Top > キャンペーン > ロコとラドルの物語タグ:
海の狼-2
カインリアムの自警団は襲撃に必死に抵抗し、善戦していた。だが、襲撃隊のリーダーと思われる全身が赤い刺青に覆われた大男が現れるや否や、戦線は崩壊した。戦意喪失した村人らは降伏し、4人(バーンバーグ、ヒウラリウス、ウェイン、ツェット)も海賊に連行されてしまう。甲板に数珠繋ぎにされた捕虜達が疲労で深い眠りについている中、バーンバーグは人の気配でふと目を覚ました。逆光ではっきりとはわからなかったが、プラチナの細い髪をなびかせた美しい女性がバーンバーグの瞳を覗きこんでいた。頭の中をかき回されるようなけだるい苦痛に、バーンバーグは再び眠りについていった。
翌朝、4人は赤い大男バーンリオンの前に連れ出された。ルナー人であることの証拠はすべて隠してあったはずだが、何故か彼らの素性は知られており、身代金を支払うか配下となるかの選択を迫られる。身代金を確約できなかった彼らは焼き印を押され、さらにバーンリオンは「互いに戦い一方の目をえぐり出せば、我が配下として信用しよう」と要求した。バーンバーグがヒウラリウスの左目を奪い、ウェインがツェットの両目を奪うことでこの凄惨な戦いは終わり、4人は他の捕虜達とともに船倉のオールに鎖で繋がれた。
ここで出てくるバーンリオンは海の狼の1船長。ハレックではない。バーンリオンの率いるのは4番艦で、小村を襲撃するのには十分な戦力を持っている。
ここで4人に押された焼き印は神聖介入を阻害するためのもの。
ところが、沿岸の町を襲撃したある日の夜、船倉に突然ロックが侵入してきた。ロックはバーンバーグに「ブルーヴァがこの海賊に捕らえられた。彼女を助け出すのを手伝うのなら逃がしてやろう」と持ち掛ける。両目を失ったために戦力にならなくなったツェットを残して、ロック、バーンバーグ、ヒウラリウス、ウェインは船を脱出した。ロックの指示に従ってブルーヴァが捕われているという倉庫を襲撃すると、中には宝物が積まれ、4人の女性が倒れていた。しかし彼らの襲撃はすでに海賊の本隊の知るところとなり、町からは猛烈な勢いで追っ手が迫ってくる。宝を取る暇も、他の女性を助ける暇もなく、ウェインがブルーヴァを連れ出してロックに引渡すと彼は用意していた馬に彼女を乗せていちはやく逃亡した。
バーンバーグとヒウラリウスが入口をくぐろうとしたとき、突然二人の背中に戦慄が走り、胸を何かが突き抜けた。魂を引き裂かれるような苦痛が二人を襲ったが、いまは全力で逃げるしかなかった。数十メートル走って後ろを振り向いたヒウラリウスが見たものは、両手に肉の塊を持った、プラチナの髪をたなびかせた女性の「冷たき笑顔」だった。
ヒウラリウスは自分の胸を突き抜けたのが血まみれの白い美しい腕で、何か自分にとって大切なもの(笑)、を持っているのを見た。
落ち着いたところで、タニアは二人に自分の目的を話しだした。この森の奥には呪われた森がある。それは、タニアとロックによって引き起こされた悪夢であり、彼女の漱がなければならない罪なのだという。ロックはその呪いを打ち破るためにトレイシーを連れて森に入ろうとしている。呪われた森を無事に歩けるのはマックだけであり、ロックは必ずここに姿を見せるはずだ、と説明した。大地への冒涜を聞いてリスターはタニアを責めたが、タニアが呪いを解消したいと心から願っているのを見て協力を申し出た。そしていつ来るとも知れないロックを待って、マックの小屋での日々がすぎていった。
――そして数日後、小屋に来訪者があった。しかしそれはロックではなく、海の狼から逃亡して森に入り込んだバーンバーグ達であった。あまりにも奇妙な「再会」に一同は困惑する。しかし双方とも緊急の状況であるという暗黙の了解から、緊張状態のままバーンバーグ達もマックの小屋に宿泊することになった。最低限の情報交換が行われ、タニア達はロックがすでにこの森に入っていることを知った。
