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第二話:子羊たち


 移動のルーンに導かれ…


デイアス:エドワルド(ロードリル侍祭。せつな的快楽主義者。女に目が無い。)
G.コース:ゲラーフ (オーランス入信者。泥棒業務経験者。大剣と細剣を持つ。)
古竜  :キートン (マスターコス司祭+オーランス入信者。)
azatoth :"山駆"カル(オーランス入信者。郵便配達人。頭が悪く頑な。)
※シンクレオのプレイヤーが急に仕事が入ったため参加できず。


 魂を持っていかれるような絶叫をなんとかこらえた一行は、「今の何?」「ひょっとして、生きていたのか?」などと動揺しながら話をしていた。

 穴を発見し、なんとか抜け出すが、べラやシンクレオとは、はぐれてしまう。

 穴の出口にようやくたどりついた時、その先でルナー兵の襲撃を受ける。しかし、カルとゲラーフが洞窟に逃げ込むと敵の一部がそれを追撃し、それが結果的に敵を分断することになる。キートンとエドワルドは、残ったルナー兵を個別に撃退した。

 一行はすぐには穴を戻れないと考え、またルナー兵の後からやってきた一団から逃げるために夜の山中に身を隠す。

 その時、ルナー兵2名が森に潜むのを発見し、急襲する。しかし、それはルナー兵の衣装をつけた子供二人だった。子供のうち一人はキートンが殺してしまった。

 残る1名と話をすると、それはルナー皇帝領から脱出してきた者達の1名だと言う。彼は優雅な上流ターシュ語で自己紹介をはじめる。

 「私の名はユーマ。皇帝の辺境奴隷として、この地で暮らしていました。ある人の導きを受けて、私達は宮廷から抜け出してきました。コスターディにある別館から逃げ出してきたのです。ここは皇帝の直轄地です。私には13人の仲間がいます。」

 そして、仲間の元に一行を連れて行くと言った。そして彼は、「エルベレオンは死んでしまった。しかし、やはり神は我々を見捨てなかった。」と呟いた。

 ユーマの導きである滝の裏に回りこむと、そこには洞窟があり、多くの子供達と、老人、そして片足の戦士がいた。ユーマが紹介をはじめる。

 老人はビルフランと言いマスターコスの司祭であったが、10年前ルナーに強制的に引退させられたのだと言う。少年達を導いたのは彼だったようだ。そして、片足の戦士はジャロミウス。オーランスの戦士だと名乗る。

 そしてビルフランは、その不遇な過去を語り始める。その後をついで語ったユーマの話は、エドワルド、キートン、ゲラーフ、カルの心を強く打った。

 ユーマは、ずっと笑顔をたやさないタウを近くに呼ぶと、静かに語り始めた。

 「あれは、タウの妹、ユームの3歳の誕生日だった。
  僕とタウは、皇帝のちょっとした催しの給仕をさせられていた。
  ちょっとした、といったって、そこに出るあんな豪華な食事は、
  きっと神様だってしていやしない。
  たった10人ぐらいの客に、一抱えもあるような大皿が次々と何十枚も出てくるんだ。
  僕らはそこで使い走りをさせられながら、小突かれたりはたかれたり。
  『南の蛮人どもは、この程度に役にもたたんのか』と言われるために。

  酒もまわって賑やかになってきた頃、タウが運んだ大皿の蓋を開けたとき。
  ・・・ああ!僕だって、いまでも夢に見る。
  皿に盛り付けられたユームの顔。
  輪切りにされて、形が崩れないように盛り付けられていたんだ!
  タウが泣き叫ぶのを聞きたいばかりに、あいつらが。

  でも泣くこともできなかった。
  タウはね、笑ったよ。
  本当におかしそうに笑ったよ。

  あの声が耳から離れない。
  それからずっと、――笑ってる。」

 話が一段落すると、ジャロミウスが語る。

 「ルナー兵達は、皇帝の威信にかけて我々を追っている。これまでに子供達は半分になってしまった…。」

 ビルフランが引きつった表情のエドワルド、キートン、ゲラーフ、カル達を見ながら再び語る。

 「我々がここにいるのは偶然ではない。『野の道』というものを知っているか…?」

 ユーマは静かに立ちあがり「私は外を見張ります」と言うと一人、外へと向かった。カルは難しい話についていけず、ユーマを追う。そしてユーマの隣に腰掛けると、星を見上げながらユーマに語り掛ける。

 「ルナーのやつらは酷いことをするが、皇帝はもっと酷い。僕の故郷にはそんな酷い人は居ないよ。君達はここにいてはいけない。君達を僕の故郷までつれていくよ。」


ユーマの語りの元原稿


「あれは、タウの妹、ユームの3歳の誕生日だった。
 僕とタウは、皇帝のちょっとした催しの給仕をさせられていた。
 ちょっとした、といったって、そこに出るあんな豪華な食事は、きっと神様だってしていやしない。
 たった10人ぐらいの客に、一抱えもあるような大皿が次々と何十枚も出てくるんだ。
 僕らはそこで使い走りをさせられながら、小突かれたりはたかれたり。
 『南の蛮人どもは、この程度に役にもたたんのか』と言われるために。

 酒もまわって賑やかになってきた頃、タウが運んだ大皿の蓋を開けたとき。

…ああ!僕だって、いまでも夢に見る。

 皿に盛り付けられたユームの顔。
 輪切りにされて、形が崩れないように盛り付けられていたんだ!
 タウが泣き叫ぶのを聞きたいばかりに、あいつらが。


 でも泣くこともできなかった。

 タウはね、笑ったよ。
 本当におかしそうに笑ったよ。

 あの声が耳から離れない。

 それからずっと、――笑ってる。」


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