Top > キャンペーン > 道標 > 20031025【 ←前回 / 次回→ 】
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ユーマを追ったエドとリュナロンが洞窟に戻ると、ひとかたまりになって眠る子供らの中央に座したバルミーリアが、ふわりと微笑んだ。
「お帰りなさい」
焚火の薄暗い灯りでもその美しさは損なわれず、す、と立ちあがって音も立てずに近づいてくる様に、エドもリュナロンも見惚れていた。
「本当に無事だったのだな」
とやっと言葉をかけたエドは、彼女の後ろからオルカーラが近づいてくるのを見て、小さくウインクして「ただいま」と手を振った。
オルカーラはにこりと「お帰りなさい」と言ったが、すぐにバルミーリアに視線を移し、表情に険しいものが宿る。
リュナロンがもう立っていられない様子で焚火の傍に座り込み、それにつられるように、皆が焚火を囲んで車座になった。見張りをしていたカルも通路からいったん戻って、ちらちらとバルミーリアを気にしながら、エドの傍に座る。最後にキートンがふらふらと輪に加わった。
「何かあったか?」
「キートンさんが、ふもとで突然血を吐いて倒れました。敵の魔術かと思ったけど違うみたいです。」
エドは眉をしかめてキートンとカルに問いただすが、ふたりとも要領を得ない。だがキートンの衰弱振りは誰の眼にも明らかだった。
「こっちは半日先まで追っていった。どこまでいくもんやらわからん。3人はまだか?」
「まだですね。遅いです。」
しばらく子供らの状態や周辺状況などを報告しあったが、シンクレオ、ゲラーフ、サイサンは戻ってこない。話が途切れたところで、エドはバルミーリアを見ると、問いかけた。
「バルミーリア、あんたはなんで戻ってきた?」
「何があったのかは、私はわかりません。崖から落ちて死んだっていうのも、カルさんに聞いただけで。気がつくと、ベッドに寝かされていました。」
焚火がぱち、と弾け、黙り込んだバルミーリアに話を促した。
以下、執筆中
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第13話:束縛
ユーマを追ったエドとリュナロンが洞窟に戻ると、ひとかたまりになって眠る子供らの中央に座したバルミーリアが、ふわりと微笑んだ。
「お帰りなさい」
焚火の薄暗い灯りでもその美しさは損なわれず、す、と立ちあがって音も立てずに近づいてくる様に、エドもリュナロンも見惚れていた。
「本当に無事だったのだな」
とやっと言葉をかけたエドは、彼女の後ろからオルカーラが近づいてくるのを見て、小さくウインクして「ただいま」と手を振った。
オルカーラはにこりと「お帰りなさい」と言ったが、すぐにバルミーリアに視線を移し、表情に険しいものが宿る。
リュナロンがもう立っていられない様子で焚火の傍に座り込み、それにつられるように、皆が焚火を囲んで車座になった。見張りをしていたカルも通路からいったん戻って、ちらちらとバルミーリアを気にしながら、エドの傍に座る。最後にキートンがふらふらと輪に加わった。
「何かあったか?」
「キートンさんが、ふもとで突然血を吐いて倒れました。敵の魔術かと思ったけど違うみたいです。」
エドは眉をしかめてキートンとカルに問いただすが、ふたりとも要領を得ない。だがキートンの衰弱振りは誰の眼にも明らかだった。
「こっちは半日先まで追っていった。どこまでいくもんやらわからん。3人はまだか?」
「まだですね。遅いです。」
しばらく子供らの状態や周辺状況などを報告しあったが、シンクレオ、ゲラーフ、サイサンは戻ってこない。話が途切れたところで、エドはバルミーリアを見ると、問いかけた。
「バルミーリア、あんたはなんで戻ってきた?」
「何があったのかは、私はわかりません。崖から落ちて死んだっていうのも、カルさんに聞いただけで。気がつくと、ベッドに寝かされていました。」
焚火がぱち、と弾け、黙り込んだバルミーリアに話を促した。
以下、執筆中