そして翌朝、さらなる混乱が扉を叩いた。それはブルーヴァを追ってきたラーサであり、海の狼に捕らえられていたキャロラインという女性を連れていた。だがバーンバーグは、そのプラチナの髪の美女が、船上で彼を見つめていた女性だと――恐怖とともに――確信した。
呪われし森
キャロラインの登場はバーンバーグを混乱の極に陥れたが、一晩休んだ彼からは(そしてヒウラリウスからも)、自分の胸を突き抜けた腕の記憶は消えていた。彼はいわれのない(なくなった)恐怖に、早急にここを去ろうと提案する。ヒウラリウスは呪われた森の事件への興味からこの地に残り、バーンバーグとウェインはカーシーを目指して出発した。
途中で熊と遭遇して瀕死の状況に追いつめられながらも、ふたりはどうにか歩を進めていた。ところが2日目の行軍の途上、バーンバーグは心臓に締め付けられるような違和感を覚えた。歩を進めるたびに苦しさは増し、ついには一歩も先に進めなくなった。
バーンバーグ達の去った後、タニアは聖域を確認しにいったん森に入った。聖域はあらゆる草木の枯れ落ちた、腐臭の漂う、静かな森だった。森の中心部には泥の沼があり、その中央の少し高くなった島のような大地に、中ほどで折れた巨木があった。
沼の周囲は呼吸するだけで体調を崩すような瘴気が漂っていた。沼を渡る途中で骨と皮だけの姿をしたワニを退け中央の丘にたどり着くと、タニアはこの地で起こったことを沈んだ声で告白し始めた――。
バーンバーグ激昂
タニア達が聖域からマックの家に戻ると、いつのまにか戻っていたバーンバーグ達が、キャロラインを捕らえ、剣を突き付けて詰問していた。何事かと怒ったタニア達に、バーンバーグは己にかけられた呪いについて説明し、理解を求める。話の中で一同はヒウラリウスの突然の出血がバーンバーグの熊から受けた傷と時間も場所も一致することに気づき、確かに何らかの魔術が働いているという認識では一致する。しかしキャロラインを問いただしても不審なところは見出せず、バーンバーグは心にしこりを残したまま追求を諦めなければならなかった。
バーンバーグがウェインに呪いのために指揮権を放棄することを宣言し、タニア達と同道することを薦めた。
降りきたりし者
数日が経って、タニア達はバーンバーグ一人を残し、再び森に踏み込んだ。そして聖地に着いた彼女らが見たものは、いままさに巨木から己の肉体に穢れを取り込もうとしているトレイシーだった。タニアは「いまの彼女では聖木の穢れをすべて受け入れることは出来ない」と、ブルーヴァを聖木から引き離す。ところが突然キャロラインの頭上に光り輝く精霊が現われて彼女に憑依すると、ブルーヴァに襲いかかった。触れたものすべてを削り取るキャロラインの魔手に、ラーサは右腕を落とされ、アルストもウェインもなすすべもなく打ち倒される。
タニアさえも崩れ落ちた瞬間、リスターはトレイシーの中に眠るロコに呼びかけた。奇跡はロコを顕現させ、キャロラインはロコの力の前に打ち破られた。キャロラインの首は切り落とされ、トレイシーは意識を失い崩れ落ちた。
このとき現れた精霊は輝く翼と冠、槍を手にした女性の姿をしていた。
戦いの中でウェインはキャロラインに胸を貫かれるが、なぜかなんの傷も残らなかった。
ウェインとヒウラリウスは呪いを解けるかもしれないとバーンバーグに説得され、3人でカーシーを目指したが、途中で大蛇に襲われ全滅する。死の淵で彼らはスターミストレスと名乗る精霊――おそらく彼らの心臓を奪った存在と思われる女性――と出会い、その僕となることを誓約することで一命を取りとめた。
バーンバーグ達はマックの小屋へ戻ると、タニア達にスターミストレスのことを話し、彼女の命令に従わざるを得ないため、キャロラインの肉体を再びつなぎあわせると主張した。スターミストレスが自分達――特にトレイシーに興味を持っていると判断したタニアは、スターミストレスとの交渉が最善と判断し、キャロラインの肉体は掘り起こされ、つなぎあわされた。
