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病因病邪弁証
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kuteikai
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病因病邪弁証(びょういんびょうじゃべんしょう)とは、四診によって集められた情報を整理するための弁証の一つであり、八綱弁証において内傷病と判断された病態について行う内傷病弁証の下位区分である。病因病邪弁証では、生活での問題、外邪の襲撃、内邪の発生などから、疾病の原因を整理する。疾病の原因となる発病因子には外因(外邪)と内因(内邪)がある。人体の何が損傷しているか(気血津液弁証)、人体のどこが損傷しているか(臓腑弁証)など、次の弁証へのステップにもなる。
- 日常生活で考えるべき要因
- 年齢、食生活、性生活、労働、運動、睡眠
- その他に考えるべき要因
- 既存の疾病、外傷、自然条件、外邪、内邪
目次
外因
外因は外邪、六淫とも呼ばれ、風・寒・暑・湿・熱・燥の6つの外邪を指す。弁証においては、それぞれの外邪がどの程度の深さ(表裏)にあるか分けて考える。以下に外因による症候を分類して示す。
- 風(ふう)
- 表:発熱、発汗、皮膚掻痒感、軽い悪寒
- 治法:疏風解表(風邪をたたいて散らす)
- 裏:眩暈、痙攣、動く痛み
- 治法:平熄内風
- 表:発熱、発汗、皮膚掻痒感、軽い悪寒
- 寒(かん)
- 表:発熱、悪寒、無汗、身体痛
- 治法:散寒解表
- 裏:冷え、蒼白、頻尿、尿無色多量
- 治法:温裏(内側から温める)
- 表:発熱、悪寒、無汗、身体痛
- 熱(ねつ)
- 表:発熱、咽頭部の腫れや痛み
- 治法:泄熱解表
- 裏:顔面紅潮、火照り感、口渇多飲
- 治法:清熱
- 熱を激しくしたものに「火」があり、正気を損傷させやすい
- 治法→瀉火
- 表:発熱、咽頭部の腫れや痛み
- 暑(しょ)
- 表:悪熱、眩暈、口渇、倦怠感、尿黄色
- 治法:清暑解表
- 裏:発熱、大量発汗、突然の昏倒、意識障害
- 治法:泄熱開閉(内から外へ通り道を開いて熱をとばす)
- 表:悪熱、眩暈、口渇、倦怠感、尿黄色
- 湿(しつ)
- 表:むくみ、関節部が重い痛み
- 治法:宣散表湿
- 裏:体が重くだるいなどの症状
- 治法:化湿(けしつ)
- 表:むくみ、関節部が重い痛み
- 燥(そう)
- 表:発熱、無汗、口渇、空咳、鼻・のど・皮膚の乾燥
- 治法:軽宣潤燥
- 裏:口渇、空咳、鼻・のど・皮膚の乾燥、便秘、咳
- 治法:滋陰潤燥(陰の要素を補う)
- 表:発熱、無汗、口渇、空咳、鼻・のど・皮膚の乾燥
内因
内因には七情と病理産物がある。
- 七情
- 人間のもつ感情で、喜・怒・思・悲・憂・恐・驚の7種類ある。感情は度を越すと臓腑を傷めるとされ、とくに心と肝に密接に結びついている。
- 病理産物
- 身体の正常な構成成分である津液や血が変性すると、湿、痰、飲、瘀血などの病理産物が出現する。これらは一定の病態のもたらす結果であると同時に、新たな病態を引き起こす原因ともなる。
関連リンク→病因論
(編集者:宮崎大学)