刑事訴訟法


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刑事訴訟法(けいじそしょうほう)

  • 昭和二十三年七月十日法律第百三十一号
  • 最終改正:平成一九年六月二七日法律第九五号
  • 最終改正までの未施行法令:平成十六年五月二十八日法律第六十二号(一部未施行)、平成十九年五月二十三日法律第五十四号(未施行)、平成十九年五月三十日法律第六十号(未施行)、平成十九年六月二十七日法律第九十五号(一部未施行)


目次


第一編 総則(第一条)

第一条
この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。


第一章 裁判所の管轄

第二章 裁判所職員の除斥及び忌避

第二十条
裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。
一 裁判官が被害者であるとき。
二 裁判官が被告人又は被害者の親族であるとき、又はあつたとき。
三 裁判官が被告人又は被害者の法定代理人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
四 裁判官が事件について証人又は鑑定人となつたとき。
五 裁判官が事件について被告人の代理人、弁護人又は補佐人となつたとき。
六 裁判官が事件について検察官又は司法警察員の職務を行つたとき。
七 裁判官が事件について第二百六十六条第二号の決定、略式命令、前審の裁判、第三百九十八条乃至第四百条、第四百十二条若しくは第四百十三条の規定により差し戻し、若しくは移送された場合における原判決又はこれらの裁判の基礎となつた取調べに関与したとき。ただし、受訴裁判官として関与した場合は、この限りでない。


第二十一条
  1. 裁判官が職務の執行から除斥されるべきとき、又は不公平な裁判をする虞があるときは、検察官又は被告人は、これを忌避することができる。

第三章 訴訟能力

第四章 弁護及び補佐

第三十条
  1. 被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。


第三十六条
被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。


第三十七条
左の場合に被告人に弁護人がないときは、裁判所は、職権で弁護人を附することができる。
一 被告人が未成年であるとき。
二 被告人が年齢七十年以上の者であるとき。
三 被告人が耳の聞えない者又は口のきけない者であるとき。
四 被告人が心神喪失者又は心神耗弱者である疑があるとき。
五 その他必要と認めるとき。


第三十九条
  1. 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
  2. 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。


第五章 裁判

第四十三条
  1. 判決は、この法律に特別の定のある場合を除いては、口頭弁論に基いてこれをしなければならない。


第六章 書類及び送達

第五十三条
  1. 何人も、被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる。但し、訴訟記録の保存又は裁判所若しくは検察庁の事務に支障のあるときは、この限りでない。

第七章 期間

第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留

第五十七条
裁判所は、裁判所の規則で定める相当の猶予期間を置いて、被告人を召喚することができる。


第五十八条
裁判所は、次の場合には、被告人を勾引することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が、正当な理由がなく、召喚に応じないとき、又は応じないおそれがあるとき。


第五十九条
勾引した被告人は、裁判所に引致した時から二十四時間以内にこれを釈放しなければならない。但し、その時間内に勾留状が発せられたときは、この限りでない。


第六十条
  1. 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
    一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
    二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
    三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
  2. 勾留の期間は、公訴の提起があつた日から二箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、一箇月ごとにこれを更新することができる。但し、第八十九条第一号、第三号、第四号又は第六号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。


第六十一条
被告人の勾留は、被告人に対し被告事件を告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ、これをすることができない。但し、被告人が逃亡した場合は、この限りでない。


第六十二条
被告人の召喚、勾引又は勾留は、召喚状、勾引状又は勾留状を発してこれをしなければならない。


第六十八条
裁判所は、必要があるときは、指定の場所に被告人の出頭又は同行を命ずることができる。被告人が正当な理由がなくこれに応じないときは、その場所に勾引することができる。この場合には、第五十九条の期間は、被告人をその場所に引致した時からこれを起算する。


第七十三条
  1. 勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、前二項の規定にかかわらず、被告人に対し公訴事実の要旨及び令状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。但し、令状は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。


第七十六条
  1. 被告人を勾引したときは、直ちに被告人に対し、公訴事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨並びに貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。但し、被告人に弁護人があるときは、公訴事実の要旨を告げれば足りる。

第八十七条
  1. 勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消さなければならない。


第八十八条
  1. 勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。


第九十条
裁判所は、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。


第九十五条
裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。


第九章 押収及び捜索

第百二条
  1. 裁判所は、必要があるときは、被告人の身体、物又は住居その他の場所に就き、捜索をすることができる。
  2. 被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。


第百十条
差押状又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。


第百十一条
  1. 差押状又は捜索状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。公判廷で差押又は捜索をする場合も、同様である。
  2. 前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。


第百十四条
  1. 公務所内で差押状又は捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代るべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。
  2. 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看取する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状又は捜索状の執行をするときは、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代るべき者をこれに立ち会わせなければならない。これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。


第百十九条
捜索をした場合において証拠物又は没収すべきものがないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。


第百二十条
押収をした場合には、その目録を作り、所有者、所持者若しくは保管者又はこれらの者に代るべき者に、これを交付しなければならない。

第十章 検証

第十一章 証人尋問

第百五十七条
  1. 検察官、被告人又は弁護人は、証人の尋問に立ち会うことができる。
  2. 第一項に規定する者は、証人の尋問に立ち会つたときは、裁判長に告げて、その証人を尋問することができる。

