名声値ルールver2.00|
成長ポイント|
欲求値ルールver2.00|
欲求値ルールver2.50|
絆ルールver1.0|
絆ルールver1.0/コメントログ|
絆ルールver1.5|
週単位活動ルールver2.0|
週単位活動ルールver2サマリ|
週単位活動ルールver3ドラフト/コメントログ|
週単位活動・名声値・欲求値複合サマリ
欲求値 ver 1.02
欲求値とは
欲求値ルールはゲーム上表記されないキャラクターの行動欲求をプレイヤーに提示するためのルールです。ロールプレイのためのフックとして使うことができ、プレイヤー内で完結していたキャラクターの葛藤をゲームとして楽しむこともできます。
欲求値ルールは名声値ルールとセットで使用します。欲求値ルールを使用するときは名声値ルールのストレスについての項目を欲求値ルールと置き換えます。
欲求値ルールは何でないか
欲求値ルールは性格を規定するルールではありません。ペンドラゴンのように、性格ルールの結果によって、キャラクターが特定の行動を強制されることはありません。欲求値ルールは感情を規定するルールではありません。ファー・ローズ・トゥ・ロードのように、キャラクターが物事をどう感じたかを決め付けられることはありません。
欲求値ルールはキャラクターに行動も感情も強制しません。ただ、キャラクターの自覚とは別の場所で、常に何かに駆り立てられる存在として人間を定義しています。
プレイヤーはキャラクター性を壊すことなく湧き上がった欲求を処理していくことができます。欲求がどうしても処理しきれないならば、キャラクターのアイデンティティーを守るために、不利益を甘んじて受けることを選択できます。
欲求のレベルと種類
このルールでは人間の欲求を8種類に分類します。もっとも基本的な欲求は「生存」です。生存欲求は一定の水準が保障されないと短期的に死をもたらします。睡眠、呼吸、水、食事の適切な取得、極端な寒暖や身体的苦痛がないことが含まれます。健康な生命活動を維持する以上の欲求はこの段階には含まれません。生存欲求はキャラクターの喪失によって直接ゲームで記述されるため、欲求値ルールでは扱いません。
直接生死にはかかわらない内発的な欲求を「性」「所属」「独立」「家族」「尊敬」「消費」「成長」の7つに分類します。
欲求に貴賎はありませんが、便宜的に性→所属→独立→家族→尊敬→消費→成長の順で、下位から上位と定義します。「アイデンティティー」に依拠する欲求ほど上位という位置づけです。
性欲求
性欲求は性を持つ生物に基本的に備わっている、異性と交わって子孫を残したいという欲求です。未発達な段階では自分や他者の身体への興味、スキンシップ、特定の匂いへの執着などもこの分類に属します。所属欲求
人間は群れで行動する生き物です。周りを仲間に囲まれたい、会話をしたい、仲間を守りたいといった欲求がこの分類に属します。独立欲求
独立欲求は好きなことをしたいとか休みたいという欲求ではありません。支配されたくない、命令されたくないという欲求です。否定の対象には親や他者、社会的束縛だけではなく、自分自身や物理法則さえ含まれることがあります。家族欲求
家族欲求は性欲求がアイデンティティーに引きずられて肥大したものと見ることができます。よりよい恋人、よりよい子供、自分を理解してくれる自分のコピー、自分があこがれる存在との同一化、そうした欲求をここに分類します。一般に「愛」と呼ばれることが多いでしょう。尊敬欲求
尊敬欲求は所属欲求がアイデンティティーに引きずられて肥大したものと見ることができます。集団の中での評価されている自分、特別な自分でいたいという欲求です。場合によっては非難されることさえその解消方法となりえますが、標準的なルールでは正方向の評価を基準に扱います。消費欲求
消費欲求は特に生理的な機能にかかわる必要以上の刺激を求める欲求です。味覚、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、酩酊感、性感、恐怖など、その種類は多様です。肉体的・精神的なエネルギーの堆積を解消するための機能ともいえます。成長欲求
成長欲求は自分自身に対する高い自己評価を求める欲求です。強い好奇心はこの欲求の表れともいえます。高い技術、強靭な肉体、深遠なる知識、人それぞれあらわれ方は異なりますが、ルーンクエストのキャラクターシートに書かれる能力値や技能であれば、常にその対象となり得ます。欲求判定表
