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ストーム・ブルーOX

StormBroo-OX-狂いし半混沌の戦士-

1.神話と歴史

 ストーム・ブルは偉大なる反混沌の戦士である。その信者達にとっては、混沌を打ち倒すことに命をかけ、混沌を地に叩き伏せるときが至上の快楽であった。

 大閉鎖の前、忘神群島がまだ陸続きであった頃、そこにプリューヴ沼沢地という、混沌の湧きだす土地があった。ストームブル信者達はプラックスからぞくぞくと押し寄せ、プリューヴ沼沢地を見下ろす山の中腹に中程度の寺院を建設し、混沌との果てしない戦いを繰り広げ続けた。
 930年、大閉鎖が起こり、スロントスをありとあらゆる自然災害が襲った。大地は沈み、プリューヴも孤島として取り残された。彼らは船を造り、故郷を訪れようと試みた。しかし、あるものは行方が知れず、あるものは霧の中に船を進めたものの、何故か戻ってしまい、外部の様子はわからずじまいであった。
 他のカルトの民は困惑し、互いに罵り合い、混迷を極めた。しかしそのただなか、ストーム・ブルの信徒たちには、為すべき仕事があった。この地の混沌は無尽蔵に思えた。島となったプリューヴを這廻する混沌の生物達を屠り、戦士を作るために子を為し、満足のいく人生を送ることができた。
 必然的に、プリューヴ島ではストーム・ブルが中核的なカルトとなり、島の政治構造が安定する中で、大きな影響力を持つに至った。


 1288年、”絶滅者”ヘスタント――彼は戦士としても、指導者としても素晴らしい能力の持ち主であった――が、ハイ・カーンとして就任した。
 彼の最初の功績は、8歳のときで、家に入り込んで自分の母親を凌辱したブルーを一撃の元にほふり、返す刃で母親を殺したことである。さらに、彼はブルーと母親を88の肉片に刻み、家に火を放ってさらなる災いの起こるのを防いだ。


 8年をハイ・カーンとして過ごすうちに、ヘスタントはある事実に気が付いた。
 それは恐ろしい事実であった。自分がこの地位についてから、混沌の勢力が弱まっている。――これは彼の優秀さのせいでもあった。
 このまま狩りを続けていれば、おそらく、間違いなく、確実に、この地の混沌は遠くない将来に駆逐されるであろう。
 世界から混沌を駆逐することは積年の望みであったが、いまこの地の外がどうなっているのか。もしや、我らが最後の神の僕なのではないだろうか!
 混沌と戦うことしか知らぬストーム・ブルのカルトは、混沌と戦うこと無しには伝えてゆけぬ。我らが神の教えを伝えられなくなったならば、いつの日か失われた外界への扉が開いたときに、ふたたび混沌の恐怖が宇宙を襲うだろう!


彼は苦悩し、
プリューヴの混沌の核を見定めるために、
そのただ中へと、偉大なる探索を行い、
ついに、ひとつの解決法を見いだした。

混沌を狩ることを手加減してはならぬ。
それはカルトの力を弱めることになる。
数が不足しているのなら、増やせばよい。

彼をおろかと呼ぶなかれ。
彼は確かに、―――――狂っていたのだ!

これは彼がその後に取った方法を見ても明らかであろう。
彼はブルーを捕らえ、自分の妻と娘をそれに与えたのである。


 カルトの職務をすべて司る彼が行なうのだから、事はうまく運んだ。数人の理解者達(理解しないもの達は混沌に汚され、カルトの信徒たちに狩られた)と協力し、彼は次々とブルーを造りだした。いまや彼(等)の中にある狂気ははっきりとしていた。

 さらに100年余りがたったとき、理解者はカルトの半数に達していた。他のカルトに気が付かれることなく、ストーム・ブルの怒りからも身をかわし続け、彼らは己の正体を隠し通した。
 そして大閉鎖の終わり、1580年には、カルトは完全に変貌を遂げていたのである。