第十二章 鑑定

第十三章 通訳及び翻訳

第十四章 証拠保全

第百七十九条
  1. 被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。

第十五章 訴訟費用

第十六章 費用の補償

第二編 第一審

第一章 捜査

第百八十九条
  1. 警察官は、それぞれ、他の法律又は国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会の定めるところにより、司法警察職員として職務を行う。
  2. 司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。


第百九十一条
  1. 検察官は、必要と認めるときは、自ら犯罪を捜査することができる。


第百九十二条
検察官と都道府県公安委員会及び司法警察職員とは、捜査に関し、互に協力しなければならない。


第百九十三条
  1. 検察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、その捜査に関し、必要な一般的指示をすることができる。この場合における指示は、捜査を適正にし、その他公訴の遂行を全うするために必要な事項に関する一般的な準則を定めることによつて行うものとする。
  2. 検察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、捜査の協力を求めるため必要な一般的指揮をすることができる。
  3. 検察官は、自ら犯罪を捜査する場合において必要があるときは、司法警察職員を指揮して捜査の補助をさせることができる。


第百九十七条
  1. 捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。


第百九十八条
  1. 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
  2. 前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。
  3. 被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。
  4. 前項の調書は、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤がないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立をしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。
  5. 被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。但し、これを拒絶した場合は、この限りでない。


第百九十九条
  1. 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
  2. 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。


第二百条
  1. 逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき官公署その他の場所、有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。


第二百一条
  1. 逮捕状により被疑者を逮捕するには、逮捕状を被疑者に示さなければならない。
  2. 第七十三条第三項の規定は、逮捕状により被疑者を逮捕する場合にこれを準用する。


第二百二条
検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、検察事務官はこれを検察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。


第二百三条
  1. 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
  2. 前項の場合において、被疑者に弁護人の有無を尋ね、弁護人があるときは、弁護人を選任することができる旨は、これを告げることを要しない。


第二百四条
  1. 検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者(前条の規定により送致された被疑者を除く。)を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。但し、その時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。
  2. 第一項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。


第二百五条
  1. 検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
  2. 前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。
  3. 第一項及び第二項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。


第二百七条
  1. 前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。
  2. 裁判官は、第一項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。ただし、勾留の理由がないと認めるとき、及び前条第二項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。


第二百八条
  1. 前条の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
  2. 裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。


第二百八条の二
裁判官は、刑法第二編第二章乃至第四章又は第八章の罪にあたる事件については、検察官の請求により、前条第二項の規定により延長された期間を更に延長することができる。この期間の延長は、通じて五日を超えることができない。


第二百十条
  1. 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
  2. 第二百条の規定は、前項の逮捕状についてこれを準用する。


第二百十一条
前条の規定により被疑者が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。


第二百十二条
  1. 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
  2. 左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
    一 犯人として追呼されているとき。
    二 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の者を所持しているとき。
    三 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
    四 誰何されて逃走しようとするとき。


第二百十四条
検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。


第二百十五条
  1. 司法巡査は、現行犯人を受け取つたときは、速やかにこれを司法警察員に引致しなければならない。


第二百十六条
現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。


第二百十七条
三十万円(刑法暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の現行犯については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り、第二百十三条から前条までの規定を適用する。


第二百十八条
  1. 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押、捜索又は検証をすることができる。この場合において身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。


第二百十九条
  1. 前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、身体若しくは物、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押、捜索又は検証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。


第二百二十条
  1. 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第百九十九条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。第二百十条の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様である。
    一 人の住居又は人の看取する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の捜索をすること。
    二 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること。


第二百二十二条
  1. 第九十九条、第百条、第百二条乃至第百五条、第百十条乃至第百十二条、第百十四条、第百十五条及び第百十八条乃至第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条乃至第百四十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証についてこれを準用する。但し、司法巡査は、第百二十二条乃至第百二十四条に規定する処分をすることができない。


第二百二十三条
  1. 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。
  2. 第百九十八条第一項但書及び第三項乃至第五項の規定は、前項の場合にこれを準用する。


第二百二十六条
犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が、第二百二十三条第一項の規定による取調に対して、出頭又は供述を拒んだ場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。


第二百二十七条
  1. 第二百二十三条第一項の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して任意の供述をした者が、公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。


第二百二十八条
  1. 前二条の請求を受けた裁判官は、証人の尋問に関し、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。


第二百三十条
犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。


第二百三十九条
  1. 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。


第二百四十二条
司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。


第二百四十五条
第二百四十一条及び第二百四十二条の規定は、自首についてこれを準用する。


第二百四十六条
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。


第二章 公訴

第二百四十七条
公訴は、検察官がこれを行う。


第二百四十八条
犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。


第二百五十条
時効は、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年


第二百五十三条
  1. 時効は、犯罪行為が終つた時から進行する。


第二百五十六条
  1. 公訴の提起は、起訴状を提出してこれをしなければならない。
  2. 起訴状には、左の事項を記載しなければならない。
    一 被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
    二 公訴事実
    三 罪名
  3. 公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない。
  4. 起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。