欲求判定表には各欲求ごとに命中範囲(D20)、自覚度、バイパス、欲求ポイント、抑圧の5項目を書き込むようになっています。各項目の説明をルール中で順次行います。欲求判定表
欲求 | D20 | 自覚度 | バイパス | 欲求ポイント | 抑圧 |
---|---|---|---|---|---|
性 | OOO | ||||
所属 | OOO | ||||
自由 | OOO | ||||
家族 | OOO | ||||
尊敬 | OOO | ||||
消費 | OOO | ||||
成長 | OOO | ||||
トータル欲求ポイント |
命中範囲(D20)
キャラクターは「性」「所属」「自由」「家族」「尊敬」「消費」「成長」の7つの欲求に、1からはじめてINTまでの数値を身体部位命中表のように割り当てます。これを欲求判定表と呼びます。例えばINT13のキャラクターであれば、「性:1-3」「所属:4-6」「自由:7-8」「家族:9-10」「尊敬:11」「消費:12」「成長:13」のように記述できます。
どの欲求にどれだけの範囲を割り当てるかはプレイヤーの任意ですが、すべての欲求に必ず数値をひとつは割り当てなくてはなりません。
性欲求は特別です。16歳から20歳までの男性キャラクターは3以上、20歳から29歳までの男性キャラクターは2以上を割り当てます。40歳以上のキャラクターは、男女共に性衝動への割り当てを「長命」に振り替えても構いません。
欲求ポイント
7つの欲求それぞれは、キャラクターが感じる各欲求の増加を表す0から始まる数値を持っています。この値を欲求ポイント(PP: Pathos Point)と呼びます。7つの欲求値の総計をトータル欲求ポイント(TPP:Total Pathos Point)と呼びます。一定以上蓄積した欲求ポイントはキャラクターにストレスを与え、心身の不調を引き起こします。トータル欲求ポイントの合計10ポイントにつき、キャラクターの疲労ポイントの上限は5ポイント低下します。
各欲求ポイントは上限なく加算されます。
内発欲求判定
プレイヤーはD20をロールして作成した欲求表を参照し、出た目に対応したキャラクターの欲求ポイントを1点上昇させます。INTより高い出目は特に欲求ポイントの増加がなかったことを意味します。これが内発欲求判定です。週単位経験ルールと組み合わせる場合、キャラクターは週の開始時に内発欲求判定を3回行います。同じ欲求に重ねて命中した場合、その分だけその欲求ポイントが増加します。
キャラクター作成時は10回の欲求判定を行って初期の欲求ポイントを設定します。
自覚度
自分自身を正しく理解している人間(もしくは自分の性質に納得している人間)はいません。キャラクターは各欲求に対して0から始まる自覚度を持ちます。欲求ポイントが自覚度に達すると、キャラクターは自分がその欲求ポイントの蓄積によってストレスを受けていることに気がつきます。
自覚度の設定はプレイヤーの自由ですが、ランダムに決定する場合はそれぞれ1D10-5を2倍し、0以下は0とするのがよいでしょう。
自覚度によるゲーム上の有利不利はありません。自覚度はキャラクター描写のサポートのためのルールです。
欲求ポイントの転化とバイパス
キャラクターは解消しにくい欲求を無意識に他の欲求の満足でごまかすことがあります。これを欲求の転化と呼びます。ただしどの欲求でも平等に転化できるわけではありません。キャラクターによって欲求Xを欲求Yとして転化できるけれどその逆はできない、というように、個性があります。
欲求Xを欲求Yに対して転化できるとき、「キャラクターは欲求Xに欲求Yへのバイパスを持っている」と表現します。このとき欲求Xをバイパス元、欲求Yをバイパス先といいます。
作成時のキャラクターはINTと経歴年数を足して5で割った値(切捨て)と同じ個数のバイパスを持ちます。プレイヤーは各欲求にどの欲求へのバイパスを設定するか決めて欲求判定表のバイパス欄に書き込みます。
バイパスをひとつ設定すると、その欲求の自覚度は2点上昇します。二つ設定すれば4点、三つ設定すれば6点というように、バイパスを持つ欲求は自覚しにくくなっていきます。
