Top > キャンペーン > 道標 > 20051119【 ←前回 / 次回→ 】
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細かなログはプレイヤー(つうかaza氏)におまかせして、キャンペーン中最大の見せ場であったにもかかわらず、時間に押されて形容不足になってしまったエンディングシーンのみ書いておきました。
次回、まずまちがいなく最終回ですね。
ホークレディを担いだグレイとエドが黒の塔から飛び出すと、空虚であったはずの街には人々の声が溢れていた。逃げ惑い、罵り、呪う、阿鼻叫喚の声が。
ホークレディを敷石の上にゆっくりと横たえたふたりが塔の建つ丘から見下ろすと、封印の解(ほど)かれた街は、明らかに異界より滲み出して来た混沌の獣共に侵されていた。彼らは数百年の飢えを一刻で満たそうとするかのように、絹で織られた華やかなクラロレラ風の衣装をなびかせた人々を貪ってゆく。
数秒の遅れて、シンクレオがカジャの手を引いて塔を駆け出る。眼前の光景に息を呑むシンクレオが何かを感じて上を見上げると、街の上空を覆う薄雲が何かから逃げるように払われた。
「あれは!?」
危険を感じたエドとグレイが塔に戻ろうとホークレディを抱き上げようと手を伸ばしたそのとき、彼女の瞼が開かれた。中空を映し出す瞳孔に赤い一筋の光が灯り、下弦三日月から半月、そして血に濡れた深紅へと染まってゆく。
ホークレディの瞳と歩を揃えるように、天空に亀裂が開き、ぞろり、と染み出し、紅が真円を形作る。
いまや赤の月はありえない大きさで中空を多い、ドラストールで弱まったイェルムの光を圧倒する強さとなって、紅の光で世界を照らし出していた。
エドとグレイの手をゆっくりと退けながら立ち上がったホークレディが、赤く光る瞳でふたりに微笑む。
「我が依代が手間をかけたな。礼を言う。」
ひときわ神がかったアルカイックスマイルと、凛と魂に響くハスキーな声は、すでにホークレディとは別人だった。
眼下の地獄を睥睨した彼女は、ゆっくりとシンクレオとカジャに正対した。
肩にシラスを担いだテュールが塔からふらりと歩み出て、眼前の光景に息を呑む。
「まさか・・・」
カジャの瞳には暗い炎が灯り、顔は期待と恐怖の混ざった抑えきれない笑みでひきつっている。
「・・・ジャ・イール。」
カジャの搾り出した名に応ずるごとく、右手に握った黒き円月刀が――鳴った。
りんぞPC/シンクレオ M21/ SIZ13 APP10 古オーランス人?ビルフラン六分儀所持。
古竜PC /キートン M30/ SIZ 8 APP 9 オーランス+マスターコス司祭。生還者。
aza PC /グレイ M30/ SIZ14 APP12 オーランス信徒。贖罪の任務を負っている。
NPC /オルカーラ F13/ SIZ11 APP16 逃亡者。美人。
NPC /ワクバルディス F11/ SIZ11 APP18 逃亡者。セクシー小学生。
NPC /タウ F10/ SIZ 6 APP18 逃亡者。表情復活。自閉症っぽい。
NPC /サリンディーネ F 9/ SIZ 6 APP15 逃亡者。片腕切断。薬で維持。
NPC /ピクスドルフ M 9/ SIZ 6 APP14 逃亡者。はきはきしている。がっちり型。
NPC /ヤランスティア F 7/ SIZ 4 APP10 逃亡者。元気。聡い。
NPC /アラグスタンド M 5/ SIZ 3 APP14 逃亡者。つまらなそう。
NPC /リュナロン F26/ SIZ16 APP14 ルナー帝国側の学者だったが逃亡側に。
NPC /猫 ? / SIZ? APP? シンクレオと一緒にいた猫。