タニアは再び降臨したスターミストレスと交渉し、トレイシーとロコを結び付けている「何か」を交換条件として、一時的な休戦と協力協定を結んだ。このためバーンバーグはじめウェインとヒウラリウスがタニアに協力しなくてはならないという奇妙な関係が生まれた。
タニアはトレイシーを取り戻したことでこの地から去る決心をし、マックに別れを告げ、カーシーへと向かった。
一連の出来事からバーンバーグは軍に離職願いを出し、ヤーナファルターニルズをやめたいと宣言した。
タニアとバーンバーグで交渉成立。
(すいません、この部分はちゃんとログを取っていなかったので、あとで詰めます)
ロコとラドルの物語
第一話:海の狼-1
ノチェットまであと3日の距離にある漁村カインリアムでは、この沿岸を荒らしまわっている海賊「海の狼」を警戒し、自警団が組織されていた。一行は、村に入るために武器を預け、警備にも協力させられることになる。そして幸運は彼らに背を向けた。その日の夜、海から迫る灯火とともに、襲撃の嬌声があがった。備考
この時点でのパーティーはバーンバーグ、ヒウラリウス、ウェイン、ツェットの4人。第三話:海の狼-2
1996/11/10(日)11:40開始海の狼-2
カインリアムの自警団は襲撃に必死に抵抗し、善戦していた。だが、襲撃隊のリーダーと思われる全身が赤い刺青に覆われた大男が現れるや否や、戦線は崩壊した。戦意喪失した村人らは降伏し、4人(バーンバーグ、ヒウラリウス、ウェイン、ツェット)も海賊に連行されてしまう。甲板に数珠繋ぎにされた捕虜達が疲労で深い眠りについている中、バーンバーグは人の気配でふと目を覚ました。逆光ではっきりとはわからなかったが、プラチナの細い髪をなびかせた美しい女性がバーンバーグの瞳を覗きこんでいた。頭の中をかき回されるようなけだるい苦痛に、バーンバーグは再び眠りについていった。
翌朝、4人は赤い大男バーンリオンの前に連れ出された。ルナー人であることの証拠はすべて隠してあったはずだが、何故か彼らの素性は知られており、身代金を支払うか配下となるかの選択を迫られる。身代金を確約できなかった彼らは焼き印を押され、さらにバーンリオンは「互いに戦い一方の目をえぐり出せば、我が配下として信用しよう」と要求した。バーンバーグがヒウラリウスの左目を奪い、ウェインがツェットの両目を奪うことでこの凄惨な戦いは終わり、4人は他の捕虜達とともに船倉のオールに鎖で繋がれた。
備考
ヒウラリウスは月の石を見張り台に隠した。他の二人もこの事件ですべての装備を失った。ここで出てくるバーンリオンは海の狼の1船長。ハレックではない。バーンリオンの率いるのは4番艦で、小村を襲撃するのには十分な戦力を持っている。
ここで4人に押された焼き印は神聖介入を阻害するためのもの。
第四話:冷たき笑顔
それからオールを動かすだけの日々が始まった。ところが、沿岸の町を襲撃したある日の夜、船倉に突然ロックが侵入してきた。ロックはバーンバーグに「ブルーヴァがこの海賊に捕らえられた。彼女を助け出すのを手伝うのなら逃がしてやろう」と持ち掛ける。両目を失ったために戦力にならなくなったツェットを残して、ロック、バーンバーグ、ヒウラリウス、ウェインは船を脱出した。ロックの指示に従ってブルーヴァが捕われているという倉庫を襲撃すると、中には宝物が積まれ、4人の女性が倒れていた。しかし彼らの襲撃はすでに海賊の本隊の知るところとなり、町からは猛烈な勢いで追っ手が迫ってくる。宝を取る暇も、他の女性を助ける暇もなく、ウェインがブルーヴァを連れ出してロックに引渡すと彼は用意していた馬に彼女を乗せていちはやく逃亡した。
バーンバーグとヒウラリウスが入口をくぐろうとしたとき、突然二人の背中に戦慄が走り、胸を何かが突き抜けた。魂を引き裂かれるような苦痛が二人を襲ったが、いまは全力で逃げるしかなかった。数十メートル走って後ろを振り向いたヒウラリウスが見たものは、両手に肉の塊を持った、プラチナの髪をたなびかせた女性の「冷たき笑顔」だった。
備考