 ストーム・ブルーOXのカルトは、特記されている事項以外はストーム・ブルの記述に従う。例えば葬儀は昔ながらのストームブルの方法で行われるし、死後はストーム・ブルの戦列に加わると教えている。このカルトは自分達の変容を自己弁護し、彼らはいまだにストーム・ブルの信者であると言い張る。
 実際に、入信者は自分が混沌の戦列に参加しているとは思っていない。ケダモノ・カーンは混沌を理解しつつあるものであり、オックス・カーンははっきりと認識している。

 このカルトの持つルーンは「獣」「豊饒」「闇」そして「混沌」である。ストームブルと共通するのは「獣」だけであり、死は豊饒、風は闇というように、混沌の力によって正反対のものに変わりはてている。

2.カルトの生態

 ストーム・ブルーOXは、表面上は”混沌を狩るもの”ストーム・ブルに見える。カルトの第一目的は、打ち倒すべき混沌の保存と、凌辱の狂った快感である。
 このカルトは、男性しか入信することはできない。正確には現在までに入信した女性はいたが、全員気が狂ってしまったのである。
 礼拝には必ず女性が生けにえとなる。女性に《OX礼拝》呪文がかけられ、その女性にとってもっとも神聖な所持品(カルトのシンボル、両親の形見、恋人の手紙など)だけを身につけて、牢に閉じ込められる。
 牢にはブルーが入れられ、犠牲者はその欲望の元にさらされる。この儀式でブルーに凌辱された女性は必ず妊娠し、1季後に出産する。
 前回の儀式で妊娠した生けにえは、この儀式の終了間際にブルーを産み落とす。信者達はいっせいに各々の剣でブルーを切り刻み、混沌の撲滅と、異常な性欲に酔いしれる。
 信者達には前々回までの儀式で使われた生けにえが与えられ、儀式は大乱行になる。もし可能なら、自分の妻を連れてきてもよい。このとき行われた性交は必ず妊娠をもたらす。

 OXの信者はストーム・ブルのカルトにとけ込んでいる。彼らはストーム・ブルに寄生するすべを知っている。サテロ下位カルトの教える<混沌隠藪>技能によって、発見されることはなくなるのである。

 聖日は各季の「混乱の週/神の日(7日)」である。カルトの大聖祝日は聖祝期の1日。マリア、セッドと同じ日である。しかし彼らはストーム・ブルの礼拝に参加することで、これを代替することができる!

3.世界におけるカルト

 ストーム・ブルーOXは忘神群島のプリューヴ島に唯一の中寺院を持つ。数は少ないが、ケタエラを中心に社がいくつか存在する。
 ストーム・ブルーOXはストーム・ブルと同じ階級制度を持つ。
 カルトの中心はただひとつの忘神群島の寺院である。しかし、信者達は、ストーム・ブルの聖地を心から崇めている。

 混沌と闘うことで、混沌に汚されたストーム・ブルの信徒たちは、苦悩の末、このカルトを見出すことがある。彼らの自己を肯定しようという心の隙にストーム・ブルーOXの教義は甘く忍び寄ってくる。
 ストーム・ブルの熱心な信徒ほど、その純粋さと混沌への破壊欲ゆえに、ストーム・ブルーOXに帰依しやすい。混沌に汚染されたストーム・ブルの信徒やカーンは、己の<混沌感知>の技能に、勧誘するOX信徒の<混沌隠蔽>を加算して半分にした確立で、ストーム・ブルーOXの信徒として第二の人生を歩みだす。

4.ケダモノ(入信者)

 入信者はできるかぎり結婚するようにつとめなくてはならない。複数妻を持つことも許される。できる限り男子を生むことが望まれ、女子ならば15歳まで育ててカルトに奉納するのが望まれる。妻が2人目の男子を生んだら、必ず妻をカルトに捧げなくてはならない。多くの妻を持ち、幾度も捧げた入信者ほどカルト内での地位は上がる。他部族より略奪した女性をカルトに捧げることも奨励されている。

