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移動のルーンに導かれ…
デイアス:エドワルド(ロードリル侍祭。せつな的快楽主義者。女に目が無い。)
G.コース:ゲラーフ (オーランス入信者。泥棒業務経験者。大剣と細剣を持つ。)
古竜 :キートン (マスターコス司祭+オーランス入信者。)
azatoth :"山駆"カル(オーランス入信者。郵便配達人。頭が悪く頑な。)
※シンクレオのプレイヤーが急に仕事が入ったため参加できず。
魂を持っていかれるような絶叫をなんとかこらえた一行は、「今の何?」「ひょっとして、生きていたのか?」などと動揺しながら話をしていた。
穴を発見し、なんとか抜け出すが、べラやシンクレオとは、はぐれてしまう。
穴の出口にようやくたどりついた時、その先でルナー兵の襲撃を受ける。しかし、カルとゲラーフが洞窟に逃げ込むと敵の一部がそれを追撃し、それが結果的に敵を分断することになる。キートンとエドワルドは、残ったルナー兵を個別に撃退した。
一行はすぐには穴を戻れないと考え、またルナー兵の後からやってきた一団から逃げるために夜の山中に身を隠す。
その時、ルナー兵2名が森に潜むのを発見し、急襲する。しかし、それはルナー兵の衣装をつけた子供二人だった。子供のうち一人はキートンが殺してしまった。
残る1名と話をすると、それはルナー皇帝領から脱出してきた者達の1名だと言う。彼は優雅な上流ターシュ語で自己紹介をはじめる。
「私の名はユーマ。皇帝の辺境奴隷として、この地で暮らしていました。ある人の導きを受けて、私達は宮廷から抜け出してきました。コスターディにある別館から逃げ出してきたのです。ここは皇帝の直轄地です。私には13人の仲間がいます。」
そして、仲間の元に一行を連れて行くと言った。そして彼は、「エルベレオンは死んでしまった。しかし、やはり神は我々を見捨てなかった。」と呟いた。
ユーマの導きである滝の裏に回りこむと、そこには洞窟があり、多くの子供達と、老人、そして片足の戦士がいた。ユーマが紹介をはじめる。
老人はビルフランと言いマスターコスの司祭であったが、10年前ルナーに強制的に引退させられたのだと言う。少年達を導いたのは彼だったようだ。そして、片足の戦士はジャロミウス。オーランスの戦士だと名乗る。
そしてビルフランは、その不遇な過去を語り始める。その後をついで語ったユーマの話は、エドワルド、キートン、ゲラーフ、カルの心を強く打った。
ユーマは、ずっと笑顔をたやさないタウを近くに呼ぶと、静かに語り始めた。
「あれは、タウの妹、ユームの3歳の誕生日だった。
僕とタウは、皇帝のちょっとした催しの給仕をさせられていた。
ちょっとした、といったって、そこに出るあんな豪華な食事は、
きっと神様だってしていやしない。
たった10人ぐらいの客に、一抱えもあるような大皿が次々と何十枚も出てくるんだ。
僕らはそこで使い走りをさせられながら、小突かれたりはたかれたり。
『南の蛮人どもは、この程度に役にもたたんのか』と言われるために。
酒もまわって賑やかになってきた頃、タウが運んだ大皿の蓋を開けたとき。
・・・ああ!僕だって、いまでも夢に見る。
皿に盛り付けられたユームの顔。
輪切りにされて、形が崩れないように盛り付けられていたんだ!
タウが泣き叫ぶのを聞きたいばかりに、あいつらが。
でも泣くこともできなかった。
タウはね、笑ったよ。
本当におかしそうに笑ったよ。
あの声が耳から離れない。
それからずっと、――笑ってる。」
話が一段落すると、ジャロミウスが語る。
「ルナー兵達は、皇帝の威信にかけて我々を追っている。これまでに子供達は半分になってしまった…。」
ビルフランが引きつった表情のエドワルド、キートン、ゲラーフ、カル達を見ながら再び語る。
「我々がここにいるのは偶然ではない。『野の道』というものを知っているか…?」
ユーマは静かに立ちあがり「私は外を見張ります」と言うと一人、外へと向かった。カルは難しい話についていけず、ユーマを追う。そしてユーマの隣に腰掛けると、星を見上げながらユーマに語り掛ける。
「ルナーのやつらは酷いことをするが、皇帝はもっと酷い。僕の故郷にはそんな酷い人は居ないよ。君達はここにいてはいけない。君達を僕の故郷までつれていくよ。」
「あれは、タウの妹、ユームの3歳の誕生日だった。
僕とタウは、皇帝のちょっとした催しの給仕をさせられていた。
ちょっとした、といったって、そこに出るあんな豪華な食事は、きっと神様だってしていやしない。
たった10人ぐらいの客に、一抱えもあるような大皿が次々と何十枚も出てくるんだ。
僕らはそこで使い走りをさせられながら、小突かれたりはたかれたり。
『南の蛮人どもは、この程度に役にもたたんのか』と言われるために。
酒もまわって賑やかになってきた頃、タウが運んだ大皿の蓋を開けたとき。
…ああ!僕だって、いまでも夢に見る。
皿に盛り付けられたユームの顔。
輪切りにされて、形が崩れないように盛り付けられていたんだ!