ロックに連れられてこの町にいたブルーヴァは、ちょうどロックが外出していたときに、海賊に捕らえられた。ロックは都市の略奪に成功した海賊の船の警備が手薄になったのを見て、奴隷を開放してその混乱に乗じようと考える。ところが偶然バーンバーグたちが捕らえられているのを見つけて、小人数での襲撃に方針転換した。ヒウラリウスは自分の胸を突き抜けたのが血まみれの白い美しい腕で、何か自分にとって大切なもの(笑)、を持っているのを見た。
第五話:再会
リスターとアルストはタニアと共にある森を目指していた。森の中を二日歩いて、タニアが二人を案内したのは一軒の丸太小屋だった。小屋の主はマックといい、無口な老人の狩人であった。タニアと彼の間には重大な過去があるらしく、彼女は苦渋と親愛に満ちた挨拶をして、保護を願い出る。マックは無関心に同意し、3人はマックの小屋に滞在することになった。落ち着いたところで、タニアは二人に自分の目的を話しだした。この森の奥には呪われた森がある。それは、タニアとロックによって引き起こされた悪夢であり、彼女の漱がなければならない罪なのだという。ロックはその呪いを打ち破るためにトレイシーを連れて森に入ろうとしている。呪われた森を無事に歩けるのはマックだけであり、ロックは必ずここに姿を見せるはずだ、と説明した。大地への冒涜を聞いてリスターはタニアを責めたが、タニアが呪いを解消したいと心から願っているのを見て協力を申し出た。そしていつ来るとも知れないロックを待って、マックの小屋での日々がすぎていった。
――そして数日後、小屋に来訪者があった。しかしそれはロックではなく、海の狼から逃亡して森に入り込んだバーンバーグ達であった。あまりにも奇妙な「再会」に一同は困惑する。しかし双方とも緊急の状況であるという暗黙の了解から、緊張状態のままバーンバーグ達もマックの小屋に宿泊することになった。最低限の情報交換が行われ、タニア達はロックがすでにこの森に入っていることを知った。
そして翌朝、さらなる混乱が扉を叩いた。それはブルーヴァを追ってきたラーサであり、海の狼に捕らえられていたキャロラインという女性を連れていた。だがバーンバーグは、そのプラチナの髪の美女が、船上で彼を見つめていた女性だと――恐怖とともに――確信した。
備考
バーンバーグはリスターとアルストを軍属から外し、タニアを連行して軍に復帰したいと考えていたが、この時点での装備は貧弱で、さらに人間関係の複雑さが状況を硬直させた。ロコとラドルの物語/第六話:呪われし森
1996/11/17(日)12:15開始呪われし森
キャロラインの登場はバーンバーグを混乱の極に陥れたが、一晩休んだ彼からは(そしてヒウラリウスからも)、自分の胸を突き抜けた腕の記憶は消えていた。彼はいわれのない(なくなった)恐怖に、早急にここを去ろうと提案する。ヒウラリウスは呪われた森の事件への興味からこの地に残り、バーンバーグとウェインはカーシーを目指して出発した。
途中で熊と遭遇して瀕死の状況に追いつめられながらも、ふたりはどうにか歩を進めていた。ところが2日目の行軍の途上、バーンバーグは心臓に締め付けられるような違和感を覚えた。歩を進めるたびに苦しさは増し、ついには一歩も先に進めなくなった。
バーンバーグ達の去った後、タニアは聖域を確認しにいったん森に入った。聖域はあらゆる草木の枯れ落ちた、腐臭の漂う、静かな森だった。森の中心部には泥の沼があり、その中央の少し高くなった島のような大地に、中ほどで折れた巨木があった。
沼の周囲は呼吸するだけで体調を崩すような瘴気が漂っていた。沼を渡る途中で骨と皮だけの姿をしたワニを退け中央の丘にたどり着くと、タニアはこの地で起こったことを沈んだ声で告白し始めた――。
「呪われし森」の物語
タニアはサロニルの血に連なるサーターの血族でした。あるとき彼女は誘拐され、盗賊から逃げてロコの森に逃げ込みましたが、聖木に触れて青うさぎとなる呪いを受けてしまったのでした。幾年もの後(1619年)に、ある冒険者たちによって呪いから開放された彼女は、トレイシー(彼女も青うさぎの呪いを受けていたひとりであった)と共に、他人にはわからぬ孤独を慰めあい、姉妹のように暮らしておりました。