NPC /どろぐそ ? / SIZ? APP? キートンを主人と慕うトロウルキン。
NPC /テュール M24/ SIZ? APP? 反ルナーよりの村の、若き長。
NPC /シラス M24/ SIZ? APP? テュール配下の兵士。
NPC /オキアミス M22/ SIZ? APP? テュール配下の兵士。
NPC /バリアン M58/ SIZ? APP? テュール配下の従者。
NPC /イルデ M34/ SIZ? APP? テュール配下の従者。みえちゃった人。
NPC /ドゥア M42/ SIZ? APP? テュール配下の従者。
NPC /オゥブ M42/ SIZ? APP? テュール配下の従者。
【1614年 聖祝期 頭】
子供達は通路にいた。その通路は幅2m、高さ2mの石造りであったが、一瞬、黒いものが足元を通りぬけた。
転倒する者などもいる中、しばらくすると通路の前方の闇から「シンクレオ、助けて」という声が聞こえてきた。前進すると、前方の声の主は壁に半身が埋まった何者かで、不思議な槍のような形の杖を持っていたが、それが壁から身を引き剥がして襲い掛かってきた。
防御にあたる兵士オキアミスとリュナロン。
また、同時に後方からは虹色にヌラヌラ光る薄っぺらい何かが迫ってきた。子供達を守るべく立ちふさがる老従者のドゥアとオゥブ。しかし戦いに不慣れな二人は劣勢を強いられる。
前方では、杖(FPを奪う音叉棒)に苦戦しつつも辛うじて撃退に成功し、後方ではキートンも加わり、虹色の存在の撃退に成功する。
【1614年 聖祝期 中頃】
シラスとグレイは、白の塔から救出したホークレディの回復を待って塔から連れ出すが、話せるようになったにも関わらず言葉が通じず、身振り手振りでかろうじて移動する事を伝達し、動き始める。
そして、シンクレオ、エド、テュールの3人の待つ地下へあらわれたシラスとグレイは、これまでの出来事を3人に語る。
洞窟の3人は幸いな事にホークレディと会話をすることができたが、ホークレディは核心部分については口を噤み、語ろうとしなかった。
地下から竜の力も借りて3人を連れ出した一行は、黒の塔へ向かった。(暇をもてあましている竜にエドが「火山のパズル」を与える)
黒い塔の上にはタール状のものが覆っていたが、シンクレオがグレイから受け取った白い塔で発見した光の輪を近づけるとみるみる引き下がっていった。そして極端に体積を縮めた黒いものは、中央の踊場に濃縮して溜まる。
エドとテュールはその中に何かあることを核心し、中に踏み込んでいく。本能的な恐怖に身をすくませるテュールをよそに、エドはその中へと踏み込んでいく。
そして長大な曲刀を自らの腹に突き立てた女性を発見し、連れ出すと黒いものは青黒い輪がらせん状に解けるように霧散する。そのとたん、塔の周囲から様々な人々がおこす雑音が聞こえ始める。
女性はシンクレオがかつて共に旅をし、テュールが密かに想いを寄せていたカジャだった。彼女の腹からは血が流れていたが、エドが曲刀を引き抜こうとするとそれはみるみる短くなり、やがて抜けた。
エドは倒れたカジャを抱き起こす。
# シンクレオは光の輪にPOW10点を注ぎ込むことで、1Rあたり10SR分の追加行動が可能となった。
駆け寄ったシンクレオは、カジャを抱き寄せキスをする。
そのシンクレオの耳元でカジャが何かを語る。
シンクレオ「何をするつもりだ!?」
カジャが手にした刀は再びその長さを増し、シンクレオの背中に刃が突き刺さっていく。
しかしシンクレオはそれを素早く治癒し、手技でカジャの剣をはじく。
カジャの手を剣が離れると、一瞬であたりを闇(巨大シェード)が包んだ。
