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第十一章




11.
あいつが死んでから、もう一週間が過ぎた。
俺はなんだか学校に行くのがだるくなって、しばらく休んでしまっている。
親もその辺りは分かってくれているのか、俺が学校を休むことには何も言わなかった。
だからといって特にやることも無いのでただ毎日ぶらぶらとしている。
そうしていると、いつもの公園が見えた。
俺はなんとなく公園に入った。ここに来れば誰かに会える気がしたからだった。
けれど、今はまだ2時、皆はまだ授業を受けている頃だ。
仕方がないのでベンチに座りポケットからタバコを取り出し火をつけた。
そういえばここで桐嶋と会ったこともあったな。ふと、4月のことを思い出した。
俺は何も知らずにただふざけていただけだったけど、アイツはこれからどうするか迷ってたんだな。
そう思うと急にタバコが苦くなった。そして何も気づいてやれなかった自分を情けなく思った。
「桐嶋、こんな俺でも何か役に立ったか?」
俺は一人で呟いてみた。けれど、返事はもう2度と返っては来ない・・・。そしてもう一度俺は呟いた。
「桐嶋、お前はずっと俺の心の中から消えそうに無いよ・・・」
空にはあの日と同じように夕焼けが射していた。

ふと、夕焼けの中に桐嶋の笑った顔が見えたような気がした。


その日、俺は夢を見た。
桐嶋の夢を。
夢の中でアイツは寂しそうな笑顔で笑っていた。
「ごめんね」
なにが?
「色々」
謝るのはこっちだ。
「そうかな、はは」
やっといつもの桐嶋の笑顔に戻った。
そうか、お前は大丈夫なんだな。
「うん、大丈夫」
なら、俺も大丈夫だと思う。
「それ聞いて安心した」
ははは
「あはは、じゃまたね、アキラ」
・・・ああ。またな。
「あと、沙紀のことも少しは思い出しなよ」
沙記?岩城の事?
「そう、じゃあね、バイバイ」


目が覚めると俺は泣いていた。でも、桐嶋はもう大丈夫そうだな。
何だか安心している自分がいる。この調子なら大丈夫。
でも・・・忘れてやらない事にした。




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