ですがタニアの出自がある勢力に知られたことで、ふたりは逃亡の日々を送ることになりました。逃げる場所を失った彼女たちはロコの森へ再び戻るしかありませんでした。彼女たちはそこで人語を解する大きな青うさぎロックと出会い、彼からこの森の呪いを解いてくれないかと話を持ちかけられました。彼の境遇に同情したタニアは「王家の秘宝」を使い、一時的にロコの神格を失わせたのです。
ところが人間に戻ったロックはロコを陵辱しました。最初からだまされていたことを知ったタニアはロックを殺そうとしましたが、ロコは彼女にこう語りました――彼を殺さずに置いて下さい。この人の行いは到底許されるべきものではありませんが、彼は私を彼なりに愛しているのです。こんなやり方しか知らない人なのです。私は彼に命の実を与えました。彼は100年生き、そして己の過ちに気付くでしょう。もしこの再びこの森がすこやかに蘇るならば、それがあなたと彼の罪を流し去るでしょう――。
トレイシーが何を思ったのかはタニアにもわかりませんでしたが、トレイシーが消えゆくロコの身体を抱き寄せると、ロコの霊は「秘宝」と共に彼女に吸収されました。そしてロックの行いで深く呪われた森は、腐敗と死の森と化したのです。
バーンバーグ激昂
タニア達が聖域からマックの家に戻ると、いつのまにか戻っていたバーンバーグ達が、キャロラインを捕らえ、剣を突き付けて詰問していた。何事かと怒ったタニア達に、バーンバーグは己にかけられた呪いについて説明し、理解を求める。話の中で一同はヒウラリウスの突然の出血がバーンバーグの熊から受けた傷と時間も場所も一致することに気づき、確かに何らかの魔術が働いているという認識では一致する。しかしキャロラインを問いただしても不審なところは見出せず、バーンバーグは心にしこりを残したまま追求を諦めなければならなかった。
備考
バーンバーグの心臓が変調をきたしたとき、彼の脳裏にはキャロラインの姿が浮かんではなれなかった。そのため彼女が自分に呪いをかけたのではないかと疑っている。バーンバーグがウェインに呪いのために指揮権を放棄することを宣言し、タニア達と同道することを薦めた。
第七話:降りきたりし者
降りきたりし者
数日が経って、タニア達はバーンバーグ一人を残し、再び森に踏み込んだ。そして聖地に着いた彼女らが見たものは、いままさに巨木から己の肉体に穢れを取り込もうとしているトレイシーだった。タニアは「いまの彼女では聖木の穢れをすべて受け入れることは出来ない」と、ブルーヴァを聖木から引き離す。ところが突然キャロラインの頭上に光り輝く精霊が現われて彼女に憑依すると、ブルーヴァに襲いかかった。触れたものすべてを削り取るキャロラインの魔手に、ラーサは右腕を落とされ、アルストもウェインもなすすべもなく打ち倒される。
タニアさえも崩れ落ちた瞬間、リスターはトレイシーの中に眠るロコに呼びかけた。奇跡はロコを顕現させ、キャロラインはロコの力の前に打ち破られた。キャロラインの首は切り落とされ、トレイシーは意識を失い崩れ落ちた。
備考
バーンバーグとキャロラインを残すのは危険だと判断し、キャロラインを同行させた。このとき現れた精霊は輝く翼と冠、槍を手にした女性の姿をしていた。
戦いの中でウェインはキャロラインに胸を貫かれるが、なぜかなんの傷も残らなかった。
第八話:ロコとラドルの物語
その頃、ひとり小屋に残ったバンバーグのもとへミイラのようにやせ衰えたロックが倒れ込んできた。ロックは意識を取り戻すと「裏庭に生える木の根本から骨を掘り出してくれ」とバーンバーグに願う。木の根本からはうさぎの骨がでてきたが、そのとき木に触れたバーンバーグの前に狩人ラドルの精霊が現れる。ラドルは森の呪いを解いてほしいとバーンバーグに願い、自分とロコとロックの間に何があったかを語った。~ロコとラドルの物語~
