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「第28回九鼎会九州漢方合宿研究発表「傷寒と温病」総評」(2007/12/06 (木) 22:55:40) の最新版変更点
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*温病と傷寒どちらが速く診断できるか
-傷寒の方が速い
--傷寒の邪:寒邪のみ
--温病の邪:風熱の邪と湿熱の邪
-温病の邪と弁証
--風熱の邪→衛気営血弁証(呉又可『温疫論』)
---進行が速い
--湿熱の邪→三焦弁証(呉鞠通『温病条弁』)
---進行が遅い
---湿を伴ってびまん性に広がるので、経絡ではなく広がりを持った三焦で分析
*温病と傷寒は別物か
-温病は傷寒の“付けたし”
--『傷寒論』の研究グループが温病を作った
--他の『傷寒論』研究者には温病を認めていない者もいた
-「麻杏甘石湯論争」
--『傷寒論』の処方だが、温病学派もよく使う
---傷寒:風寒の邪が熱化して肺に陥ったとき
---温病:肺に熱邪が入ったとき
--傷寒学派の意見:「温病の気分証は風寒の邪が肺に陥ったもの=つまり傷寒の一種である」
---あえて桑菊飲など作らずとも、麻杏甘石湯でよい
--論争は200年ほど続き、結局麻杏甘石湯だけでは足りないという結論に
*発病に季節は重要か
-非常に重要
--中国では、ここ1000年は運気論が急性発熱性疾患の分析に欠かせない概念とされている
--温病学派は特に運気論を用いた天候の異常と生体活動の分析をしている
-現代中医学理論は全て運気論に帰着する
*邪の種類による分析および治法と邪の対応について
-呉鞠通『温病条弁』では邪ごとに分析
--主要な邪は風熱と湿熱の二種類
--他の邪はそこまで致死的ではない
*インフルエンザのあとに白血病になるか
-医学的にあり得ない
--Pseudoleukemic reaction(偽白血病様反応)のことではないか
---急性感染症で白血球が急増→末梢血中に幼若白血球が出現
*温病としてのSARSについて
-SARSに漢方は非常に有効
--北京の傷寒学派は治せなかった
--広東中医学院の鄧鉄涛教授(温病学派)が温病として治療、治療成績がよかった
-WHOが視察に来た
--あまりに複雑な方法論と多彩な用薬により、世界中には広められないという結論に達する
--報告書だけ出して帰る
*どういうときに温病を考えるか
-通常日本で見られるようなカゼは傷寒でも温病でもないだろう
--『傷寒論』序文には「200人いた親戚が3分の2減った」と記載
--欧州で大流行したペストでも死亡率は3分の1
--衛気営血弁証でも、短期間で出血して死に至る場合を想定している
-現代のカゼによく使う処方
--香蘇散:“どちらかといえば傷寒”(少しだけ解表)
--十味敗毒湯:反応は強くない
-傷寒を思わせる症候
--発熱期に至るまでの悪寒期が長い
--冬場
-温病を思わせる症候
--最初から熱感が強い
--のどが赤く腫れている
----
(編集者:宮崎大学)
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*温病と傷寒どちらが速く診断できるか
-傷寒の方が速い
--傷寒の邪:寒邪のみ
--温病の邪:風熱の邪と湿熱の邪
-温病の邪と弁証
--風熱の邪→衛気営血弁証(呉又可『温疫論』)
---進行が速い
--湿熱の邪→三焦弁証(呉鞠通『温病条弁』)
---進行が遅い
---湿を伴ってびまん性に広がるので、経絡ではなく広がりを持った三焦で分析
*温病と傷寒は別物か
-温病は傷寒の“付けたし”
--『傷寒論』の研究グループが温病を作った
--他の『傷寒論』研究者には温病を認めていない者もいた
-「麻杏甘石湯論争」
--『傷寒論』の処方だが、温病学派もよく使う
---傷寒:風寒の邪が熱化して肺に陥ったとき
---温病:肺に熱邪が入ったとき
--傷寒学派の意見:「温病の気分証は風寒の邪が肺に陥ったもの=つまり傷寒の一種である」
---あえて桑菊飲など作らずとも、麻杏甘石湯でよい
--論争は200年ほど続き、結局麻杏甘石湯だけでは足りないという結論に
*発病に季節は重要か
-非常に重要
--中国では、ここ1000年は運気論が急性発熱性疾患の分析に欠かせない概念とされている
--温病学派は特に運気論を用いた天候の異常と生体活動の分析をしている
-現代中医学理論は全て運気論に帰着する
*邪の種類による分析および治法と邪の対応について
-呉鞠通『温病条弁』では邪ごとに分析
--主要な邪は風熱と湿熱の二種類
--他の邪はそこまで致死的ではない
*インフルエンザのあとに白血病になるか
-医学的にあり得ない
--Pseudoleukemic reaction(偽白血病様反応)のことではないか
---急性感染症で白血球が急増→末梢血中に幼若白血球が出現
*温病としてのSARSについて
-SARSに漢方は非常に有効
--北京の傷寒学派は治せなかった
--広東中医学院の鄧鉄涛教授(温病学派)が温病として治療、治療成績がよかった
-WHOが視察に来た
--あまりに複雑な方法論と多彩な用薬により、世界中には広められないという結論に達し、報告書だけ出して帰る
*どういうときに温病を考えるか
-通常日本で見られるようなカゼは傷寒でも温病でもないだろう
--『傷寒論』序文には「200人いた親戚が3分の2減った」と記載
---欧州で大流行したペストでも死亡率は3分の1
--衛気営血弁証でも、短期間で出血して死に至る場合を想定している
-現代のカゼによく使う処方
--香蘇散:“どちらかといえば傷寒”(少しだけ解表)
--十味敗毒湯:薬の反応はそれほど強くない
-傷寒を思わせる症候
--発熱期に至るまでの悪寒期が長い
--冬場
-温病を思わせる症候
--最初から熱感が強い
--のどが赤く腫れている
----
(編集者:宮崎大学)
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