バイパスは一方通行です。例えば、性から所属へのバイパスを設定しても、所属から性に転化されることはありません。所属から性へのバイパスも設定してはじめて、どちらからも転化されうるようになります。
欲求ポイントが転化されるには、キャラクターが意識しているかどうかとは別に、常に行動が必要です。
キャラクターがバイパス先に設定された欲求ポイントが減少するような行動をすると、プレイヤーはバイパス元の欲求ポイント1点減らし、バイパス先の欲求ポイントを2増やしてからバイパス先の欲求ポイントの減少を処理することができます。これが欲求ポイントの転化です。
キャラクターが本当に望んでいるものではないため、欲求ポイントの転化はあまり効率のいいものではありません。
抑圧判定と抑圧状態
トータル欲求ポイントが10の倍数に達したなら、キャラクターは「抑圧判定」を行います。キャラクターは最も高い欲求ポイントに対するPOWの抵抗ロールの成功率を計算し、これを技能とみなしてD100をロールします。
抑圧判定に成功すると、その欲求は抑圧状態になります。抑圧状態になった欲求はトータル欲求ポイントの計算から除外されます。つまりキャラクターにとってはストレスが下がったかのように働きます。抑圧状態は、次にその欲求ポイントが変動すると解除されます。効果的成功では2回、決定的成功では3回、欲求ポイントが変動するまで抑圧状態が維持されます。
抑圧判定に失敗すると抑圧は起こらず、キャラクターはトータル欲求ポイントの増加による疲労ポイントの上限値の低下を蒙ります。
抑圧判定にファンブルすると、欲求のバーストが発生します。
欲求のバースト
欲求のバーストは、置かれた環境に順応しようとして起こる、キャラクターメンタリティーの大地震です。溢れた欲求ポイントは行き場を求めて暴れ、心の中でバイパスをつくり、エネルギーを消費しようとします。欲求のバーストが起こったら、キャラクターは無条件でPOWを1ポイント消費します。欲求のバーストはPOWの経験ロールの対象です。
プレイヤーは欲求判定表をロールし、もっとも高い欲求ポイントを持つ欲求がバイパス元、命中した欲求をバイパス先とするバイパスを作成します。バイパス元以外の欲求に命中しなかった場合、自動的にバイパス元のひとつ上位の欲求をバイパス先とします。(バイパス元が成長欲求の場合はオプションルール「偏執欲求」を参照)。
バイパス元の欲求ポイントは0になります。
さらに、バイパス元の欲求に割り当てた欲求判定表の出目をひとつ減らし、バイパス先の欲求に割り当てる出目を一つ増やします。
バイパス元の欲求判定表の出目がひとつ分しかなかった場合、欲求判定表の出目の割り当ての変化は起こりません。その代わり、バイパス元の欲求は「否認状態」になってしまいます。
元からバイパスが存在した場合も特に処理は変わりません。
否認状態
キャラクターは否認状態になった欲求に基づいた行動を行いたい自分を否定し、対象の欲求を低下させる貢献ロールが行えなくなります。否認状態の欲求はトータル欲求ポイントに影響を及ぼさなくなります。否認状態の欲求をバイパス先とするバイパスはすべてなくなります。また、否認状態の欲求からはバーストも発生しなくなります。
否認されていても、内発欲求判定やそのほかの欲求を上昇させる効果はすべて欲求ポイントに加算し続けます。逆に、欲求を引き下げる効果はすべて無視します。
否認状態は他の欲求でバーストが発生すると解消されます。
外発要因による欲求ポイントの増減
欲求ポイントは内発判定だけではなく、外的な刺激によって増減します。代表的な要因は下記の通りです。所属集団
所属集団への貢献ロールを行うと成功失敗にかかわらず所属欲求が1ポイント低下します。所属集団の名声値が1ポイント上がると、尊敬欲求が1ポイント低下します。名声値が1ポイント下がると、尊敬欲求が1ポイント上昇します。
所属集団の反感値が1ポイント上がると、所属欲求も1ポイント上昇します。反感値が1ポイント下がると、所属欲求も1ポイント低下します。
家族
〈家族〉もしくは〈恋人〉への名声値が1ポイント上がると家族欲求は1ポイント低下します。名声値が1ポイント低下すると家族欲求は1ポイント上昇します。反感値が1ポイント上昇すると家族欲求は1ポイント上昇します。反感値が1ポイント下がると家族欲求も1ポイント低下します。
性交
性交する機会があれば1ポイント+相手が〈娼妓〉もしくはAPP×5の技能ロールに成功すればその成功度分、性欲求が低下します。飲酒・飽食・賭博・娯楽