エドは暗闇の中、手探りで剣を探し、弾き飛ばす。(運悪くその先にいたシラスは死亡)
シンクレオの治癒でカジャは復活。
カジャ「ありがとう」
その言葉と同時にその手に曲刀が瞬間的に取り戻された。(テレポート)
グレイは手探りで倒れたホークレディを担ぎ、階段を降り始める。
あたりを冷気ダメージが覆いはじめ、やがてその強度は増していく。
急いで逃げ出す一行。
かろうじて塔の外に逃げ出した一行の目に飛び込んできたのは、昼の光と、極度に濃い混沌の気を受けた怪物が都市を蹂躙し、人々があふれ、逃げ惑う様だった。
そして天空には巨大な「赤い月」が浮かんでいた。
「くっ、こいつは」
その女の目を見たエドは戦慄した。
そこにいたのは人の形をしただけの何かだった。何者かですらありえなかった。
エドは自らの中の恐怖を力とし、その何者かを5階から4階に叩き落した。自らとともに。
ただ突き落とすことはかなわなかった。その力は人間のそれをはるかに凌駕していたから。
相手が不利な体勢にあるうちに、自らの力ではなく体躯のみでそれのバランスを崩すことに成功したエドはそれとともに落下していった。
落下中にエドはそれの手の一振りで弾き飛ばされ、自らの体重を持ってダメージを追加する思惑ははかなくも叩き潰された。
痛みをこらえて立ち上がるエドの前にそれはいささかのダメージも追っていないかのようにすっと立ち上がった。
それの瞳の中にあるのは闇であった。
# シンクレオは光の輪にPOW10点を注ぎ込むことで、1Rあたり10SR分の追加行動が可能となった。
テュールとシラスが階段を駆け下りてきた。
「殺せ。ためらっている場合ではない。」
闇の中を探るために武器を持たなかったエドは、二人に声をかけながら自分の武器を取りに5階に駆け上がった。
幾多のしがらみに縛られた彼らには無理とは思いながら。
ショートスピアとカイトシールドを手にして戻ったエドが見たのは手傷を負わされた二人とダメージのまったく残らないそれ
であった。
二人はそれの剣をあしらいかねているように見えた。
エドは唇を噛んだ。腕の問題ではない、意志の問題だ。二人ともエドに劣らぬ腕の持ち主だ。二人でかかれば
手傷のひとつ負わせられないことはありえない。いやまて、落下の傷はどうした。あの剣が回復させているのか。
戻ってきたエドにそれは目を向け、剣を自分の影に突き入れると剣とともに影の中に消え去った。
背筋を駆け上る何かを感じたエドは光源を背に取り、自らの影から生み出されるはずのそれの剣に備えた。
来た。
石畳の床から剣がそしてそれの腕が伸びてきた。
盾ではじいて剣をかわされ、それは距離をとった。
「悪く思うな。こちらにも引き出しのいくつかはある。」
それからは何の反応もなかった。
シンクレオが降りてきた。こいつはどうするつもりだ。
>駆け寄ったシンクレオは、カジャを抱き寄せキスをする。
>そのシンクレオの耳元でカジャが何かを語る。
シンクレオにも止められぬなら、やるしかない
それも今。
エドはショートスピアを握り直した
いまだ。エドの槍がそれの胸を貫き、
それの胸からあふれ出した黒いものが
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第24話:解放
細かなログはプレイヤー(つうかaza氏)におまかせして、キャンペーン中最大の見せ場であったにもかかわらず、時間に押されて形容不足になってしまったエンディングシーンのみ書いておきました。
次回、まずまちがいなく最終回ですね。
エンディングシーン:赤の月・黒の月
ホークレディを担いだグレイとエドが黒の塔から飛び出すと、空虚であったはずの街には人々の声が溢れていた。逃げ惑い、罵り、呪う、阿鼻叫喚の声が。
