は10~12人しか満たされないのが普通である。第二順位以下の徒弟は不足しているカルトへの入信を薦められることもある。残りの100人に満たない信徒は内陣のだれかしらの徒弟となっている。
<英雄の歌>は一種の技能として扱われる。すべての信徒はカルトの聖祝日に導師と即興の歌のかけあいを行なう。1D100ロールを行ない、導師が指定したランダムな技能か<英雄の歌>のどちらかに成功していれば<英雄の歌>は1ポイント上昇する。成功しつづける限り1回の聖祝日に7人の導師を一巡りすることが許されている。一度でも失敗したならば、その年の挑戦は終わりである。上昇した<英雄の歌>技能はそのまま残り、翌年以降成功する度に加算していくことができる。1回の聖祝日に7人の導師すべての歌に応えられた者で内陣に必要な技能を満たしている者は、最後に「黒き輝き」の部屋で彼女と面会することが許される。そこで何が行われるかは知られていない。内陣の者はけしてそれを話すことはなく、そこから出てきた者はすべて内陣に加わる。もちろん出てこなかった者も多い。歌には応えられたが内陣に必要な技能を満たしていない者は、翌年の聖祝日まで導師の下で訓練に励み、再び挑戦することになる。


その1:果てしない追撃への序章

■ 4 名前: なゆた :2001/05/30 20:32:49

1623年の初冬、カルマニアでの過酷な傭兵生活から解放され、故郷での生活も落ち着きかけた頃、導師に呼び出されたズブラックはグラマーへの派遣を命じられた。
彼に与えられた任務は傭兵団から逃亡した元同僚、バールを捕獲せよというものだった。バールをよく見知っている者として、やはり元同僚であったドワーフのギュリンと、魔道師のマイマラマンが同行することになり、奇妙な3人の旅が始まった。なぜたんなる脱走兵にズブラックや彼らが駆り出されるのか――この作戦の背後にはカルマニアやルナーの奇妙な政治的思惑が働いているのだろう。調査や追跡は極秘に行なうように通達され、ギュリンにはバールが持って逃げた「もの」に反応するという精霊が憑依させられた。
ギュリンの精霊の感覚をたよりに半季あまり、雪も本格的につもり始めたというのに、バールの足取りはいまだ発見できなかった。ライバンスで護衛やちょっとした仕事をしながら時を過ごしていたある日、精霊が明確に方向を指し示した。ズブラック達はライバンスを出て指し示される方向へと急いだが、途中、覆面をした一団に襲撃されギュリンは拉致されてしまった。


その2:ドワーフの遺産

■ 5 名前: なゆた :2001/05/30 20:33:38

 拉致されたギュリンを追ってズブラックとマイマラマンがたどり着いたのは、崩れた山腹から露出した何かの遺跡であった。そのそばにいた人間たちは昨日ズブラック達を襲った一団のようであったが、遺跡の探索でリーダーとはぐれ、すでに戦意を喪失していた。彼らから内部の情報を得たズブラック達は遺跡の中へと侵入するが、仕掛けられた罠と魔術に翻弄される。
罠を切り抜けたズブラックは遺跡の途中で縛られて放置されているギュリンを助け出した。ギュリンはさらわれた一味のリーダーは人間の女性であり、ギュリンの精霊は彼女に反応していたといった。彼女はギュリンにこのドワーフの遺跡の罠を解決させるのが目的であり、すでに最深部に向かったという。彼女を追った3人が遺跡の最深部で見たものは、ドワーフの秘宝、巨大なゴーレム「ジョランティ」が洞窟を破壊して飛び去るところであった。
外にはすでに部下達の姿もなく、ズブラック達は遺跡の発見だけをライバンスで報告し、ギュリンの精霊の導きに従って彼女らを追った。だがまもなく追跡行は終わりを告げた。精霊の指し示すのは「狂気領」トルク――踏み込んだら戻ることのない魔力の地――であった。しかしギュリンは奪われた彼の荷物とドワーフの秘宝を取り戻すため、ズブラックらに別れも告げずそこに飛び込んでいった。
大雪の中、ジラーロに帰り着いたズブラック達が得たものは「ギュリンに憑依していた精霊が帰還した」という報告だけであった。