むかし、この森は豊かな、生きる力に満ちた森でした。人や動物たちの森への愛情は、長い年月を経てロコという守り手を生み出しました。ロコは狩人達がとても好きでした。彼女を崇める狩人達は彼女の庇護の下、道に迷うこともありませんでした。動物たちもまた彼女の保護を受け、沢山の子を産み、育て、輝きに満ちた一生を送っていました。彼女を称える祭りには人も獣も集い、共に祈りを捧げるのでした。
ロコには人間の恋人がいました。名をラドルといい、腕のいい狩人でした。ふたりは深くお互いを理解していて、ラドルの率いた狩りの祭典は毎年すばらしいものでしたし、ラドルの仲間達はけして森への感謝を忘れませんでした。
ラドルはあまり年をとりませんでした。これを不審に思ったロックはラドルの後をつけ、ロコが彼に聖木になる実を食べさせているのを見ました。さらに彼はロコの美しさにも心を奪われ、なんとかあの不思議な木の実とロコとを手に入れたいと考えたのです。ロックはラドルが森からでたところを毒のついた矢で殺しました。そしてロコに「ラドルは命の実を狙っている人間に殺された。俺はここを守ってくれるようにと彼に頼まれた。」と信じ込ませたのです。それ以来ロコは人間を恨み、狩人達はこの森を崇めなくなりました。
ロックは自分だけが「命の実」の恩恵を受けるつもりでした。そしてロコの忠告を無視して神木に触り、彼もまた青うさぎになってしまいました。ロコの寵愛を受けていたロックは完全なうさぎにはなりませんでしたが、知性が残ってしまったためにかえって苦しむことになりました。彼は逆恨みをして、森に出かけて人を神木まで誘いだしては青うさぎに変えることにしか楽しみを見いだすようになりました。
ラドルが死んだとき、彼は命の木の実を持っていました。そして皮肉なことに、ロックが奪うはずだった命の実はラドルの身体に根づき、彼の魂を救うことになったのです。
補足
ラドルの精霊と対面したロックは激昂してラドルと言い争うが、「俺は俺のやり方でロコを助けてみせる」とラドルに向かって吐き捨てる。バーンバーグはラドルに協力したら呪いを解いてくれないかと持ち掛け、ラドルから「ロコが復活すれば彼女がそれを行えるだろう」という答えを得た。バーンバーグは戻ってきたタニア達にロックを引き合わせ、タニアはロックにアルストの奇病を取り除かせた。アルストの想い
蟲の除去は命懸けであった。このときアルストはロックに自分の想い(^_^;)をロックにぶつけた。ロックがどう思ったかは不明。第九話:スターミストレス
スターミストレスウェインとヒウラリウスは呪いを解けるかもしれないとバーンバーグに説得され、3人でカーシーを目指したが、途中で大蛇に襲われ全滅する。死の淵で彼らはスターミストレスと名乗る精霊――おそらく彼らの心臓を奪った存在と思われる女性――と出会い、その僕となることを誓約することで一命を取りとめた。
バーンバーグ達はマックの小屋へ戻ると、タニア達にスターミストレスのことを話し、彼女の命令に従わざるを得ないため、キャロラインの肉体を再びつなぎあわせると主張した。スターミストレスが自分達――特にトレイシーに興味を持っていると判断したタニアは、スターミストレスとの交渉が最善と判断し、キャロラインの肉体は掘り起こされ、つなぎあわされた。
タニアは再び降臨したスターミストレスと交渉し、トレイシーとロコを結び付けている「何か」を交換条件として、一時的な休戦と協力協定を結んだ。このためバーンバーグはじめウェインとヒウラリウスがタニアに協力しなくてはならないという奇妙な関係が生まれた。
タニアはトレイシーを取り戻したことでこの地から去る決心をし、マックに別れを告げ、カーシーへと向かった。
第十話:カーシーにて
長い逃避行を終え無事カーシーにたどり着いた一行は、心地よい安心感に身を休め、それぞれの身の振り方を考えることにした。一連の出来事からバーンバーグは軍に離職願いを出し、ヤーナファルターニルズをやめたいと宣言した。
タニアとバーンバーグで交渉成立。
(すいません、この部分はちゃんとログを取っていなかったので、あとで詰めます)