ホークレディを敷石の上にゆっくりと横たえたふたりが塔の建つ丘から見下ろすと、封印の解(ほど)かれた街は、明らかに異界より滲み出して来た混沌の獣共に侵されていた。彼らは数百年の飢えを一刻で満たそうとするかのように、絹で織られた華やかなクラロレラ風の衣装をなびかせた人々を貪ってゆく。
数秒の遅れて、シンクレオがカジャの手を引いて塔を駆け出る。眼前の光景に息を呑むシンクレオが何かを感じて上を見上げると、街の上空を覆う薄雲が何かから逃げるように払われた。
「あれは!?」
危険を感じたエドとグレイが塔に戻ろうとホークレディを抱き上げようと手を伸ばしたそのとき、彼女の瞼が開かれた。中空を映し出す瞳孔に赤い一筋の光が灯り、下弦三日月から半月、そして血に濡れた深紅へと染まってゆく。
ホークレディの瞳と歩を揃えるように、天空に亀裂が開き、ぞろり、と染み出し、紅が真円を形作る。
いまや赤の月はありえない大きさで中空を多い、ドラストールで弱まったイェルムの光を圧倒する強さとなって、紅の光で世界を照らし出していた。
エドとグレイの手をゆっくりと退けながら立ち上がったホークレディが、赤く光る瞳でふたりに微笑む。
「我が依代が手間をかけたな。礼を言う。」
ひときわ神がかったアルカイックスマイルと、凛と魂に響くハスキーな声は、すでにホークレディとは別人だった。
眼下の地獄を睥睨した彼女は、ゆっくりとシンクレオとカジャに正対した。
肩にシラスを担いだテュールが塔からふらりと歩み出て、眼前の光景に息を呑む。
「まさか・・・」
カジャの瞳には暗い炎が灯り、顔は期待と恐怖の混ざった抑えきれない笑みでひきつっている。
「・・・ジャ・イール。」
カジャの搾り出した名に応ずるごとく、右手に握った黒き円月刀が――鳴った。
【キャラクター紹介】
ダロPC /エドワルド M35/ SIZ17 APP11 ロウドリル待祭。りんぞPC/シンクレオ M21/ SIZ13 APP10 古オーランス人?ビルフラン六分儀所持。
古竜PC /キートン M30/ SIZ 8 APP 9 オーランス+マスターコス司祭。生還者。
aza PC /グレイ M30/ SIZ14 APP12 オーランス信徒。贖罪の任務を負っている。
NPC /オルカーラ F13/ SIZ11 APP16 逃亡者。美人。
NPC /ワクバルディス F11/ SIZ11 APP18 逃亡者。セクシー小学生。
NPC /タウ F10/ SIZ 6 APP18 逃亡者。表情復活。自閉症っぽい。
NPC /サリンディーネ F 9/ SIZ 6 APP15 逃亡者。片腕切断。薬で維持。
NPC /ピクスドルフ M 9/ SIZ 6 APP14 逃亡者。はきはきしている。がっちり型。
NPC /ヤランスティア F 7/ SIZ 4 APP10 逃亡者。元気。聡い。
NPC /アラグスタンド M 5/ SIZ 3 APP14 逃亡者。つまらなそう。
NPC /リュナロン F26/ SIZ16 APP14 ルナー帝国側の学者だったが逃亡側に。
NPC /猫 ? / SIZ? APP? シンクレオと一緒にいた猫。
NPC /どろぐそ ? / SIZ? APP? キートンを主人と慕うトロウルキン。
NPC /テュール M24/ SIZ? APP? 反ルナーよりの村の、若き長。
NPC /シラス M24/ SIZ? APP? テュール配下の兵士。
NPC /オキアミス M22/ SIZ? APP? テュール配下の兵士。
NPC /バリアン M58/ SIZ? APP? テュール配下の従者。