その3:水の娘

■ 6 名前: なゆた :2001/05/30 20:34:16

年が明けてズブラック達はアルコスへと戻った。ズブラックに憑依させた精霊は再び狂気領を示すことはなく、北にバールの気配を伝えていた。しかしマイマラマンは故郷から帰還命令がかかり、バール追討の任務はズブラックひとりにまかされることになった。
ズブラックが掲示した傭兵の募集に若き女戦士ティレルと大地の守り手マーゴが集った。ティレルは傭兵時代に関わったことのあるルナーの検査官ユーライジルとうりふたつであり、ズブラックは彼女の出自に懐疑を持ったが、彼女自信にやましいところは見られず、戦士として雇い入れた。それに加え、傭兵団でズブラックを指揮していたルナーの貴族であり七母神の信徒でもあるウァラヴィも、その掲示を見て同行すると申し出てきた。ウァラヴィの背後にはルナー神殿の意図があるようだったが、信頼できる技量の戦士に違いはなく、ズブラックは彼らを引き連れ船に乗ってユスッパへと向かった。
数日後、船は河賊の襲撃を受けた。幾隻もの小船に引き綱をかけられ、無理やり支流に連れ込まれた客船は、ズブラックの抵抗も空しく小さな滝に落ちて沈壊した。ズブラックが目を覚ましたのは暗い地下湖畔だった。そこは滝の流れが岸壁を削り取ってできた洞窟で、連れの女性二人と同乗者だったロウドリルの信徒クレスが水辺に打ち上げられていた。他の乗客やウァラヴィの姿はない。目を覚ました彼らの前に、水の精霊エルウィンが顕れ、滝壷は彼女の母であり、河賊に魔術で支配されて船を沈めさせられていると嘆いた。
エルウィンに母を助けてくれと頼まれたズブラック達は、河賊の留守に滝壷の裏の洞窟に侵入するが、呪縛している魔術の源泉は見つけることはできなかった。河賊との正面戦闘には勝ち目がないと判断したズブラック達は、命の恩人に報いれないことを謝罪すると、再び北へと歩み出した。

その4:刀鳴り

■ 7 名前: なゆた :2001/05/30 20:35:17

翌日、春の雨の中、ズブラック達はなぜか河賊数人の夜襲を受けた。クレスはすでに忍び寄ってきた敵に殺され、マーゴもあっという間に戦闘不能になった。ズブラックはノームを呼び出してテイレルを見捨てて逃走。しばらく後に戻るとティレルにはまだ息がある。しかし彼女の側で自分の魔術が解けたのを感じたズブラックが離れようとするとティレルが声をかけた。ティレルは今までとはうってかわった様子でズブラックに槍を渡すように迫り、ズブラックが拒否すると周囲から矢が降り注いだ。ズブラックの一撃がティレルの頭をかすめるとティレルは激昂し、水の剣を呼び出すとズブラックに深手を負わせた。突如、彼の持つ槍が震え「我は混沌を打ち倒すもの。我を用いるか?」という問いにズブラックが「応」とこたえると、槍は力を増し、ふたたび両者のたたかいは拮抗した。そして、強力な槍の援護を得たもののティレルとその部下達に囲まれたズブラックに、さらに闇の中から声がかかった。「同胞よ?助けが必要か?」。
 ズブラックが目覚めると、彼は木陰に横たえられており、老トロウルが「揺れる手」と名乗った、彼は人間の通訳を連れており、名をルースといった。彼らの話によればズブラックはティレルと激しく戦い、彼女の身体を大地に縫い付け、そして槍を抜くと、次に己の腹を突き刺したのだという。しかしズブラックにもティレルにも命に別状はなく、槍は彼女に宿った混沌のみを打ち破ったようであった。そしてズブラックに宿りし精霊も消えており、ズブラックは己が何を宿らせていたかという想いに身が凍った。ティレルは彼との出会いさえ覚えておらず、戦士でもなく、怯えるただの女になっていた。