必要条件:

 ストーム・ブルの入信者は、OXカルトの存在意義を理解するだけでよい。POWを捧げることなしに、ストーム・ブルーOXの信者となれる。そのほかの場合は通常と同じ。

必要な技能:

 <攻撃><受け><娼妓><忍び足><隠れ>。

注記:

 入信者は<混沌隠藪>の技能を得る。

精霊魔術:

 《敵の検知》《呪払》《熱狂》《治癒》《防護》。

神聖魔術:

 《恍惚の極み》《精神結合》。

ストーム・ブルーOX特殊技能

<混沌隠藪> Conceal Chaos  知識分野(00%)

 この技能を使えるのはストーム・ブルーOXの信者だけである。この技能の成功率は[ 05+知識分野修正値 ]か、<混沌感知>の技能のどちらか高い方から始まり、訓練か研究でしか上達しない。
 この技能は能動的なものではなく、一般に技能ロールは行わない。<混沌隠藪>を得た時点で<混沌感知>の能力は失われる。
 この技能の保有者はこの技能によって、ストーム・ブルからのあらゆる検知から保護される。ストーム・ブルーOXはストーム・ブルを熟知しているのである。<混沌感知>は<混沌隠藪>の成功率をペナルティーとして受ける。しかし、ブルOXの信者だというだけでは<混沌感知>には反応しない。術者がなんらかの原因で混沌に直接身を投じた場合には役にたつ。
 《隔離》《神託》《霊視》などの正体が露見する可能性のある呪文は、呪文の強度1ポイントあたり、10%の確立で真実を告げる。しかしこの確立からも<混沌隠藪>の成功率は差し引くことができる。
 この技能はストーム・ブル以外からの検知を妨害することはできない。例えば、ランカー・マイに《自白》や《読心》を使われた場合などは、効果を持たないのである。
 混沌であるとの嫌疑をかけられたとき、入信者は<雄弁>または<言いくるめ>にこの技能を加算して自己弁護できる。そして彼は自分が混沌ではないと信じて疑わず、相手は信徒の確信に満ちた物言いと、混沌への憎悪を懇々と語られることによって、彼を信用することになるだろう。そして確かに、混沌退治を行うときに、彼は役に立つ仲間でもある!

5.ケダモノ・カーン(司祭)

 ケダモノ・カーンはカルトを指揮し、礼拝を執り行うものたちである。
 ケダモノ・カーンは<混沌隠藪>の特殊な使い方を学ぶことができる。カーンはこの技能ロールに成功することによって、ストーム・ブルの友好カルトをも騙しおおせるのである。これによって、カーンはストーム・ブルの友好カルトから、精霊呪文や神聖呪文を取得することができるようになる。このロールは正体が判明する可能性のある呪文ひとつにつき1回行わなくてはならない。相手の検知呪文1ポイントにつき10%成功率が低下する。

必要条件:

 ケダモノを1年以上やっていること。8人の妻と1人の娘を捧げ、1人の息子を持っていること。
 <主武器>技能が90%以上であり、《惑い》を知っており、さらに次の技能のうち4つが90%以上であること。<第二武器攻撃><盾受け><忍び足><隠れ><娼妓><拷問><混沌隠藪>。

注記:

 ケダモノ・カーンは時間と収入の90%をカルトに捧げなければならないが、彼らがカルトを治めているのであるから、適当と思われる範囲で時間も金も使って構わない。

一般神聖呪文:

 すべて。

特殊神聖呪文:

 《OX礼拝》《召喚(正気精霊)》《恍惚の極み》。

《OX礼拝》 3ポイント/儀式/浄化/再使用化

 この呪文は礼拝を行うときに、生けにえに対して投射する。これによって、生けにえは必ず妊娠する。また、そのとき行われた礼拝に参加した女性は全員妊娠する。

《召喚(正気精霊)》 1ポイント/儀式/召喚/再使用化

 正気精霊 INT:3D6 POW:2D6+12
 この精霊は精霊戦闘に勝った場合、対象の感情ひとつを永遠に取り去ることができる。この呪文の主目的は、発狂のみが救いとなった生けにえの女性に対して投射することである。