NPC /イルデ M34/ SIZ? APP? テュール配下の従者。みえちゃった人。
NPC /ドゥア M42/ SIZ? APP? テュール配下の従者。
NPC /オゥブ M42/ SIZ? APP? テュール配下の従者。
ログ
【1614年 聖祝期 頭】
子供達は通路にいた。その通路は幅2m、高さ2mの石造りであったが、一瞬、黒いものが足元を通りぬけた。
転倒する者などもいる中、しばらくすると通路の前方の闇から「シンクレオ、助けて」という声が聞こえてきた。前進すると、前方の声の主は壁に半身が埋まった何者かで、不思議な槍のような形の杖を持っていたが、それが壁から身を引き剥がして襲い掛かってきた。
防御にあたる兵士オキアミスとリュナロン。
また、同時に後方からは虹色にヌラヌラ光る薄っぺらい何かが迫ってきた。子供達を守るべく立ちふさがる老従者のドゥアとオゥブ。しかし戦いに不慣れな二人は劣勢を強いられる。
前方では、杖(FPを奪う音叉棒)に苦戦しつつも辛うじて撃退に成功し、後方ではキートンも加わり、虹色の存在の撃退に成功する。
【1614年 聖祝期 中頃】
シラスとグレイは、白の塔から救出したホークレディの回復を待って塔から連れ出すが、話せるようになったにも関わらず言葉が通じず、身振り手振りでかろうじて移動する事を伝達し、動き始める。
そして、シンクレオ、エド、テュールの3人の待つ地下へあらわれたシラスとグレイは、これまでの出来事を3人に語る。
洞窟の3人は幸いな事にホークレディと会話をすることができたが、ホークレディは核心部分については口を噤み、語ろうとしなかった。
地下から竜の力も借りて3人を連れ出した一行は、黒の塔へ向かった。(暇をもてあましている竜にエドが「火山のパズル」を与える)
黒い塔の上にはタール状のものが覆っていたが、シンクレオがグレイから受け取った白い塔で発見した光の輪を近づけるとみるみる引き下がっていった。そして極端に体積を縮めた黒いものは、中央の踊場に濃縮して溜まる。
エドとテュールはその中に何かあることを核心し、中に踏み込んでいく。本能的な恐怖に身をすくませるテュールをよそに、エドはその中へと踏み込んでいく。
そして長大な曲刀を自らの腹に突き立てた女性を発見し、連れ出すと黒いものは青黒い輪がらせん状に解けるように霧散する。そのとたん、塔の周囲から様々な人々がおこす雑音が聞こえ始める。
女性はシンクレオがかつて共に旅をし、テュールが密かに想いを寄せていたカジャだった。彼女の腹からは血が流れていたが、エドが曲刀を引き抜こうとするとそれはみるみる短くなり、やがて抜けた。
エドは倒れたカジャを抱き起こす。
# シンクレオは光の輪にPOW10点を注ぎ込むことで、1Rあたり10SR分の追加行動が可能となった。
駆け寄ったシンクレオは、カジャを抱き寄せキスをする。
そのシンクレオの耳元でカジャが何かを語る。
シンクレオ「何をするつもりだ!?」
カジャが手にした刀は再びその長さを増し、シンクレオの背中に刃が突き刺さっていく。
しかしシンクレオはそれを素早く治癒し、手技でカジャの剣をはじく。
カジャの手を剣が離れると、一瞬であたりを闇(巨大シェード)が包んだ。
エドは暗闇の中、手探りで剣を探し、弾き飛ばす。(運悪くその先にいたシラスは死亡)
シンクレオの治癒でカジャは復活。
カジャ「ありがとう」
その言葉と同時にその手に曲刀が瞬間的に取り戻された。(テレポート)
グレイは手探りで倒れたホークレディを担ぎ、階段を降り始める。
あたりを冷気ダメージが覆いはじめ、やがてその強度は増していく。
急いで逃げ出す一行。