生活費とは別に、平均的な1週間の収入を形の残らないものに浪費すると、消費欲求が1ポイント低下します。所有
単品で1週間の収入を上回る商品を入手すると、購入価格を1週間の収入で割った値(切捨て)と同じポイントの消費欲求が低下します。ただしこの商品を喪失したり売ったりすれば、その時点で同じ物品を手に入れるための価格÷その時点の1週間の収入(切捨て)と同じポイントだけ消費欲求が上昇します。自由時間
貢献ロールを1回分消費することで、自由欲求が1ポイント下がります。週に4回以上の貢献ロールを行うと、追加の1回につき1ポイント上昇します。訓練・研究
訓練もしくは研究によって技能が向上したときに、訓練もしくは研究に費やした1週間につき成長欲求が1ポイント低下します。研究で技能上昇ロールに失敗すると、費やした1週間につき成長欲求が1ポイント上昇します。訓練・研究を続けていても、実際に技能ポイントが上昇するまでは欲求ポイントは低下しません。経験
経験ロールに成功して技能に加算する1D6の出目が1の場合、成長欲求が1ポイント下がります。(すべての経験ロールでストレスが低下するとバランスが崩れるため、純粋にゲーム的な仕組みとして設定しています。出目が1なのも、がっかりしたプレイヤーへの配慮です)対決
利害の対立する相手に対して勝利を収めると任意の欲求ポイントが成功度の差+1点低下します。勝利する確率が20%以下であればさらに1点低下します。敗北すると尊敬欲求が成功度の差+1点上昇します。敗北する確率が20%以下であればさらに1点上昇します。直接的危機
生命に直接危険の及ぶ状況に直面すると性欲求が1点上昇します。状況を切り抜けると任意の欲求ポイントが2点低下します。身体へのダメージ
部位HP未満のダメージを受けると2ポイント、部位HPがゼロになると5ポイント、部位HPの2倍以上のダメージを受けると10ポイント、性欲求が上昇します。身体的・精神的衝撃により予測せずに意識を失うと、もっとも高い欲求値が1D6ポイント低下します。
殺傷
戦闘で敵を傷つけたなら1ポイント、敵に止めを刺したなら1D4ポイント、任意の欲求値が低下します。人間の男性は、人間の男性に止めを刺したなら1D6-3ポイント任意のストレスが低下し、人間の女性に止めを刺したなら1D6ポイント尊敬欲求が上昇します。
人間の女性は人間に止めを刺すと家族欲求が1D6ポイント上昇します。
この他、社会制度や身分、キャラクターの性格、置かれた状況などが欲求ポイントへの影響を与えることがあります。
これについては都度マスターが定めます。
戦闘における外発要因の累積
命をかけた戦闘は、短時間にもかかわらず欲求値の増減が激しいできごとです。1度の戦闘で直接的危機、対決、身体へのダメージ、殺傷すべてが適用されますが、同一の欲求値が累積した場合は1ポイントの加算として計算します。一回の戦闘ではひとつの欲求値は最大でも10ポイントまでしか増減しません。
戦闘をどこで一区切りとするかはマスターが定めます。
偏執欲求(オプションルール)
キャラクターが強烈な決意や病的なこだわりを持っている場合、20の出目を9つ目の欲求、「偏執欲求」として追加することができます。偏執欲求は他の欲求に含まれるものでも構いません。その欲求の中でも特にキャラクターがこだわる「狭い」範囲を設定し、マスターと協議して独自の解消方法を設定することができます。
よくある事例では復讐、ストーキング、アルコール中毒、麻薬中毒、SM、快楽殺人、破滅願望、不死願望、狂信的排他主義、ナルシズム、度を越えた趣味といったものになります。
これらは基本的な8つの欲求に含まれるものですが、一般的な方向性から大きく外れたものをひとつだけ切り出すことが、キャラクターの演出を強力にサポートしてくれるでしょう。
偏執欲求は最上位の欲求として扱います。偏執欲求へのバーストが発生した場合、偏執欲求は出目19、18と範囲を広げていきます。
偏執欲求は「任意の欲求が低下する」と記述された要因の対象にならず、マスターとの間で定めた手段でしか解消できません。バーストが発生して他の欲求へのバイパスができれば、転化することは可能です。
- む、作成時の初期欲求値を書くのを忘れてるな。
作成時は10回内発欲求ロールをします。 -- (なゆた) 2009-10-10 02:17:07