《恍惚の極み》 2ポイント/性行為/特殊/再使用化

 この呪文もいやがらせのためだけに存在する。

6.オックス・カーン(大司祭)

 オックス・カーンは、全てのカーンの上に立つものである。複数いても構わないが、その場合、地位は年季順になる。
 彼らは始祖混沌より提供される《混沌の諸相》呪文でブルーになることによって、儀式に自ら参加することができるようになる。儀式が成功したならば、彼は1年の間、老化しなくなり、神聖介入を1D10で行えるようになる。
 1年後にはふたつの特典は失われ、再び完全な儀式が必要とされる。
 ブルーとなったオックス・カーンは、極力自分の正体を隠そうとする。もし隠しきれない外見を持つことになったならば、神聖介入を用いて、能力を打ち消さなくてはならない。

必要条件:

 ケダモノ・カーンを8年やっていること。1人の息子を入信させていること。

7.下位カルト

 以下の3つの英雄カルトは、本来、下位カルトと呼べるものではない。ストーム・ブルーOXのカルトはこの3つのカルトの融合体であり、どれを失っても成立しない。下位カルトの増加はカルトの発展の経緯でもある。
 入信者はすべての下位カルトに属すると考えられ、すべての技能、魔術、特典を享受できる。

”絶滅者”ヘスタント

 カルトの創始者であり、混沌の必要性を悟ったヘスタントは、幾度もの儀式と、自らが8人の息子と80人の娘を為したことによって、豊饒の力の秘密を解きあかした。
 彼は信者に《OX礼拝》《恍惚の極み》を提供する。

精霊魔術:《消沈》。

ファーストオックス

 彼は最初のオックス・カーンである。彼は、彼の時代にはまだ残っていた本来のストーム・ブルの信者たちを捕らえ、去勢し、無力化した。そして、混沌の溢れ出る沼にその死体を敷き詰めながら踏み込んでゆき、沼の底から「隠されし狂気の秘密」をカルトにもたらした。
 この下位カルトは《召喚(正気精霊)》をカーンに再使用化で提供する。
 正気精霊はストーム・ブルーOXの復讐精霊でもある。この場合の復讐の主な目的は、犠牲者が子を為す熱情を失う(○○○になる)ことである。

精霊魔術:《惑い》。

サテロ・ザ・ダークウェアラー

 彼は大閉鎖が終わった直後に、プラックスに渡り、初めて他のストーム・ブル信者と接触したカーンである。
 彼は自分を混沌と称して迫り来るストーム・ブルの信者とカーン達から、逃げ回り、隠れ、欺き続けた。そして執拗に彼らをつけまわし、必ず背後から打ち倒した。
 80人の入信者と8人のストーム・カーンを引き裂き、その血を塗り込んだ彼の全身が黒く染まりきったとき、彼の正体を看破するものはいなくなった。
 彼はカルトの入信者に<混沌隠藪>を教えている。

精霊魔術:《鋭刃》《暗闇の壁》《静寂》。


8.友好カルト

 混沌のカルトでありながら、混沌を忌み嫌うストーム・ブルーOXには友好カルトはない。しかし、ケダモノ・カーンは<混沌隠藪>をもちいることによって、ストーム・ブルの友好カルト全てを利用できる。
 ストーム・ブルーOXにとって、潜在的にはどの混沌カルトも友好であるといえる。オックス・カーンはこのカルトの秘密に気づいており、以下のカルトと神聖呪文をを利用できる。

始祖混沌:

《混沌の諸相》を1回限りで提供する。

マリア:

《悪寒の感染》を再使用化で提供する。また、信者達は病気の感染から保護されている。

セッド:

《混沌の卵》を1回限りで提供する。


1993/10/27 Writed by Nayuta
2001/07/22 一部補間
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