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第12話:誘拐×結合×帰還

■ 16 名前: なゆた :2003/09/14 21:23:38
ハーナスもそれを追ったカジャも再び現れることなく、襲撃から3日が過ぎた。隊商からは不審の目を受けつつも一行は無事北上を続けていた。
リースが気配を感じて目を覚ますと、ファイネーの上にアルフェニートが被さるように倒れている。いままでよりもはるかに深く昏睡しているのに危険を感じて、隊商の医療担当ヒルを呼ぶが、彼はふたりにすでに魂がない、といった。
荷物として運ばれて2日、ふたりの身体から甘い香りが立っていると、隊商の中でも噂が囁かれていた。リースがアルフェニートを観察すると、とても2日昏睡しているようには見えず、それどころかみずみずしく、美しくなっているとさえ思える。



翌夜、ハーナスが再び現れ、リースにカジャを呼べと言い始める。ハーナスが双剣を帯びていないのに目をつけたウェインは、徹心を取り返そうとハーナスに突っかかる。左腕に深々と徹心を突き通された瞬間、ウェインは奇跡的に徹心を捻り取ることに成功した。

逃げ去るウェインに眉をしかめながら、ハーナスはファイネーを担ぎ上げ、リースに「火の季19日にランバーグで待つ」と言い残し、立ち去っていった。



徹心に左腕を貫かれた直後、深い精神結合の中で、ウェインは自分自身を徹心の中に見出していた。彼は以前この槍の使い手であり、そしで同じように左腕を貫かれていた。それが自分なのか、そうでないのか、その何かが徹心から自分に流れ込み、自分の一部が徹心の中に流れ込んだ。
徹心を引き抜いてもこころの繋がりは外れず、ウェインは徹心の使い手となった。

リースのところに戻ったウェインに、徹心は「アルフェニートの身体がまるで穴のように見える。中に何かがあるかもしれない。」と進言する。アルフェニートの身体に徹心を触れさせると、徹心は穴の向こうにネシアを見出した。


朱の長刀に貫かれて死んだファイネーには不思議なことが起こっていた。彼を貫いたネシアが引き抜かれた瞬間、ネシアの意識が粉と砕け、ファイネーの心に降り注いだ。
すべての感覚が失われた中で、ファイネーに心で直接語りかけてくる。「私は誰?ネシア?」。女性らしきその声は、いまやファイネーと外界をつなぐただひとつのものだった。
アルフェニートがネシアにファイネーの身体を癒させ、ファイネーはこわごわと己の身体に入り、生き返ることに成功する。

精神結合したファイネーとネシアが混乱しているところに、どこからともなく「アルフェニートさーん」と声がかかる。アルフェニートの身体を媒介にして、世界の壁を越えて、徹心が話しかけてきたのだった。


鉄心の話から自分達の肉体状況を知ったファイネーたちは、目覚めるための手段を検討し、ケッチに先導させてリューリクの神木を目指した。危惧していた妨害を受けることもなく、3人は神木に辿り着く。そして泣き暮れるリューリクにケッチは婚姻を申し入れ、それは受け入れられた。
帰還する方法の議論を尽くすファイネーとアルフェニートはいつの間にか自分達がヨール界にいないことを知る。白い背景に多重に揺らめく風景が流れ去り、再び世界は閉じてゆく。


祈祷師は一見して眉をしかめ、アルフェニートの身体を寝台に横たえると、リースに「これはなんともならんかもしれんなぁ」といいながら、服をはだけていった。アルフェニートの肌は赤子のように白く弾け、どこからともなく漂う甘い香りに包まれている。しかし身体ではなく、その奥を見通しているであろう祈祷師が一歩退いた。
何事もなかったかのように眼を開いたアルフェニートは、リースに微笑みながら起き上がった。


ファイネーの覚醒した意識に最初に送り込まれたのは、濃厚なキス。慌てて身体を離すと、上気したハーナスの瞳がびっくりしたように瞬きをした。
「ここは、どこ・・・」と聞き返す途中で、ファイネーは自分が木の枝の上に腰を下ろしたハーナスに抱えられていることに気がついた。木漏れ日が彼女の白い肌に緑がかった複雑な影を落としている。
「ほう。起きるのか」と呟いた後、ハーナスはひとつ舌なめずりをし、有無を言わせぬ力でファイネーを引き寄せると、貪るようなキスで襲った。

to be continued

■ 58 名前: なゆた :2003/09/14 21:39:14

第12話:感動九割引
今回の見せ場は、やはりウェインがハーナスから徹心をもぎ取ったところなんですが・・・
そのまま背中向けて逃げ出すあたりが実にウェインらしくて、見せ場を彼らしくぶーちこわしてくれました(笑)。
とりあえずハーナスにさらわれたファイネーを3人が追ってゆく話になるようですが、ファイネー君の再登場までの教育成果に期待です(謎)。


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