Top > キャンペーン > 道標 > 20011020【 次回→ 】
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エドワルド(ロードリル侍祭)M35、S17、A11、デイアス
ゲラーフ(オーランス信徒)M26、S12、A14、G.コース
キートン(マスターコス司祭)M30、S8、A9、古竜
シンクレオ(ヴァンチ出身の兵士に取り付いた精霊。古代オーランス?)M21、S13、A10、りんぞう
"山駆け"カル(郵便配達人。頭が悪く皆に利用されている。頑な)M22、S14、A14、aza
ターシュ国、「Borni's Landing」東の山岳地帯にある街"ブラックソーン"。そのさびれた酒場に、4人の男達がいた。それぞれ手持ち無沙汰に飲食をしている。しらけた雰囲気が空気を支配していた。
そのうちの一人が食事を終えると席を立ち、酒場を出て行った。それといれかわりに郵便配達人のカルが顔をのぞかせた。
「あの、お手紙です。あの、宛先はここになってます。ご主人あてです。」
酒場の主人は笑顔でカルを迎え、店内に入ってくるように手招きをした。カルは薄汚れた服を気にしながら、身体をゆすってゴミが落ちるのを恐れているかのように身を縮めながら、忍び足のようなしぐさでカウンターに近づくと、手紙を主人へ差し出した。
主人は手紙を受け取ると差出人が戦場に行っている息子からだ、と言ってカルに飲み物を渡し、手紙を読みはじめた。カルは、貴族達のダンスパーティにまぎれこんだ乞食のように、自信無げに周囲の目を気にしながらその飲み物を一気に飲み干した。手紙は主人をおおいに喜ばせ、カルは歓待を受けた。
その様子をつまらなげに見ていた3人(ゲラーフ、エドワルド、キートン)は、次に入ってきた女性に目を奪われた。その女性は白地に赤の唐草模様が入った奇抜な衣装を身にまとっていたが、目を引いたのはその炎のような赤髪と、その見事な美貌ゆえであった。
彼女は周囲の視線を意識しながらどうどうと歩をすすめ、カウンターの所で振り向くと言った。
「仕事があるの。一日6ルナー出すわ。手を貸してくれないかしら。」
退屈しきっていた男達の目に、一気に生気が戻った。カルを除いて…。
カルは女性が入ってきた時から、すぐに退出するつもりで残りの食事をかき込むと、数少ない荷物である杖を手にして、女性を避けるように壁面に移動しながら出口を目指していたが、女性の呼びかけと周囲の反応にさえぎられ、脱出の機会を失っていた。
(それから2日ほど)
酒場に入ってきた女性はべラと言った。彼女は、周囲の人間と雇用契約を結ぶと、すぐに旅立つと言ったが、土地観のある者を求めていた。周囲の目はカルに集まり、カルはびくびくしながらそれを辞退しようと努力したが、乗り気の男達の迫力に負けて同行をすることになってしまった。そして翌朝から出発し、2日間。彼は土地のガイドのような事を期待されながら、一行に同行していたが、早くも道を見失っていた。
彼は先輩から教わったルート以外の道を進むことを一瞬も考えたことがなく、何があっても郵便ルートを進んできただけなので応用力は全く無かった。彼は驚くほど頑なだったが、それゆえ信用のおける郵便配達人でもあったのだ。
「本当にこの山なのか?」周囲の罵声に身を小さくしながら彼は汗をかいていた。そんな時、行く先の山中に焚き火をしている気配を見つける。それを告げると、周囲の注意は反れ、彼はほっと胸をなでおろした。
焚き火に近づく一行。焚き火のそばには、大きな猫を枕に寝ていた戦士風の男がいた。彼は「一応オーランスです。」と微妙な発言をして、「すこし北でイザコザをおこしてしまいましてね。くわしくは言えませんが…、実は自分の所在がわからなくなってしまっているのです。」と不思議と憎めない雰囲気で道に迷ったということを告白した。
結局一行は彼の焚き火のそばで一泊をすることを決め、周囲に薪集めや食料品採集のために散って行った。
そして、洞窟の入り口を見つけた。自然の洞窟の多くがそうであるように、その入り口は蔦や木の枝や葉によって大部分が隠されていた。べラは「ここが目的地かもしれない」とつぶやいた。