第二百六十条
検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも、同様である。


第二百六十一条
検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について公訴を提起しない処分をした場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならない。


第三章 公判

第一節 公判準備及び公判手続

第二百七十三条
  1. 公判期日には、被告人を召喚しなければならない。


第二百七十四条
裁判所の構内にいる被告人に対し公判期日を通知したときは、召喚状の送達があつた場合と同一の効力を有する。


第二百七十六条
  1. 裁判所は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公判期日を変更することができる。


第二百八十条
  1. 第百九十九条若しくは第二百十条の規定により逮捕され、又は現行犯人として逮捕された被疑者でまだ勾留されていないものについて第二百四条又は第二百五条の時間の制限内に公訴の提起があつた場合には、裁判官は、速やかに、被告事件を告げ、これに関する陳述を聴き、勾留状を発しないときは、直ちにその釈放を命じなければならない。


第二百八十八条
  1. 裁判長は、被告人を在廷させるため、又は法廷の秩序を維持するため相当な処分をすることができる。


第二百八十九条
  1. 死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮にあたる事件を審理する場合には、弁護人がなければ開廷することはできない。
  2. 弁護人がなければ開廷することができない場合において、弁護人が出頭しないとき若しくは在廷しなくなつたとき、又は弁護人がないときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。


第二百九十一条
  1. 検察官は、まず、起訴状を朗読しなければならない。
  2. 裁判長は、起訴状の朗読が終つた後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。


第二百九十二条
証拠調べは、第二百九十一条の手続が終つた後、これを行う。ただし、次節第一款に定める公判前整理手続において争点及び証拠の整理のために行う手続については、この限りでない。


第二百九十三条
  1. 証拠調が終つた後、検察官は、事実及び法律の適用について意見を陳述しなければならない。
  2. 被告人及び弁護人は、意見を陳述することができる。


第二百九十四条
公判期日における訴訟の指揮は、裁判長がこれを行う。


第二百九十六条
証拠調のはじめに、検察官は、証拠により証明すべき事実を明らかにしなければならない。但し、証拠とすることができず、又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べることはできない。


第二百九十八条
  1. 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。


第二百九十九条
  1. 検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。但し、相手方に異議のないときは、この限りでない。


第三百条
第三百二十一条第一項第二号後段の規定により証拠とすることができる書面については、検察官は、必ずその取調を請求しなければならない。


第三百一条
第三百二十二条及び第三百二十四条第一項の規定により証拠とすることができる被告人の供述が自白である場合には、犯罪事実に関する他の証拠が取り調べられた後でなければ、その取調を請求することはできない。


第三百四条
  1. 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人は、裁判長又は陪席の裁判官が、まず、これを尋問する。


第三百五条
  1. 検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠書類の取調をするについては、裁判長は、その取調を請求した者にこれを朗読させなければならない。但し、裁判長は、自らこれを朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを朗読させることができる。


第三百九条
  1. 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる。
  2. 裁判所は、前二項の申立について決定をしなければならない。


第三百十一条
  1. 被告人が任意に供述をする場合には、裁判長は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。
  2. 陪席の裁判官、検察官、弁護人、共同被告人又はその弁護人は、裁判長に告げて、前項の供述を求めることができる。


第三百十二条
  1. 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
  2. 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。


第三百十三条
  1. 裁判所は、適当と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、決定を以て、弁論を分離し若しくは併合し、又は終結した弁論を再開することができる。


第一節の二 争点及び証拠の整理手続

第二節 証拠

第三百二十一条
  1. 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
    二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異つた供述をしたとき。但し、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。

第三百二十二条
  1. 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第三百十九条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
  2. 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。


第三百二十四条
  1. 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人の供述をその内容とするものについては、第三百二十二条の規定を準用する。
  2. 被告人以外の者の公判準備又は公判期日における供述で被告人以外の者の供述をその内容とするものについては、第三百二十一条第一項第三号の規定を準用する。


第三節 公判の裁判

第三百二十九条
被告事件が裁判所の管轄に属しないときは、判決で管轄違の言渡をしなければならない。但し、第二百六十六条第二号の規定により地方裁判所の審判に付された事件については、管轄違の言渡をすることはできない。


第三百三十七条
左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。
一 確定判決を経たとき。
二 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。
三 大赦があつたとき。
四 時効が完成したとき。


第三百三十八条
左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。
一 被告人に対して裁判権を有しないとき。
二 第三百四十条の規定に違反して公訴が提起されたとき。
三 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。
四 公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。


第三百三十九条
  1. 左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。
    一 第二百七十一条第二項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。
    二 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。
    三 公訴が取り消されたとき。
    四 被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなつたとき。
    五 第十条又は第十一条の規定により審判してはならないとき。


第三編 上訴

第一章 通則

第二章 控訴

第三百七十七条
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの十分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。
一 法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。
二 法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
三 審判の公開に関する規定に違反したこと。


第三章 上告

第四章 抗告

第四編 再審

第五編 非常上告

第六編 略式手続

第七編 裁判の執行

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