MP3(エムピースリー、MPEG-1 Audio Layer-3)はデジタル化された音声を圧縮する音声ファイルフォーマットのひとつ。コンパクトディスクなどのPCM音声を、通常の鑑賞に堪える範囲で元データの約1/10まで圧縮することができる。

"MPEG-1 Audio Layer-3"の仕様はISO 11172-3で規格化されている。

本来、MP3は"MPEG-1 Audio Layer-3"の略称であったが、現在では"MPEG-2 AudioBC (MPEG-2 Audio Layer-3)"と"MPEG-2.5 Audio Layer-3"も含んだ総称となっていることに注意が必要である。

MP3の特徴


MP3は、音声データを極端な音質の劣化を伴わずに圧縮できるため、CDなどの音源媒体からパーソナルコンピュータのハードディスクドライブに取り込む過程で広く普及した。ファイルの拡張子は「.mp3」。

MP3が広く普及した要因として無料のエンコーダ・デコーダソフトウェアが入手可能なことがある。1998年以降にドイツのFraunhofer-Gesellschaft社とフランスのThomson社がライセンスの保有を主張している。しかし、LAMEなどの無料のエンコーダ、Windows Media Playerなどの無料の再生ソフトウェアが入手できたため、普及を妨げることはなかった。

現在はMP3より圧縮率に優れた後発の標準規格AACがiTunes・iPod・着うたで使われるようになっているが、MP3を置き換えるには至っていない。また、同様にMP3の代替を目的とした後発規格WMA・Ogg Vorbisなどのコーデックも、MP3のシェアにはまだまだ及ばないのが現状である。
最終更新:2007年08月19日 18:43