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第1話:絶叫
エドワルド(ロードリル侍祭)M35、S17、A11、デイアス
ゲラーフ(オーランス信徒)M26、S12、A14、G.コース
キートン(マスターコス司祭)M30、S8、A9、古竜
シンクレオ(ヴァンチ出身の兵士に取り付いた精霊。古代オーランス?)M21、S13、A10、りんぞう
"山駆け"カル(郵便配達人。頭が悪く皆に利用されている。頑な)M22、S14、A14、aza
ターシュ国、「Borni's Landing」東の山岳地帯にある街"ブラックソーン"。そのさびれた酒場に、4人の男達がいた。それぞれ手持ち無沙汰に飲食をしている。しらけた雰囲気が空気を支配していた。
そのうちの一人が食事を終えると席を立ち、酒場を出て行った。それといれかわりに郵便配達人のカルが顔をのぞかせた。
「あの、お手紙です。あの、宛先はここになってます。ご主人あてです。」
酒場の主人は笑顔でカルを迎え、店内に入ってくるように手招きをした。カルは薄汚れた服を気にしながら、身体をゆすってゴミが落ちるのを恐れているかのように身を縮めながら、忍び足のようなしぐさでカウンターに近づくと、手紙を主人へ差し出した。
主人は手紙を受け取ると差出人が戦場に行っている息子からだ、と言ってカルに飲み物を渡し、手紙を読みはじめた。カルは、貴族達のダンスパーティにまぎれこんだ乞食のように、自信無げに周囲の目を気にしながらその飲み物を一気に飲み干した。手紙は主人をおおいに喜ばせ、カルは歓待を受けた。
その様子をつまらなげに見ていた3人(ゲラーフ、エドワルド、キートン)は、次に入ってきた女性に目を奪われた。その女性は白地に赤の唐草模様が入った奇抜な衣装を身にまとっていたが、目を引いたのはその炎のような赤髪と、その見事な美貌ゆえであった。
彼女は周囲の視線を意識しながらどうどうと歩をすすめ、カウンターの所で振り向くと言った。
「仕事があるの。一日6ルナー出すわ。手を貸してくれないかしら。」
退屈しきっていた男達の目に、一気に生気が戻った。カルを除いて…。
カルは女性が入ってきた時から、すぐに退出するつもりで残りの食事をかき込むと、数少ない荷物である杖を手にして、女性を避けるように壁面に移動しながら出口を目指していたが、女性の呼びかけと周囲の反応にさえぎられ、脱出の機会を失っていた。
(それから2日ほど)
酒場に入ってきた女性はべラと言った。彼女は、周囲の人間と雇用契約を結ぶと、すぐに旅立つと言ったが、土地観のある者を求めていた。周囲の目はカルに集まり、カルはびくびくしながらそれを辞退しようと努力したが、乗り気の男達の迫力に負けて同行をすることになってしまった。そして翌朝から出発し、2日間。彼は土地のガイドのような事を期待されながら、一行に同行していたが、早くも道を見失っていた。
彼は先輩から教わったルート以外の道を進むことを一瞬も考えたことがなく、何があっても郵便ルートを進んできただけなので応用力は全く無かった。彼は驚くほど頑なだったが、それゆえ信用のおける郵便配達人でもあったのだ。
「本当にこの山なのか?」周囲の罵声に身を小さくしながら彼は汗をかいていた。そんな時、行く先の山中に焚き火をしている気配を見つける。それを告げると、周囲の注意は反れ、彼はほっと胸をなでおろした。
焚き火に近づく一行。焚き火のそばには、大きな猫を枕に寝ていた戦士風の男がいた。彼は「一応オーランスです。」と微妙な発言をして、「すこし北でイザコザをおこしてしまいましてね。くわしくは言えませんが…、実は自分の所在がわからなくなってしまっているのです。」と不思議と憎めない雰囲気で道に迷ったということを告白した。
結局一行は彼の焚き火のそばで一泊をすることを決め、周囲に薪集めや食料品採集のために散って行った。
そして、洞窟の入り口を見つけた。自然の洞窟の多くがそうであるように、その入り口は蔦や木の枝や葉によって大部分が隠されていた。べラは「ここが目的地かもしれない」とつぶやいた。