閑話:いつかどこかで

■ 8 名前: なゆた :2001/05/30 20:36:25

揺れる手の出した募集にルースが応募。ある日、夜中の山道でルナーの警備兵4人と遭遇。詰問されたので撃退。
翌日、目的の洞窟に入ると地下深くで石の扉。その部屋にキノコ。キノコは処理。
石の扉には暗黒語の暗号。表面上は「何者も入れぬ扉」→触感を変えてあるところだけ読むと「深き天に」。
扉を開けると球状の部屋。底にバラバラの石像。6~8体ぐらいと思われるがかなり粉々で修復は難しい。とくに魔力の反応もなく、揺れる手が地上の戻ろうとすると人間の一団が下りてくる音。階段の途中で遭遇。でここに住んでいると偽る。ルナー兵のリーダーらしき女性は奥の闇の中に他のトロウルもいるのではという疑念もあって彼を襲うことはせず、新しき住処と報酬を用意するので洞窟をゆずって欲しいと申し出る。交渉の材料を持ちにルナー兵達が一時引き下がった間に、ふたりは奥の部屋をもう一度調べた。トロウルの暗視だけでは見えなかったが、ルースが降りてきてみると床には塗料で「輪を閉ざし、神に祈れよ」と書いてある。扉を閉めると入り口の反対側が開き、水が「天井へ向かって」流れ落ちる。水が半休を満たすと、中央部から下へ向かって伸び上がってくる。球体の下部に水が達したとたんすべての水が流れ込みふたりはもみくちゃにされ揺れる手は気絶。水以外のものは「天井に向かって」落下する。ルースの蒼いランタンが強く光り、彼はゆっくりと球体の天井に降り立つ。水が床から引き始め、荷物や揺れる手を集めたところで、すべての水がなくなると、再び床に向かって落下。ルースの身体はちょうど中央部のところで止まり、揺れる手と荷物を持って反対側の穴へ入る。
穴は裂け目のように上下に5~6m。一番奥には雄々しいトロウルとも人間とも見える石像。もとは槍を持っていたような姿勢で奥の壁には亀裂がある。なめらかで水が波打ったままかたまったような壁はたまに虹色に揺らめき、魔力検知は混乱している。ふたりは彫像に畏怖の念を感じ、彼の左手が蒼い染料で壁に書きつけた文字を発見した。「我は闇に呑まれる。正しき使い手の現れる時までこの地で眠らん」。
裂け目の上からなにか小石が落ちてきて空間があるのがわかった。ルースが20mほど曲がりくねった裂け目を上って行くと、丘の南斜面の細長いクレバスにでる。ルースは星空の向こうに蒼い稲妻を見て、自分が何か使命を持っているのに気がつく。揺れる手もモールを失ったものの何とか這い出すことに成功し、ふたりで地上に上ると、いったいなぜこの裂け目から出てきたのかふたりは覚えていなかった。足元にキノコがあり、おそらくこれをとろうとして落ちたのではなかったかと納得し、揺れる手は木を切り出してモールにすると次のキノコを探しに旅立った。途中ルナーの一団が下方でキャンプをしているのを発見。彼らが最初にであった兵隊長が女性に漆黒の細いシミターで首を落とされた。その魂を引き裂かれるような叫び声が耳に残った。

その6:闇に鐘が鳴る

■ 9 名前: なゆた :2001/05/30 20:39:43

夜の街道、山道、霧
小さな町 領主の館
夜の道に佇む娘 リューパシャ
銀の飾り首輪

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