かろうじて塔の外に逃げ出した一行の目に飛び込んできたのは、昼の光と、極度に濃い混沌の気を受けた怪物が都市を蹂躙し、人々があふれ、逃げ惑う様だった。
そして天空には巨大な「赤い月」が浮かんでいた。
エド版ログ追加
そして長大な曲刀を自らの腹に突き立てた女性を発見し、連れ出すと黒いものは
青黒い輪がらせん状に解けるように霧散する。そのとたん、塔の周囲から様々な人々がおこす雑音が聞こえ始める。
女性はシンクレオがかつて共に旅をし、テュールが密かに想いを寄せていたカジャだった。
彼女の腹からは血が流れていたが、エドが曲刀を引き抜こうとするとそれはみるみる短くなり、やがて抜けた。
エドは倒れたカジャを抱き起こす。
「くっ、こいつは」
その女の目を見たエドは戦慄した。
そこにいたのは人の形をしただけの何かだった。何者かですらありえなかった。
エドは自らの中の恐怖を力とし、その何者かを5階から4階に叩き落した。自らとともに。
ただ突き落とすことはかなわなかった。その力は人間のそれをはるかに凌駕していたから。
相手が不利な体勢にあるうちに、自らの力ではなく体躯のみでそれのバランスを崩すことに成功したエドはそれとともに落下していった。
落下中にエドはそれの手の一振りで弾き飛ばされ、自らの体重を持ってダメージを追加する思惑ははかなくも叩き潰された。
痛みをこらえて立ち上がるエドの前にそれはいささかのダメージも追っていないかのようにすっと立ち上がった。
それの瞳の中にあるのは闇であった。
# シンクレオは光の輪にPOW10点を注ぎ込むことで、1Rあたり10SR分の追加行動が可能となった。
テュールとシラスが階段を駆け下りてきた。
「殺せ。ためらっている場合ではない。」
闇の中を探るために武器を持たなかったエドは、二人に声をかけながら自分の武器を取りに5階に駆け上がった。
幾多のしがらみに縛られた彼らには無理とは思いながら。
ショートスピアとカイトシールドを手にして戻ったエドが見たのは手傷を負わされた二人とダメージのまったく残らないそれ
であった。
二人はそれの剣をあしらいかねているように見えた。
エドは唇を噛んだ。腕の問題ではない、意志の問題だ。二人ともエドに劣らぬ腕の持ち主だ。二人でかかれば
手傷のひとつ負わせられないことはありえない。いやまて、落下の傷はどうした。あの剣が回復させているのか。
戻ってきたエドにそれは目を向け、剣を自分の影に突き入れると剣とともに影の中に消え去った。
背筋を駆け上る何かを感じたエドは光源を背に取り、自らの影から生み出されるはずのそれの剣に備えた。
来た。
石畳の床から剣がそしてそれの腕が伸びてきた。
盾ではじいて剣をかわされ、それは距離をとった。
「悪く思うな。こちらにも引き出しのいくつかはある。」
それからは何の反応もなかった。
シンクレオが降りてきた。こいつはどうするつもりだ。
>駆け寄ったシンクレオは、カジャを抱き寄せキスをする。
>そのシンクレオの耳元でカジャが何かを語る。
シンクレオ「何をするつもりだ!?」
カジャが手にした刀は再びその長さを増し、シンクレオの背中に刃が突き刺さっていく。
シンクレオにも止められぬなら、やるしかない
それも今。
エドはショートスピアを握り直した
しかしシンクレオはそれを素早く治癒し、手技でカジャの剣をはじく。
いまだ。エドの槍がそれの胸を貫き、
カジャの手を剣が離れると、
それの胸からあふれ出した黒いものが
一瞬であたりを闇(巨大シェード)が包んだ。
エドは暗闇の中、手探りで剣を探し、弾き飛ばす。(運悪くその先にいたシラスは死亡)
シンクレオの治癒でカジャは復活。
カジャ「ありがとう」
その言葉と同時にその手に曲刀が瞬間的に取り戻された。(テレポート)