タウが泣き叫ぶのを聞きたいばかりに、あいつらが。
でも泣くこともできなかった。
タウはね、笑ったよ。
本当におかしそうに笑ったよ。
あの声が耳から離れない。
それからずっと、――笑ってる。」
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第二話:子羊たち
移動のルーンに導かれ…
デイアス:エドワルド(ロードリル侍祭。せつな的快楽主義者。女に目が無い。)
G.コース:ゲラーフ (オーランス入信者。泥棒業務経験者。大剣と細剣を持つ。)
古竜 :キートン (マスターコス司祭+オーランス入信者。)
azatoth :"山駆"カル(オーランス入信者。郵便配達人。頭が悪く頑な。)
※シンクレオのプレイヤーが急に仕事が入ったため参加できず。
魂を持っていかれるような絶叫をなんとかこらえた一行は、「今の何?」「ひょっとして、生きていたのか?」などと動揺しながら話をしていた。
穴を発見し、なんとか抜け出すが、べラやシンクレオとは、はぐれてしまう。
穴の出口にようやくたどりついた時、その先でルナー兵の襲撃を受ける。しかし、カルとゲラーフが洞窟に逃げ込むと敵の一部がそれを追撃し、それが結果的に敵を分断することになる。キートンとエドワルドは、残ったルナー兵を個別に撃退した。
一行はすぐには穴を戻れないと考え、またルナー兵の後からやってきた一団から逃げるために夜の山中に身を隠す。
その時、ルナー兵2名が森に潜むのを発見し、急襲する。しかし、それはルナー兵の衣装をつけた子供二人だった。子供のうち一人はキートンが殺してしまった。
残る1名と話をすると、それはルナー皇帝領から脱出してきた者達の1名だと言う。彼は優雅な上流ターシュ語で自己紹介をはじめる。
「私の名はユーマ。皇帝の辺境奴隷として、この地で暮らしていました。ある人の導きを受けて、私達は宮廷から抜け出してきました。コスターディにある別館から逃げ出してきたのです。ここは皇帝の直轄地です。私には13人の仲間がいます。」
そして、仲間の元に一行を連れて行くと言った。そして彼は、「エルベレオンは死んでしまった。しかし、やはり神は我々を見捨てなかった。」と呟いた。
ユーマの導きである滝の裏に回りこむと、そこには洞窟があり、多くの子供達と、老人、そして片足の戦士がいた。ユーマが紹介をはじめる。
老人はビルフランと言いマスターコスの司祭であったが、10年前ルナーに強制的に引退させられたのだと言う。少年達を導いたのは彼だったようだ。そして、片足の戦士はジャロミウス。オーランスの戦士だと名乗る。
そしてビルフランは、その不遇な過去を語り始める。その後をついで語ったユーマの話は、エドワルド、キートン、ゲラーフ、カルの心を強く打った。
ユーマは、ずっと笑顔をたやさないタウを近くに呼ぶと、静かに語り始めた。
「あれは、タウの妹、ユームの3歳の誕生日だった。
僕とタウは、皇帝のちょっとした催しの給仕をさせられていた。
ちょっとした、といったって、そこに出るあんな豪華な食事は、
きっと神様だってしていやしない。
たった10人ぐらいの客に、一抱えもあるような大皿が次々と何十枚も出てくるんだ。
僕らはそこで使い走りをさせられながら、小突かれたりはたかれたり。
『南の蛮人どもは、この程度に役にもたたんのか』と言われるために。
酒もまわって賑やかになってきた頃、タウが運んだ大皿の蓋を開けたとき。
・・・ああ!僕だって、いまでも夢に見る。
皿に盛り付けられたユームの顔。
輪切りにされて、形が崩れないように盛り付けられていたんだ!
タウが泣き叫ぶのを聞きたいばかりに、あいつらが。
でも泣くこともできなかった。
タウはね、笑ったよ。
本当におかしそうに笑ったよ。
あの声が耳から離れない。
それからずっと、――笑ってる。」
話が一段落すると、ジャロミウスが語る。
「ルナー兵達は、皇帝の威信にかけて我々を追っている。これまでに子供達は半分になってしまった…。」
ビルフランが引きつった表情のエドワルド、キートン、ゲラーフ、カル達を見ながら再び語る。
「我々がここにいるのは偶然ではない。『野の道』というものを知っているか…?」
ユーマは静かに立ちあがり「私は外を見張ります」と言うと一人、外へと向かった。カルは難しい話についていけず、ユーマを追う。そしてユーマの隣に腰掛けると、星を見上げながらユーマに語り掛ける。
「ルナーのやつらは酷いことをするが、皇帝はもっと酷い。僕の故郷にはそんな酷い人は居ないよ。君達はここにいてはいけない。君達を僕の故郷までつれていくよ。」
ユーマの語りの元原稿
「あれは、タウの妹、ユームの3歳の誕生日だった。
僕とタウは、皇帝のちょっとした催しの給仕をさせられていた。
ちょっとした、といったって、そこに出るあんな豪華な食事は、きっと神様だってしていやしない。
たった10人ぐらいの客に、一抱えもあるような大皿が次々と何十枚も出てくるんだ。
僕らはそこで使い走りをさせられながら、小突かれたりはたかれたり。
『南の蛮人どもは、この程度に役にもたたんのか』と言われるために。
酒もまわって賑やかになってきた頃、タウが運んだ大皿の蓋を開けたとき。
…ああ!僕だって、いまでも夢に見る。
皿に盛り付けられたユームの顔。
輪切りにされて、形が崩れないように盛り付けられていたんだ!
タウが泣き叫ぶのを聞きたいばかりに、あいつらが。
でも泣くこともできなかった。
タウはね、笑ったよ。
本当におかしそうに笑ったよ。
あの声が耳から離れない。
それからずっと、――笑ってる。」